NFTをもっと親しみやすいものに、販売・オークション可能なNFTマーケットプレイスRaribleが約15.8億円調達

NFT(非代替性トークン)の販売が、最近のピーク時に比べて大幅に減少しているというニュースを目にしたことがあるだろう。この数週間で90%も減少したという報告もあるほどだ。多くの暗号資産投機家がこの急激な落ち込みの犠牲になっている一方で、デジタル収集品やデジタル商品がインターネットを席巻する未来を見据えている人々もいる。

NFTのマーケットプレイスであるRarible(ラリブル)は、シリーズA投資ラウンドで、Venrock Capital(ヴェンロック・キャピタル)、CoinFund(コインファンド)、01 Advisors(ゼロワン・アドバイザーズ)から、1420万ドル(約15億8000万円)の資金を調達したことを、米国時間6月23日に発表した。このスタートアップ企業は、ユーザーの誰もがデジタルアートを購入したり、オークションにかけることができるマーケットプレイスを運営している。Raribleには独自のガバナンストークンがあり、これを保有するユーザーはプラットフォームの機能や手数料に関する提案を行ったり、それらの提案に投票することができる。

同社によると、18カ月前にサービスを開始して以来、その売り上げ総額は1億5000万ドル(約166億5000万円)に上るという。

デジタル収集品分野における初期のプレイヤーを支援しようと投資家が集まり、NFT関連のスタートアップ企業はこの数カ月の間に、多額の資金を調達している。最も人気のあるNFTハブの1つであるOpenSea(オープンシー)は、春先にAndreessen Horowitz(アンドリーセン・ホロウィッツ)とNaval Ravikant(ナヴァル・ラヴィカント)氏から2300万ドル(約25億5000万円)の資金を調達した。3月には招待制のNFTマーケットプレイスを運営するSuperRare(スーパーレア)が900万ドル(約10億円)のシリーズA資金を調達し、2021年5月には「NFTのShopify(ショッピファイ)」を目指すBitski(ビツキ)が1900万ドル(約21億1000万円)を調達した。

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Raribleは資金調達の発表と同時に、デジタルトレードゲームのNBA Top Shot(NBAトップショット)を起ち上げたDapper Labs(ダッパー・ラボ)と正式に提携し、RaribleのNFTマーケットプレイスをDapper Labsのブロックチェーン「Flow(フロー)」上に導入することを発表した。Dapper Labsは、Ethereum(イーサリアム)ネットワーク上の取引よりも、エネルギー効率が高く、コストも低い独自のブロックチェーン上で、より幅広いNFTプラットフォームの連合を構築し始めているが、それによって中央集権化も進めている。Raribleによると、この移行は「今後数カ月」以内に行われる予定だという。

このスタートアップは、NFTの世界を一般のウェブユーザーにとってもっと親しみやすいものにするための幅広い目標を掲げており、今回の資金調達を利用して、クレジットカードでの支払いに対応するなど、よりユーザーフレンドリーな開発を探求したいと、ブログ記事の中で述べている。「私たちには、独立系クリエイターが簡単にNFTを作成して支援者のコミュニティに5ドル(約555円)で販売できたり、ポップアイコンがNFTを使って数百万人のオーディエンスと持続的に親密な関係を築けるような世界が必要なのです」と、その記事には書かれている。

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カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:RaribleNFT資金調達Flow

画像クレジット:Rarible

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(文:Lucas Matney、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

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TechCrunch Japan

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