数多くのメディアが、新しいGalaxy S4を刺激的な宣伝やマインドシェアにおけるiPhoneへの挑戦者候補として、大きく取り上げているが、モバイル広告会社のVeltiは、2月の同社ネットワークから集めたデータを基に、異なる見解を示している。同社によると、Androidデバイスの急上昇にもかかわらず、モバイル広告主の間では未だにiOSとiPhoneが支配的だ。
Veltiによると、同社が全世界の広告で扱ったデバイスの10台中8台はiPhone 5、iPhone 4S、iPhone 4を含むiOS機だった。Samsungはトップ10中2席を何とか確保したが順位は比較的低く、Galaxy SIIとGalaxy SIIIがそれぞれ7位と10位だった。Galaxy SIIは、全地域を通じて唯一トップ5に食い込み、ヨーロッパ全体の5位だった。一方旧型電話機が支配的(その多くがアクティブ)なアジアでも、iPhoneはすでにトップ3入りしている。これは、最近この地域に進出し、力を入れているAppleにとって明るいニュースだ。
AppleのiPhoneおよびiPodは、Veltiの広告インプレンション全体の38.1%を占めてトップに君臨し、iPadは全モデル合わせて17.2%だった。対するGalaxyは、全機種合わせても2月のトラフィックのわずか5%以下だった。iOS上の広告は広告表示1000回当たり収益(eCPM)の実績でも、Androidより20%高かった。これはAndroidの高いクリック率とは裏腹の結果であり、クリック率で見るとGoogleモバイルプラットフォームの方がAppleよりも約50%高かった。
タブレット単独で見ると、iOSにはおよそライバルと言えるものがない。Veltiの調べによると、Androidタブレット全体の占める割合はわずか0.7%、iPadは97.5%で、2013年1月から2月にかけて標準iPadからiPad miniへの変遷が起きている。
全般的に、Androidの全世界販売台数の伸びにかかわらず、広告主側から見た景観はあまり変わっていないようだ。iOSは1、2月の間にもシェアを伸ばし、これは0.3%とごくわずかだったが、過去6ヵ月間に広告主からの需要は60%以上増えているとVeltiは言っている。
SamsungのGalaxy S4は、さまざまな理由で注目されているが、中でも興味深いのはモバイル広告主の目を向けさせられるかどうかだろう。スパイスを制する者が世界を制すと言うが、ここではAppleがモバイル広告界を支配しているという事実が、デベロッパーやメディアコンテンツプロバイダーの支持を集める力となっていることは間違いない。
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(翻訳:Nob Takahashi)