まだあまり有名ではないオープンソースの分散ストレージCephは、実際にはすでに全世界的に、大規模なコンテナプロジェクトやOpenStackのプロジェクトで利用されている。ユーザーはたとえば、金融のBloombergやFidelity, クラウドサービスプロバイダーのRackspaceやLinode, 通信大手のDeutsche Telekom, 自動車のBMW, ソフトウェアのSAPやSalesforceなどだ。
今日のオープンソースプロジェクトは、その多様な関心を一手に引き受けて処理し管理する管理組織、ファウンデーションが背後にないと、成功を維持し今後の発展を築くことも難しい。そこで当然ながらCephも、自分専用のファウンデーションCeph Foundationを作った。そしてこれまでのオープンソースプロジェクトのファウンデーションの多くに倣い、それをLinux Foundationの下に置いた。
Cephの共作者で、プロジェクトリーダー、そしてRed Hat for CephのチーフアーキテクトでもあるSage Weilはこう述べる: “パブリッククラウドの初期のプロバイダーたちがセルフサービス型のストレージインフラストラクチャを流行(はや)らせ、そしてCephはそれを一般企業や個人、そしていろんなサービスブロバイダーたちに提供している。今では強力で堅固なデベロッパーコミュニティとユーザーコミュニティが育ち、ストレージの分野における未来のイノベーションを推進している。本日のCeph Foundationの立ち上げは、さまざまなオープンソースのコミュニティが協力し合えばデータストレージとデータサービスの爆発的な成長を強力に支えていけることの、証(あかし)になるだろう”。
Cephはすでに多方面で使われているから、ファウンデーションの創設メンバーもすごい顔ぶれだ: Amihan Global, Canonical, CERN, China Mobile, Digital Ocean, Intel, ProphetStor Data Service, OVH Hosting Red Hat, SoftIron, SUSE, Western Digital, XSKY Data Technology, そしてZTEなど。創設メンバーの多くがすでに、非公式団体Ceph Community Advisory Board(顧問団)のメンバーだ。
Linux Foundationの事務局長Jim Zemlinはこう言う: “企業の高い成長率の維持管理を効果的に助け、彼らのデータストレージの需要を拡大してきたことに関して、Cephには長年の成功の実績がある。Linux Foundationの下でCeph Foundationは、より幅広いグループからの投資を活用して、Cephのエコシステムの成功と安定の継続に必要なインフラストラクチャをサポートできるだろう”。
Cephは、OpenStackとコンテナをベースとするプラットホームを構築するベンダーにとって重要なビルディングブロックだ。実はOpenStackのユーザーの2/3がCephをメインで使っており、またCephはRookの中核的な部分でもある。Cloud Native Computing Foundation(CNCF)傘下のRookは、Kubernetesベースのアプリケーションのためのストレージサービスを、より容易に構築できるためのプロジェクトだ。このように、今や多様な世界に対応しているCephだから、ニュートラルな管理機関としてのファウンデーションを持つことは理にかなっている。でも、ぼくの山勘では、OpenStack Foundationもこのプロジェクトをホストしたかったのではないかな。
今日(米国時間11/12)のこの発表のわずか数日前にLinux Foundationは、FacebookのGraphQLのファウンデーションGraphQL Foundationをホストすることを発表した。
[↓Facebookのクエリ言語GraphQLが独自のオープンソースファウンデーションを設立(未訳)]