モバイル広告ランキングでは未だにiPhoneがGalaxyを大きくリード(Velti調べ)

数多くのメディアが、新しいGalaxy S4を刺激的な宣伝やマインドシェアにおけるiPhoneへの挑戦者候補として、大きく取り上げているが、モバイル広告会社のVeltiは、2月の同社ネットワークから集めたデータを基に、異なる見解を示している。同社によると、Androidデバイスの急上昇にもかかわらず、モバイル広告主の間では未だにiOSとiPhoneが支配的だ。

Veltiによると、同社が全世界の広告で扱ったデバイスの10台中8台はiPhone 5、iPhone 4S、iPhone 4を含むiOS機だった。Samsungはトップ10中2席を何とか確保したが順位は比較的低く、Galaxy SIIとGalaxy SIIIがそれぞれ7位と10位だった。Galaxy SIIは、全地域を通じて唯一トップ5に食い込み、ヨーロッパ全体の5位だった。一方旧型電話機が支配的(その多くがアクティブ)なアジアでも、iPhoneはすでにトップ3入りしている。これは、最近この地域に進出し、力を入れているAppleにとって明るいニュースだ。

AppleのiPhoneおよびiPodは、Veltiの広告インプレンション全体の38.1%を占めてトップに君臨し、iPadは全モデル合わせて17.2%だった。対するGalaxyは、全機種合わせても2月のトラフィックのわずか5%以下だった。iOS上の広告は広告表示1000回当たり収益(eCPM)の実績でも、Androidより20%高かった。これはAndroidの高いクリック率とは裏腹の結果であり、クリック率で見るとGoogleモバイルプラットフォームの方がAppleよりも約50%高かった。

タブレット単独で見ると、iOSにはおよそライバルと言えるものがない。Veltiの調べによると、Androidタブレット全体の占める割合はわずか0.7%、iPadは97.5%で、2013年1月から2月にかけて標準iPadからiPad miniへの変遷が起きている。

全般的に、Androidの全世界販売台数の伸びにかかわらず、広告主側から見た景観はあまり変わっていないようだ。iOSは1、2月の間にもシェアを伸ばし、これは0.3%とごくわずかだったが、過去6ヵ月間に広告主からの需要は60%以上増えているとVeltiは言っている。

SamsungのGalaxy S4は、さまざまな理由で注目されているが、中でも興味深いのはモバイル広告主の目を向けさせられるかどうかだろう。スパイスを制する者が世界を制すと言うが、ここではAppleがモバイル広告界を支配しているという事実が、デベロッパーやメディアコンテンツプロバイダーの支持を集める力となっていることは間違いない。

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(翻訳:Nob Takahashi)


新ソフトキーボードのMinuumがIndiegogoで資金集め―モバイルからウェアラブル・デバイスまで省スペースで高速入力を狙う

カナダのトロントに本拠を置くスタートアップ、Whirlscapeは現在のキーボードは古い機械式タイプライターの遺産であり、デザインをそのままで単にデジタル化しただけでは不十分だと信じている。そこでトロント大学の教員と研究者はMinuumというまったく新しいソフトキーボードを開発し、企業化のための資金をIndiegogoで調達しようとしている。

Minuumは文字を3段に配置し、その下にスペースキーを置くという従来QWERTYキーボードのデザインを一新した。 Minuumのキーボードでは文字は間隔を詰めて一列に配置され、予測アルゴリズムによって正確な入力を可能にすると同時にモバイルデバイスの貴重なスクリーン・スペースを大幅に節約する。同時に使い慣れたQWERTYキーボードのユーザー体験も維持される。3段分の文字が狭いスペースに圧縮されているが、誤った文字の入力の割合が高くても強力なアルゴリズムによって自動的に訂正される。Fleksyに似たコンセプトだが、アプローチはまったく異なる。

Minuumのセールスポイントはスマートフォンやタブレット以外のウェララブル・コンピュータなどこれから登場してくるデバイスにも適しているだという点だ。WhirlscapeではAndroidアプリとiOS向けのSDKをデベロッパー向けに提供しようと準備している。しかしMinuumはデバイスを選ばずあらゆる狭いスペースで利用可能だ。デモビデオで見られるとおり、MicrosoftKinectやGoogle Glassのようなビデオ録画機能のあるアプリで使うにも好適だ。なにしろ、紙片や実験者の腕にペンで文字列を書き込むだけでそれがキーボードとして使えるのだ。また筋肉の微細な動きを読み取って多様な命令を入力しようとするMYOアームバンドのようなデバイスとも相性が良いだろう。

Whirlscapeの共同ファウンダー、CEOのWill Walmsleyは私の取材に対してこう答えた。「現在さまざまな入力のテクノロジーが開発されているが、みな基本的にタッチスクリーンをターゲットとしている。ソフトキーボードにしてもどれもスワイプが使われている。しかし私は小型デバイスの入力はタッチスクリーンには限られないと考えている。デバイスのスマートさはどんどん向上している。タッチスクリーンの先を考えることは理にかなっているはずだ」

WhirlscapeではまずiOSとAndroidアプリのプロトタイプ版を2014年初めに(公開ベータは今年後半に)出荷する予定だ。他のハードウェア向けSDKがそれに続くことになる。Whirlscapeはトロント大学の初期アクセラレータ・プログラムであるUTESTMaRS Innovationから少額のシード資金の提供を受けている。しかし同社ではクラウド・ファンディングにより資金を調達することが、製品の公開に先立って注目を集めるためにも効果的であると考えた。Walmsleyは「Indiegogoはユーザーと直接の関係を得るのにも適している。また非公開ベータテストに協力してくれるアーリーアダプターを探すにも良い」と語った。

Walmsleyによれば、当面の目標はデバイス・メーカーにMinuumをプレインストール入力方法として採用してもらうことだという。デモで見られるような効率性とクロスプラットフォーム対応が製品版でも実現するならそれは十分可能だろう。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Googleマップのストリートビューにエベレスト、キリマンジャロなど7大陸最高峰が加わる

ユーザーがGoogleマップで世界の秘境をいながらに探検できるようGoogleは大いに努力をしてきた。 今日(米国時間3/18)、Googleは新たなストリートビュー方式で写真が表示される地域をマップに追加したことを発表したが、その中には世界でエベレストなどの高山が含まれている。

Googleの公式ブログによると、新しいストリートビューにはエベレスト、エルブルス、アコンカグア、キリマンジャロなど世界でもっとも有名な高山が含まれている。これらの山は「七大陸最高峰」と呼ばれて登山家の憧れの的となっている。マップのユーザーは高地順応の手間をかけずに現地の様子を見ることができるようになった。

バーチャル高山ツアーには膨大な情報が含まれており、登山家たちが実際に設営したベースキャンプの詳細な画像を見ることができる。Googleのチームは軽量の三脚と魚眼レンズで撮影を行った。その探検の模様は今日、太平洋時間午前10時からのGoogle+ハングアウトで公開される

Googleは世界でもっとも驚くべき景色を撮影してストリートビューに加えてきた。最近ではグランドキャニオンや南極その他などの僻地を加えている。Googleのバーチャル探検ツアーは地理情報データベースをさらに拡充しながら、マップにユーザーの注目を集めるのに大いに効果的な方法だ。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Wii Uの売上が急落, いよいよゲームは専用機離れか

今日NPD Groupが出した報告書によると、2月にアメリカで売れたWii Uはわずかに64000台だ。それは、昨年末の発売時の立ち上がりに比べると激減と言える、Ars Technicaはそう報じている。1月に下方修正した任天堂自身の売上予測をも下回っているのだ。

これは、自らの次世代ゲーム専用機の発売を予定しているSonyとMicrosoftにとっても、警鐘だ。Sonyは2月に、PS4を披露した(というか、何も披露しなかった)。またインディーのハードウェアメーカーやソフトウェアデベロッパにとっては、チャンス到来となるかもしれない。メジャーなゲームプラットホームへの関心がぐらついていることは、スタートアップにとって有利だ。

業界の観測筋の多くはOuyaをまだかなり疑問視しているが、その最終的な成否はともかくとして、コンセプトは正しい。今の人たちは無料ないし超安価なモバイルゲームに慣れているから、自分の家のリビングの娯楽コーナーでも、それぐらい気軽なセットアップを求めるだろう。

Agawiなどが構想している主にISPがクラウドからストリーミングするゲームは、モバイルゲームのプラットホーム多様化を願っているデベロッパにその機会を提供する。またAirPlayやMiracastなどタイプの技術は、モバイルゲームを簡単にテレビに持ち込む。SamsungはGalaxyをモバイルの本格的なゲーム機としても育てるつもりだ。現に同社は、Galaxy S 4用のBluetoothによるコントローラを発表した。

ゲーム専用機とモバイルゲームを同列に比較するのは無意味、という声も多い。でもWiiもXbox 360もPS3も、それらがローンチしたときにはまだ、iPhoneはなかったのだ。だからこの市場でモバイルの効果を軽視することは、今や、自分の顔を砂につっこむことに等しい。でもスタートアップやインディーたちにとっては絶好の機会であり、彼らはこれから、ゲームの世界に食い込んでいけるだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


利用者を〈見る〉インターフェースがもたらすもの


今週、私たちはSamsungを代表する次世代スマートフォンを垣間見る可能性が高いが、大方の噂によると、そこには利用者が小さな画面を注視しているか目をそらしたかを検知する自動スクロール機能が搭載されるしい。具体的な内容は一切明らかにされていないが、他でも視線追跡の技術は、画面に向かっているかどうかだけでなく、意識を集中しているかどうかまで正確に把握できる水準に達している。

利用者が端末に集中するのと同じくらい利用者に集中する端末がやってくる。これはGalaxy S IVに限った話ではない。そしてその時,アプリケーション市場における膨大な革新の可能性と、モバイル広告にとって一儲けできるチャンスがもたらされる一方で、そこには過去5年間に位置情報サービスの普及がもたらした問題が小さく思えるほどのプライバシーの懸念が潜んでいる。

アプリの変革

自動スクロールは、ユーザーの意識がどこにあるかを検知することでアプリに可能になる応用のごく一面にすぎない。もちろんそれは便利であり、モバイル機器における「ページ」の概念や、スクロールバーさえも全く無意味にするかもしれない。しかし、アプリ使用時に利用者がどこを見ているかという新情報を得ることによるソフトウェアインターフェースの変革に比べれば、些細なことだ。

デザインは一つではなくユーザー毎にあつらえる

ユーザーの行動に合わせてリアルタイムに変わる動的インターフェースを想像してほしい。そして十分賢い技術をもってすれば、アプリのレイアウトはパーソナル化における次のフロンティアになるかもしれない。今日の開発者が推薦エンジンやアルゴリズムを使い、ユーザーがアプリを開くたびに最も魅力あるコンテンツで出迎えようと努力しているように、明日われわれは、「万人向けデザイン」の概念を捨て、一人一人によって異なる戦略をとるアプリを目にするようになるかもしれない。

そしてコンテンツといえば、あなたの目が自然にどこを見るかを端末が知っているなら、あなたのコンテンツ嗜好もよくわかっているだろう。どんな種類のコンテンツが好きかだけでなく、何にいちばん興味を引かれたかを具体的に知ることができる。個々のシーン毎に何が視聴者の目を捕えたか、どの登場人物が受け入れられたか、シーン内でどの部分が視聴者の関心を引きよく注目されたか等を分析して、ヒートマップや動画を作ることさえとっぴな考えとはいえない。このいずれもが、Flipboardのような既存のパーソナル化エンジンを後押しし、パーソナル化ウェブの精度を高める。

マーケターの楽しみ

人がどこを見ているかを知ることはマーケターの夢だ。アプリのどこに広告を配置すべきかを正確に教え、消費者の注目を引くために何が有効で何がそうでないかに関して驚くべき知見を与えてくれる。そして、他の購買層データと統合することによって、さらに効果の高い購買者ターゲティングが可能になるだろう。

企業や広告主がモバイル広告のROI[投資収益率]を高める手段を探し求めているのは当然であり、 Googleも例外ではない。顔面フィードバックデータを収集することは、マーケティングで次のレベルに上がるために秘密の暗号を手に入れるのと同じ効果がある。ただし、扱いは慎重にする必要がある。そこには乱用の可能性がいくらでもある。例えば、アプリ内であなたが一番好きなコンテンツを見つけた場所に、次々と広告が現れるようになったり、あなたが注目するのを待って売り込みの集中砲火を欲びせる自動再生ビデオ広告を想像してほしい。

広告における顔や目の追跡技術には良い使い道も悪い使い道もある

あらゆるマーケティングツールと同じく、顔や目の追跡技術には良い使い道も悪い使い道もある。しかし、どちらもこの新しいモバイルデータに内在するプライバシー問題と戦う必要がある。

顔データは、プライバシーの境界線か?

位置情報は、消費者の間に少なからぬ騒動を引き起こし、未だに誰もが安心できる技術とは言えない。カメラ内にある視線や顔の動きを検知するために作られたセンサーによって集められたデータは、個人のプライバシーにとって全く新しい境地に踏み込むものであり、監視機関や、懸念をもつユーザー、恐らく政府関係者らによっても厳密に監視されるべきだ。

問題は、この種のデータを集めることが、その利用に対する大規模な反対運動を引き起こすほどの警戒心を与えるかどうかだ。位置情報はユーザーにとっての利点があまり明らかではないにも関わらず、何とか切り抜けて今や新しいアプリの殆どに採用されている。果たして顔面追跡も同じ試練を受けるのだろうか。個人を特定しない形で使われるならば不満を鎮められるのだろうか。私にはすぐに答えが思いつかないが、モバイルファースト世代は、旧世代よりも個人データの共有に意欲的なので、初期の反射的抵抗を何とか乗り切れるかもしれない。

結局、自分を知っているスマートフォンの方が知らないものより良い。そして、自分を「見る」ことの出来るスマートフォンの方がそうでないものより自分を知っている。このテクノロジーがしっかりと根をおろすまで、数年間は心許ない状態が続くかもしれないが、時折興味深い利用法が数多く出てくるころを期待したい。

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(翻訳:Nob Takahashi)

スマートフォン用温度計Thermodoは24時間でKickstarterの目標額の倍を突破

stretchgoals

ソフトウェア開発からハードウェアの製作にシフトするという難題に挑戦しているRobocatが、幸先の良いスタートを切った。このデンマークのスタートアップが作っているスマートフォン用の温度計アクセサリThermodoは、Kickstarterの目標額35000ドルに昨日(米国時間3/7)わずか7時間で到達し、今日は倍以上になっており、それでも出資志望者は絶えない。そこでRobocatは今朝、目標額の増額を発表したが、そのやり方を見ていると同社は、これまでのKickstarterのプロジェクトの中で最優秀の一つではないか、と思えてくる。

増額の目標額は複数あって、たとえば12万5000ドルはAndroid用バージョンの開発だ。Androidデバイスへの対応はサードパーティのデベロッパがちょっと頑張ればできるのだが、この額に達したら同社自身が公式のAndroid対応機を作り、すでにあるアプリケーションThermoもAndroid化する。

25万ドルでは、多色化が始まる。出資はは25ドル以上を出せば赤をもらえる。そして最高額の50万ドルを超えたら、全員がアルミニウム製のThermodoをもらえる。Robocatには今すでにアルマイト製もあるが、それは特注となり、一般出資者のオプションは黒と白と赤の塗装製品のみだ。

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増額目標はThermodoの最初の額の達成を踏まえた、一種のお遊びでもある。そこが、プロジェクトのデザインとしてすてきだと思う。Robocat自身としては、製造を開始できるだけの額があればよいわけだから、その額しか求めなかった。でも支援者が増えた場合のプロジェクトのアップグレードの演出も、すでに考えていたのだ。一人当たりの出資額は小さいし、目標額も最初からほとんど射程内だから、みんな安心して出資できる。もしかしてだめかも、という不安がない。

Thermodoは当然、増額された目標額のどれかに必ず到達するだろう。そして製品の出荷量は相当多くなる。たぶんいちばんおもしろいのは、そこだ。ソフトウェア企業がハードウェアアクセサリの大量生産を、どうやって無事に乗り切るのか。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

スマートフォン用温度計Thermodoは24時間でKickstarterの目標額の倍を突破

stretchgoals

ソフトウェア開発からハードウェアの製作にシフトするという難題に挑戦しているRobocatが、幸先の良いスタートを切った。このデンマークのスタートアップが作っているスマートフォン用の温度計アクセサリThermodoは、Kickstarterの目標額35000ドルに昨日(米国時間3/7)わずか7時間で到達し、今日は倍以上になっており、それでも出資志望者は絶えない。そこでRobocatは今朝、目標額の増額を発表したが、そのやり方を見ていると同社は、これまでのKickstarterのプロジェクトの中で最優秀の一つではないか、と思えてくる。

増額の目標額は複数あって、たとえば12万5000ドルはAndroid用バージョンの開発だ。Androidデバイスへの対応はサードパーティのデベロッパがちょっと頑張ればできるのだが、この額に達したら同社自身が公式のAndroid対応機を作り、すでにあるアプリケーションThermoもAndroid化する。

25万ドルでは、多色化が始まる。出資はは25ドル以上を出せば赤をもらえる。そして最高額の50万ドルを超えたら、全員がアルミニウム製のThermodoをもらえる。Robocatには今すでにアルマイト製もあるが、それは特注となり、一般出資者のオプションは黒と白と赤の塗装製品のみだ。

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増額目標はThermodoの最初の額の達成を踏まえた、一種のお遊びでもある。そこが、プロジェクトのデザインとしてすてきだと思う。Robocat自身としては、製造を開始できるだけの額があればよいわけだから、その額しか求めなかった。でも支援者が増えた場合のプロジェクトのアップグレードの演出も、すでに考えていたのだ。一人当たりの出資額は小さいし、目標額も最初からほとんど射程内だから、みんな安心して出資できる。もしかしてだめかも、という不安がない。

Thermodoは当然、増額された目標額のどれかに必ず到達するだろう。そして製品の出荷量は相当多くなる。たぶんいちばんおもしろいのは、そこだ。ソフトウェア企業がハードウェアアクセサリの大量生産を、どうやって無事に乗り切るのか。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Thermodoは、iPhoneのヘッドホンジャックに差さる小さな温度計


デンマークのスタートアップ、RobocatはAppleのiOSデバイス向けに数多くのソフトウェアを開発してきたが、今日(米国時間3/7)同社は新分野に手を広げ、iPhone、iPad、およびAndroidデバイス用に新しいハードウェアを発表した。Thermodoは、非常に小さな温度計で、デバイスのヘッドホンジャックに差すと、本物の温度データをアプリに送り込む。

c881ba11f5cb2b723e9a7ef1b3c5fea0_largeThermodoのハードウェアは、受光式温度センサーをオーディオジャックの中に組み込み、少さな円筒状のキャップで保護したもので、デバイスからわずか1/4インチ[6~7mm]しか突出しない。専用の電源を必要とせず、気象データを音声信号にして端末に送信し、API経由で対応する温度に変換される。同APIはThermodoの専用アプリで最初に利用される他、同社が過去に発売したHazeThermoの両アプリでも使用できる。

Thermodoはオフラインで室内でも室外でも動作し、付属のキーホルダー型ケースを使えば、使用していない時にもこの小物体をなくさずにすむ。Robocatは、同社のオープンソースSDKを使えば、究極的には、Raspberry Pi、Mac、ArduinoベースのガジェットなどどんなデバイスでもThermodoを利用可能だと言っている。

b6aae6d8bcc4e4be866bfbfeec7c4d8b_large私はRobocatのファウンダー、Willi Wuにこのプロジェクトについて、そもそも何がきっかけで始まったかを聞いた。彼によると、会社が元々中核としていたモバイル天気アプリから、ユーザーのフィードバックに基づいて多角化した結果だという。

「実はThermodoのアイディアは、ユーザーからの間接的な要望が基になっている」と彼は言った。「われわれは多く人から星1つの評価を受け、それはユーザーの求めていたものがその場の温度自体だったからだった。現在iPhoneにはデバイス内の温度を読み取る機能も、そのための専用センサーもない。そこでわれわれはこの問題に挑戦し、考えられる最もシンプルな解として見つけたのがThermodoだった」

SquareのクレジットカードリーダーやJawboneのUPフィットネスバンドも、ヘッドホンジャックを使ってスマートフォンと通信しているが、WuによるとThermodoのアプローチは全く異なるという。これによって今後同社がこの技術を使ってさまざまな種類のセンサーを作る可能性が大きく広がった、と彼は言った。

a107d2e1de07888013b3f3780d428858_large「ThermodoはSquare等のソフトモデムベース製品のように、音声をデータに変換しているのではない」と彼は言う。「われわれはこの手法をあらゆる種類のアプリケーションに応用できることに気付いた。やっているのは、温度を電気インピーダンスに変換することで、このインピーダンスはわれわれが『Thermodo原理』と呼んでいるものによって決定する。今では、あらゆる種類のデータをこの電気インピーダンスに変えることができるようになった。例えば、風速、圧力、明るさ等だ」

Wuによると、Robocatの技術責任者はすでにこの方法で抵抗やコンデンサーを測定しており、会社ではこれらの新しい検知能力の実験段階に入っている。いずれThermodoは、太陽の下のあらゆるもの(太陽の明るさを含む)を測るための姉妹デバイスをいくつも作ることができるだろう。

Thermodoの目標金額はわずか3万5000ドルで、予約購入のためのプレッジはThermodo1台19ドルから。これはすぐに目標を達成するプロジェクトなので、Robocatの新たなハードウェアへの取り組みから、次に何が出てくるか楽しみだ。

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(翻訳:Nob Takahashi)

iPhoneのヘッドフォンジャックに挿入する超小型温度計Thermodo, Kickstarterで資金募集中


デンマークのRobocatは、AppleのiOS製品のソフトをたくさん作ってきたが、今日(米国時間3/8)は、iPhone、iPad、それにAndroid製品でも使えるハードを出してきた。Thermodoと呼ばれるそのハードウェアは、デバイスのヘッドフォンジャックに挿入して使う温度計で、それが送信する温度データをほかのアプリケーションが利用することもできる。

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Thermodoの中にあるのはパッシブな温度センサーで、それを収めている筒状の筐体は、デバイスの外に突き出る部分の長さがわずかに1/4インチだ。電源は不要で、温度データをオーディオ信号で送信し、APIがそれを温度に翻訳する。その値を利用するのはThermodoに同梱されるiOS用のアプリでもよいし、また以前に同社がリリースしたHazeThermoのようなアプリでもよい。

Thermodoはオフラインで動作し、室内でも外でも使える。使わないときはキーリング付きの専用ケースに入れておくと紛失のおそれが少ない。同社はオープンソースのSDKを提供しているので、今後はRaspberry Pi、Mac、 Arduinoを使ったガジェットなど、どんなデバイスでもThermodoを利用できる。

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RobocatのファウンダWilli Wuによると、これまではモバイルのお天気アプリ専門でやってきたが、ユーザからの要望に応えるために今回はハードウェアにちょいと脇道した。

“ユーザから、ずばり温度計ハードウェアのリクエストが来たわけではない”、と彼は説明する。“アプリに対し、星が一つだけというネガティブな評価をくれる人たちの中には、自分が今いるところの今の温度を知りたい、という要望がいくつかあった。しかしiPhone自体には温度計にアクセスする機能はないし、そのためのセンサーもない。だから、ヘッドフォンジャックに何かを挿入するという、いちばん簡単なソリューションを思いついたのだ。それがThermodoだ”。

そのほかの外付けデバイス、たとえばSquareのクレジットカードリーダーやJawboneのフィットネスバンドなどは、ヘッドフォンジャックを使ってスマートフォンとコミュニケーションしようとする。Wuによれば、しかしThermodoは、それらとはやり方が全然違う。このやり方なら今後、いろんなほかのセンサーでも使える可能性がある。

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“Thermodoは、Squareのようなソフトモデム方式の製品のように、音をデータに翻訳しない”、と彼は言う*。“うちのやり方は、ありとあらゆる種類のアプリケーションに応用できる。うちのやり方では、温度を電気抵抗に変換して、その抵抗値をThermodoのAPIが読む。適当な物質や構造を見つければ、どんなものでも電気抵抗に変換できる。風速でも気圧でも明るさでも何でも”。〔*: ここでの‘音’は、ヘッドフォンジャックからの出力としての音。〕

Wuによれば、Robocat社の技術陣のトップはすでに、抵抗器の抵抗値やコンデンサの容量をこのやり方で計測しており、温度だけでなくそのほかのセンサーでの実験もすでに始めている。だから今後はThermodoの兄弟製品がいろいろ登場して、何でも測定できるようになるだろう。

ThermodoはKickstarterで35000ドルというささやかな金額を募っている。あなたも19ドル出資すると、Thermodoを一つもらえる。目標額にはすぐに到達すると思うが、ぼくとしてはRobocatの次のハードウェア製品が楽しみだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

モバイルプラットホームの分裂はインディーのアプリデベロッパを殺すだろうか?–開発環境の成熟が彼らを救う

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今日(米国時間3/5)Flurry発表した調査報告書によると、アプリを世の中で使われている多くのモバイル製品に合わせて最適化することは、今やますます難しい仕事になっている。Flurryのデータによると、現用製品の80%で自分のアプリが無事動いてほしいと思ったら、156種類の機種に対応しなければならない。目標を60%まで下げれば、37機種となる*。Flurryの結論によると、このような分裂の激化により、とくにインディーのアプリデベロッパの市場参入が難しくなっている。

この分裂という問題が、なくなるとか、軽症になることはありえないだろう。とくにデバイスのメーカーは製品の多様化に走りがちだ(PadFoneやFonePadなんてものもいずれ…)。Appleでさえ、画面サイズや解像度は次第に多様化し、アプリ開発がより難しくなっている。まあ、OSのバージョンが同じであることに安心できないAndroidに比べれば、ずっとましだけど。

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それでも、Flurryの数字によると、現用機の数が他を圧して多いのはApple製品だ。だから個人や小企業が、あまり苦労せずにすむ最大のユーザのいる市場からスタートしようと考えたら、iOSで決まりだ。しかしその後、真のグローバル化、グローバルな成功を目指したなら、できるだけ多くのAndroid機でテストしアプリの調整をしなければならない。しかもAndroidの場合は、機種間の差異がどれだけ大きくても、アプリのマーケットプレースやリビューは同じ場所に集まっている。ある特定の製品のユーザグループを怒らせたら、リビューに悪評が混じることになり、悪評はたちまちネット上に広まる。

だから、どうなんだ? 複数の製品で十分なテストをしてリーチを広げるだけの資力のないインディーのデベロッパは死ね、ということか? 答は、イエス、そしてノーだ。スタートアップやインディーのデベロッパがアプリの世界で成功する機会は、まだまだたくさんある。とりわけAppleは、大手のデベロッパだけでなく、斬新で革新的な作品をApp Storeで優遇してくれる。またそういうアプリは、あちこちのブログなどで記事になりやすい。ときおり、無名の企業や個人による優れた作品に光を当てることは、Appleというプラットホームの健康にも寄与する。

アプリ開発の風土が変わったことによって、中位置に付けているデベロッパが有利になったと言える。彼らは最新のクロスプラットホーム開発ツールから多くを学び、また、Facebook6WunderkinderBrightcoveなどが最近学んだ教訓…Webアプリよりもネイティブアプリの方が良い場合が多い…にも配慮する。分裂状態に対応するアプリの試験は今、それ専門のSaaSが現れつつある。それだけ、デベロッパのニーズが増え、また今および今後は、テストツールやAPIのプロバイダからもそんな専門サービスへのニーズがある。さらにまた、インディーデベロッパのアイデアを導入して、クロスプラットホームな成功作品を作るというデベロッパサービスも、今後ますます流行(はや)るだろう。

〔*訳注: Flurryのオリジナルのレポートでもこの点は曖昧ですが、この156機種とか37機種という数値は単純にボリューム構成(例: 200品目ある某レストランの売り上げの60%は上位10品目が占める、など)であり、実際に必要なアプリ調整作業の件数は156や37よりもずっと少ない、と思われます。原文のコメントに見られるデベロッパの意見も、Androidの分裂をそれほど深刻視していません。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

iPhone向けGoogleマップがアップデート―カテゴリーを追加、連絡相手や付近の情報の検索がさらに便利に

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今日(米国時間3/5)、iPhone版のGoogleマップが独自アプリとして登場し以来、最初の大きなアップデートを受けた

アプリ内での検索が強化され、ユーザーの求める情報を得るのが一層簡単になった。Googleマップのアプリ内からGoogleの連絡相手が検索できる。Googleをメインのアドレス帳に設定していれば、 iPhone内に住所が保存されていない場合でも相手の住所を検索できる。また新設されたカテゴリーは付近の会社や店舗を探すのに便利だ。探したい対象がはっきりしていなくてもカテゴリー別に一覧できる。

iOS版Googleマップが改良されたのはうれしい知らせだ。これでGoogleマップがiOS 6デフォールトのAppleの地図の代わりをますます務めることになりそうだ。新しい「付近の情報」セクションは単なる発見ツールという以上に不案内な場所で道案内になる。これはWhereToのようなライバル・サービスが留意すべき点だろう。

残念ながら今回のアップデートではiPad専用版が出なかった。多くのユーザーから熱望されているはずだ。Googleにはぜひ頑張ってもらいたい。私はiPadminiをダッシュボードに取り付けてカーナビに使いたくて仕方がないのだ。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+

iPhone向けGoogleマップがアップデート―カテゴリーを追加、連絡相手や付近の情報の検索がさらに便利に

photo-1

今日(米国時間3/5)、iPhone版のGoogleマップが独自アプリとして登場し以来、最初の大きなアップデートを受けた

アプリ内での検索が強化され、ユーザーの求める情報を得るのが一層簡単になった。Googleマップのアプリ内からGoogleの連絡相手が検索できる。Googleをメインのアドレス帳に設定していれば、 iPhone内に住所が保存されていない場合でも相手の住所を検索できる。また新設されたカテゴリーは付近の会社や店舗を探すのに便利だ。探したい対象がはっきりしていなくてもカテゴリー別に一覧できる。

iOS版Googleマップが改良されたのはうれしい知らせだ。これでGoogleマップがiOS 6デフォールトのAppleの地図の代わりをますます務めることになりそうだ。新しい「付近の情報」セクションは単なる発見ツールという以上に不案内な場所で道案内になる。これはWhereToのようなライバル・サービスが留意すべき点だろう。

残念ながら今回のアップデートではiPad専用版が出なかった。多くのユーザーから熱望されているはずだ。Googleにはぜひ頑張ってもらいたい。私はiPadminiをダッシュボードに取り付けてカーナビに使いたくて仕方がないのだ。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+

iWatchはiOSを採用か。バッテリー寿命が課題(The Verge報道)

AppleのiWatchには本格的iOSが載るらしい、と最新レポートが伝えている。また同社は年末の発売を目標にしているが、まずはバッテリー寿命問題を解決する必要がある。The Vergeの情報筋によると、Appleのプロトタイプ版腕時計ハードウェアは、現在1~2日間しかバッテリーが持たないため、同社は一般公開までに最低でも4~5日間(Pebble並み)にすることを目標としている。

AppleがiWatch用に別OSではなくiOSに手を加えたものを使うというニュースは、本当であれば大変興味深い。2010年に発売された第6世代のiPod nanoで、AppleはiOSに似ているがより軽量ではるかに制限の大きい専用モバイルOSを採用した。今回nanoのOSではなくiOSを使うことは、Appleにとっていくつか利点がある(モバイル製品ラインでコードを統一できる、サードパーティー開発者が参入しやすい、新規ユーザーにとって親しみがある等)。これは大きな挑戦であることに加え、AppleモバイルOSに新たな断片化が加わるというリスクもある。

Appleが当初iPhoneのOSをOS Xと同じものであると発表したことは注目に値する。混乱を招く行動だったが、同社は結局これをiPhone OS、後にiOSの呼ぶようになった。iWatch発表時にも似たようなことが起こるかもしれない。このリストトップ・コンピューターのOSは、様々な異なる機能に対応するために、結局同社のスマートフォンやタブレット用とは大きく異なるものへと分化している可能性がある。

仮に報道が正確だとすれば、Appleがバッテリー寿命改善を目指しているのは正しい道だ。腕時計型コンピューターの価値は、無意識に使えるかどうかに大きく関わってくる。そもそも着用可能コンピューティングの魅力は目立たないことで、スマートフォンやタブレット以上に日常生活に溶け込みやすい点にある。毎日充電器に繋がなければならないiWatchは価値の大部分を失ってしまう。

さらにThe Vergeは、iPhoneとiWatchの間で情報や通知を交換する適切な方法についても、Appleはまだ作業が必要であると書いている。現在このデバイスとその開発状況に関する唯一最大の情報源は同誌だが、今後は開発者やAppleウォッチャーたちがiOSの開発者バージョンをくまなく探して、iWatchに関係する痕跡を見つけにかかることだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi)

Samsungが3/14にも発表のGalaxy S IV、視線スクロール機能をサポートという情報

GalaxySIV

Samsungは来る3月14日に予定されているイベントで同社のフラグシップ機の新モデルを発表するものと見られている。新機種に関してはこのところ情報リークが続いているが、NewYork TimesのBrian X. Chenが今日(米国時間3/4)書いた記事によると、Galaxy S IVには視線スクロール機能が含まれるという。

Chenの情報源はSamsungの社員で、「今回のプレスイベントで中心になるのはハードウェアではなく、ソフトウェアだ」と述べたという。

情報源によれば、Galxy S IVはユーザーの視線の動きをモニタし、それに応じてウェブページなどのコンテンツを自動的にスクロールさせる。たとえばユーザーがウェブ・ページを読んでいいて、視線が画面下端に来た場合、自動的にコンテンツを上にスクロールさせる。ただし、この機能がプレスイベントのステージ上でデモされるかどうかは不明ということだ。

Androidのハイエンドの新デバイスのセールスポイントがソフトウェアだというのはこれが初めてではない。HTCのフラグシップ、Oneが先月ニューヨークでお披露目されたときにも、時間の大部分はSense 5.0ソフトウェアの紹介に充てられた。最近、Androidの各メーカーはソフトウェアによる独自機能を他社製品との差別化のキーポイントとしているようだ。Androidデバイスのハードウェア・コンポネントがますます画一化してきている以上、これは賢明な戦略だろう。

New York Times記事によればSamsungはすでに視線スクロール技術を“Eye Scroll”という名称で商標登録しており、スマートフォンだけでなくタブレットやカメラにも利用していく計画らしい。商標登録というのは現実の製品を市場に出す意図があることを推測させる。

ただし、視線スクロールが成功するためには、動作がほぼ完璧でなければならない。間違った自動スクロールがたびたび起こるようならユーザーはわずらわしがって、すぐに機能をオフにしてしまうだろう。しかし正しく動作するなら確かに1つの差別化要因となり得る。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+

AppleのiWatchは2013年のうちにリリースか(ブルームバーグ報道)?!

Image (1) iwatch_def11.jpg for post 157418AppleのiWatchが「正体不明のプロダクト」として注目を集めている。そんな中、Bloombergの記事にiWatchの可能性について述べるものがあった。その記事の中でBloombergはiWatchが年内にも発売されるのではないかという推測を行なっている。Blombergの情報ソースは、前にも記事に登場したiWatchチームの存在を明かしたのと同じ人物であるようだ。Appleは「年内にもiWatchデバイスをリリース予定」だとのこと。

Bloombergの記事にはiWatchに搭載される機能についての記述もある。曰く電話をかけることができ、着信通知を表示することができ、地図情報と連携した歩数計としての機能や健康情報をモニタリングするセンサーとしての機能があるらしい。つまりはフィットネス分野において、iPodやiPhone同様に、Nikeと連携していく機能が備わっているということのようだ。

ちなみに今回のニュースに先立って、AppleのサプライパートナーやGorilla Glassの製造元であるCorningは、超薄板フレキシブルガラス(Willow Glass)を使ったプロダクトが3年以内に市場に出ることはないと述べていた。これに伴い、iWatchのリリースも3年先まではあり得ないとする見解もあった。しかしiWatchにWillow Glassを採用する必要がないのは当然のこと。Pebble Smartwatchのように既存技術を用いて開発することも考えられるわけだ。

ちなみにBloombergによると、AppleのチーフプロダクトデザイナーのJony Iveは、ずっと腕時計型プロダクトに興味を持ってきていたとのこと。デザインチームを伴って、Nikeの時計製造部門を訪問したこともあるのだそうだ。Bloombergの以前の報道によれば、iWatchプロジェクトに関わっているチームは100名ほどを数えるとのこと。

iWatchを巡る憶測記事は、日々その数を増やしている。しかしApple自体はその内容について全く発言を行なっていない。これはなるほど正しい振舞いだと言える。たとえば2013年内にリリースつもりがあるにしても、公式に何も表明していなければスケジュールを先送りしたところで何の問題もないのだと主張することができる。信頼できそうな筋からのリークではあっても、あくまでも正式なアナウンスとは異なるという姿勢を保つのが、企業として正しい振舞いだとも言えよう。ただ「年内」という時期には確からしい要素がある。すなわちGoogleが年内にウェアラブル・コンピュータをリリースするという話もある。Appleがこれに対向する意図を持ってリリース日を設定するのも、あながちあり得ないことではないだろう。

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(翻訳:Maeda, H)

プロ用お絵描きタブレットのWacomが“コンピュータの周辺機器ではない”自立型製品を予告

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写真やアートのプロのための感圧入力機器では長年のリーダーであるWacomが、同社のFacebookアカウント上で、新製品のモバイルタブレットを予告している。それはWacomによれば、お客様の熱心な要望にお応えして、“そのほかのタブレットにはない、プロ用の感圧ペンやスムースなマルチタッチ、HDのディスプレイなどの機能を盛り込んだ”製品、という。

このタブレット製品のためにWacomは1日24時間週に7日間の開発努力を続け、この夏には発売できる、と言われている。Microsoft Surface ProやSamsungのGalaxy Noteなどのタブレットも、感圧方式のスタイラス入力はその技術をWacomに仰いでおり、だから同社自身がモバイル製品に導入しても不思議ではない。しかしこれまでの同社のハードウェア製品はあくまでも周辺機器であり、Bamboo、Intuos、Cintiqなど電源をUSBに依存する描画用パッドもすべて、コンピュータにつないでから使用する。

でも今度出るタブレット製品は、Wacomの初めてのスタンドアロン製品のようだ。Facebook上の予告はプラットホームについて言及していないが、おそらくAndroidだろう。人気WebコミックPenny Arcadeの作者Mike “Gabe” Krahulikが最近、Surface Proとそれが内蔵するWacom技術への愛について長い記事を書いていたから、Windows 8という線も捨てられない。

Wacomの唯一の課題は、スタンドアロン製品を買いやすいお値段にすることかもしれない。Cintiqシリーズの描画パッドの12インチ(12WX)は899ドルだが、本体のほかにコンピュータを必要とする。コンピュータ内蔵の完全自立型Wacomタブレットも、本格的なプロ用仕様ともなればお安くはないだろうが、でもCintiq 12WXが出た2007年に比べると、技術も必要部品も安くなってるはずだ。今日このごろ、スマートフォンとタブレットが世の中に氾濫しているから、高度な技術を狭いところに詰め込む、かつては神業的だった製造技術も、今やそれほど高価なものではない。

今Wacomに詳しい情報を求めているので、情報が入り次第この記事をアップデートしよう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Apple、世界の教育機関向けに800万台のiPadを販売。iTunes Uのダウンロード数は10億件を突破

ipad-itunes-uAppleが、デジタル教育サービスを提供しているiTunes Uが節目の数値を達成したことをアナウンスしている。ダウンロード数10億件を突破したのだそうだ。また、このアナウンスと同時に、世界中の教育機関に対して800万台のiPadを販売したこともアナウンスしている。iTunes Uは、2012年6月より単独のアプリケーションとなり、講座などの教育コンテンツを広く公開するための場として機能するようになっている。

iTunes Uを独立させた当時は、コンテンツのダウンロード数は7億件ほどだった。以来、ダウンロード数はさらに増加傾向を示しているのがおわかりだろう。iTunes U自体は2007年5月から提供されている。ここ9ヵ月でのダウンロード数は3億件ほどだが、その倍ほどである7億件のダウンロードには5年ほどもかかっているのだ。このところのペースアップは専用アプリケーションのリリースや、教育界でのiPadの普及などの相乗効果によるものなのだろう。

AllThingsDによると、Appleはアメリカ国内の教育機関に対して450万台のiPadを販売したとのことだ。ちなみにこの数字はAppleにも確認済みのものだ。また、一般に公開されている情報をもとにした9to5MacのJordan Kahnの計算によれば、その450万台の大半は最近(昨年)になって販売されたものであるとのことだ。AppleのCEOであるTim Cookも、iPadにとって教育市場がいかに大切なものであるかを何度も繰り返し述べている。そして確かに、Appleはアメリカ国内においても、あるいは海外においても、教育機関向けに多数のiPadを販売している。

またiTunes Uにコンテンツを投稿している学校についての情報もいくつか発表している。コンテンツを公開している教育機関数は大学およびカレッジが1200以上、そして高校以下の段階(K-12)でもやはり1200以上になるのだとのこと。こうした教育機関が登録した公開コンテンツ数は2500を超えており、さらに特定の学生のみ閲覧可能なプライベートコンテンツが数千件登録されているそうだ。StanfordやOpen Univercityなどのように、非常に積極的に取り組んでいる大手教育機関も存在する。この両者のコンテンツだけで、これまでに6000万件のダウンロード回数を数えているのだそうだ。最も人気のあるコースでは、25万人が登録しているものもあるとの話だ。

掲載された最近の記事にもあるように、オンライン教育は急速に広まりつつある。またCourseraのようなスタートアップも、大いに注目を集めつつあるところだ。Appleは最初期の頃からこの分野に進出しており、iPadが大いに普及していることも相まって、今後ますますオンライン教育面でのプレゼンスを高めていきそうな気配だ。

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(翻訳:Maeda, H)

日立がWesternに売ったHGSTがハードディスクにナノテクを応用して容量を倍増

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モバイルプロセッサに詳しい人は、Qualcommなどが作る現世代のチップを比較して論じるとき、32nm vs. 28nm(nmはナノメーター)なんて話をよく聞いているだろう。それはプロセッサのサイズを言い表す言葉で*、この数字が小さいほど電力消費が少なく、素子を小型化でき一定スペースに多量の回路を詰め込めるので機能も性能も上がる。〔*: この数字はVLSIの配線の太さ(幅)ないし配線間の間隔の幅のこと。〕

またディスクドライブでは、一つのビットを記録する磁性体単位の大きさ(パターンサイズ)を20nmよりも小さくするのは難しい、と言われている。ディスクドライブも、プロセッサと並んで、ムーアの法則が当てはまる分野だったが、どちらもそろそろ、限界に突き当たろうとしている。ところが今日、Western Digitalが日立製作所から買収したハードディスク企業HGST発表した画期的な技術によれば、10nmのパターンを作ることが可能だという。その工程は“ナノリソグラフィー(nanolithography)”(ナノサイズの平版印刷)と呼ばれ、これによりハードディスクドライブの最大容量を今の倍にすることができる*。〔*: 2×2=4倍ではない。原文のコメント参照。〕

HGSTのこのナノプロセスは、テキサス州オースチンのシリコン加工スタートアップMolecular Imprints, Inc.との共同開発で、これまで広く使われていたフォトリソグラフィー(photolithography)(写真製版平版印刷)技術を使わない。感光剤を用いる写真的な製版では、プロセスのサイズを光の波長より小さくすることはできない。HGSTの研究担当VP Currie Munceによると、HGSTの技術では将来的に10nm以下にすることも可能、という。

HGSTは今の2010年代内に一般市販製品の完成を目指している。そのための低価格化と安定性能を達成できれば、‘ストレージ欲’に限度のない今日の顧客たちが、こぞって採用するだろう。とくにWebは、クラウドサービスの増加と、Facebook、Apple、Amazonなどのビッグ企業のデータセンターの大型化がこれからも続くから、ストレージの費用効率とスペース効率はきわめて重要だ。HGSTのナノリソグラフィープロセスでは、磁性体の同じ面積のストレージ能力が従来の倍になるのだから、ざっと言って、効率も倍になることになる。

このプロセスは、顕微鏡レベルのちょっとした粗(あら)を冗長性によって回避できるディスクストレージに向いているようだ。Munceによれば、HGSTのナノリソグラフィーはモバイル用プロセッサなど、ナノレベルのVLSIの製造には向いていない。

“プロセッサでは、回路パターンに粗(あら)があることは絶対に許されない。ハードディスクドライブでは、つねにエラー修正コードが動いているし、パターンの欠陥を特殊な信号処理で補うこともできる”、と彼は説明する。

しかしそれでも、ハードディスクとメモリの方面では、今から5〜6年先にHGSTの画期的な技術が、クラウドコンピューティングやモバイルデバイスを中心として、テク業界全般に大きな影響を与えていくだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Adobe、Photoshop Touchのスマートフォン版を公開。タブレット版の全機能を継承


これまでAdobeのモバイルPhotoshop戦略は、重量級の編集に関してはタブレット用のPhotoshop Touchに任せ、iPhone用にはPhotoshop Expressをあてがっていた。しかし、今日(米国時間2/26)同社は、Photoshop TouchのiPhoneおよびAndroid版を正式にリリースし、機能はより強力なタブレットアプリからほぼ全てが受け継がれ、インターフェースは小さい画面向けに最適化された。

スマートフォン用Photoshop Touchは、レイヤー(最高解像度で編集する際は3枚に減らされる)、指による不正確な選択でも図形の正確な部分を選べる人気のスクリブル選択ツールろ持ち、ほかにもフィルター、ペイントストロークの共有等Photoshop Touchにある要素をすべて受け継いでいる。さらに、独自のカメラフィル機能では、デバイスの内蔵カメラを使って作品にレイヤー挿入できる。スマートフォン版のプロジェクトは、タブレットおよびデスクトップ版Photoshopと同期、編集が可能だ。

移植に当たっては、小画面デバイス向けのデザイン変更のためにPhotoshop Touchの機能が損われないよう、多大な注意が払われたことは間違いないが、私はPhotoshop製品マネージャーのStephen Nelsonに、タブレット版とスマートフォン版の違いについて尋ねてみた(両バージョンはユニーバーサルアプリではなく、別々のアプリとして販売される)。

「別アプリにする利点の一つは、両製品をわずかに分化させる自由が得られることだ」と彼は言った。「状況やデバイスに応じて適切な方法で分化させた。既にスマートフォンの小さい画面に合わせるためだけでも変わっている点に気付くだろうが、今後もタブレットとスマートフォンでは若干異なる進化を続けることになるだろう」

Photoshop Touchの価格は4.99ドルで、App Store、Google Playで既に公開されている。対応機種はiPhone 4S以降、第5世代iPhod touch、あるいはAndroid機のIce Cream Sandwich(4.0)以降。もしあなたが、モバイルであれ何であれ、フォトグラファーで強力なフォトエディティング機能を持ち歩きたければ、Photoshop Expressからアップグレードする価値があることは間違いない。

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(翻訳:Nob Takahashi)

Ego! Smartmouseは、個人認証、モーションコントローラーからカメラ、Flashメモリー、加速度センサー、バイブレーションまで内蔵する多機能マウス


新しいKickstarterプロジェクト、Ego! Smartmouseは、コンピューティングに最近のトレンドをいろいろとブレンドし、ハードウェア個人認証や3Dモーションコントロールなど、多くの機能を備えたユニークな入力デバイスだ。Ego!は、従来の意味ではマウスであり、デスクトップやノートパソコンを制御できる他、ファイルストレージでもあり、さまざまなサービスの認証デバイスとしても使用でき、内蔵されたモーション検知機を使ってWiiリモコンのようにゲームのコントロールもできる。

このSmartmouseは、コンパクトなデザインの中にLinuxベースOSを内蔵し、400MHz ARM9プロセッサーと最大8GBのオンボードFlashストレージを持つ。Bluetoothで接続し、ジャイロスコープ、コンパス、光学マウスセンサー、加速度センサー、さらにはVGAカメラ、タッチ式パッド、バイブレーション用モーター、通知用LEDまで備えている。micro USB経由で充電し、プロジェクトの開発者によると、低消費電力技術のおかげでバッテリー寿命は非常に長いとのこと。

英国拠点のデザイン会社、Laura Sapienceが作った Ego! Smartmouseは、エンジニアリングとUIデザインに強い経歴を持つ人々による作品だ。CEOのMatt Modèは工業および自動車工学の経験があり、設立チームには他にも、組み込みセキュリティー、家電、コンピュータービジョン、組み込みシステム等の専門家がいる。

デモにあるように、Ego!はデスクトップでも、ソファからメディアセンターPCを制御するにも、ゲームアプリで3Dコントロールに使うのにも適している。さらには、ブラウザーを開いてメールアカウントにログインするような定型作業を自動化したり、プロジェクターと組み合わせてプレゼンテーションツールとして使うこともできる。内蔵カメラを画面上のQRコードに向けるだけでEgo! を同期することができ(面倒なペアリング手順は不要)、オフィス環境ではパソコン間でファイルを簡単に転送するのにも使用できる。

同チームは£20,000の資金調達を目標としていて、£70で2GBのブラックまたはホワイト版のEgo!を予約注文できる。海外配送費込み。大ストレージ容量の £110(4GB)および£120(8GB)はカラーバリエーションも多い。

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(翻訳:Nob Takahashi)