新型コロナウイルスのパンデミックに対応して、多くの組織が無料、または非常に安価に、人々がスキルアップするのを手助けする講座を提供している。私たちが最終的にロックダウンから抜け出す際に役立つはずだ。
プログラミング学習についても、かなり多くのソースがある。例えば、Freecodecampや、General AssemblyのFree Fridaysスキームなどだ。ゲームに興味がある人には、ビデオゲームの開発を通してプログラミングを学べるGamedev.tvが講座料金を80%オフにしている。
ただし、無料または有料を問わず、ほとんどのオンラインのプログラミング講座では、コースの進行に合わせ、受講者にプロジェクトをダウンロードさせたり、コードの断片を示して、そこからコピー&ペーストさせるのが基本となっている。IDE(Integrated Development Environments、統合開発環境)を含んだものはほとんどない。実はそれこそが学習過程で役立つものなのに。
そこで、デベロッパー向けの開発ツールを作っているスタートアップであるJetBrainsは、実際に独自の教育用IDEを開発した。それによって、特にこうしたパンデミックの際には、オンライン学習に新鮮なアプローチをとることができることに気付いたのだ。
同社が独自のIDEを提供することで、一部はブラウザーを利用するとしても、大部分は受講者個人のコンピューターのIDE上で学習できるようになる。つまり受講者は、プロ用と同様のIDEを直接使い、実践的なタスクと、統合されたテストを通じてプログラミングを学ぶことができる。また結果をすぐに確かめることも可能だ。
この新製品は、JetBrains Academyと呼ばれ、新型コロナウイルスの大流行の直前に、ベータ版を脱して正式版がリリースされる予定だったもの。当初は有料にするつもりだったが、パンデミックの最中には、このプラットフォーム全体を無料にすることをJetBrainsは決定した。これにより、家に閉じ籠もっている人や、職を失った人、あるいは一時解雇された人でも、新しいスキルを学ぶことができる。
受講者はJava、Python、またはAndroidアプリ開発に適したGoogle製の言語Kotlinを、60以上のプロジェクトを通じて学習できる。プロジェクトは自分でビルドし、IDEを使って即座に動作を確認できる。各プロジェクトは、概念ごとに独立したトピックから構成される完全なカリキュラムとして提供される。1つのトピックは、約15分で完了することができる。全部で5700以上もの、インタラクティブな課題に挑戦することができる。
またJetBrainsでは、無料の教育用IDE(Educational IDE)も提供する。実践的なタスクと統合されたテストを通して、プロ用と同じ環境でプログラミングを教えることのできるものだ。言語としては、Java、Kotlin、Python、Scala、JavaScript、Rust、C/C++、Goをサポートしており、今後さらに多くの言語が追加される予定。講師は、そのIDEを使って独自のプログラミング教育コースを作成できる。レッスンの数も自由に設定可能だ。作成したコースは、特定の受講者だけに提供することも、公開して広く共有することもできる。
さらに、学生、教師、学校、あるいは講座ごとに、フル機能のJetBrains IDEとチームツールの教育用ライセンスを申請すれば、無料で使用できる。
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(翻訳:Fumihiko Shibata)