Microsof、Minecraftを25億ドルで買収―ファウンダーのNotchは「小さなプロジェクト」に戻る

今日(米国時間915)、MicrosoftはMinecraftの開発会社、Mojangを買収したことを発表した。Microsoftによれば、MinecraftはXboxとPC版だけでなく、今後ともiOS、Android、PlayStation版の提供が続けられるという。Microsoftによれば、「当初、このゲームをXboxに導入するためにMojangと交渉を始めたが、あまりに素晴らしいプロダクトであることに気づき、Microsoftのゲーム資産を多様化するため買収に踏み切った」ということだ。

ファウンダーのNotchこと Markus Persson、 Carl Manneh、Jakbok Porserは買収手続きの完了と共に会社を去ることを発表した。またMojangの公式サイトはこれまでに報道されてきた25億ドルという買収価格を確認している。Mojangによれば、NotchはMinecraftのような世界的大ビジネスを運営するのを好まず、今後は自分の気に入った小さなプロジェクトをきままに手がけていくつもりだという。Minecraftを売却するという決断は、Mincraftの今後の成長を保証すると同時に共同ファウンダーたちにそれぞれの気に入りの生き方をする自由を与えるために行われたという。

MojangはMinecraftの将来について具体的な発表はしていない。ただし当面は「いつもどおり」だという。Microsoftは「Minecraftのブランドと独立性を尊重する」と述べている。2010年以来、Mojangが毎年開催してきたカンファレンス、MINECONも継続される。

当初からのハードコアなMinecraftファンの中にはMicrosoftによる買収を喜ばないものも多いようだが、全体としてみればこの売却は健全だ。さらにNotchがまったく別の新しい「レゴ世界」をもう一度作るチャンスを与えるものでもある。

Notchは今回のMinecraft売却についてこう書いている。

私はMojangを離れる。

私は自分をゲーム開発者だと思ったことはない。私がゲームを作ったのは単に面白かったからだ。私はゲームが好きだし、プログラミングも好きだ。しかし私がMinecraftを作ったのは大ヒットを狙ったわけでもないし、まして世界を変えようなどと考えたわけでもない。Minecraftはたしかに大成功を収め、私は世界を変えたと人によく言われるようになった。それは確かに嬉しいことだったが、同時に、それは私をある種のスポットライトを浴びる公的な立場に置くことになった。

私はかなり以前からMinecraftから離れると決めていた。Jens (Bergensten)は後継者として理想的な人物だ。私は新しいことがやりたくなっていた。私はもう一度何か大きなことをやろうと考えたがうまく行かなかった。私はなにか小さな面白いプロトタイプづくりにこだわっていこうと決めている。

数週間前、たちの悪い風邪で家で寝込んでいるとき、私にはまったく関係ないEULA(エンドユーザーライセンス契約)の問題で、私はインターネットで憎悪の的になって炎上しているのに気づいた。わけがわからず、落ち込んだ。そのことをツイートした。その後YouTubeでThis is Phil Fish を見た〔ゲームデザイナーのフィル・フィッシュを例に、インターネットでの悪評が形作られるプロセスを解説したビデオ〕。そこで自分がインターネットのゲームファンの間で、ある種のシンボルになっているのに気づいた。しかし私はシンボルなどはごめんだ。そういうわけでMojangにとどまる限り、私が好きでもなく、理解もできない巨大な責任を繰り返し押し付けられることになると分かった。私は本質的に起業家でもCEOでもない。私はTwitterで遠慮なく発信するオタクのプログラマーにすぎない。

Microsoftによる買収手続きが完了しだい、私はMojangを離れ、Ludum Dare〔ゲーム開発コンペ〕やウェブでの小さな実験的プロジェクトに戻るつもりだ。

私の一般的なイメージはすでにかなり歪められたものになっているので、Mojangを離れたからといってネガティブ・コメントの洪水を止めることはできないだろう。しかし少なくとも、それをいちいち読む責任からは解放される。【中略】

この決断は金のためではない。私の正気を維持するためだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+