クリエイティブな人々のビジネスは新型コロナウイルス(COVID-19)で大きな影響を受けている。そこで記録的な数のビデオブロガー、ユーチューバーがPatreonに参加し始めた。同社の発表によれば、3月の最初の3週間で3万人以上のクリエーターがこのプラットフォームと契約したという。クリエーターがパトロン(有料オーディエンス)を獲得するスピードもこれまでよりずっと早い。つまり収入の増加も早いわけだ。
世界のクリエーターは、新型コロナウイルスの流行により直接的にも間接的にも逆風にさらされてきた。ウイルスの拡大を抑えるために、ライブショーはキャンセルされ、カンファレンスやトレードショーなどのイベントも軒並み、中止ないし延期されている。クリエーターがこれまで依存していた他の収入源も弱体化している可能性がある。
悪影響を受けたクリエーターの多くがPatreonプラットフォームに加わって損失を防ごうとしている。ファンはすばやくクリエーターをフォローするようだ。
Patreonの社内資料によれば、米国、英国、カナダ、ドイツ、オーストラリア、イタリア全体での3月に顧客は対前月比で36.2%もアップしている。資料によれば、 Patreonへの新規参加者の動向が大きく変化したのは3月の12日木曜日から13日金曜日だ。
これ以後、クリエーターはPatreonの創立以来最速でプラットフォームに参加し続けている。もうひとつ重要な点は、参加から10日以内に最初の「パトロン」を獲得するクリエーターの割合が増加していることだ。Patreonでは今回のブームがこれまで経験した中で最も強力なものだとしている。
現在、Patreonのプラットフォームは、180か国400万人以上のオーディエンスをパトロンとしており、コミュニティーに独占的なコンテンツを配信することで収入を生み出している。世界で15万人以上のアーティストがこのサービスを提供を受けている。クリエーターがこれまでにPatreonのプラットフォームを通じて得た収入は10億ドル以上だという。
しかしもちろんすべてがバラ色というわけにはいかない。Patreonの一部には新型コロナウイルス問題のために、サイトの閉鎖を余儀なくされるメンバーがいるため、解約数もわずかに増加しているという。だが、全体として解約率は今のところ安定しており、これによる減少は他のサービスが経験しているほど大きなものではない。
新型コロナウイルスの流行の影響により大幅な成長が見られたプラットフォームはPatreonだけではない。クラウドファンディングのGoFundMeなどのサイトも、中小企業のサポート、生活費、食料、医療費など個人のライフイベントへの支援を求めているためここ数週間で急成長している。
GoFundMeはこの数週間で2万2000以上の新型コロナウイルス関連の募金活動を処理し、病院、企業、およびその他の組織をサポートする寄付を4000万ドル以上集めたと発表している。同社はまた、パンデミックの影響を受けたコミュニティを支援するために150万ドルを寄付すると約束している。
TechCrunchではPatreonがクリエーター向けの少額融資ファンドを組成したことを報じている。
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(翻訳:滑川海彦@Facebook)