Google親会社のAlphabet、持株会社「XXVI」を設立して2015年の企業再編成を完了

かつてGoogleとして知られた会社 ―― 2015年に「会社の集合体」をAlphabetに再ブランドし、主要な広告収益事業を親会社が100%保有する企業ユニットに移行した ―― がこの事業再編成プロセスをようやく完了すべく、新たな持株会社、XXVI Holdings Inc.を設立した。

BloombergがFCC提出資料を発見し、金曜日(米国時間9/1)に報じた。

同社は声明でこの事実を正式に認め、2015年にAlphabet設立の際に発表した変更を実施するために、組織変更を行った。Google Inc.をGoogle LLCに変更し、Alphabet配下の新たな中間持ち持株会社 としてXXVI Holdings Inc.を設立する」と本誌に語った。

この新持株会社 ―― 命名は典型的なGoogle流で、アルファベットの文字数に由来する (ローマ字表記)―― の設立によってAlphabetは、Googleを今も法的にはGoogleの子会社である、2016年にスピンアウトさせた独立運営部門(たとえば、Uberと法廷闘争中のWaymo)や、 2014年にGoogleが買収したAI部門、DeepMindなどの部門からようやく切り離すことができる。

新持株会社はAlphabet傘下各社の株を保有する。Bloombergによると、これで今も法的にはGoogle傘下にある、いわゆる「その他」の子会社らをAlphabetに移すことが可能になる。その結果、どの会社もGoogleと同じ法的基盤に置かれる。

さらにGoogleは、corporation(株式会社)からLLC(有限責任会社)に形態を切り替えることで、各ビジネスユニットが親会社Alphabetの下で法的に別の事業単位であるという新体制の実態を反映した。

FCC提出資料には、「企業再編成の結果、AlphabetとGoogleはこれまで以上に効率よく、経済的、かつ透明性の高い運用が可能になり、各社は収益活動に専念できる」と書いてある。

Alphabetは再編成によって同社自身とGoogleの運営に関する透明性が高まると主張しているが、Googleの運営については必ずしもそうとは言えない。Bloombergが指摘するように、新体制は、Alphabetの収益源であり今や株主が単一(Alphabet)となり財務状況を公開する義務のなくなったGoogleにベールをかけることになる。従来、Googleは公開企業として財務状況を投資家に開示することが求められていた。

Alphabetの広報担当者は、この再編は法的形式のためと説明しており、最終的に株主によるコントロールや運営、従業員の管理に影響はないと言っている。

Alphabetの再編成は数年前から準備されており、法務部門が著しく複雑な状況(税法上の問題など)に対処する時間が必要だったことを踏まえると、このタイミングが最近の出来事に関係があるとは考えにくい。しかし、このところGoogleに規制の圧力がかかっていることは注目に値する。6月に欧州連合競争法の違反が発覚し、Googleは27億ドルの罰金を支払った。

欧州委員会は反トラスト捜査案件がまだ2件進行中であり、Google事業のほかの部分に関わる訴状を確認していることを示唆している。

最近Alphabet傘下の部門に影響を与えた行政審判は、同社のAIユニット、DeepMindが対象だった。7月に ―― 法的にはまだGoogleの子会社だった時期 ―― 英国のデータ保護監視当局(NHS)は、DeepMindがロンドン国民保険サービスと結んだデータ共有契約が、患者160万人分の医療記録を本人の合意なく共有するものだとして、英国プライバシー法違反と裁定した。

DeepMindがNHSと結んだ当初のデータ共有契約は、患者の個人を特定可能な医療記録の利用を可能にするもので、頑強な法的保護がなされていないことを問題視されていたが、繊細なデータが渡される部門の親会社が、広告の巨人Googleであるという事実から、批判の声が高まっていた。DeepMindがGoogleの広告ビジネスから法的に分離されることで、DeepMindが計画している同様のデータ共有契約 ―― 社内の健康部門経由 ―― に関する懸念が和らぐ可能性はある。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

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TechCrunch Japan

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