アップルなどを顧客に持つTSMCのQ1利益は90.8%増の約4200億円、アナリスト予想を上回る

TSMC(台湾積体電路製造)の第1四半期(2020年1〜3月)の純利益はおおよそ倍に成長し、アナリスト予想を上回った。同社はQ2でもこの勢いが持続することを期待しているとしたが、今年の業界見通しについては言及を避けた。

クライアントにApple(アップル)を抱える台湾拠点のTSMCのQ1売上高は103億1000万米ドル(約1兆1000億円)、利益は1169億9000万台湾ドル(約4200億円)だったと発表した。調査会社のRefinitiveが予想していた利益1058億台湾ドル(約3800億円)を上回り、昨年同期比90.8%増となった。

また、2019年Q4に比べ2020年Q1の利益は0.8%増となったが、売上高は2.1%減少した。世界最大のチップ製造請負である同社は、純利益率は37.7%で、営業利益率は41.4%だったと述べた。

多くのアナリストが、新型コロナウイルス危機が製品需要にどの程度影響を及ぼすかを評価しようとTSMCの決算に注目した。今月下旬に四半期決算を発表するアップルは、Q1の売上高ガイダンスを達成できないと今年初めに発表している。

TSMCが発表したQ1決算を詳細に見ると、スマートフォン部門の売上高は9%落ち込んでいる。調査会社のIDCは、今年のスマホ出荷は2.3%減の13億台になると予想する。TSMCはラップトップPCやホームデバイスなど幅広いデバイスのチップを製造している。

TSMCの業績でもう1つの気掛かりが、Huawei(ファーウェイ)に関連するものだ。推定では、TSMCの売上高の10%を同社向けが占める。同社への販売を阻止しようと、米国がTSMCやその他の企業に制限を課すこともあり得る。

TSMCの副社長兼CFOを務めるWendell Huang(ウェンデル・ホアン)氏はこれらの懸念材料には触れず、Q2の売上高は「横ばい」を予想していると述べた。一部のアナリストはQ2予想を控えていて、横ばいでも印象的だ。

ただ、同社の幹部は決算会見で、新型コロナウイルスのパンデミックで需要が弱いことを挙げて、今年の成長予測や業界見通しについては語らなかった。

画像クレジット: Maurice Tsai / Bloomberg / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

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TechCrunch Japan

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