OpenStackのエコシステムにその初期からいるMirantisが今日、これまでのメインプロダクトMirantis OpenStackのサポートを2019年5月に終了し、OpenStackとコンテナプラットホームKubernetesを組み合わせたクラウドサービスMirantis Cloud Platformをその後継プロダクトにする、と発表した。この新しいサービスでは、Kubernetesだけ、というサービス形態もありえる。
もちろんMirantisがOpenStackから一抜けるわけではないが、コンテナプラットホームとしてのKubernetesの人気と関心がMirantisの顧客のあいだでも最近はますます高まっているので、同社もそれに合わせざるをえない。今日発表された新しいプラットホームでは、OpenStackと共存してKubernetesの複数のクラスターをデプロイできるし、両者別々や、Kubernetesのみ、というデプロイも可能だ。顧客の中にはこのように、OpenStack抜きでソフトウェアのデプロイ方式を現代化したい、という要望もある。
新しいプラットホームは、その配布方法も変わっている。同社は顧客のMirantis Cloud Platformのデプロイを少なくとも6か月、彼らに代わって運用するが、その後は運用を顧客のOpsチームに委(ゆだ)ねる。同社は今日の発表声明で、こう言っている: “このデリバリモデルによって、ソフトウェアだけでなく、顧客のチームと工程もDevOpsのベストプラクティスに確実に従うようになる”。アップデートもこれからは、一定期間間隔で、迅速かつ楽に行われるようになる。従来の同社のOpenStackソリューションでは、アップデートもそれほど楽ではなかった。
Mirantisの協同ファウンダーでCMOのBoris Renskiは、自分の意見を言うとき、いわゆる歯に衣着せぬタイプだが、OpenStack vs. Kubernetesという議論に関しては、“人気と価値は違う”、と言う。“ハイスクールで人気者だった子が、大人になってフェラーリに乗ってるとはかぎらない。今のOpenStackは人気者ではないし、人気者はKubernetesだ。そして顧客は、人気者になびく場合が多いのだ”。
彼によると、Mirantisの顧客にもOpenStackを避けてKubernetesだけで行く、という企業が増えている。CanonicalのDustin Kirklandも、今月の初めに同じことを言っていた。Renskiは曰く、“OpenStackが人気トップだったころは、顧客は自分のデータセンターでOpenStack以外の何もかも脇に置くようになった。そして失敗した。重要なのは、その仕事に合った正しいツールを使うことだ。今、コンテナならKubernetesが良い。VMなら、OpenStackだ。たぶん明日になればAWSがLambdaをオープンソースにして、今度はKubernetesとコンテナが脇へ追いやられるだろう”。