Polestarのコンセプトカー第2弾はドローンを搭載したオープンカー

スウェーデンの高性能電動車ブランドであるPolestar(ポールスター)は、すでに生産が開始されている「Polestar 2」、発表を控えた「Polestar 3」と「Polestar 4」、そしてコンセプトカー「Precept(プリセプト)」の市販モデルとして2024年に登場予定の「Polestar 5」に続く、最新の電気自動車のアイデアを発表した。

画像クレジット:Polestar

「Polestar O2は、スポーツカーの新時代に向けた私たちのビジョンです」と、Polestarのデザイン責任者を務めるMaximilian Missoni(マキシミリアン・ミッソーニ)氏は、現地時間3月2日に発行されたプレスステートメントで述べている。「オープントップドライビングの喜びと、電気モビリティの純粋さをミックスすることによって、1台のクルマで新たな入り混じった感情を解き放ちます」。

このPolestar O2は、Polestar 5と同じ「特注」の接着アルミニウム製ユニボディプラットフォームを採用しており、そのベースとなったPreceptのコンセプトデザインと全体的な類似したスタイルを持つ。Polestarの広報によれば、これは「Polestarの進化するデザイン言語が、強い同族類似性を保ちながら、異なるボディスタイルにどのように適応できるかを示す」ものであるという。つまり、Polestar 5が4ドアの高性能グランドツーリングカーであるのに対し、Polestar O2は同じ基本骨格をベースに作られていながらも、よりコンパクトな2+2シーターのスポーツカーとしてのフィールを提供するということだ。

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従来のオープンカーは、ルーフを切り取ることで失われる構造強度を補強するためにフレームが厚く重くなり、やはりルーフがないことで空力的なバランスも崩れてしまうという、どちらかといえば非効率的なクルマであることを考えると、オープンカーのEVとは一体どうなるのだろうと思う人もいるかもしれない。これはすばらしい疑問だ。Polestarはこのクルマの空気抵抗係数を公開していないものの「ホイールとボディサイド上の層流を改善する埋込み型ダクトや、車体後方の乱流を低減するエアブレードとして機能するテールライトなどの隠れたデザイン機能」が、航続距離を最大化するために研究されたものであると断言している。

ホイールベースが短く、補助的なリアシートのみを備えたPolestar O2は、Polestar 2よりもスポーティでアグレッシブなスタンスだ。そしてこのホイール!エクステリアはシャープなラインの習作で、角張ったフェンダーフレアと、広いトランクに格納される鋭角的なガラストップルーフの間に、低く構えたキャビンが収まっている。まるでFord GT40(フォードGT40)とPorsche 718 Spyder(ポルシェ718スパイダー)を合体させ、すべてのカーブをフラットにしたようなルックスだ。ゲーム「Grand Theft Auto」に登場するLos Santos(ロスサントス)の街角で見かけるロードスターのようで、私はファンになった。

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インテリアも同様にしなやかで、ハードな部分には熱可塑性モノマテリアルを、ソフトな部分にはリサイクルポリエステルのみを使用しているのが特徴だという。ポリエステルとプラスチックの上に低く座り、屋根を下ろして太陽の光をいっぱいに浴びるという体験は、何ものにも代え難いものだろう。

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ドライバーは、Polestar O2に搭載された撮影用ドローンを使って、開放的な冒険を撮影することもできる。Hoco Flow(ホコ・フロー)と共同で開発されたこの自律型カメラ付きドローンは、後部座席の後方に設置されたエアフォイルから発生する負圧領域のお陰で、走行中でも離陸が可能だ。ドローンは最高時速90kmで自動的に追従し、撮影した映像は、車両を駐車した後、中央のインフォテインメントシステムから編集し、ネットに上げて共有することもできる。個人的には、自動車メーカーが二次的な輸送手段を自動車に搭載するなら、電動バギー電動スケートボードが良いと思うのだが、確かに、カメラ付きドローンは最初に何度か飛行した後も、クールで斬新で便利な存在であり続けるだろう。それは同じようにドローンを搭載したRenault KWID(ルノー・クイド)やLexus LF-30 Electric Concept(レクサスLF-30エレクトリック・コンセプト)の成功を見てもわかるというものだ。

画像クレジット:Polestar

Preceptのように、公道を走れるO2が登場することは、おそらくないだろう。代わりにPolestarは、今後3年間で3台のニューモデルの発表を計画しており「それぞれのクルマには、これらのコンセプトカーが提示したアイデアのいくつかを徐々に現実化していく可能性があります」と言っているから、ひょっとしたらいつの日にか、電気自動車の後ろで低空飛行するドローンを見かけることがあるかもしれない。

編集部注:本記事の初出はEngadget。執筆者Andrew TarantolaはEngadgetの編集主任。

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(文:Andrew Tarantola、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

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TechCrunch Japan

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