「マネタイズは来年以降に」–BASEがグローバル・ブレインから3億円調達、元ペパボ福岡支社長も参画

「当初は今夏にもマネタイズを始める予定だったが、2014年中は考えないことにした。市場自体がまだまだ大きくなる」——ネットショップ作成サービス「BASE」を手がけるBASE代表取締役社の鶴岡裕太氏はこう語る。同社は5月15日、グローバル・ブレインから約3億円の資金調達を実施したことを明らかにした。

「30 秒でネットショップを作ることができる」をうたうBASEだが、出店店舗数は楽天超えの(楽天は約4万2000店舗。もちろん性質も異なり単純比較はできないが)8万店舗を達成。月間の流通総額は非公開ながら、「すでに億単位にはなっている」(鶴岡氏)とのことだ。直近では大型のクライアントも出店をはじめたほか、百貨店とのリアルイベントを開催するなどしている。

しかし一方でマネタイズはほとんど進めていない。もちろん決済会社の手数料はユーザーから取得するものの、同社としてのサービス利用料などは取っておらず、オプションサービス群を提供する「BASE Apps」でもほぼ収益を出さずにサービスを提供している状況だという(余談だが、ブラケットの「Stores.jp」は、オプションサービスでも利益を出していると聞いている。世間で競合とは言われているが、ビジネスモデルは違うようだ)。

そのためBASEでは、当初2014年夏にも各種手数料やオプション、業種特化型のテンプレート販売などで収益化を検討していたとのこと。しかし今回の調達を決定して、この予定を2015年以降にずらした。2014年はサービス拡大のために注力するという。「マーケットにはいろんなプレーヤーががいるが、BASEを含めてみんな成長している状況」(鶴岡氏)。今後はBASE の開発やサポート人材の拡充、PRの強化のほか、多国語対応を進めて海外進出も視野に入れる。今回の増資に伴ってグローバル・ブレインの深山和彦氏が社外取締役に就任する。

またBASEでは、元GMO ペパボ取締役で福岡支社長の進浩人氏をCOO に迎える予定。鶴岡氏によると、進氏はネットショップ構築サービス「カラーミーショップ」やハンドメイド作品のCtoCプラットフォーム「ミンネ」など、GMO ペパボのEC関連事業の立ち上げを手がけてきた人物とのこと。


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TechCrunch Japan

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