Appleは、iTunessで親が毎月一定金額を受け手 ― つまり子供 ― のApple IDに送金するiTunesアローアンス[お小遣い]サービスを中止する。もらったアローアンスは、音楽、ビデオ、アプリ、本等、子供が好きな物を買うのに使える。AppleウェブサイトのiTunes Allowancesサポートページによると、同機能は終了し、既存のアローアンスは2016年5月25日に中止される。[訳注:本稿執筆時点で日本語ページには中止の記載はない]
これは、その日以降に定額送金が行われなくなるという意味で、未使用の金額がなくなるわけではない。Appleによると、残金は実際に使用されるまで受け手のアカウントに残る。
Allowancesは、子供が毎月iTunes Storeで使う金額を親が管理する便利な方法だった。新しいアプリやゲームをねだる子供の相手をしなくてすむ有難い代替手段だった。
同機能の終了に伴い、Appleは代わりに“ファミリー共有”をユーザーに薦めている。2014年に始まったファミリー共有は、最大6人でiTunesの音楽、映画、テレビ番組、本、およびアプリのメディアを共有でき、アカウントを共有する必要はない。支払いには親のクレジットカード1枚を使い、子供が自分の端末で使いたいものは親が承認して購入できるという発想だ。
メディアの共有に加えて、同機能を使うと写真、ファミリーカレンダー等をiPhone、iPad、iPod touch、およびMacの間で共有できる。iOS 8以降、OS 8 Yosemite以降、iTunes 12が必要。WindowsユーザーもiCloud for Windowsを使ってこの機能を利用できる。
ファミリー共有がiTunesアローアンスよりも便利なことの一つに、13歳未満の子供にも専用のApple IDを持たせて、ファミリーグループの一員として管理できることがある。管理者は、iOSの「利用制限」やOS XとiTunesのペアレンタルコントロール機能を使って、子供が利用できるコンテンツを制限できる。
しかし、同機能にはまだ改善の余地がある。中でも、アプリ内購入に対応しておらず子供たちからの要求は多い(iTunesアローアンスでは可能だった)。親の中にはiTunesの購入を一件ずつ承認するのが面倒だという人もいる。ただしそれは、「承認と購入のリクエスト」を無効にできることを知らないからかもしれない。
アローアンスの中止を最初に報じたのはMacRumorsで、Appleユーザーにはメールで中止が伝えられたと書かれている。AppleはiTunesアローアンス中止の理由について公式には語っていないが、理にかなった決定た。2つのサービスには重複部分が多く、両方を続ける必要はない。
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook)