AmazonのEcho系列は今年の早期に顔ぶれを一新し、ベーシックなEchoをバージョンアップ、スマートホームのハブとしてのEcho Plusを導入、そして頑丈なEcho Dotは変わらなかったが、相変わらずコスパの良いデバイスだ。
その新しい陣容によってこのデバイスは、市場をさらに拡大した。今月はカナダでも発売されたから、今ではカナダ人であるぼく自身のアパートで、たくさんのEchoデバイスを試している。この陣容一新の最大の功績は、目新しい小物デバイスという印象が消えて、近未来の日常家庭用品というイメージになったことだ。つまり、どの家庭にも必ずあるべき、新しい消費者電子製品だ。
Amazonも明らかに、この感じ方を強めようとしている。新しいAmazon Echoはほぼ全体が布で包まれているし、ソファーなどの家具の仲間のような印象も、偶然ではなく意図的だ。インテリアの一部のような感触は、このスマートスピーカーが従来のオーディオスピーカーのように固定式ではなく、本棚でもテーブルでもどこへでも置けることにも由来している。どっかに隠す必要もない。そして全体が布だから、目ざわりでない。小物電子製品を、日常の中で気に障(さわ)らないものにするためには、こんなデザインが必須だろう。
ぼくのところでは、まさにそのとおりで、Echo(とEcho PlusとEcho Dot)は、照明のスイッチやカウチや電子レンジなどと並ぶ家庭用品だ。その最新世代は、音質が良くなったなどの改良がある。新しいEchoだけでなく、Echo Plusも音は良い。まあ、似たような製品だけどね。
うちでは複数のEchoで、Hueのライト(スマート電球)をコントロールしている。スイッチは、もう随分長く使っていない。そのほか、ホームシアターのコントロールや、Nestのサーモスタットによる温度コントロール、ニュースや天気予報、キッチンのタイマーなどにも使っている。今ではEchoを使うことが自然な習性になっているので、手でスイッチを操作するなど昔のやり方がすごくかったるい。昔のやり方がすごく不便、ということは全然ないのに。
しかし、若干の疑問もある。たとえばスマートホームのハブを統合したEcho Plusは、家庭用デバイスのワイヤレス接続に二つの主なスタンダードがあるのに、一つしかサポートしていない。でも今のところ、それは気にならないし、Echoは日に日に、コーヒーテーブルや皿洗い機などと同じく、頼りになるデフォルトの生活用品になっていく。