Apple、iMac Proを12月14日に発売、価格は4999ドルから

Appleが最初にiMac Proを紹介してから永遠の時間が過ぎたように感じる。WWDCで発表され12月の発売が約束されていたが、しばらく音無しが続いたあと、ようやく近々販売されることになった。

ダークグレイのデスクトップ機が手に入る12月14日まであとわずか。iMac Proの価格は4999ドルからで、最大18コアXeon CPU、メモリー128GB、ストレージ4TBが搭載可能。これは、かつてホームコンピューターの入門キット的位置づけだったフォームファクターをまとった本格的マシンだ。

Appleがクリエイティブのプロフェッショナルをターゲットに据えていることは明らかだ。そして現在のMac Proが宙ぶらりん状態にある中、4Kビデオや3Dグラフィクスの編集といった高性能を要求する作業向け製品としてと、AppleはiMac Proを前面に押し出している。

YouTuber、フォトグラファー、研究者ら様々な分野のクリエーターがしばらく同製品を使う機会を与えられており、その反響はiPhone Xが出てきたときとよく似ている。

フォトグラファーのVincent LaForetは 10コアバージョンのマシンをテストし、新しいiMacについて多くを語っている。「結果は非常に一貫性がある。スピードは(現在使っているiMacとiMac Pro 15と比べて)2~3倍速い。世代間の目に見える違いといえば、通常この1/10くらいのものだ。

iOS/Macアプリを開発する会社で働く機械・宇宙工学エンジニアのCraig A. Hunteru によると、「これに一番近い現行の27インチiMacが3699ドルで、CPUとグラフィックチップセットははるかに劣っているしほかにも不利な点がいくつもある。つまり、1300ドル余計に払ってiMac Proを手に入れることに何の迷いもない。

一方YouTuberのMarques Brownleeは、自分のニーズにぴったりのマシンが見つかったとして「ハイエンドYouTuber/Final Cutマシンとして理想的」だと書いている。

みんなの第一印象はほぼひとつに要約される —— それは大体予想通りの反応でもある。iMac Proは非常にすばらしく、非常に高い。念のために言うが4999ドルは最低価格だ。入門レベル機は8コアのXeonプロセッサー、メモリー 32GB、ストレージ1TBだ。最強のスペックは、おそらくほとんどのユーザーは必要としてないだろうが、金がかかる。それがいくらになるかはまだ不明だ。

iMac ProはAppleにとって大切な時期にやってくる。MicrosoftはAppleの主要客層であるクリエイティブな人々を対象にSurface製品群に力を入れている。そしてAppleはMac Proを大きく考え直す時期に来ている。SVPのPhil Schillerが4月にこう話していた。「Mac Proのアップグレードやアップデートを一時中断していることを申し訳なく思っている。これに代わる何かすばらしいことを計画している」。

この新システムでAppleは、最大の人気製品をまったく新しいカテゴリーに参入させつつ、従来からのコアユーザーも大切にしようとしている。Appleは未来のコンテンツ作成にも目を配っている。同じWWDCのキーノートでTim Cookは、AppleがようやくVR活用の準備ができたと語り、バーチャルリアリティー・コンテンツのクリエイション現場でもメジャープレーヤーになりたい意向を明確に示した。そのためには、開発者にもエンドユーザーにも強力なマシンが必要になる。

標準iMacのハイエンド製品はVRの再生に対応している。さらに同社は、デベロッパーがVRコンテンツ作成のためにAppleマシンを使うことを期待して、Metal for VRを公開した。iMac Proの製品ページには、このことが明確な言葉で説明されている。「新しいVega GPUを搭載したiMac Proなら、VRの世界に没入できるだけでなく、それを一から作り上げることができるようになります」。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。