NvidiaのスマートシティプラットホームMetropolis AIは、まるでDC Comicsのスーパーマンの漫画にあったような名前だが、実際にはそれはGPUを使用するインテリジェントなモニタリングツールで、渋滞の解消とか、行政サービスの適正配分、迷子の老人や子どもの発見など、さまざまな業務を助ける。このほど同社は、Mtropolisの本格的な普及を目指してAlibabaおよびHuaweiとパートナーし、またMetropolisの一般供用バージョンにはそのSDK、DeepStreamを含めることになった。
Metropolisはビデオを使用し、2020年までには10億台以上の、インターネットに接続されたカメラを世界中の都市に据え付けて、警察や都市計画などあらゆる行政サービスをアシストするデータ分析AIアプリケーションを稼働させる。
Nvidiaは今日北京で行われた同社のGTXカンファレンスで、そんなアプリケーションの一端を紹介した。たとえば中国のHikvision Research Instituteのプロジェクトは、Jetson, Tesla P4, DGX-1といったNvidia製品〔主にディープラーニング関連〕を組み合わせて、顔画像と個人プロフィール情報のマッチングを90%の確度で行う。
こういった監視システムにはオーウェルの‘ビッグブラザー’的な気色悪さがつきまとうが、円滑で安全な都市交通ネットワークのための自動化情報システムが実現するためには、それが必要な第一歩だろう。たとえばAlibabaが考えているのは、都市計画部門における行政サービスの改善だ。またHuaweiなどは、もっぱら警察用アプリケーションに注力している。後者はそれこそ、ビッグブラザー問題を内包するかもしれない。