Google I/O:ドライブがQuickoffice統合でネーティブOffice互換に、暗号化もサポート

今朝(米国時間6/25)開会したデベロッパー・カンファレンスGoogle I/OでGoogleはクラウド・サービスのGoogleドライブをアップデートし、大幅な改良を加えた。これにともない、Googleドキュメント、スプレッドシート、スライドなどの生産性ツールにも新機能が加えられた。

中でも重要なのはQuickofficeのドライブへの統合だ。

QuickofficeはGoogleが2年前に買収したテクノロジーで、モバイル向けOffice互換の生産性アプリだが、今回Googleドライブに統合された。これによりMicrosoftのWord、Excel、PowerPointのファイルをネーティブ・モードでGoogleドライブで開き、編集することができる。この機能はスンダル・ピチャイ上級副社長が1年以上前にあと3ヶ月くらいでリリースすると予告していたものだ。

QuickofficeはGoogleのネーティブ・クライアント・テクノロジーを用いてChromeブラウザ内で高速のレンダリングを行う。そのためQuickofficeは当面Chromeだけでしか作動しない。GoogleはAndroid版、iOS版のQuickofficeを開発中だが、リリースまでにはまだ少々待つ必要がある。

QuickoffficeのGoogleドライブへの統合に伴い、スタンドアローンのQuickofficeアプリは役割を終え、近く消えることになる。先週、私はGoogle ドライブのプロダクト・マネジメント・ディレクター、Scott Johnsonに取材し、QuickofficeをGoogle Driveに統合するのになぜこれほど長い時間がかかったかのか尋ねた。Johnsonは「まったくベースが異なるコードを統合してGoogleドライブのような規模で作動させるようにするのは難しい作業だ。またドライブは現在非常に多くのプラットフォームで動いている。すべてのプラットフォームとデバイスで正しく作動するよう確認する必要があった」と答えた。

新バージョンのGoogleドライブを開くとルックアンドフィールが大きく変わったことに気づく。Johnstonは「ウェブ・アプリをデスクトップ・アプリにできるかぎり近づけ、どちらでもユーザー体験が変わらないようにするのが目的だ」と述べた。

これ以外にもいろいろな変更があるが、たとえば“Shared with me”〔共有アイテム〕というフォルダーはシンプルに“incoming.”という名前になった。ドライブのツールバーもシンプルになると同時にアップロード・ダイアログを消し、アップロードをドラグ&ドロップに統一した。

もうひとつの便利な改良はドライブ内のファイルをデフォールトのアプリケーションで開けるようになったことだ。たとえばドライブに保存していたPhotoshopファイルを開くと自動的にPhotoshopが立ち上がる。小さな変更だが、これもウェブとデスクトップの差を意識しないですむという方向への一歩だ。

また「更新情報」タブがモバイルのドライブにも付け加えられた。リンクの共有もワンタップでできるようになった。Johnstonによればアップロードの速度も改良されたという。

セキュリティも大きく改善された。ユーザーはローカル、通信経路、Googleのサーバーのすべてでドキュメントを暗号化しておくことができる ようになった。

〔日本版〕6/26朝現在、日本にはまだGoogleドライブのアップデートはリリースされていない。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。