ウェブメディアの収益化をサポートするAutoStream運営のFLUXが10億円を調達

マーケティング効率化SaaSを展開するFLUXは、2021年3月31日、シリーズAで総額10億円の資金調達を実施したことを発表した。主な引受先は既存投資家のDNX VenturesとArchetype Venturesらだ。

FLUXの主力プロダクトは、2019年1月にリリースしたウェブやアプリでメディアを運用するために必要な各種ツールをワンストップで提供する「AutoStream」。主要な機能に広告入札ソリューション、アナリティクス、サイトの視認性向上、ブランドセーフティー管理などがある。

メディアの運営元がAutoStreamを導入するメリットは、サイトの収益化周りの作業が自動化されることとFLUXの代表取締役CEOを務める永井元治氏は話す。

「今まで担当者が手でやっていたことが自動化されます。例えば、これまで担当者は広告表示のために複数の広告事業者と自社メディアとをつないだり、分析のために広告データをエクセルにダウンロードして集計したり、ブランドを守るためにどんな広告がサイトに出るのか1ずつチェックしたりしていました。AutoStreamではこれが全部まとめてできるので担当者の工数が減り、運用が楽になります」。

永井氏は同社のCPOを務める平田慎乃輔氏とFLUXを創業している。平田氏はカカクコムでマネタイズを担当していた経歴を持つ。彼らがFLUXを創業したきっかけは、メディア運営に関わる中でメディアの収益化の面で課題を感じたからと永井氏は話す。

「もともと平田がメディアにいたり、私も複数のメディアの手伝いをしたりする中で、収益化のツールは複雑なものが多いと感じていました。そこを簡単に、パッケージ化して提供できないかと考えたのが始まりです。平田がいたカカクコムのような大きなメディアであれば、専任の担当者を置いて対応できます。ですが、中小規模のメディアになると、人もないし、知見もありません。FLUXはそうした問題を解決するところからスタートしました」。

今では読売新聞やフジテレビといった報道機関をはじめ、400件以上の契約を受注しているそうだ。大手のメディアの場合はすでに類似ソリューションを使っているケースも多いものの、AutoStreamではこれまで社内でやってきた作業がまとめてでき、担当者の負担が減ることなどが評価され、継続利用につながっているという。

今後の展開として、FLUXはAutoStreamの開発を進めるのと並行して、新規事業として立ち上げたメディアや中小企業向けのウェブサイト作成サービス「siteflow」を本格展開する。siteflowの特徴はカスタマイズでき、デザイン性も優れたサイトがノーコードで作れること。今のところsiteflowは「siteflow for Publisher」β版として、メディア向けに提供しているのみだが、4月以降、一般企業向けにもサービスを拡大する予定だ。

FLUXは2018年5月に設立し、2019年11月に2億円を調達している。今回の調達した資金はプロダクトの開発とマーケティング、人材採用に充てるという。

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タグ:FLUXAutoStreamメディア資金調達日本

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TechCrunch Japan

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