会員数の増加が滞って株価急落のNetflix、コンテンツへの過剰投資が裏目か

四半期ごとにウォール街は、Netflix(ネット配信)とComcast(ケーブル配信)のどっちの価値が大きいか決めてきたが、今四半期のNetflixは、彼らが期待するほどには会員数を大きく伸ばせなかった。会員数の伸びは株価の伸びに直結するから、その停滞は彼らにとって良いニュースではない。

会員数は絶対数では相変わらず大きく増加しているのだが、今度の第二四半期はウォール街の予想を下回った。その結果同社の時価総額は100億ドル以上、削り取られた。しかもまさにその同じ時期に同社は買い物に大忙しで、なお一層の会員増を目指してオリジナルコンテンツの拡充にも力を入れていた。その中にはGLOW, Jessica Jones, 3%, さらに劇場上映の映画すらあった。しかしそれだけの買い物努力を会員増に結びつけるためには、何かが足りなかった。

下図は、会員増の推移だ(単位: 100万人):

ご覧のとおり、同社の目論見に反して今年は(今後の予想も含めて)下降気味だ。そして株価は、下図のように推移している:

CEOや役員たちは、株主たちに長期的な価値をもたらすための投資だ、とかなんとか言いがちだが、しかしNetflixは昨年一貫して突進を続け、時価総額を倍増し、さきほど名を挙げたケーブル企業を抜き去った。このメディア消費の帝国は向こう10年はびくともしない、とまで言われた。でも当のライバルのComcastはメニューにNetflixを載せようとしているから、話は少々ややこしい。

集客力の強大なオリジナルコンテンツを目指すNetflixは今後ますます、人材への投資も拡大しなければならない。その代価の一部は同社の株であるはずだが、それが上図のような急落ではたいへん困る。株がだめなら大量の借金という手もあるけど、しかし貸し手が安心するためには、未来の株価の上向き安定が必要だ。急落のチャートでは、安心して貸せない。

そのほかの数字はすべて順調なのに、会員数だけは、予想した増加が得られなかったのだ。そこが、問題。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

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TechCrunch Japan

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