ナイジェリアのMAXがアフリカ全域への展開とEVインフラ整備へ向けて約35億円を獲得

ナイジェリアのモビリティテクノロジースタートアップ企業、Metro Africa Xpress Inc.(メトロ・アフリカ・エクスプレス、MAX)は、シリーズBで3100万ドル(約35億円)の資金を獲得し、アフリカ大陸の交通セクターの一般化に向け、さらに多くの市場に参入する予定だ。

同スタートアップはTechCrunchに対し、2022年の第1四半期末までにガーナとエジプトに、同年末までにフランス語圏、東部および南部アフリカのその他の市場に進出するために、この資金を使う予定だと語った。また、この資金は、今後2年間で10万人以上のドライバーに車両融資クレジットを拡大するためにも使用される予定だという。

MAXは、2015年にオートバイを使って顧客の注文に応えるデリバリースタートアップとしてスタートし、その後ライドヘイリングに進出、さらに車両サブスクリプションや融資サービスなど、同社の当初のサービスのデータを基に考え出したソリューションを提供している。

同社は2018年に車両融資を導入し、わずか2年余りで、所属するドライバーによる解約率が「ゼロに近い」ほどに下がったとCFOのGuy-Bertrand Njoya(ギ=ベルトラン・ノジョヤ)氏はTechCrunchに語っている。

「我々はドライバーの業務を理解するのに時間をかけました。すると、彼らのほとんどが使用する車両を所有していないことが明らかになったのです」。とノジョヤ氏は述べた。

「そして、ドライバーが抱える根本的な問題は、車両への一貫したアクセスであることが明らかになりました。そこで、大陸全体のモビリティの課題を解決するためには、まず車両へのアクセスの問題を解決しなければならないと考えたのです」と語る。

MAXは現在、電動バイクの設計と組み立てを自社で行っている(画像クレジット:MAX)

MAXの商業銀行パートナーは現在、同社が提供するデータを信用リスク評価として利用し、ドライバーに車両購入ローンを提供している。

同社は、サービスの一部として、新市場で電気自動車のインフラを構築し、同社の顧客層に電気自動車を導入することを計画している。

「これは、高性能な技術とオペレーターを導入することで、モビリティを安全で手頃な価格で利用でき、多くの人に開けた持続可能なものにするという私たちの道のりにおける新たなマイルストーンです。この投資により、大陸の何十万人ものドライバーの生活を変え、国際展開を加速し、モビリティ分野における先駆的な取り組みを継続することができます」と、MAXの共同創業者兼CEOのAdetayo Bamiduro(アデタヨ・バミドゥーロ)氏は述べている。Chinedu Azodoh(チネドゥ・アゾド)氏は、このスタートアップのもう1人の共同創業者だ。

モビリティに関する課題へのソリューションを提供することは、常に同社の事業の中心であり、次に解決したいパズルは、運営コストを削減することでドライバーの収入を拡大することだった。

創業者たちは、電気自動車の導入が自然な次のステップであることをすぐに理解し、2019年にMAXは電気モビリティへの旅をスタートさせたのだ。同社は現在、さまざまなリースや融資オプションを通じて、2輪、3輪、4輪のEVをドライバーに提供している。

「ドライバーが最も気にかけているのは、収入を増やしてまともな生活を送ることなので、これは私たちが提供したかった追加オプションです。というのも、現在、EVはガソリン車よりも費用対効果が高いからです」とノジョヤ氏はいう。

MAXは現在、電動バイクの設計と組み立てを自社で行っている。ノジョヤ氏は、電動バイクを提供するために、大手二輪車メーカーのヤマハを含むエコシステム全体のパートナーと連携していると語った。

「ドライバーのためのクルマへのアクセスや、融資へのアクセスの分野でヤマハと協働しています。私たちの仕事とパートナーシップの成功の証として、ヤマハは今日、過去数年にわたり彼らと行ってきた仕事を背景に、アフリカ向けにドライバー向け車両融資の専門組織を立ち上げました」と同氏は述べている。

今回の資金調達は、グローバルなプライベートエクイティプラットフォームであるLightrock(ライトロック)が主導したもので、アフリカのモビリティ分野では初の投資となる。UAEに拠点を置く国際的なベンチャーキャピタル、Global Ventures(グローバル・ベンチャーズ)もこのラウンドに参加し、既存の投資家であるNovastar Ventures(ノバスター・ベンチャーズ)や、フランスの開発金融機関のProparco(プロパルコ)も、Digital Africa(デジタル・アフリカ)イニシアチブを通じてこのラウンドに参加している。

ノジョヤ氏は、このスタートアップがアフリカ大陸の何百万もの交通事業者のための、車両購入と金融サービスのプラットフォームとなることを目指している、と述べている。最近、エストニアのライドヘイリング会社Bolt(ボルト)と提携し、ナイジェリアのBoltのドライバー1万人がエネルギー効率の高い車両を購入できるよう、リース・トゥ・オウン方式を導入した。

画像クレジット:MAX

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(文:Annie Njanja、翻訳:Akihito Mizukoshi)

投稿者:

TechCrunch Japan

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