フォックスコンと中国Geelyが提携、次のテスラを目指し自動車メーカー向けに電気自動車、自動運転車、シェアリング車を開発

将来の電気自動車、自動運転車はApple(アップル)の主要サプライヤーであるFoxconn(フォックスコン、鴻海科技集団)と、中国の自動車メーカーであるZhejiang Geely Holding Group(チョーチアン・ギーリー・ホールディング・グループ、浙江吉利控股集団)によって製造されるのかもしれない。
両社は、自動車メーカー向けの受託製造に焦点を合わせた合弁会社を設立することで合意しており、特に電動化、コネクティビティ、自動運転技術、およびシェアリングを目的とした車両に注力する。それぞれが、新合弁会社の株式の50%を均等に保有する。両社が発表した声明によると、取締役会は5人で構成され、Foxconnは会長を含む3人、Geelyは2人を選任するという。

今回の合意は、両社が自動車メーカーからの委託製造で、より大きな役割を担うようになったことを受けてのものだ。今週の初め、Geelyは中国の検索大手Baidhu(バイドゥ、百度)による、電気自動車生産会社の設立を支援することを発表した。Baiduがスマートドライブ技術を提供し、Geelyは自動車の設計・製造を担当する。一方Foxconnは、経営が苦しい中国の電気自動車スタートアップBytonのM-Byte SUV製造を支援する計画を発表している。

Geely Holding GroupのDaniel Donghui Li (ダニエル・ドンホイ・リー)CEOは、世界の自動車産業は大きな変化を迎えていると語った。彼は、Geelyが「変化を積極的に受け入れ、アライアンスを構築し、リソースを相乗的に活用して、ユーザーのみなさまにとってのより大きな価値を創造しなければなりません」と語り、Foxconnの専門知識が自動車業界の変革と進化のための重要な知見を提供するだろうと付け加えた。

新しい合弁会社は、自動車メーカーやライドシェア事業者に対して車両全体、部品、インテリジェントドライブシステムなどの、自動車エコシステムプラットフォームに関するコンサルティングサービスを提供して行く。Geelyは自動車分野での設計、エンジニアリング、研究開発、インテリジェント製造、サプライチェーンマネジメント、品質管理などの経験を提供し、一方Foxconnは、製造とICT(Information and Communication Technology、情報通信技術)のノウハウを提供する。

新会社の目的は、自動車メーカーたちが、業界ではCASEと呼ばれているコネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化技術に基づく、革新的で効率的な新しい製造プロセスやビジネスモデルへの移行を加速するための支援を行うことにあると、両社は述べている。

次のTesla(テスラ)を目指す企業や、自動運転車の商業化を目指す企業がここ数年で多数誕生しており、このFoxconn-Geely合弁会社には、候補となり得る顧客の長いリストができている。自動車を大量生産するための主要な障害の1つは、工場を建設して稼働させるために必要な数十億ドル(数千億円)資金である。こうした資金の必要性が、多くのEVスタートアップ企業に、特別買収目的会社(SPAC)と合併して株式公開企業になることを促している。Canoo(カヌー)、Fisker(フィスカー)、Lordstown Motors(ローズタウン・モータース)、Nikola Corp.(ニコラ・コープ)といった企業が、白紙小切手会社とも呼ばれるSPACと合併している。

Foxconn Technology GroupのYoung-way Liu(ヤンウェィ・リュー、劉揚偉)会長は今回の提携を、自動車産業と情報通信技術(ICT)産業の協力の歴史におけるマイルストーンと呼んでいる。

「Foxconnの世界をリードする研究開発技術、インテリジェント製造、ハードウェアとソフトウェアの統合能力によって、両社は非常に補完的なパートナーシップを生み出すことができます、これにより私たちはより良いサービスを提供し、様々な顧客の多様なニーズを満たすことが可能になり、最も先進的で、最速で、費用対効果の高いフルバリューチェーンの自動車生産サービスプラットフォームを提供することができます」とリュー会長は語り、さらに、このパートナーシップは自動車産業の発展に大きな変化をもたらすだろうと付け加えた。

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カテゴリー:モビリティ
タグ:FoxconnGeely自動運転EV

画像クレジット:SAM YEH/AFP / Getty Images

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(翻訳:sako)

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TechCrunch Japan

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