深い人間関係に育つ出会いをサポートするデートアプリS’Moreが2.2億円を調達

もっと深い人間関係の出会いを手助けするデートアプリS’Moreは、米国時間1月26日、シードラウンドで210万ドル(約2億1800万円)を調達したと発表した。

S’More(Something More:「何かもっと」を縮めた名称)は、利用者が肉体的な魅力に惑わされないよう写真にはボカシがかけられており、相手とのやりとりが増えるごとにボカシが薄くなる仕組みになっている。同スタートアップは、ビデオチャットなどの新機能を導入し(これも最初はボカシがかかっている)、2021年1月初めには新デザインのアプリをローンチした。CEOのAdam Cohen-Aslatei(アダム・コーエン=アズラティ)氏は「完全な作り直し」だと述べており、リアルタイムの会話を促したり、有料でプロフィールを宣伝できるなどの新機能が追加された。

またコーエン=アズラティ氏は、S’Moreの「反表面的な関係」にフォーカスしている点が、本気のオーディエンスを惹きつけていると話す。初年だけで16万件のダウンロードがあり、有料ユーザーは「数千」とのこと。2021年1月に新アプリをローンチしてからは、サブスクリプション登録者は50%増加している。

パンデミック以降、デートのかたちが変化したことを受けて、コーエン=アズラティ氏は「元の状態には戻らないと考えています」と指摘する。S’Moreユーザーを対象に行った最近のアンケートでは、2020年に相手と直接会うデートを一度もしなかった人は、回答者の8割を占めた。

「Tinder(ティンダー)で気軽に人と出会いたいのか、それともS’Moreで本気の相手と話がしたいのか」と彼は言う。多くの人が後者を望んだとした場合、次の質問はこうなる。「どうしたら出会いを楽しくできるか?それはマルチメディア、動画、音声、ゲームそうしたあらゆる機能が私たちのロードマップにあります。【略】S’MoreはHinge(ヒンジ)とNextdoor(ネクストドア)を合わせたようなものです」(たしかに、Nextdoorには独身で人間関係を求めているユーザーの「膨大な仲間」がある)。

画像クレジット:S’More

今回の投資に参加した投資者の名簿は大変に長く、以下のとおりだ。Benson Oak Ventures、Mark Pincus(マーク・ピンクス)氏のWorkplay Ventures、Gaingels VC、Loud Capital/Pride Fund、SideCar Angels、AppLovin Chairman Rafael Vivas、Apollo ManagementのJoshua Black(ジョシュア・ブラック)氏、Plus GradeのKen Harris(ケント・ハリス)CEO、ハーバード大学の遺伝学者George Church(ジョージ・クランチ)氏、Meet Groupの元CEOであるJohn Abbott(ジョン・アボット)氏、IMAXの元CEOBrad Weschler(ブラッド・ウェシュラー)氏、Aaron(アーロン)とSharon(シャノン)のStern(スターン)夫妻、Enterprise FundのJusten Stepka(ジャスティン・ステプカ)氏、Boston Harbor Angels、Grit DailyのJordan French(ジョーダン・フレンチ)CEO、Kind.Fundの創設者であるMarty Isaac(マーティー・アイザック)氏、Craig Mullett(クレイグ・マレット)氏、Dating Group。

コーエン=アズラティ氏は、この資金で彼が「創設チーム」と呼ぶ人たちを雇用できたと私に話した。主任アーキテクトのLong Nguyen(ロング・グエン)氏、業務責任者のSneha Ramanchandran(スニーハ・ラマチャンドラン)氏、製品およびデザイン責任者のRegina Guinto(レジーナ・グイント)氏、そして上級開発者のDavid Lichy(デイビッド・リッチー)氏だ。

S’Moreはまた、プロデューサーのElvia Van Es Oliva(エルビア・バン・エス・オリビア)氏と、「90 Day Fiancé」などの番組を制作したJack Tarantino(ジャック・タランティーノ)氏と制作契約を交わしたことも発表している。コーエン=アズラティ氏は、彼らとともに同プラットフォームとテレビネットワーク向けの「反表面的」なデートコンテンツを制作すると話していた。

この契約は、同スタートアップがInstagram(インスタグラム)でライブ配信しているセレブのデート番組「S’More Live」の成功によるものだ。現在までに60のエピソードを配信している。

「私たちは、その番組を通じてブランドを確立し認知度を高めることができれば、次に【略】視聴者全員の力を活用し、大変な低コストでのユーザーの獲得を可能にしてくれたS’More発のコンテンツで、彼らをリターゲティングできるようになります」とコーエン=アズラティ氏はいう。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:S’Moreデートアプリ資金調達

画像クレジット:S’More

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(翻訳:金井哲夫)

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TechCrunch Japan

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