ピザ・ハットがZumeの丸い生分解性ピザボックスをテスト中

Pizza Hut(ピザ・ハット)は米国時間10月22日の朝、Zumeの代表的なピザボックスをテスト導入する計画を発表した。現在のところ試験は非常に限定されている。実際にテストが行われるのはアリゾナ州フェニックスの1カ所のみだ。

このピザボックスは、SF Bayのスタートアップにより推進されている、多くの技術のうちの1つである。実際、私がZumeでCEOを務めるAlex Garden(アレックス・ガーデン)氏と最近話したとき、すぐにピザボックスの話になった。

「我々はインターネットを2週間検索し、異なるピザボックスを作っているパッケージ製品の会社を探したが、それほどの数は存在しなかった。またピザボックスはほとんどすべて、同じアイデアを何度も繰り返す少数の会社によって作られていた」とガーデン氏は9月に語った。「それは本当に奇妙なことだった。私たちはスタートアップでルールは存在しない。ホワイトボードにクールなピザボックスを描こう」。

出来上がったプロダクトは十分のように思える。そして、生分解されるように設計されたピザボックスが、ピザハットのような巨大チェーンに最終的に採用された場合には、また状況が異なるだろう。しかし今のところ、その試験は時間的にも範囲的にもかなり限られているようだ。同じ場所は、MorningStar(モーニングスター)による植物性ソーセージの限定版トッピングのテストにも利用されている。

おそらくどちらか、あるいは両方とも、限定的なテストから先に進むだろう。確かに、持続可能な植物性製品と生分解性のパッケージは正しい方向へのステップだ。またZumeは最近、同社のフードトラック技術を小規模なPizzaチェーンにライセンス供与すると発表した。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

ピザ宅配のZumeが植物由来プラスチックに着目してパッケージ企業を買収

ロボット活用で知られるピザ宅配のZumeが、植物由来のパッケージ資材を開発している南カリフォルニアのPivotを買収した。これに伴い、Zumeは南カリフォルニアに約2000坪の工場を開設する。

実はZumeは、2016年にサトウキビのかすの繊維から製造され利用後に堆肥になるピザボックスを導入して以来、何らかの形でパッケージ業界に関わっていたという。今回の買収で同社は、ボウル、皿、カップ、カトラリーなどにも植物由来の食器の利用を広げる。

同社は来年までに10億個のプラスチックや発泡スチロールの食器を置き換えるという高い目標を掲げている。これは立派な目標だ。食品パッケージのゴミは手に負えないほどの問題で、改善が追いつかずに状況が悪化していると見られる。

ZumeのCEOのAlex Garden氏は今回の発表に関して次のように述べている。「フードデリバリーは食品のシステムを変えている。フードデリバリーは消費者からの需要が高く、そのことが持続可能な世界をつくる力になると我々は信じている。食品パッケージは方程式の中で重要な役割を担っている。重要な消費のデータを表すだけでなく、パッケージの材料が最終処分される農場からの有用な情報にもなるからだ」。

同社は米国で工場をいくつか計画していて、今回の新しい工場がその1つ目だ。

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(翻訳:Kaori Koyama)

ソフトバンクの孫正義氏はサウジアラビアとの関係をどう説明するのか? まもなく判明

10月を通じて、SoftBankはサウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子(MBS)との良好な関係を見直す必要に迫られている。皇太子は権力の座につくとともに多額の資金を提供していたが、ジャーナリストのジャマル・カショギ氏の陰惨な殺人と死体遺棄が明るみに出るにつれ急速に負の側面が見えてきた(MBSはサウジアラビアを導いて数多くの恐怖をもたらしてきたが、バージニア州在住のWashington PostコラムニストでMBSを批判してきたカショギ氏の残酷な終末は、イエメンで数万人の子供たちが殺された事件と異なり、欧米の注目を集めることとなった)

もちろんSoftBankにとってMBSとの決別は容易な決断ではない。CEOの孫正義氏は、 今年5月に完了した1000億ドルのVision FundはMBSに支えられていると語った。事実、孫氏によるとMBSはサウジの公共投資ファンド450億ドルの提供を45分間で決定し、さらに第2のVision Fund設立のために別途450億ドルをSoftBankに出資する意志を最近表明している。

これは断るにはかなり大きな金額だ。しかし、SoftBankにとってMBSと仕事をすることの是非を再考することは理にかなった行動といえる。Financial Timesによると、SoftBank COOのMarcelo Claureは先月、SoftBankが新たなVision Fundを立ち上げるかどうか「決定していない」ことを公表した。

そして時間が過ぎた。世間の怒りの矛先は別の方に向けられつつある。そして先週の終わり、SoftBankの準備は整ったようで、一時停止ボタンから指を離し大きな契約が2件交わされた。ロボット調理のスタートアップZumeに3.75億ドルを投資し(後日さらに3.75億ドルを投資する計画が報じられた)、金曜日(米国時間11/2)にはインターネットにつながる窓ガラスに使われるガラスのメーカーであるView11億ドル投資することを発表した。

両社の経営陣とも、SoftBankと提携する方が別の資金調達源を探すより得るものが大きいと考えたようだ。

問題は、SoftBank自身が、会社の将来を計画する上で同じ決断を下すのかどうかだ。それがもうすぐ明らかになりそうだ。Financial Timesが報じているように、孫氏はSoftBankの第2四半期決算を明日報告する予定であり、そこではMBSが支配する主権国家資産ファンドであるPublic Investment FundとSoftbankのつながりに関する長い質問リストを提示されることは間違いない。

少なくとも役に立つ答えがいくつか出てくるだろう。これまで孫氏はカショギ事件について何も語ってこなかった。また、孫氏は2週間前にサウジアラビアのリヤドで行われたMBSの投資カンファレンスに姿を見せなかったものの、イベント前に皇太子と個人的に会っていた。本誌の情報源によると、その会合はカショギ事件に対する彼の懸念を個人的に伝えるためだったということだが、つながりを断ち切る話しは出なかったという印象を受けた。

その予想が正しいかどうかはすぐに分かるだろう。いずれにせよ、SoftBankとMBSとの関係がすぐに忘れられることはなさそうだ。Financial Timesの記事にある通り、SoftBank株はカショギ氏が10月初めにトルコのサウジ領事館に足を踏み入れて出てこなかった運命の日から26%下落している。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook