これまでずっとMicrosoft(マイクロソフト)は、2015年に買収したTo DoアプリであるWnderlist(ワンダーリスト)について、自社開発のTo Doアプリで遜色のない体験を提供できるようになったときに、Wundelistを閉鎖し置き換えることを宣言してきた。米国時間12月9日、同社はついに2020年5月6日(日本時間2020年5月7日)にWunderlistを閉鎖することを発表した。この日以降、Wunderlist中の予定は同期されなくなるが、ユーザーは引き続き、マイクロソフト自身のTo Doアプリにコンテンツをインポートできる。
一部のWunderlistユーザーは失望するだろうが、公平を期するために言うなら、マイクロソフトはこの手の買収時に期待される期間よりも、はるかに長期にわたって同アプリの運営を続けてきた。そして同社は 2017年4月の段階から、アプリの将来的な閉鎖に向けて、Wunderlistユーザーのための準備を進めていたのだ。
その間マイクロソフトは、リストグループ(フォルダー)、ステップ(サブタスク)、添付ファイル、共有、タスク割り当てといった、ユーザーお気に入りの機能が、Microsoft To Doに確実に取り込まれるように作業を続けてきた。
9月には、同社はTo Doに、新しい背景、スマートリスト、そして日々の計画スマートに提案してくれる、個人デイリープランナーなどのアップグレードを追加したが、これはWunderlistの閉鎖が近づいていることを示唆していた。また、Outlook、Microsoft Planner、Cortana、Android上のMicrosoft Launcherなどのほかの自社アプリとTo Doを統合した。
このときには、Wunderlistのオリジナル開発者であるChristian Reber(クリスチャン・リーバー)氏が、TwitterでWunderlistの閉鎖への憂慮を表明し、もし可能ならアプリを買い戻すことを提案した。リーバー氏は必ずしも負け惜しみを言いたかったわけではなく、共有フォルダーやチーム間のコラボレーションといったオリジナルの構想を実現したいという希望を表明したのだ。実際には、現在リーバー氏は彼が共同創業した新しいコンテンツコラボレーションスタートアップのPitchに関与しており、Wunderlistに戻ることは実際には現実的な話とは思えなかった。
マイクロソフトは、すでにWunderlistに対する新機能のリリースが停止していることや、アプリが古くなるにつれて保守が難しくなることを理由に、Wunderlistを終了することにしたと発表している。さらに、To DoアプリをWunderlistに代わる最良の選択肢にすることに、全力を注いでいきたいと考えている。
2020年5月6日以降、Wunderlistは同期されなくなるが、その時までアプリのサポートは継続される。時間の経過とともに、終了日以降はマイクロソフトはすべてが適切に機能し続けることを保証しなくなる。同社はまた、本日の時点で、アプリの閉鎖に備えてWunderlistの新しいサインアップを受け付けなくなったと述べている。
切り替えを行うには、To DoユーザーならiOS、Android、Mac、PC、またはウェブアプリにアクセスしてWunderlistインポーターを使用することができる(インポーターへのリンクは設定の中にある)。もしその方がお好みなら、必要に応じて、WunderlistアプリからTo Doにリストをエクスポートすることもできる。
コンテンツが適切にインポートされた後は、ユーザーはTo Doに切り替えることができる。To Doは、秋のアップデートを受けてデザインがWunderlistsと似通ったものとなったが、個人用にカスタマイズされたMy Dayホーム画面などの新機能も導入されている。さらに、Microsoft Outlookの電子メールおよびPlannerタスクがTo Doに送信できるようになった。一方、「今後の予定」リストにはすべての期日が表示されるが、必要に応じて今日のタスクのみを表示するようにも設定できる。
「最初からこの旅にお付き合いしていただいている方もいらっしゃいます」とマイクロソフトは発表の中で述べている。「ユーザーである皆さまが、私たちにとってすべてです。引き続き私たちのビジョンを分かち合い、旅の次のステップへお付き合いいただけるようお願い致します。皆さまに現在のWunderlistの実現へのご助力を頂きました。私たちはTo Doに対しても同じご助力をいただけることを期待しております。お好みの機能、追加して欲しい、アップデートして欲しい機能などがございましたら、ぜひお知らせください。印刷、今後の予定、そしてダークモードなどの最新の追加機能によって、私たちが新しい機能を構築する際につねに皆さまのフィードバックを考慮に入れていることがおわかりいただけたのではないかと思います」と同社は語る。
Sensor Towerのデータによれば、2014年1月1日以降、WunderlistはiOSおよびAndroidプラットフォーム全体のインストール件数は2600万件。アプリが2015年6月1日にマイクロソフトに買収されてからのダウンロード数は約1860万回。そして、2019年にはアプリは300万人のユーザーによってインストールされたが、2018年の400万人からは減少している。
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(翻訳:sako)