最近投資家のハートをいちばんワクワクさせた起業家は誰?–SV Angelの面々がその実名を挙げる


  
シリコンバレーのもっとも高名な投資企業の一つであるSV Angelの投資家だから当然とはいえ、Ron ConwayDavid Lee、それにBrian Pokornyらは毎日のように新しいスタートアップのファウンダたちに会っている。彼らは今週行われたDisrupt NYC 2013のステージに登場して、本誌ファウンダのMichael Arringtonとお話をしたが、私は楽屋に引っ込んだ彼らをつかまえて、最近会ったファウンダの中で誰にいちばん感銘を受けたか、と聞いてみた。今はまだほとんど無名でも、彼らの中に次の大物がきっといるはずだ。

すごいと思ったのは、上記三名のパートナーにそれぞれお気に入りの新人起業家がちゃんといて、実際にその名を挙げてくれたことだ。だから上のビデオはじっくりと聞く価値がある。Conwayが名指ししたのはFiftyThreeのGeorg Petschnigg、今大人気のiPadアプリPaperを作った企業だ。Pokornyが挙名したのはMessageMeArjun Sethi。David Leeは、Science Exchangeの協同ファウンダたち…Dan KnoxRyan Abbott、そしてElizabeth Iornsにとても心打たれた、と言う。

楽屋裏の雑談は、これだけではなかった。なぜSVは、テクノロジ産業の絶頂期はまだまだこれからだと楽観しているのか? カリフォルニアから久しぶりで東部に来たSVは、ニューヨークでどんな企業と話をしたのか? Conwayは最近ますます政治づいているけど、それがビジネスにどう影響しているか? などなどを私は聞きまくった。それでは、そんな中身の濃いビデオを、ご覧いただこう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


サンフランシスコの体験型科学技術博物館Exploratoriumが総工費3億ドルで新装

サンフランシスコの体験型科学技術博物館Exploratoriumが、ベイの第15埠頭の新しい建物に引っ越しをして、来週開館する。本誌は一足お先に、その中を見せてもらうことができた。

科学博物館は多くの都市にあるが、でもExploratoriumはとりわけ、テクノロジ色が濃い。まずその理事会のトップ(理事長)のGeorge Coganは、Bain & Companyのグローバルテクノロジ部門を率いる人で、理事にはTwitterとSquareの協同ファウンダJack Dorsey、LinkedInの協同ファウンダReid Hoffman、Googleの三人目の社員で現在はKhan Academyの役員Craig Silverstein、GoogleのJeff Huberなどなどの‘テク名士’たちが顔を揃える。総工費3億ドルの新館の建設には、数多くのテク企業が合計数百万ドルを寄付している。

上のビデオでは、新館の中をざっと散歩できる。展示物の中にはメーカー運動からヒントを得た”Tinkering Studio”なんかもある。そして下のビデオでは、CoganがExploratoriumの技術革新における役割について述べている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


大企業役員の道を捨てスタートアップを起業した元SunのScott McNealyにインタビュー

テク業界で、飛ぶ鳥を落とす勢いのスーパーカンパニーと言えば、往年のSun Microsystemsに勝るものはない。そのとき同社を率いていたのが協同ファウンダで当時のCEO Scott McNealyだ。だから今のMcNealyの姿は、見る人にとって一種のカルチャーショックかもしれない。彼は数年前に新しい会社、企業のソーシャル化を助けるWayinを起業して、石ころと砂ほこりだらけのスタートアップの世界に飛び込んだのだ。

今週本誌TechCrunchは、テキサス州オースチンで行われたSXSW(South By Southwest)でMcNealyをつかまえ、大企業からスタートアップへ移行した理由や、その過程で学んだことなどを聞いた。彼の話は、シリアスであると同時に、とてもユーモラスでもあった。

またScott McNealyは本来、歯に衣着せぬテク業界の毒舌論客としても有名なので、その方面の話もいろいろ聞けた。ソーシャルの世界と企業との橋渡し、教育の未来、オープンソースの重要性、テクファウンダたちの人類愛的役割、などなど。では、上のビデオをご覧いただこう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


ベイブリッジが豪華な電飾アニメーション, アーチストのLeo Villarealにインタビュー

昨夜(米国時間3/6)は豪華なライトアップThe Bay Lightsと呼ばれる屋外の巨大アートを演出した。880万ドルを投じたその美術的装備が、長年地味なぱっとしない色だったサンフランシスコのベイブリッジを、向こう2年間、毎晩、LEDを使った世界最大の光の彫刻に変える。

それはまず何よりも芸術作品だが、大量のテクノロジがそれを支えている。西側1.8マイルに取り付けられている25000個のLED電球は、ソフトウェアのアルゴリズムにより、一つ一つがプログラムによって点滅し、しかも同じパターンは二度と現れない。ハードウェアもテクノロジの粋だ。電球を保持するクリップは特別設計で、何か月にもわたる厳しい気象条件に耐える。また出資はすべて民間からで、中でもサンフランシスコのベイエリアの有名テク企業やそのトップたちがこぞって賛助している。YahooのCEO Marissa Mayer、SV Angelのファウンダで古参の投資家Ron Conway、Y Combinatorのパートナーで元GoogleのPaul Buchheit、ZyngaのCEO Mark Pincus、WordpressのファウンダMatt Mullenwegなどなど。

そこでTechCrunch TVはライトショウが始まる前の記者会見にカメラを持ち込み、撮影取材をした。混み合った会場をかき分けかき分けしてThe Bay Lightsを作ったアーチストLeo Villarealつかまえ、質問がたった二つというインタビューをした。彼自身がアートとテクノロジの二股をかけた人生を歩んできている。学歴のメインは彫刻と対話的通信技術だ。また大学卒業後は1990年代にパロアルトにあったPaul AllenのInterval Researchで、ソフトウェアの世界に浸った。

上のビデオは記者会見の席で行ったVillarealの短いインタビューだ。彼は、テクノロジとアートの交錯について、および、The Bay Lightsの制作工事における技術的な難関について語っている。

またインタビュー以外にも彼は、おもしろいことを言った。誰かが、この作品の見どころと彼のヴィジョンについて尋ねた。そのときの彼の答えはまさに、科学と芸術の結合を見事に解説している:

“ものごとを形作っている規則と構造に関心がある。とりわけ、ぼくという人間を作ったのは、ソフトウェア産業におけるすばらしい体験だと思う。今度の作品が表現しているものは、橋のまわりで起きているいろんなものの動きに触発された抽象的なシーケンスだ。それらの動きはつねに、一瞬先にどうなるか分からないし、予見不可能、他から制御されないという意味で、きわめて主観的なのだ。”

本当に美しい眺めだ。このベイブリッジの姿を見たら、そこから逆に何かを触発される人たちも現れるだろう。ベイブリッジの美しい隣人ゴールデンゲートブリッジ(金門橋)が、長年そうだったように。

下のビデオは、The Bay Lightsのライブストリーミングだ。毎日、太平洋時間で日没から午前2時までライトアップが行われる。

このライブのストリーミングビデオは、livestream.comのacmeliveからだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

ネットに繋がらない「オフの日」を実践する「ナショナル・アンプラグデー」

ryanlawlerunpluggedさて。アメリカでの土曜日が、少々違ったものとなっていたはずだが如何だったろうか。カフェでは見知らぬ同士が、お互いにフェイス・トゥ・フェイスで会話をしていたはずだ。誰もノートパソコンなど使っていなかっただろう。また信号待ちの車は、ライトが青に変わればすぐに発進させたはず。「ちょっとこのツイートを送信してから」などと、とろとろとしている人もいなかったはずだ。

もちろん、急に1995年にタイムトラベルさせられたというわけではない(まあそれそれ面白いのではないかとも思う)。

変わっていたはずだというのは、ナショナル・アンプラグデー(National Day Of Unplugging:ネットに繋がらずに過ごす日)の当日だったからだ。2010年から行われている。3月最初の金曜日の日没から、翌日の日没までの期間をネットなしに過ごそうというものだ。宗教儀式のひとつである「サバス:安息日」(SabbathないしShabbat)にヒントを得たものだ。

もちろん、「大半の人が実践している」などというわけではない。しかしなかなか面白い試みではあるだろう。誓約書も用意されているが、もちろん冗談のもので、気軽に試してみるのも良さそうに思える。

ナショナル・アンプラグデーのサイトによれば、「日々の忙しさから抜け出し、ネットから離れて、じっくりと考える時間をもち、のんびりと出かけて、親しい人とゆっくりした時を過ごそう」というのが目的なのだそうだ。ちなみに、先に示した「誓約書」にサインすると、電話の電源を切る、PCの電源も切る、ロウソクを灯す、ワインを用意するなど、「10のルール」に従うことが求められるのだそうだ。この「10のルール」は、本文末尾にも掲載しておいた。ルールを眺めるうちは簡単そうに思えるが、いざ実際に行動に移そうと考えてみれば、なかなか難しいものだと思う。

ところで先日、かなりの成功を収めたウェブ系アントレプレナーと食事をする機会があった。彼女も実は毎週、ネットワークを絶って家族と過ごす日を作っているのだそうだ。少し年配の方なのではあるが、しかしビジネスで名を成し、友人や家族など、人的なネットワークもかなり広い方だ。そんな彼女がなぜネットワークを遮断して過ごすことが可能なのだろう。週に1日でもネットワークを遮断する日などを作ってしまえば、どうしても不利益に繋がってしまいそうな気がするのだ。誰かがすごく面白そうなパーティーに誘ってくれたらどうするのだろう。あるいはTwitterのIPO関連書類がメールで送られてきていたら、史上最大級のトクダネを逃すことになってしまう。

「自分で境界を作ろうとする努力をしなければならないのですよ」と彼女は言った。「長い目で考えると、そうすることで仕事も人生も一層うまくいくようになるはずです」とのこと。

確かにそうなのだろう。現在の「いつでもオン」の時代の前、1日24時間繋がり続けていなくても、多くの人たちが立派な人生を送り、偉大な業績を残してきたのだった。現在のトレンドは、「一層ハードに、即時に、そして長時間」働くというところにある。こんな時だからこそ思い出しておきたいことがある。テックの世界でも、あるいはそれ以外の分野においても、偉大な仕事を成し遂げてきた人びとは、現在における大半の人たちよりも繋がっていない個の時間を大事にしていたのだった。

さまざまなガジェットやウェブからちょっと離れる時間を持つというのは不可能なことではないはずだ。と言うよりもむしろ、ネット無しでも生きていく方法をしっかりと思い出しておく必要があるのかもしれない。

ナショナル・アンプラグデーの「10のルール」は以下の通りだ。

unplugging principles

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(翻訳:Maeda, H)

FacebookとTwitterで働くふたりが示した「ソーシャルネットワークの有効性」(Twitbook Proposal)

週末にサンフランシスコや、あるいはテッキーな人たちの間で大いに流行ったビデオをご紹介しよう。Facebookで働くJon Parkが、長く付き合ってきたTwitter社員のGenevieve Wongにプロポーズした様子を撮影したものだ。お互いが仕事で関わっているソーシャルメディアを利用してのプロポーズであることから「Twitbook Proposal」と名付けられて公開されている。タイトルは「そのまんま」ながら、「ちょっといい話」に仕上がってるように思う。

今や、ソーシャルメディアがむしろ人間関係を疎遠にすることもあると言われている。しかし「Twitbook Proposal」では、ソーシャルネットワークが、正しく「ソーシャル」の効果を発揮しているように思う。多くの人が関わり、そして人生の大事な瞬間をみごとに記録に残したのだった。ソーシャルメディアが壊してしまうこともあると言われるが、もちろんそうでないケースだってあるのだと示してくれている。たくさんの友人たちが繋がり、ロマンチックな目的に向けてうまく協力できている。

YouTube上にはあまりにたくさんの「プロポーズビデオ」が流れていて、食傷気味だという人もいるかもしれない。しかし今回のご紹介したものは、きっとそういう人にも気に入ってもらえるのではないかと思う。きっと笑顔を浮かべてしまうことと思う。あるいは感激して泣きだしてしまう人もいるかもしれない。

おめでとう。両人ともお幸せに。

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(翻訳:Maeda, H)

Groupon株、CEO離任発表後に時間外取引で12%上昇(ただし後に下落)

Andrew Masonの損はGrouponの得、少なくとも株主たちにとってはそうなのかもしれない。

Grouponの株価は、時間外取引で急激にかつ際立って上昇した。長年のCEO Andrew Masonが同社を追われたことが発表された直後のことだった。最初の報道から数分以内に株価は終値の4.53ドルから最大12%はね上がった。東海岸時刻4:20pm、時間外本日最高値の5.10ドルを記録した。NASDAQによる

もちろん株価は秒単位で変わるので、この手のビッグニュースに対する市場の反応にこだわりすぎても仕方ない(Grouponの時間外レースはその後鎮静化した)。しかし、現実に急な値上がりがあったという事実は、Masonの離任を前向きな一歩と見る投資家が存在することを示している。

とはいえ、Grouponの道のりは長い。同社の株価は2011年11月の上場時には20ドルだった。ここ数ヶ月間じりじりと下がり続け、今週同社が相当精彩を欠いた四半期決算を報告した後、大きく落ち込んだ。

Grouponでは多くの社員がMasonの離任を悲しんでいるに違いないが、彼自身はこの出来事を冷静に受け止めているようだ。Masonは、オンラインに載せた従業員向けの実に率直なメモの中で、自身のCEO辞任は妥当であると言った。

「私は今日クビになった。理由がわからない人は・・・おそらく注意が足りない。問題になったS1資料の記述から、われわれの重大な弱点、2期連続で予測を下回り株価が1/4も下がったことまで、この1年半の出来事が自ずとものがたっている。CEOとして、私に責任がある」

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(翻訳:Nob Takahashi)

アメリカの将来はソフトウェアに―ザッカーバーグ、ゲイツ、ドーシーたちが子どもたちにプログラミングを勧めるビデオに登場

Code.org先月発足したコンピュータ科学教育の振興を目指す新しいNPOで、ベンチャー投資家のAliHadi Partoviの兄弟によって設立された。Code.orgは世界でももっとも有名かつ成功したプログラマーのオールスターを揃えたビデオを公開した。このビデオで彼らはプログラミングがいかに人生を変えたかを振り返り、プログラミングは知らないものが思うほど難しいものではないと説明している。

上にエンベッドした5分間((9分間のロング・バージョンもある)のビデオの監督はWaiting for Superman〔スーパーマンを待ちわびて〕 やAn Inconvenient Truth〔不都合な真実〕のプロデューサーとして有名なレスリー・チルコットだ。出演者はマーク・ザッカーバーグビル・ゲイツジャック・ドーシードルー・ハウストン〔Dropboxのファウンダー〕、トニー・シェイ〔ザッポスのファウンダー〕、マイアミ・ヒートの選手クリス・ボッシュ(NBAに入る前、ジョージア工科大でコンピュータ科学を専攻していた)、その他そうそうたるメンバーだ。

プログラミングという難しげなテーマにもかかわらず、出演者の人間味があふれる楽しいビデオになっている。

私の電話インタビューに答えて「楽しいビデオにすることがカギだった」とHadi Partoviは語った。このビデオは一般の人々、特に子どもたちや若い層に訴えかけるのが目的だからだという。プログラマーの不足という根深い問題を解決するには草の根からの運動が重要となるというのがHadiらの考えだ。

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大学でプログラミングのコースを選ぶ学生の比率は依然として低い。さらに悪いことに、プログラマーはアメリカでもっとも急速に求人が増加している職種であるにもかかわらず、アメリカの学校ではまったくといってよいほどプログラミングを教えていない。Partoviによればアメリカの学校では10校に9校までがプログラミングを教えておらず、教えている学校もほとんどが選択科目にしていて、卒業に必要な必修単位にしていないという。「木材工芸なみの扱いだ」と。Partoviは言う。

事実、統計によれば(上のグラフ参照。詳細はCode.orgのサイトに)、今後予測されるアメリカにおけるプログラマーの求人数とプログラミング技術を持った卒業生の数の間には非常に大きなギャップが存在する。このことはIT業界の関係者が常日頃痛感しているとおりだ。

100万人の雇用というのは5000億ドルの経済規模だ。 財政の断崖にも匹敵する金額である。Partoviはこう説明する。「これはアメリカ経済にとって非常に大きな問題だ。われわれは高度な技術を持った移民の受け入れを容易にすることで対処しようと努力している。これも重要だが、長期的に本当に重要なのはプログラミングをより多くの人々に教えることだ」”

ではわれわれにもできることはあるだろうか? 第一歩は簡単だ。このビデオを家族、友だち、同僚、知人などできる限り多くの人と共有して見てもらうようにすることだ。

その上でさらにいくつか可能なことがある。読者が教員ならCode.orgを訪問して自分の学校にコンピュータ・プログラミングのコースを設けるよう訴える請願に署名する。自身がコンピュータ・エンジニアであれば、時間を割いて子どもたちにプログラミングを教えるボランティアに加わる。両親であるなら子どもたちにCode.orgのウェブサイトで簡単なプログラミングを学ぶよう勧める。あるいは近所でプログラミングを教える学校を探す。そういったことができるはずだ。

非常に大きな問題だが、Code.orgは解決に向けて正しい方向に一歩を踏み出したようだ。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+

「インターネット上のタイムマシーン」サービスを提供してきたMemolane、突然のサービス停止をアナウンス

Memolane LogoUpdate:ソーシャルネットワーク上での過去の行動をアーカイブして閲覧できるサービスを提供してきたMemolaneが、サービスを停止することとなった。同社ブログにて停止をアナウンスしている。

何の前触れもなく、急な話に感じられる。Memolaneに蓄積された情報はアメリカ時間の2月22日(つまりは明日)に削除されるのだそうだ(何時なのかという情報は明らかにされていない)。Memolaneにある情報というのは、それぞれ他のソーシャルネットワークからもってきたものではある。であるので、元情報が消えてしまうということにはならない。しかしそれにしても、あまりに突然の停止アナウンスに戸惑っている人も多いことだろう。

スタートアップが十分な成功を収めずに消えていってしまうのを見るのは寂しいことだ。しかし、Memolaneの場合は、詳細は不明ながら明るい未来があるものなのかもしれない。Memolaneによると、同社チームは「Memolaneの機能を拡張的なサービスを展開する企業に合流」することになるのだそうだ。Memolaneのファウンダー兼CEOであるEric Lagierに質問を送ってみている。合流することになる企業はどこなのか、合流というのが買収を意味するのかどうかなど詳細を尋ねてみているのだ。返事があり次第、更新情報を掲載することとしたい。

Update:Lagierから返事があった。但し「現在のところ、詳細は明らかにできない」というものだった。ちなみにサービスを停止することになった時点で、Memolaneは5名のスタッフで運営されていたのだそうだ。

Memolaneのサービス開始は2010年のことだった。ベンチャーキャピタルよりトータルで250万ドルの資金を調達している。サービスのコンセプトは、FacebookやTwitterでの過去の行動を振り返ることのできる「タイムマシン」サービスを提供するということで、なかなか面白いものだった。しかし、ややタイミングも悪かったのかもしれない。Facebookも、2011年9月に、自前でタイムライン機能を実装することとなった。これによりMemolaneの価値が減じてしまったという面はあるだろう。

また、Timehopというサービスも生まれ、過去のソーシャル活動を表示しつつ、いろいろと見て回ることのできる仕組みが面白いもので、大人気となった。そのような中、Memolaneとしても奮戦し、新機能のリリースも続けてきた。しかしついに、単独で戦っていくことは不可能と結論し、白旗を掲げることとなったわけだ。終わりを告げるブログ記事では、敵であったはずのTimehopやJolicloudの名前をあげて紹介してもいる。

「終わり」を宣言したブログ記事を以下に掲載しておこう(英文まま)。

“Here at Memolane, we’ve had an amazing two years helping people see, search and share all of their social media content from across the web. Our goal was to make it exciting to relive great adventures with friends. We are proud that we could bring joy to people’s lives by sending out daily emails with fun memories from the past. As well, it has been a thrill to share in the excitement when one of our fans rediscovers a precious moment that was once lost.

Today we want to share the exciting news that our team is joining another company that will utilize the Memolane features in an expanded way, adding more value to all the great memories captured on social media.

Unfortunately this also means that we will be shutting down the memolane.com service. Your account with Memolane and all its content will be deleted on Friday Feb. 22th 2013. Please note that Memolane only aggregates content so all of your social media memories will still be available on the existing social media services you use.

As well, if you love receiving your daily MemoMail, there are other services which you can use, such as Timehop. JoliCloud also offers a service for accessing all your social media. Check it out!

Since our launch almost three years ago at StartupWeekend CPH 2010, we have seen continued innovation around our vision of rediscovering great memories. With the launch of Facebook Timeline we saw the ultimate validation of our vision.

If you feeling a bit nostalgic then you can read all about how it all started. Also, feel free to send us a message on Twitter or Facebook. Also check out our FAQs post for more information.

Finally, we would like to share a word of heartfelt thanks with our loyal users, partners and our incredible team. We cannot thank you enough for all of your support, feedback, and warm wishes over the years.

And as always…

Keep making great memories, thanks for being part of ours!
Eric, Nikolaj and the Memolane Team”

原文へ

(翻訳:Maeda, H)

「インターネット上のタイムマシーン」サービスを提供してきたMemolane、突然のサービス停止をアナウンス

Memolane Logoソーシャルネットワーク上での過去の行動をアーカイブして閲覧できるサービスを提供してきたMemolaneが、サービスを停止することとなった。同社ブログにて停止をアナウンスしている。

何の前触れもなく、急な話に感じられる。Memolaneに蓄積された情報はアメリカ時間の2月22日(つまりは明日)に削除されるのだそうだ(何時なのかという情報は明らかにされていない)。Memolaneにある情報というのは、それぞれ他のソーシャルネットワークからもってきたものではある。であるので、元情報が消えてしまうということにはならない。しかしそれにしても、あまりに突然の停止アナウンスに戸惑っている人も多いことだろう。

スタートアップが十分な成功を収めずに消えていってしまうのを見るのは寂しいことだ。しかし、Memolaneの場合は、詳細は不明ながら明るい未来があるものなのかもしれない。Memolaneによると、同社チームは「Memolaneの機能を拡張的なサービスを展開する企業に合流」することになるのだそうだ。Memolaneのファウンダー兼CEOであるEric Lagierに質問を送ってみている。合流することになる企業はどこなのか、合流というのが買収を意味するのかどうかなど詳細を尋ねてみているのだ。返事があり次第、更新情報を掲載することとしたい。

Update:Lagierから返事があった。但し「現在のところ、詳細は明らかにできない」というものだった。ちなみにサービスを停止することになった時点で、Memolaneは5名のスタッフで運営されていたのだそうだ。

Memolaneのサービス開始は2010年のことだった。ベンチャーキャピタルよりトータルで250万ドルの資金を調達している。サービスのコンセプトは、FacebookやTwitterでの過去の行動を振り返ることのできる「タイムマシン」サービスを提供するということで、なかなか面白いものだった。しかし、ややタイミングも悪かったのかもしれない。Facebookも、2011年9月に、自前でタイムライン機能を実装することとなった。これによりMemolaneの価値が減じてしまったという面はあるだろう。

また、Timehopというサービスも生まれ、過去のソーシャル活動を表示しつつ、いろいろと見て回ることのできる仕組みが面白いもので、大人気となった。そのような中、Memolaneとしても奮戦し、新機能のリリースも続けてきた。しかしついに、単独で戦っていくことは不可能と結論し、白旗を掲げることとなったわけだ。終わりを告げるブログ記事では、敵であったはずのTimehopやJolicloudの名前をあげて紹介してもいる。

「終わり」を宣言したブログ記事を以下に掲載しておこう(英文まま)。

“Here at Memolane, we’ve had an amazing two years helping people see, search and share all of their social media content from across the web. Our goal was to make it exciting to relive great adventures with friends. We are proud that we could bring joy to people’s lives by sending out daily emails with fun memories from the past. As well, it has been a thrill to share in the excitement when one of our fans rediscovers a precious moment that was once lost.

Today we want to share the exciting news that our team is joining another company that will utilize the Memolane features in an expanded way, adding more value to all the great memories captured on social media.

Unfortunately this also means that we will be shutting down the memolane.com service. Your account with Memolane and all its content will be deleted on Friday Feb. 22th 2013. Please note that Memolane only aggregates content so all of your social media memories will still be available on the existing social media services you use.

As well, if you love receiving your daily MemoMail, there are other services which you can use, such as Timehop. JoliCloud also offers a service for accessing all your social media. Check it out!

Since our launch almost three years ago at StartupWeekend CPH 2010, we have seen continued innovation around our vision of rediscovering great memories. With the launch of Facebook Timeline we saw the ultimate validation of our vision.

If you feeling a bit nostalgic then you can read all about how it all started. Also, feel free to send us a message on Twitter or Facebook. Also check out our FAQs post for more information.

Finally, we would like to share a word of heartfelt thanks with our loyal users, partners and our incredible team. We cannot thank you enough for all of your support, feedback, and warm wishes over the years.

And as always…

Keep making great memories, thanks for being part of ours!
Eric, Nikolaj and the Memolane Team”

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(翻訳:Maeda, H)

Pinterest、シリーズDラウンドで2億ドルを調達、評価額は25億ドル(確認済)

コンテンツ発見ウェブサイト、Pinterestは、利用者がお気に入りの写真やビデオをバーチャル「コルクボード」に貼ってシェアできるサービスとして一気にメジャーになったが、それが単なる見かけだけでなく、大きなビジネスになることを証明しつつある。

Pinterestは今日(米国時間2/20)、新たに約2億ドル調達ラウンドを完了したことを正式に発表した。リードしたのは新しい出資者、Valiant Capital Management。PinterestにとってシリーズDとなる同ラウンドには、他にAndreessen Horowitz、Bessemer Venture Partners、およびFirstMark Capitalらの既存投資家が参加した。今日の午後このニュースを最初に報じたのは、AllThingsDのKara Swisherで、その後Pinterestは、調達ラウンドおよび評価額についてTechCrunchにメールで知らせた。

2箇所の情報源によると、Walt Disney Co.もこの最新ラウンドへの参加に関心を示しており、それに関して数週間前から噂になっていた。しかし、どうやら結局投資には至らなかったようだ。

資金調達のための評価額は25億ドルだったと、Pinterestの広報担当者がメールに書いている。資金は一般的な成長に向けての取り組みに投入される予定だ。雇用、新しい製品とテクノロジーの開発、インフラの整備、海外での成長、およびM&A。Pinterestはサンフランシスコに拠点を置き、社員は現在約100名。

同社はCEO Ben Silbermannからの以下のメッセージも公開している。

「われわれは、何百何千万という人たちが大好きものを発見し、人生で大切なことのインスピレーションを受けるのを手助けすることに焦点を当てている。この出資によってわれわれは、このビジョンを実現するための大きなリソースを得られる。」

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi)

CodecademyがTwitter, Evernote, Boxらと提携してAPIレッスンをよりリアルに拡充

codecademy logo

今はプログラマにとって良い時代だ。そう言える理由はいくつかあるが、その一つが公開されているAPIの多さだ。それらのAPIを利用するとプログラマは、高度な機能を比較的短時間で容易に自分のアプリケーションへ実装できる。

すべての人にプログラミングを教えることをミッションとするCodecademyも、JavaScript、Rubyに続いてWebアプリケーション/サービスのAPIを次なる学習言語として取りあげた。そして今日(米国時間2/19)Codecademyは、APIを利用するプログラミングの新しいレッスンを、既存のWeb企業数社との提携により提供する、と発表した

CodecademyがAPIのレッスンを開始したのは先月だが、今回の提携事業により、いくつかの有名大手WebサービスのAPIが教材として加わる。それらの新しいAPIプログラミングレッスンに加わるのは、TwitterEvernoteBoxGiltなどのサービスだ。そのほかの、全パートナーの名前を列挙すると: WePay、Microsoft SkyDrive、23andme、Mashape、Ordr.in、Firebase、Easypost、Github、MailChimp、そしてDwollaとなる。

これだけのAPIを使いこなせたら、すごいことができるだろう。Codecademyの協同ファウンダZach Simsはこう言う: “Codecademyでレッスンを開始してからわずか数分後に、ユーザはいくつかのすばらしいことができるようになる”。たとえばTwitterのAPIを使えば、自分が今書いているプログラムからツイートを読んだり自分のツイートを作ったりできる。WePayやDwollaのAPIでは、たとえば送金をしたり請求書を作ったりできる。

APIプログラミングを加えたことは、Codecademyのすてきなアップデートだ。同サイトは2011年8月のローンチ以来着実に成長し、今ではスタッフが17名、獲得したベンチャー資金は1250万ドルになる。このアップデートによってCodecademyは、単純に初心者にプログラミングの初歩を教えるだけでなく、従来的なプログラミング言語でプログラムを書ける人たちにも、新しいプログラミング技法を身につけさせることが、できるようになった。

APIレッスンの全容は、ここにある。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

ヴィンス・ヴォーンとオーウェン・ウィルソン、映画でGoogleのインターンを演じる

地理的に、ハリウッドとシリコンバレーは何百マイルも離れているが、精神的に両者は近づきつつあるようだ。

その最新の実例が、The Internship。ヴィンス・ヴォーンとオーウェン・ウィルソン主演の男の友情を描いたこの夏公開予定の映画だ。作品中ヴォーンとウィルソンは、リストラされた中年セールスマンがなぜかGoogleでインターンになったという男たちを演じる。眼鏡をかけた20代の天才が彼らのボスで、どうみても適合できない2人には、その後もちろん楽しい出来事が起きる。

現代のテク業界の奇抜な世界が、ショウビジネス人たちにとって魅力的なネタであることに不思議はない。ソーシャルネットワークは、この手のストーリーがいかに銀幕で人を呼べるかを証明した。さらに、FacebookやGoogleのような会社で働くことがどんなものであるかは、ここ数年一般の人たちにとっても特別な興味の対象になっている(私の情報開示ページにもあるように、夫はGoogleで働いている。そして毎年末、Googleの無料レストランや、他の広く報じられている社員特典について、一番テクノロジー音痴の親戚からもさえも質問されている)。

しかし少々驚かされたのは、この The Internshipの製作に対するGoogleの関与のレベルだ。出演者たちは撮影準備のためにGoogleのマウンテンビュー本社に立入ることができたと言われ、Google自身も熱烈な協力声明を発表し「ヴィンス・ヴォーン、オーウェン・ウィルソンの両名が、ウェディング・クラッシャーズ以来の共演作品の場にGoogleキャンパスを選んでくれたことは大変光栄である」と言っている。さらに昨日は〈日頃は空白だらけのページで知られ、稀に自社サービスまたは大きな慈善事案へのリンクを貼るだけの〉Googleトップページに、同映画の宣伝活動の一部と目されるヴォーン、ウィルソンとのGoogle+ Hangoutへの派手なリンクが貼られていた。

これは『ソーシャルネットワーク』に対するFacebookの反応とは対照的だ。同社は殆んど沈黙を続け、時として徹底した拒否反応を見せた。もちろん2つの作品は全くタイプの異なる映画だが、一方の会社がここまで協力しているところを見るのは興味深い。

ともあれ、予告編は今日ウェブで公開され、上に貼り付けてある。

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(翻訳:Nob Takahashi)

アル・ゴア曰く、インターネットの普及は汚職を減らす。しかし広告はどうなるのか?

アル・ゴア元大統領は訪問中のサンフランシスコで、PBS系列ローカルラジオ局KQEDのマイケル・クランシーと共にという番組に1時間にわたって出演した

それはクランシーのインタビューによく見られるように興味深く多岐に渡る会話だった。しかし、TechCrunch視点で特に興味を引いたのは、汚職、買収、ロビー活動が以前にも増している今の米国政府の状況についてゴアが聞かれた時だった。

ゴアは、確かに大きな問題であり様々なレベルで対応する必要があると言った。次に彼は、インターネットがこの傾向を逆転させる最も有効な手段の一つであると指摘した(記事の末尾に全録音を埋め込んである。この話題は33:55から)。彼は言う言った。

「時間と共に、インターネットは政治における金の役割を容赦なく縮小するだろう。現在政治家がテレビの30秒CMを買うために膨大な活動資金を必要としていることが、金銭問題の大きな要因となっている。

インターネットが普及し、いずれコミュニケーションの主要手段になれば、個人が市民としての役割を演じる後押しとなり、議会制民主主義を再び活性化できるだろう 」

まずは、良い知らせから

すばらしい話だ。そしてこうした傾向はわが国全体にとっても間違いなく良いことだ。ゴアの言う通り、現在政治家が買わなくてはならない30秒スポットは非常に高額であり活動資金の大半を費やす結果となっている。その金は、オハイオ州をはじめとする激戦州の良い人々全国選挙前の一ヵ月間24時間広告を見せ続けるより、もっといい使い方があるはずだ。

次に、悪い知らせ

しかし、アル・ゴアの将来展望は違ったものも見据えている。インターネット広告は、テレビ広告ほどには儲かるようにならない。ゴアによると:これからの政治家は、賄賂を受け取ったり、ロビイストの世話になる必要がなくなる。なぜなら、今ほど広告のために金が必要なくなるからだ。この背景には、ウェブ広告がテレビCMほど高額にならないから、あるいはインターネット利用者はテレビ視聴者ほど影響を受けないから、という仮定がある。おそらくその両方だろう。

いずれにせよ、ウェブで広告収入をあてにしようとしている多くの人たちにとっては、嬉しくない話だ。インターネット界の多くの人たちが、テレビや他の伝統的メディアの視聴者が減るにつれ、そこへ注ぎ込まれていた宣伝費は ― ブランドの金であれ政治家の金であれ ― 最終的には同じような額がウェブに流れてくるという発想に基づいている。一般に信じられているのは、たしかにウェブやモバイルの広告技術にはまだ改善すべき点はあるが( Facebookのような会社が先陣を切ることが期待される)、ひとたびそうなれば大きな金がついてくるというものだ。広告はわれわれの経済を回している重要な部分であり、メディア会社やGoogle、Twitter、Facebookなどのサイトにとっては特にそうだ。現在政治広告は広告エコシステムで重要な役割を担っており、選挙年ではなおさらだ。

しかし、ゴアの理論は、少なくとも政治レベルの広告に関して、インターネット広告は今のテレビ広告ほど力を持たないだろうと言い切っている。もしこれが本当になれば、われわれのようにウェブで食べている者は、広告費だけでなく他の生活手段も考えなくてはいけないだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi)

「容量無限」のクラウドストレージを提供するBitcasaが一般公開へ

今日(米国時間2/5)一般公開されるBitcasaは、2011年9月のTechCrunch Disruptの出場選手だ。ユーザにクラウド上の“容量無限の”ストレージを提供して、ローカルなハードディスクを窓際族にする、というサービスだ。これまではベータだったが、今日からはアプリ(iOS、Android、Mac、Windows/RT)とWebの両方で一般公開となる。

Bitcasaの野望は大きい。クラウドから安価で便利なストレージを提供するが、それはユーザのローカル機の外付けハードディスクと同じぐらいにセキュアである、というサービスを志向するのだ。料金は月額10ドル、年額99ドルだが、絶対に容量不足にならない“魔法のような外付けドライブ”のような機能を提供する〔最初の10GBは無料〕。なお、立ち上げ後しばらくは年額69ドルの割引き料金になる。ハードディスクには数百ドルぐらい投ずることがざらにあるから、Bitcasaのサービスはお買い得かもしれない。同社の安直な成功は、なさそうだけど。

Bitcasaの協同ファウンダでCEOのTony Gaudaを本誌のスタジオにお招きしてインタビューをした。上のビデオで、ご覧いただきたい。

〔訳注: ファイルの更新履歴を無限にバックアップできる、という機能には個人的に魅力を感じます(重複排除、ビデオ画像圧縮アルゴリズムみたい!)。なお、この記事の原文はコメントがとても多くて、おもしろいです。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

知り合いをすべて覚えるアプリEvernote Hello 2.0リリース―名刺スキャンや音波近接通信など新機能盛りだくさん

evernote hello

今日(米国時間1/31)、Evernoteは知り合いについての情報をすべて覚えてくれるアプリHelloのiOS版の能力を大幅に強化した2.0を発表した。最初のバージョンは2011年の12月に発表されている。

Hello 2.0アプリには名刺のスキャニングや近くのEvenoteと音を使ってデータ交換するEvernote Connectなど新機能満載だ。今週私はEvernoteのCEO、フィル・リビンにインタビューしたが、「Helloはアドレス帳に革命を起こすというのが当初の目的だ。今回はその目標にさらに近づくために使いやすさと機能を充実させた」と説明してくれた。

「どうも私自身、人の顔や名前、会った場所などを覚えるのが苦手だ。努力しても治らない。それまで使っていたアドレス帳はアルファベット順に記録する―しかしわれわれは知り合いをアルファベット順に記憶していない。必要なのはコンテキストだ。つまり、どこで会ったのか、どんな話をしたのかという情報だ」とリビンは言う。

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バージョン1で得た教訓をフィードバック

EvernoteのHello 1.0はそのような問題のソリューションとして開発されたが、1.0にはいくつかの問題があった。たとえばこのアプリは会った相手に連絡先情報を入力してもらうようデザインされていたが、残念ながらこの機能にはあまり実用性がなかった。「初対面の相手に携帯を渡していろいろ入力してくださいなどと頼めるものではないよと言われた」とリビン。Helloの目指すところには賛成するものの実装には懐疑的なユーザーが多かった。

そこでHello 2.0では「ユーザーは会った人々の連絡先情報を自分で入力するのもイヤだし、携帯を相手に渡して入力させるのも気が進まない」という事実をベースに開発を進めた。その結果が名刺スキャナーだ。Hello2.0では名刺スキャナーの他に、カレンダーの予定からも連絡先情報をインポートできる。またメールアドレスを入力するとアプリはFacebookとLinkedInを検索して姓名など当てはまりそうな候補を検索してくれる。

Evernote Connectも非常に印象的な新機能だ。複数のユーザーが同じ部屋でHello 2.0アプリを作動させている場合、それらのiPhone同士で連絡先情報を簡単に共有することができる。なんとスピーカーから発するメロディーで情報をやり取りできるのだ。これからは会議を始めるときにこのタラララという音をよく耳にすることになりそうだ(ビデオ参照)。

新テクノロジーの実験室としてのアプリ

「しかしアプリの重要性は目に見えている部分だけではない」とリビンは指摘する。「Evernote Foodやこの Evernote Helloは新しいテクノロジーを実験し、イノベーションのテストベッドとする役割も大きい。それらのイノベーションは成功すればEvernoteの本体の機能として取り入れるつもりだ。たとえばHelloには画像から自動的にテキストを認識するテクノロジーや新しいオーディオ近接通信技術をテストしたりする役割がある。また人物をアルファベット順に整理するのではなく、ほぼ同時にほぼ同じ場所で会った人々をひとまとめにグループ化するUIなども実験されている。Helloには5、6種類の重要なアイディアが投入されている。うまく行くようなら将来すべてEvernote本体に取り込む」とリビンは説明する。

「われわれは人物の整理に新機軸を考えている。しかしだからといってEvernoteにはFacebookの向こうを張るつもりはまったくない。われわれのDNAにはソーシャル化は含まれていないからだ。われわれはソーシャル・サービスではないし、今後もそういう方向に動くつもりはない。ソーシャル・ネットワークもソーシャル・グラフも作るつもりはない。Evernoteはユーザーの「外部脳」であり、ユーザーの知的能力を補完、強化するのがわれわれの役割だ」とリビンは言う。

Hello 2.0のでもビデオ。

〔また今日、EvenoteはiPad向け手書きアプリPenultimateを無料化した。TechCrunch記事(英語)〕

Helloのスクリーショット
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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+

Microsoft、2013年Q2決算:売上214.6億ドルは予想を下回るも、1株当たり利益0.76ドルは予想以上

Microsoftは今日(米国時間1/24)、2013年第2四半期の決算を発表し、全般的に業績は好調だった。

ワシントン州レドモンドを拠点とするソフトウェアの巨人は、売上214.6億ドル、純利益63.8億ドルを記録し、1株当たり利益は77セントだった。これは、ウォール街の予測とほぼ一致していたが、売上側でやや下回り、利益側ではやや上回った。アナリストの共通見解は、売上215.3億ドル、1株当たり利益75セントだった。

今日の結果は、Microsoftの2013年第1四半期実績、売上160.1億ドル、1株当たり利益53セントから大きく伸びた。

TechCrunchのグラフィック・デザイナー兼イラストレーター、Bryce Durbin作成による見やすいグラフを下に貼った。
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リリースに添付された声明でMicrosoftは、昨年の年末商戦は同社史上最高を記録したと語った。またCEO Steve Ballmerは、例によって同社の最近の実績と将来の見通しに関して楽観的であり、特にWindows Phone 8およびSurfaceに関しては特にそのようだ。

「われわれの、Windowsを再出発させSurfaceとWindows Phone 8を発売するという大きく大胆な野望は、顧客の熱狂を呼び起こし、パートナーやデベロッパーに前例のないチャンスと創造性を生み出した。Surface Proをはじめとする新しいWindowsデバイスや新しいOfficeと共に、われわれはWindowsエコシステムに興奮を駆り立て、人々が愛し、企業が必要とするデバイスを通じてわれわれのソフトウェアを提供していく」

Microsoftの株価は過去2日間上昇していたが、これはQ2の好調な結果を期待したものだったようだ。実際に決算報告が発表されてからはやや下がり気味で、時間外取引では発表後1分以内に1.5%下げた。

部門別の収支は、Windows部門が売上58.8億ドル、前年比24%増、サーバー・ツール部門、51.9億ドル、同9%増、ビジネス部門、56.9億ドル、10%減、オンライン・サービス部門、8.69億ドル、11%増、およびエンターテイメント・デバイス部門、37.7億ドル、11%減だった。

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(翻訳:Nob Takahashi)

Yahoo、ニュース版PinterestのSnip.itを買収。人材獲得目的でサービスは既に停止

The Snip.it teamMarissa Mayer指揮の下YahooはM&Aの動きを活発に続けているようだ。優秀な人材によるスタートアップに、とくに注目している。そしてそのような動きの中、今回のターゲットとなったのは、サンフランシスコで活躍中のSnip.itだ。Snip.itはウェブ上の情報をクリッピングして、Pinterest風の形でまとめて表示するウェブアプリケーションを提供していた。買収交渉は数週間にわたって行われてきたらしい。最初に報じたのはAllThingsDのLiz Gannesだった。内容についてはSnip.itおよびYahooの双方から確認がとれているようだ。

こちらに入った情報によると、買収額は1000万ドルで、アーンアウトのオプションがついているそうだ。情報筋曰く、1人を除いた約10名のフルタイムスタッフはYahooに移籍することになるのだそうだ。

Snip.itのサービスは現在利用できないようになっており、利用者に対してはデータのダウンロードを行うためのインタフェースが提供されている(2月21日まで)。Snip.itチームはYahooにて新しく「ソーシャルニュース」関連のプロジェクトに携わることになるのだそうだ。Snip.itからのアナウンスはこちらに掲載されている。

買収額や、サービスが直ちに停止されたところを見ると、これは「acqui-hire」(人材獲得目的の買収)であるとのことのようだ。サービのスタートは2011年10月のことだった。Khosla Ventures、True Ventures、Charles River Ventures、およびSV Angelsなどの有名どころが出資していた。しかしどうやら想定してほどには利用者が集まらなかったということのようだ。

しかし、Snip.itは使っていてなかなか面白いサービスではあったように思う。昨年6月にはCEOのRamy AdeebTechCrunch TVで話をすることができた。話の中で、Adeebが技術面およびビジネス面の双方に優れた若者であることが見て取れた。Yahooから見ても、この点が非常に魅力的に見えたということなのだろう。彼が今後が非常に楽しみだ。

昨年夏にインタビューを行なって、Snip.itのハンズオンを行なってもらった際のビデオを再掲しておこう。

本稿ではKim-Mai Cutlerからの情報も記事中に取り入れている。

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(翻訳:Maeda, H)