ラストマイル配送用の電動自転車サプライヤーZoomo、三菱UFJイノベーション・パートナーズなどから約23億円調達

デリバリーワーカー用の実用電動自転車を作っているオーストラリアのZoomoが、この度、さらに2000万ドル(約23億円)を調達して同社のシリーズBを完了した。

2021年11月、同社は株と債務の両方で6000万ドル(約69億円)のシリーズBを調達し、ソフトウェア開発と自転車の増産に投じた。今回の追加投資により同社の調達総額は1億150万ドル(約117億円)になり、それらはすべて同社のグローバルな雇用増と、自転車の生産量増加、自転車店などのメカニクスと顧客企業の両方へのマネジメントの提供、そしてライダーのためのアプリの開発に使われる。

同社は、フォームファクターとアクセサリーを一新するZoom Oneと呼ばれる高性能な実用自転車を開発中している。

Zoomoはその電動自転車(eバイク)を、ギグワーカーに週20ドル(約2300円)、米国では30ドル(約3450円)でレンタル、料金にはサービスやサポートも含まれる。またUberEatsやDoorDashなど同社が提携しているアプリ利用のデリバリー企業に登録しているワーカーなら、安くなることもある。また同社はドミノ・ピザのような大企業顧客には、サードパーティ製のモペットを含むこともあるeバイク車隊を提供する。

Zoomoは2017年に創業。北米とアジア太平洋と、2021年加わったスペイン、フランス、ドイツなどのヨーロッパなど6カ国16都市に展開している。同社は、2021年はグローバルな売上が4倍、エンタープライズビジネスは20倍に増えたというが、「いつ」に対しての増加なのか、よくわからない。

「2021年はZoomoにとって変革の年であり、ギグワーカーに加え、企業やフリートマネージャーも当社の革新的なプラットフォームの恩恵を受けることができました。Zoomoでは、今後10年以内に、すべてのラストマイル配送が、Zoomoのエコシステムに支えられた軽電気自動車で完了する世界を見ています。私たちの投資家は、この実現に一歩近づくための手助けをしてくれるでしょう」と、Nada(ナダ)氏は声明で述べている。

今回のリード投資家はCollaborative Fundで、これに戦略的投資家として三菱UFJイノベーション・パートナーズとSG Fleet、Akuna Capital、そしてWind Venturesが参加した。戦略的投資家の参加はこれが初めてであり、さらに今後の特にラテンアメリカや日本における将来の有益なパートナーシップやイニシアチブが予想される。すでにWind Venturesはラテンアメリカ最大のエネルギーと林業企業であるCOPECのベンチャー部門であり、またMUFG Innovation Partnersは、Mitsubishi UFJ Financial GroupのOpen Innovation Strategyの企業向けVC部門だ。

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画像クレジット:Zoomo

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Hiroshi Iwatani)

ギグワーカー向け電動自転車サブスクのZoomoが12億円調達、社名もBolt Bikesから変更

ギグエコノミー業界で働く配達員向けの電動自転車プラットフォームを展開するBolt Bikes(ボルトバイクス)が社名を新たにした。またオーストラリアのClean Energy Finance Corporation(クリーンエナジーファイナンスコーポレーション)がリードするシリーズAラウンドで1100万ドル(約11億7000万円)を調達している。

本ラウンドにはHana Ventures、既存投資家のManiv MobilityとContrarian Venturesが参加し、またOneVenturesとViola Creditからのベンチャー債務が含まれる。

2017年創業のBolt Bikesはオーストラリア・シドニーを拠点とし、現在の社名はZoomo(ズーモ)だ。社名の変更は、ギグエコノミーワーカーを超えて法人クライアントや一般消費者へと拡大した顧客ベースを反映させようという意図だ。Zoomoの共同創業者でCEOのMina Nada(ミナ・ナダ)氏はTechCrunchに対し、似たような名前の他の企業と間違われることがないようにしたかった、と述べた。

「我々が2017年にBoltを立ち上げたとき、この社名はオーストラリアでは問題なかった。しかし海外に進出したとき、少なくともBoltという会社が3社あることがわかった。3社のうち2社はモビリティ業界だった」とナダ氏は説明した。オンデマンド輸送のTaxify(タキシファイ)が2020年5月に社名をBoltに変え、またBolt Mobilityという別の企業もスクーターシェアのサービスを提供している。

オーストラリア、英国、ニューヨークでサービスを展開し、間もなくロサンゼルスでも立ち上げるZoomoは、電動バイクを販売あるいはサブスクリプションで提供している。事業の主体は商業使用向けのサブスクだ。このサブスクには電動自転車、車両管理ソフトウェア、ファイナンシング、サービスが含まれ、サブスク利用者は24時間いつでも自転車を利用できる。バッテリー充電器、スマホホルダー、スマホ用USBポート、U字ロック、安全の手引きも用意されている。

Zoomoはサブスクを提供しているマーケット、つまりシドニー、ニューヨーク、英国にセールスとサービスのセンターを置いている。同社は今回調達した資金をロサンゼルスとブリスベーンへの進出、そしてニューヨーク内での事業拡大に使う計画だ。これはセールスとサービスのセンターを新たに設置することを意味する。

同社の戦略は、直接販売を加速させる一方でサブスクサービスを提供するマーケットをゆっくりと拡大するというものだ。センターを設置するためにサブスクはすばやい展開が制限されている。まとまった資本を要するサブスクサービスをゆっくりと拡大させつつ、同社は法人や個人への自転車販売で売上をのばし、地理的サービス範囲を拡大し、またブランドの認知向上も図っている。

Zoomoはまた、自転車や消費者に適した他のモデルの活用が見込める荷物配達、郵便事業、グローサリー配達といった新たな法人部門の開拓にも資金をあてる計画だ。

カテゴリー:モビリティ

タグ:Zoomo 資金調達 電動バイク 電動自転車

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(翻訳:Mizoguchi