ドイツのスタートアップ企業Dance(ダンス)は、地元ベルリンでサブスクリプションサービスを開始する。月々79ユーロ(約1万260円)の定額料金で、ユーザーは自分専用のカスタムデザインeバイク(電動アシスト自転車)を借り、オンデマンドの修理・メンテナンスサービスを利用できる。
SoundCloud(サウンドクラウド)とJimdo(ジンドゥー)の元創業者たちによって設立されたこの会社は、サービス開始前に多額の資金調達に成功した。同社のシードラウンドはBlueYardがリードし、HV Capital(旧社名:HV Holtzbrinck Ventures)が1500万ユーロ(約19億5000万円)のシリーズAラウンド(当時の金額で1770万ドル)をリードした。
Danceがこれほど多くの資本を必要とした理由は、同社が独自のeバイクを社内で設計したからである。「Dance One」と名付けられたこの電動自転車は、アルミフレームを採用し、重量は約22kg。シングルスピードで、電動モーターの力で0〜25km/hの速度で走行できる。
一番いいところは、リチウムバッテリーを取り外して家の中で充電できる点だ(VanMoofのeバイクではできない)。これにより、自転車ごと階段を上る必要がない。アパートに住んでいる人にとってはありがたい機能だ。ユーザーは、目安として55km走行したあとはバッテリーを充電することになる(フル充電で約65kmの走行が可能)。
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Dance Oneはカーボンベルトを採用しているため、メンテナンスがほぼ不要だという。自転車の前方にはスマートフォン用のマウントが組み込まれており、このタイプのマウント用に設計された一般的なケースに対応している。電動アシストのレベルは、ハンドルバーのボタンで操作できる。高アシスト、低アシスト、アシストなしの3種類のモードがある。
バイクの前後にはライトが装備されており、こちらもボタンで操作できる。ブレーキには油圧ディスクを採用している。オプションで、自転車の後ろにバスケットやサドルバッグを付けることもできる。
VanMoofやCowboyのような他の人気eバイクと同様に、Danceのeバイクもモバイルアプリからロック・アンロックが可能だ。同社では、GPSとBluetoothチップを自転車のフレームに組み込んでいる。もちろん、スマートロックに加えて従来のロックも使用するべきだが。
理論上は、街乗りに適したeバイクのように見える。ユーザーは月々79ユーロ(約1万260円)を支払うことで、自転車を利用できるようになる。契約期間のコミットメントや初期費用はない。夏の間だけ利用したい場合は、そうもできる。また、自転車にトラブルが発生した場合には、同社がメカニックを派遣して修理してくれる。
Danceは数百人のベータユーザーとともにサービスを試してきたが、現在は「数千台」の自転車が新規ユーザーのために用意されているという。今のところベルリンを中心に展開しているが、将来的にはドイツやヨーロッパの他の都市にも拡大していく予定だ。
Danceは、SwapfietsやパリのVéligoなど、ヨーロッパ各地にあるいくつかのサービスと競合していく。また、Lime(ライム)のようなオンデマンド型のシェアサイクルや、ヨーロッパの各都市が主導する官民一体のバイクシェアリングサービスとも間接的に競合することになる。もちろん、最終的には自分でeバイクを購入する人もいる。
それを考慮してもDanceは、魅力的な自転車とエンドユーザーにとっての柔軟性を備えた、よくできた製品だと思う。シームレスなエンド・ツー・エンドの体験を求めているユーザーを、このスタートアップは問題なく見つけられることだろう。
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画像クレジット:Dance
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(文:Romain Dillet、翻訳:Aya Nakazato)