App Storeのアプリのデベロッパーが新しいージョンにアップデートすると、高い評価も好意的レビューも消えてしまう。この問題が近々解決されそうだ。デベロッパーはアップデートの際に現在の評価とレビューを維持するか消去するか選択できるようになる。
Appleのワールドワイド・マーケティング担当上級副社長、 フィル・シラーは今年のWWDCでジョン・グルーバーがホストするThe Talk Showに登場し、このことを発表した。
レビューを最近のものに限るのは数年前までは理にかなっていた。現在のInstagramアプリは以前とは一変しているので、 2010年のレビューなどは何の参考にもならない。そこでAppleはアプリがバージョンアップするごとにレビューをリセットすることとした。
また以前はアプリのデベロッパーもそう頻繁にバージョンアップを行うことはなかった。これはApp Storeで新たなバージョンが承認されるまでにかなり長い時間がかかったことも一因だ。しかし現在はアプリの承認にはほんの数時間しかかからない。
そこでアプリにバグを発見した場合、修正版を1日ないしもっと短い時間で作成、登録することが可能になった。これはApp Storeアプリの品質向上に大いに役立ったが、同時に評価とレビューがその都度リセットされてしまう仕組みが問題となってきた。一部のデベロッパーはこのリセットを避けるために、バグフィックスをすぐに行わず、メジャー・アップデートを待つようになった。
9月に一般公開されるiOS 11ではデベロッパーはアップデートをためらう理由がなくなる。現行の評価とレビューを維持したまま自由にバグフィックスやマイナー・アップデートが行えるようになる。
デベロッパーがアプリの中心的機能を変更するようなメジャー・アップデートを行う場合は、リセット・ボタンを押してそれまでの評価とレビューを消去することを選べる。というわけで、デベロッパーはApp Storeでもインクリメンタルな改良を行うことができるようになる。最初から完全を目指す必要はない。もしコア機能を変更するv2をリリースするなら評価とレビューを消去してゼロからやり直すこともできる。
〔日本版〕フィル・シラーとクレイグ・フェデリーギが出演したビデオはこちら。1:08:30あたりからWWDCのキーノートでは触れられなかったiOS App Storeの新機能が説明されている。
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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+)