FedExが初の完全電気自動車GM Brightdrop配送バンを受領、カーボンニュートラル実現に向けまた一歩

FedEx(フェデックス)は、500台の注文のうち、最初の5台のGM(ゼネラル・モーターズ)製電気配送バンを受け取ったと発表した。この動きは、2040年までに世界中で配送車両をすべて電気自動車にし、カーボンニュートラルを実現するというFedExの目標にとって重要なランドマークとなるものだ。

「初めてのBrightdrop(ブライトドロップ)EV600の納入は、米国を代表する2つの企業のコラボレーション精神から生まれた歴史的瞬間です」と、FedExのMitch Jackson(ミッチ・ジャクソン)サステナビリティ最高責任者は述べた。「当社の集配車両を電気自動車に切り替えることは、2021年初めに発表した当社の野心的なサステナビリティ目標の達成に不可欠です」。

画像クレジット:FedEx

FedExは、BrightDrop EV600バンの主要顧客として発表され、ここしばらくはBrightdropの電動パレットEP1をテストしてきた。Chevrolet(シボレー)とCadillac(キャデラック)を所有するGMは、2021年初めまでBrightdropのビジネスユニットを引き伸ばしていた。「EV600は、従来のバンとステップインバンの長所を1台にまとめ、ドライバーの安全性、快適性、利便性を第一に考えています」と、BrightdropのCEO、Travis Katz(トラビス・カッツ)氏は述べた。「また、GMの歴史の中で、コンセプトから市場に出るまで最も早く作られた車でもあります」。

全輪駆動のEV600は、600立方フィート(約17立方メートル)の荷室空間を持ち、一回の充電で最大250マイル(約400km)走行することができる。車内では、カーゴエリアのセキュリティシステム、オートロックドア、モーションセンサー付き室内照明が装備されている。また、自動緊急ブレーキや駐車支援機能も備えている。EP1は、店舗や倉庫でよく見られるトロリーの一種で、23立方フィート(約0.65立方メートル)のスペースと電気モーターを備えており、重いものを簡単に移動させることができる。

最初の5台のEV600は、カリフォルニア州イングルウッドにあるFedExのエクスプレス施設に導入される。FedExはこの車両をサポートするため、カリフォルニア州内にすでに設置されている500基の充電ステーションを含め、同社の施設ネットワーク全体に充電ステーションを建設中だ。また、電力会社と協力し、充電インフラに必要な電力網の容量を評価している。

FedExが、GMと共同で電動配送車を導入する一方で、ライバルのUPSは英国のArrival Ltd.(アライバル)に1万台の電動配送車発注している。一方、Amazon(アマゾン)はRivian(リビアン)の電動配送車10万台を発注し、さらに同社の株式を20%保有している。AmazonはFedExとUPSの両社に先駆けて、すでにロサンゼルスサンフランシスコの両都市でRivianの電動配送を開始している。

編集部注:本稿の初出はEngadget。執筆者Steve Dentは、Engadgetの副編集長。

画像クレジット:FedEx

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(文:Steve Dent、翻訳:Yuta Kaminishi)

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TechCrunch Japan

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