Vine、過去最大規模のアップデートで自らの魅力を顕示

Twitterが提供する6秒間ループビデオ共有ツールのVineが新しいバージョンを投入してきた。カメラ機能を新たにし、さまざまなジャンルのカテゴリが用意された。また他の人のVine投稿を「revine」する機能も搭載された。

今回のアップデートは利用者からの要求に応えるアップデートであり、またフォロワー獲得にも便利になり、注目を浴びやすくなったと言えよう。

変更点の中で、まずカメラの変更が大きなものだと言えるだろう。とくに静止映像を連続させてアニメーションを作るの(Vineの中でも人気の手法だ)が便利になり、プロフェッショナルからも歓迎の声が聞こえる。カメラ画面中にグリッドやフォーカスツール、また直前の画像を薄く表示させるGhostツールというものも導入された。但し、Instagram Videoにあるような編集機能は導入されなかった

閲覧時にも便利だし、また、自分のビデオをより多くの人にみてもらうため、15個のチャンネルが用意された。これによりビデオに撮った対象に興味がある人に見てもらいやすくもなったわけだ。現段階では音楽、自然、コメディなどのカテゴリが用意されている。それぞれのテーマや人気フィードを見ることができるようになっている。こうした仕掛けにより、面白いビデオを作成すれば、より多くの人に見てもらえるようになったと言えるだろう。

ところで、Vine使いのプロであるMeagan Cignoliと少し前に話をした。彼女はさまざまなブランド向けに静止画合成ビデオを作成して収入を得ている。その彼女は、ともかく「カテゴリ」の導入を強く訴えかけていた。それによりVineコミュニティが活性化すると考えているわけだ。彼女は現在、Vine上では200,000のフォロワーを獲得している(Instagramでのフォロワーは10,000人だ)。Instagramでも、注目を浴びるための仕組みが不足していると彼女は主張していた。

尚、カテゴリ毎にわけるだけでは、せっかく多くの人に訴えかけるものであっても、十分な注目を浴びることができないかもしれない。しかしそのようなときのために「On the Rise」(人気上昇中)というカテゴリもある。これによっても注目を浴びるチャンスを与えられているわけだ。

また、拡大を続けるVineコミュニティでは、「Re-vine」機能の実現を求める声も大きかった。Vineを運営するTwitterに「Re-tweet」(リツイート)機能があるのだから、これは当然のリクエストであったと言って良いだろう。今回のリニューアルを経て、気に入ったVineビデオをボタンクリックによりシェアできるようになった。

さらに、Vineはビデオの共有範囲について細かく設定するための機能も追加した。Vineのデビュー当初からは、プライバシー関連の設定メニューは用意されていなかった。ビデオを投稿すると、それは全体に公開されるという仕組みになっていたのだ。Profile > Settingsのページから、フォロワーのみの公開するオプションを設定することができるようになった。

InstagramがInstagram Videoをスタートして、Vine危うしという声もある。しかしVineはこの6ヶ月で見ても、コミュニティを大いに拡大してきていて、現在の利用者は1300万以上となっている。最大6秒までといった制限や、編集不可といった制約も、むしろ「味わい」として受けいられている様子でもある。これにより製作者側からも、閲覧者側からも人気を集めている理由のひとつとすらなっているようだ。

Instagram VideoがVineの成長を阻害するのかどうか、それはもう少し見てみないとわからない。しかしどうやら双方ともに生き残っていくマーケット規模があるのかもしれない。少なくともVineが今回のように利用者の声に迅速に対応する限り、人気を失うことはないのではないかと思われる。

Vineは単純な機能をもってデビューしたが、利用者の求めに応じてフロントカメラの利用を可能とし、そしてAndroidアプリケーションもリリースしてきた。そうした反応のよさは、やはりVineの魅力といって良いだろう。

今回のアップデートはTwitterないしVineが自信を持って送り出したもののようだ。iOS利用者の方は、ぜひともアップデートしてみてはいかがだろうか。

原文へ

(翻訳:Maeda, H)