実は魅力的なバンコクのスタートアップ事情

東南アジアのスタートアップシーンが今年も熱そうですが(関連記事12)、今回はSEO Japanでまだ取り上げていなかったタイはバンコクのスタートアップ事情を。タイ&バンコクというと観光のイメージが強いですが、いえいえ、経済も大きく発展中、人口&若者も多く、シンガポール以上にビジネスチャンスがあると日本から進出する企業も後を絶ちません。そんな注目の都市のスタートアップ事情とは? — SEO Japan


bangkok

天然資源に恵まれた東南アジアに位置するタイは、毎年、大勢の投資家、そして、旅行者を魅了している。物価が安いため、自力で事業を興すにはうってつけの場所であり、そして、現在、投資の文化が成熟の域に達しつつある。

このような魅力的な起業の要素に加え、タイには、外国人にとって住みやすい環境が整っている。仕事とプライベートのバランスが抜群であり、収益と価格の比率も申し分ない。

シェアオフィスでは、大勢の外国人が働いている。その大半は、ノマドワーカー、起業家、そして、どこでも生活が出来て、仕事をするタイプの人達である。米国、ヨーロッパの出身者が特に多いが、イスラエル、日本、そして、韓国からの移住者も少なくない。

この要素を全て考慮すると、現在、タイのスタートアップシーンが爆発的に成長しているのも頷ける。事実、複数のシリーズ B投資が水面下で進んでおり、その中には、広く報道されているHotelQuicklyも含まれる。これは、バンコクの起業家にとって初の試みであり、スタートアップのエコシステムが現状を表している。

2年前、起業に興味を持つ人は多かったが、東寺、実際にこの世界に足を踏み入れたのは、数えるほどしかいなかった。しかし、現在、バンコクには、優れたビジネスモデルを掲げ、成功するポンテシャルを秘めた、才能豊かな、大勢の賢いエンジニア達が起業に取り組んでいる。

大手の通信会社、AISは、ベンチャー部門を発足し、支援するスタートアップを探している。また、私が取材したタイのスタートアップの一部は、インドネシアやフィリピン等、その他の東南アジアの地域に進出している。

リスクを嫌う思考は、急速に変化し、拡大を望むタイのスタートアップは、増え続けている。

モバイル化

タイのモバイルデバイスの浸透率は非常に高いため、この国のスタートアップは、モバイル化に取り組む必要がある。Bangkok Postによると、「昨年のタイの携帯電話の契約者は、1人で数台のデバイスを契約する人がいるため、全国民を1/3上回る人数に達していたようだ。さらに、タイのモバイル市場は、今年、9%増加して、9550万台に達し、そのうちの2500万台は3Gの契約を結んでいる。

タイ国民の多くは、携帯電話でしか、インターネットにアクセスすることが出来ない。従って、必要は発明の母、と言う格言があるように、タイではモバイルコマースが大きな注目を集めている。

ソーシャルネットワークとの結びつきが強いため、とりわけ、モバイルアプリ、そして、コンテンツの共有において、近いうち、タイは主役に躍り出る可能性を秘めている。

エンジェルインベスター

残念ながら、タイのエコシステムには、エンジェルインベスターは数えるほどしかいない。事実、この地域に流れ込む資金の大半は、日本のベンチャーキャピタルのシンガポール支局から持ち込まれる。

そのため、東南アジアでスタートアップを立ち上げ、シリーズ A、または、シリーズ Bを求めているなら、東南アジアで投資する機会を探し、シンガポールに支部を持つ日本のベンチャーキャピタルと交渉を行う必要がある。

注目に値する5社のスタートアップ:

  • Builk – 無料でSaaS上の建設に関するデータをクラウドソースし、資金の節約に貢献する。
    Builk.comは、予算編成、原価計算、購買、請求、そして、現場の協力を通して、建設業者を結びつける事業者向けのソーシャルネットワークである。建設会社は、無料でSaaSを利用し、納入業者、デザイナー、顧客と楽に関係を構築することが出来る。
  • 2C2P - ユニバーサル電子支払いサービス。
    最高レベルの支払い経路の設定、不正管理、そして、ビジネスインテリジェンス機能を持つカード支払い処理サービス。ユーザーにクレジットカードに代わる支払いの選択肢(オフライン、店頭取引、オンラインのデビットカード等)を与え、既存の支払いのオプションと統合する。
  • Computerlogy - ソーシャルメディアのモニタリングツール。
    Computerlogyの「SocialEnable」は、強力なソーシャルメディア管理ツールであり、ユーザーは、Facebook、Fanpage、Twitter、Google+、Instagram、Pantip(タイで人気が高いサイト)等、各種のソーシャルメディアチャンネルを単一のアプリケーションで管理することが出来る。このアプリには、キャンペーン管理と計測機能が搭載されており、ソーシャル CRMを用いたソーシャルメディアマーケティングに勝る。
  • Eko - 企業向けのモバイル生産性コミュニケーションプラットフォーム。
    アジア太平洋地域をリードする企業の重役と緊密に連係するEkoは、モバイル主体のリアルタイムのコミュニケーションツールをデザインし、構築した。Ekoは、安全で、シンプルで、生産的で、尚且つ、強力なコミュニケーションツールを従業員に提供する。スマートフォン時代の企業用メッセージ送受信ツールと言えるだろう。
  • TalentEx - ASEAN地域のソーシャルリクルートサービス。
    JobTalentsは、無料投稿/有料雇用モデルを掲げたオンラインジョブプラットフォームであり、選抜試験機能と求職者間のソーシャル推薦機能を用意している。

タイでのスタートアップの創設は、的確な判断と言える。規制に関する環境は、すこぶる良く、「事業を行う上で適している国」のランキングで18位につけている。経費はとても安く済み、活躍の場を求めている優秀な人材は多い。

タイで見られるチームワーク、そして、スピリットは、賞賛に値する。この点に関しては、世界のどの国にも負けていない気がする。


この記事は、The Next Webに掲載された「What you need to know about Bangkok’s startup ecosystem」を翻訳した内容です。

The Next Webの記事でしたが、えらく、さっくりした内容でしたね。しかし「この地域に流れ込む資金の大半は、日本のベンチャーキャピタルのシンガポール支局から持ち込まれる。」という事実には少し驚きました。東南アジアでいち早く次の手を打っている日本のVC、数年後に素晴らしい結果が待っているでしょうか?起業家も負けじと頑張りたい。 — SEO Japan

日本国内コンテンツマーケティング調査レポート 2015年版

先日新たに設立したコンテンツマーケティング専業会社エコンテにて、コンテンツマーケティングの利用状況に関する調査を行いました。そのレポート第一弾が上がってきたのでここに紹介します。 — SEO Japan

調査レポートをスライドで見られるページはこちらになります。

600名に聞いた!コンテンツマーケティング調査レポート 2015年版

例えばこのような調査結果がわかりやすいビジュアルで説明されています。

興味ある方は是非ご覧ください!

今回のスライドに加えてホワイトペーパー、インフォグラフィックなど、様々な形で調査結果を今後紹介していきたいと思っています。日本のコンテンツマーケッターの今がわかるレポート、是非ご活用ください。 — SEO Japan

コンテンツマーケティングにもリンク構築が必要な理由

これからはSEOよりコンテンツマーケティング、リンク構築はもう必要ない、と考えている人は多いと思いますが、そこに異論を呈した記事をサーチエンジンランドから。物事を単純に考えすぎている人は一読を。 — SEO Japan

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結論から言うと、コンテンツマーケティングチームは、リンクビルダーのメンバーを迎えると、大幅に戦力がアップする。

コンテンツマーケティングには、ライター、業界のエキスパート、グラフィックデザイナー等が必要だ。一人で数役をこなす場合もあるが、すべての役割をその道のプロのように全うすることは不可能である。また、コンテンツマーケティングにおいて、プロモーションを行う職種、とりわけリンクビルダーは見過ごされることが多い。

カンファレンスで出会った人達との会話から判断すると、コンテンツマーケティングとリンク構築の違いを理解していない人達がいると言わざるを得ない。

この点に関しては以前も指摘したことがあるが、今後も「コンテンツマーケティングとリンク構築を同一視するべきではない」と何度も指摘することになるはずだ。この2つの取り組みには、幾つか大きな違いがある。両者は巧みにお互いを補うものの、同義語ととらえるべきではない。コンテンツマーケティングとは、メッセージを広め、オーディエンスを増やす取り組みであり、一方のリンク構築は、検索結果で見つけやすくして、信頼の票を得るための運動である。

コンテンツマーケティングは、リンク構築ではない。しかし、リンクを加えると、コンテンツマーケティングに大きなメリットがもたらされる。コンテンツは、 自然に見つけやすくなるのではない — 最高の作品であっても、プロモーションが必要である。

コンテンツマーケティング & コンテンツショック

コンテンツマーケティングは、19世紀後半に生まれたコンセプトであり、デジタル時代に生まれたイノベーションではない。デジタルマーケティングは、日に日に、コンテンツの作成と配信への依存を強めている。

コンテンツマーケティングは、私がこの業界に参入した頃、急激にその存在感を増すようになった。1日に作られるコンテンツの量が、議論の対象になっており、正確な数量を計算する術はないが、DomoとColumn Five Mediaによると、2012年の時点でさえ毎分347本のブログの記事がアップロードされているようだ。

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しかも、これはWordPressのブログに限定した数量である。

コンテンツマーケティングの台頭により、コンテンツショックと呼ばれるセオリーが誕生した。この賛否の別れるセオリーは、2014年1月、マーク・シェーファーによって、初めて提唱された — マーク・シェーファーは、コンテンツマーケティングは、長続きしない取り組みであり、バブルはやがて弾けると指摘した。コンテンツの生産量が急激に増加し、単純に、時間に対して、目を通すコンテンツが多過ぎることが、このセオリーの根拠とされている。

このセオリーに同意していなくても(実際に反論している人達もいる)、とんでもない量のコンテンツがウェブに存在する点に関しては、否定のしようがない。星の数ほどのコンテンツが存在する中で、1本のコンテンツを目立たせるにはどうすればいいのだろうか?

その答えが、リンク構築である。

リンクを必要とする理由

リンクは、Googleのアルゴリズムにおいて、今でも最も重要視されているランキングシグナルである。この点に関しては、今までと変わりはない。Googleで重要な役職に就く従業員も認めている。

Googleのウェブスパム対策を統括するマット・カッツは、6月に行われたSMX Advancedカンファレンスで、1時間を割いて、ダニー・サリバン(当サイトの編集長)と議論を交わしていた。このセッションでは、様々な話題について議論が行われたが、私が気になったのは、ダニー・サリバンが、リンクの価値とリンク構築に関する見解を求めた場面だ(このインタビューはYouTubeで視聴することが可能であり、この場面は、27:27に始まる)。

リンク構築は滅びていません。[...] リンクにはまだまだ利用価値があると私は考えています。

マット・カッツ

要するに、コンテンツに向かう、信頼に値する、適切なリンクを持っていると、自然な検索結果で上位にランク付けしてもらえる確率は高くなるのだ。検索でコンテンツが目立てば目立つほど、トラフィックは増え、そして、認知度は高くなる。何と言っても、Googleは、世界で最もビジターが多いサイトである。

リンクビルダーが出来ること

このように、リンクは、最適化の取り組みにおいて、非常に重要度が高い。と言うことで、早速、リンクを獲得しよう!

…と言いたくなるかもしれないが、はやる気持ちをまずは抑えよう。リンク構築を成功させたいなら、現在のスタッフの仕事に単純にリンク構築を加えるべきではない。優れたライター/グラフィックデザイナーであっても、必ずしもリンクの獲得が得意なわけではない。 良質なリンクの要素、狙いを定めるべきサイト、避けるべきサイト、その他のリンク構築とSEOに関するニュアンスを理解していない可能性もある。

コンテンツチームを指導して、リンク構築のイロハを教える余裕があったとしても、現在の職務に加えて、リンク構築のスキルを磨く時間は持てないはずだ。リンクに値するコンテンツを作成する作業は、当該のコンテンツにリンクを構築する作業と同じように、時間がかかる。

だからこそ、コンテンツの検索結果でのビジビリティ(見つけやすさ)を高めるベストプラクティスを心得たリンクビルダーを雇用するアプローチが、ベストだと言えるのだ。そもそも、トレーニングを受けていないスタッフにコンテンツを与え、ブランディングを任せることが出来るだろうか?

リンクビルダーは、Googleにアクセスする大勢のユーザーに、コンテンツを提示するためのデジタルな基盤を築く。コンテンツマーケティングは、コンテンツを作るだけの取り組みではなく、コンテンツを宣伝する取り組みも含まれる。そして、この宣伝の役割を果たすのが、リンクである。

リンク構築が、キーワードリッチなアンカーテキストを、何でも受け入れる大規模なリンクディレクトリに投稿するだけの時代は終わった。古き良きリンク構築 — 宣伝としてリンク構築に取り組む時代が戻ってきたのだ。

宣伝としてリンク構築を行う

リンク構築は、随分以前から行われている。事実、アルゴリズムのメリットが登場する前から存在する。リンク構築の草分け、エリック・ウォードが、Amazonに対してリンク構築を始めたのは、今から22年前の1994年のことであった。当時、Googleはまだ生まれていなかった。Googleの前身、BackRubが生まれたのは1996年である。エリック・ウォードがAmazonのためにリンク構築を始めた頃は、リンクを票として見るのではなく、宣伝する目的でリンク構築を行うのが主流であった。

ラリー・ペイジとセルゲイ・ブリンがGoogleを立ち上げた際、リンクは検索エンジンにおける最も強力なランキングシグナルになった。その結果、リンク構築は、あっと言う間に、操作が横行する取り組みと化してしまった。テクノロジーの天才が、Googleのアルゴリズムを操作することのみを目指して、大量の質の低いリンクを作るメソッドを次々と編み出していったのだ。

しかし、Googleは、密かに対策を練っていた。それが、2012年4月に導入されたペンギンアルゴリズムアップデートである。 このアップデートは、スパムとの闘いにおいて、最もアグレッシブな対策であったと言われている。ペンギンアップデートが展開された結果、リンク構築は、原点回帰することになった。

リンク構築の宣伝面でのメリットは、永久に不滅である。被リンクは、様々なアドバンテージをもたらしてくれる。Googleは、世界で一番交通量の多い通りで、交通整理を行っている警官だと考えてもらいたい。

自分のコンテンツに向かうリンクを取得すると、当該のコンテンツは、1日に30億回利用される検索エンジンの結果ページで、見つけてもらいやすくなる。

最近、ソーシャルメディアが急成長し、FacebookやTwitter等のプラットフォームは、デジタルマーケティングの取り組みにおいて、注目を集めていることは百も承知だ。しかし、ソーシャルシェアの効果は、その性質上、束の間である。私なら、自分の業界、製品、そして、コンテンツに関する情報を具体的にユーザーが求めているGoogleで、コンテンツを見つけてもらいたいと思う。

リンクの獲得に関して、全く宣伝を行うことなく、リンクを向けてもらえる場合、より大きな力を得ることが出来る。このようなケースは、実際に起こり得る。しかし、獲得した1本のリンクに対して、さらに5本のリンクの価値があり、その5本をもたらしてくれるのが、プロモーションである。そして、その役にうってつけなのが、リンクビルダーだ。

結論

優れたコンテンツマーケティングチームは、異なるスキルを持つ人物で構成されている。リンク構築もその中の一つに該当する。

コンテンツは、至る所に存在するため、とりわけコンテンツの宣伝を怠っている場合、簡単にかき消されてしまう。 チームにリンクビルダーを迎えると、コンテンツマーケティングを成立させ、検索結果でより大勢のユーザーに見つけてもらえるようになる。

この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「Why Your Content Marketing Team Needs A Link Builder」を翻訳した内容です。

リンク構築といってもいわゆる人口リンク注入とは違う次元の話です。リンクが多いコンテンツがGoogleのアルゴリズム上、上位表示されやすいのは当然の話ですし、今はリンク構築を意識せずコンテンツの内容だけで勝負している人が大半と思いますが、実際の記事の質以上に、投稿時にどれだけ人気を得られるかということや記事が掲載されているサイトのオーソリティ次第という部分も大きいですよね。リンク構築の手法はアプローチをコンテンツマーケティングの活動に投入していくことは、中長期的には検索経由のコンテンツへの集客を増すことにもつながると思いますし、検討してみる価値はあると思います。英語圏に比べ日本語のネットリソースはそもそも限られているので、どこまでできることがあるかは微妙な面もありますが、、、ただ時にリンクを意識した、いわゆるリンクベイトコンテンツを投入してコンテンツやサイトのオーソリティを上げていく等の内容ありきのリンク構築なら取り組めるかもしれませんね。 — SEO Japan

コンバージョン最適化の鉄則ルールが鉄板でない8つの事例

エコンテ設立でコンテンツマーケティングネタ寄りに偏り過ぎた感が出てきたので、昨年後半から多目に投稿してきたコンバージョン最適化関連の記事も今回は。SEOにしろ、コンテンツマーケティングにしろ、そしてコンバージョン最適化でも、それだけは守っておきたい基本ルールが良く取り上げられますが、前者2つ以上にそんな「鉄板ルール」が実は鉄板ではない可能性が高いのがコンバージョン最適化。初心者マーケッターには「え?!そんなこといわれても」と怖い話ですが、その道のプロ中のプロがその理由を語ります。 — SEO Japan


When Conversion Optimization Best Practices Fail

コンバージョン最適化の鉄則を全て挙げようとすれば、日が暮れてしまう。しかし、その中には絶対的な存在として君臨する鉄則が幾つか存在する。例えば、

このようなアプローチは多くの実験で明らかになった一般的なトレンドであることが多く、大方効果がある。そのため、この類のケーススタディは説得する際の主な材料として用いられることが多い。

しかし、この考え方はある問題を見落としている。通常効果があると言っても、全てのサイトで有効に働くとは限らない。ウェブサイトによって、ターゲットのオーディエンス、マーケティング、ポジショニング、価格、製品の選択、季節性は異なる。 大方、それぞれの置かれている状況に左右される。

「ページが異なれば目標も異なる。従って、フリーサイズ的な戦略を適用することは出来ない」– グレッグ・シオッティ

そして、人間ならではの問題も垣間見られる。特定の鉄則が何度も取り上げられ、何度も実施されていると、当該の鉄則が高く評価された要因、つまり、説得力のある要点を見失い、闇雲に従うだけになってしまう。

つまり、成功の原因ではなく、つまり、兆候ばかりに目がいってしまうのだ。

この記事では、鉄則が鉄則ではなかった例を幾つか挙げ、大事な点を誤って理解してしまった理由を解明していく。さらに、過ちから教訓を得て、闇雲にベストプラクティスに従う方針を変え、収益を増やすにはどうすればいいのかを検討していく。

鉄則の失敗例 #1: スライダーは不要

スライダーは、コンバージョン率最適化(CRO)コミュニティの間で、最も嫌われているデザインの要素だと言えるかもしれない。しかし、一様に効果を疑問視され、また、効果がないことを証明されているにも関わらず、実はスライダーが有効に働いたケースが存在する — Device Magicは動画をスライダーに置き換えることで、コンバージョン率を30%アップさせていた

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この鉄則が失敗した理由: スライダーの方が情報を適切に伝えることが出来るケースもある

通常、モーションは気を散らす原因となり、複数のヘッダーの利用は混乱を招く。また、ヘッダーの一部はユーザーとは関係がないこともある(スライダーが役に立たない理由を詳しく知りたい方は、この記事で確認しておこう)。

Device Magicのスライダーを用いたバージョンは、邪魔なものを省き、明確で有益なタイトルと目立つグラフィックを残してスライダーならではの問題を解決していた。

押し並べて、スライダーは邪魔なアイテムを加え、重要なコンテンツから注目を奪ってしまうものの、このケースでは、余白を多く確保し、また、無関係な要素を除外していた。箇条書き、タブ、そして、動画を持つコントロール(オリジナル)と比べ、このシンプルなスライダーを用いたバージョンは、とても分かりやすい。その分かりやすさこそが説得の第一歩目となる。

さらに、スライダーのバージョンは動画よりも早く情報を伝えている。提案する価値を伝える時間は10秒間のみであり、動画の周りのサムネイルとコピーは第一印象にとって重要な役割を担う。コントロールのページでは、サムネイルが乱雑であり、ヘッドラインは — 良い第一印象を残すことを考えると、少し複雑過ぎる。

また、リサーチの結果、実際に動画を視聴しているのはユーザーの30%であること、また、Wistiaが行った調査では、動画を見るユーザーであってもすぐに視聴を止める傾向があることが分かっている。

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動画が長ければ長いほど、オーディエンスはすぐに視聴をやめる。4分以上の動画はユーザーおよびコンバージョンを失う可能性がある。

ただし、このケーススタディは、1つ目のスライドが利用するヒーローの画像が、コンバージョンにどのような影響を与えているのか精査していない点に注意してもらいたい。ユーザーは通常スライダーをクリックしないため、Device Magicは画像よりも大きな効果、あるいは、画像と同じ効果を得ていた可能性がある。

重要なポイント: スライダーは役に立たないかもしれないが、乱雑なページはさらにコンバージョンを下げてしまう

Device Magicのケースでは、分かりやすく、目立つ第一印象を与えると言う説得力のある良識 — 通常はスライダーが不得意にする領域 — を利用したため、スライダーは動画を上回る結果を残していた。

このケーススタディが証明しているのは、効果を左右する上で大事なのは、ページの機能ではなく、機能がどのように組み込まれているか、と言うことだ(スライダーの画像、スライドの順番、動画の長さ、動画のサムネイル、動画の質等)。

長ったらしい動画やコンバージョンを狙った動画よりも多少効果のあるスライダーをデザインすることは可能だ。しかし、どのように組み込むかが結果を左右することを覚えておこう。

ただし、このケーススタディは、スライダーの方が動画よりも優れている点ではなく、あくまでも、スライダーが過去のページよりも30%コンバージョンをアップさせた事実を証明しているだけだ。

鉄則の失敗例 #2: トラストシール

トラストシールは、会計のフローの主要なパーツとして高く評価されている。なぜなら、ページの信頼度を高める効果があるためだ。しかし、トラストシールがコンバージョンを1.6%近く下げてしまった

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また、トラストシールを削除したところ、コンバージョンが3.5%上がったとエリック・ハンセンもツイートで報告していた。

この鉄則が失敗した理由: トラストシールは信頼が重視される場合のみ有効に働く

通常、買い物をするユーザーを安心させるため、トラストシールはプラスに働く。ユーザー自身が、セキュリティーを評価する際の手段としてトラストシールを参考にすることが最も多いと示唆している。image17

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しかし、気をつけなければならない点がある: ユーザーはトラストシールを理解していない。ユニバーシティカレッジロンドンが行った調査では、ユーザーはトラストシールの意味を大きく誤解していることが判明している。

トラストシールが、技術面でのセキュリティが問題ないことを意味するとは、ユーザーは理解していない。トラストシールを信頼性の代わりと見ている。従って、信頼性の欠如がコンバージョンの足を引っ張っている時のみ効果を発揮する。

セキュリティが重要ではない場合、余計に不安を煽るため、コンバージョンを下げてしまうこともある — WhichTestWonはフォームからトラストシールを外したところコンバージョン率が12.6%高くなったと報告している。

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共有される情報が機密情報ではないため(そして、フォームはその他のより大きな問題を抱えているため)、トラストシールの利用は理にかなっていない。その結果、懸念を高めてしまうため、コンバージョンを低下させてしまう。

会計のケーススタディで起きた現象もこれで説明がつく — トラストシールの大きさは、ページでこのシールが最も重要なアイテムであると示唆している。その結果、セキュリティの問題に注目が集まり、コールトゥアクションからユーザーの注意を逸らしてしまう。

重要なポイント: 必要な場合のみトラストシールを利用する

鉄則に頼るのではなく、質的なユーザー調査を行い、ユーザーが経験している障害を解き明かし、その後、適切なツールを選んで当該の問題を解決しよう。

トラストシールは信頼性の問題を解決するツールであるため、ユーザーが信頼性を疑問視していないなら、妥当ではなく、注意を逸らしてしまう。

ちなみに、視覚的なデザイン推奨レビュー等、信頼性の問題を解決するツールは他にもある。トラストシールは、他の要素が欠けている場合、信頼性を作るツールとしては適切ではない可能性がある。

鉄則の失敗例 #3: 大きなボタン

理論上、大きなボタンはユーザーの注目を集め、コンバージョンアップにつながる。しかし、現実には、ボタンを大きくした結果、コンバージョン率が10%以上落ちてしまったサイトが存在する。

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このテストを実施した会社は、ボタンを大きくして、さらにコピーを変えた。すると、ボタンのサイズを変えただけでは、コンバージョン率が10%低下することが判明した。

この鉄則が失敗した理由: 重要なのは大きさだけではない

目立ち、注目を集めるコールトゥアクションボタンはコンバートしやすいと言うのが、コンバージョンの最適化の常識だ。 サイズはボタンの重要度を容易に示すことが出来る。

しかし、ユーザーがページを読むパターン、そして、視覚的な階層を決めるアイテムに関しては、別の要素も絡んでくる。

まず、ユーザーは情報の場所に関して一定の期待を持っている。VWOがホームページの変更をテストした際に明らかになったように、サイズに関わらず、ユーザーはその場所を最初に見る。

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メインの中央のコールトゥアクションボタンを大きくしつつ、ユーザーが無料のトライアルボタンが掲載されていると期待する右上にもボタンを用意した。無料のトライアルを望むユーザーはまずこの場所を見る。その結果、この小さなボタンが3倍以上のクリックをもたらしたのであった。

視覚的な階層を確立するために大きさをいじると、乱雑な状態を作ってしまうリスクがある。SmartWoolのケースでは、画像のサイズを統一し、ページをシンプルにしたところ、ビジター一人当たりの収益が17%アップしていた。

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画像のサイズを変えるとページの視覚的なリズムを崩し、障害を生む。シンプルにしたページは、バラバラ感を取り払い、ページのリズムを取り戻していた。

その他の要素と不釣り合いな画像は別の面でも新たな障害を与えてしまう: 売ろうとする魂胆が丸見えであり、魅力に欠ける。

コピーを長くして、併せて、ボタンを大きくするなら筋が通る。テキストにスペースを与える必要があったからだ。一方、オリジナルのコピーを維持した状態で、ボタンの大きさを変えてしまうと、ユーザーの注目を集める意図があからさまになる。また、押しつけがましくなり、視覚的な魅力が落ちてしまう。

視覚的なデザインによって引き起こされる感情はユーザーの行動に大きなインパクトを与える。失敗例では、ボタン自体に過剰に注目を与えてしまい、ユーザーをうんざりさせてしまった可能性がある。

重要なポイント: コンバージョンと平行してユーザー体験を考慮する

上記の例では、ボタンの大きさの変化によって作り出された視覚階層が、何らかの理由でユーザーに障害をもたらしていた。魅力が下がり、また、バランスを崩してしまったため、ボタンを大きくしたバージョンは失敗したのだ。

従って、ページをデザインする際は、ユーザー体験にとって有益な視覚階層を作りだす必要がある。つまり、期待、視覚的なリズムに注意を払い、総合的なデザインを心掛ける姿勢が求められる。

鉄則の失敗例 #4: コールトゥアクション(CTA)は1つ

CROのエキスパートは、選択肢を多く用意するとユーザーの気を散らすと指摘するかもしれないが、デンマークのショッピングサイトは、買い物かごのすぐに上にCTAを1つ加えることでコンバージョン率を17%アップさせた。

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同様に、Get Responseもセールスのコンバージョンに変化を加えずに、ホームページのメインのCTAの右隣に「FREE Trial」ボタンを 追加するだけで、トライアルの登録数が158%増加していた。

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この鉄則が失敗した理由: 常にトラフィックのターゲットが絞られているわけではない

公正を期するために言っておくが、CTAを一つに限定する鉄則は、通常、ランディングページに当てはまる。ランディングページでは、特定のページから特定のトラフィックが関連性の高いページにもたらされる。これはランディングページの長所だと言える。

しかし、単一のCTAの概念はホームページやサイトの別のコンテンツにも適用されるようになり、一部の企業はユーザーを単一の明確な次のステップに導くことで、ホームページのコンバージョン率を大幅に高めることに成功している

残念ながら、あまりにも大きくスイングしてしまうケースも見られる — つまり、全てのビジターを対象としたページから、すぐに大きく前進し、コンバートする準備が整ったほんの一握りのビジターに対するページへと移そうとする。

サイトのページへのトラフィックは、様々なソースから到着しており、また、Googleのカスタマージャーニーツールが示しているように、業界、規模、そして、地理によって、異なるソースから導かれたトラフィックは、セールスファンネルの異なる段階に位置している可能性がある。

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画像ソース: ConductorGoogle

2つ目のCTAを介して、コンバートする準備が整っていないユーザーもセールスファンネルの次の段階へと進むことが出来るようになる。

上の例では、2つ目のCTAをテキストリンクにすることで、あるいは、控え目な色を用いることで、視覚的なデザインによってCTAとCTAの間に階層を作りだしている。要するに、コンバートする用意が整っているユーザーには次のステップを明確に伝え、その一方で、まだ心構えができていないユーザーにも別の選択肢を用意している。

重要なポイント: ページのソースに応じてコンバージョン戦略を調整する

ページを特定のアクションに集中させ、不要なアイテムを取り払うと、より多くのユーザーを最も望ましいアクションへと導くことが出来るものの、様々なソースからトラフィックが寄せられるページに対しては、ユーザーの大半を引き寄せる上でCTAが一つでは足りない可能性がある

このようなケースでは、重要度の差を作りだす視覚的なスタイルを介して、CTA間で階層を確立させるべきだ。また、ページを作り、トラフィックを導く際は、ソース別のコンバージョンの差を考慮すると良いだろう。

鉄則の失敗例 #5: 人物の写真を利用する

一部のリサーチによると女性の写真
(および赤ちゃんの写真と魅力的な人物の写真)は製品を売る効果があるらしいが、人物の写真を削除し、CTAを変えることでFelix + Irisのコンバージョン率は72%改善された。

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画像ソース

 

この鉄則が失敗した理由: 視覚的な手掛かりが複雑で、気を散らす可能性がある

人間の脳は非常に早いスピードで視覚的な情報を処理する。早さに関しては議論の余地があるが、MITによると、人間はわずか13ミリ秒で視界に入った画像を特定するようだ。また、取り上げられることの多い3Mのレポートでは、人間はテキストと比べて6万倍のスピードで視覚的なデータを処理すると報告されている。

脳に障害を負った患者に関する調査では、人間の顔に反応する特定の経路が脳に存在することが判明しており、また、一部の脳に関するリサーチでは、新生児は無表情およびネガティブな顔の表情よりも好意的な表情を早く処理する点が明らかになっている。

要するに、視覚的な情報 — とりわけ人間の顔の情報 — は注目を引き寄せる効果がある。事実、一部のコンバージョンの専門家はランディングページに掲載する人物の写真を増やし、さらには、異なる人物やムードの写真を試すなどして、成果を挙げている。

しかし、誤った方向に狙いを絞っている場合、説得力は消えてしまう。感情と信憑性が重要ではない場合、顔の写真はビジターの気を散らしてしまう可能性がある。

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上の指標追跡ヒートマップは、顔が注目を集めるセオリーを裏付けているものの、この場合、顔の写真は製品とCTAからビジターの注目を逸らしてしまっている。

次のテストは、マーケッターがユーザーに見てほしい主要なメッセージの方向を見ている写真を用いる、視線による合図の効果を証明している。このテクニックは気を逸らす程度を軽減することは出来るかもしれないが、根拠は明確ではない。

リサーチによると、確かに他の人が見ている方向を見る傾向があるものの、有益と見られる場合のみに用いられるべきであり、自閉症の尺度の違いによって効果はまちまちだ。また、性別、さらには、政治の考え方にも左右される。その上、EyeQuantが実施した指標追跡調査では、視線の手掛かりおよび顔写真は、マーケッターが望むほど効果は高くないことが明らかになっている。

あるコンバージョンテストでは、視線による手掛かりは、効果が相反し、また、CTAを見る好意的な画像が、ユーザーを見る好意的な画像をパフォーマンスの面で上回ったケースもある。

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こういった調査を参考にする限り、視覚的な処理が非常に複雑であり、テストしなければならない点が示されていると言えるだろう。

Felix + Irisの例では、人物の写真はページに対する説得力を後押ししていない。バリュープロポジションおよびCTAは感情と信憑性と関係がないためだ。製品の写真に切り換えた結果、明確になり、気を散らす原因を取り払うことが出来た。

重要なポイント: 適切ではない写真には説得する効果はなく、気を逸らすだけ

人間はテキストよりも画像を遥かに早く処理するため、写真を通じて多くの情報を伝えることが出来る。しかし、よく考えた上で、そして、慎重に用いる必要がある。なぜなら、注目を引き寄せる写真の力を誤って利用すると、ビジターの気を逸らしてしまうためだ。

写真を選ぶ際は、画像が独自のバリュープロポジションを強化するか、あるいは、ビジターの注意を逸らしてしまうかどうか考えてもらいたい。バリュープロポジションにとって感情が大事なら、顔写真は効果的だ。大事ではないなら、製品の写真や情報を示すグラフィックの利用を検討するべきだ。

鉄則の失敗例 #6: フォームを短くする

フォームのデザインに対する鉄則は多いが、その中でも有名なのが、短いフォームはユーザーの抵抗を減らすと言うものだ。しかし、フォームを短くしたところ、コンバージョンが29%落ちてしまったケースがある。

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この鉄則が失敗した理由: 因果関係と相関関係が複雑

短いフォームの鉄則は、行動に対する障害を行動を起こす欲求が超えると、行動が起こされると指摘するFoggの行動モデルをベースにしている。

フォームの入力欄を減らすと、行動を活性化させるはずである。なぜなら、入力欄はユーザーが歩む道の障害物となるためだ。確かに短いフォームは障害の少なさと相関関係があるものの、必ずしも障害を少なくする要因となるとは限らない。

短いフォームを用いると、分かりやすくなる。視覚的にシンプル(入力欄、アイテムが減る)になり、そして、典型的なデザインに近づく(短いフォームは定着しつつある)。シンプルさと典型的さはサイトに関する「予感」を磨く効果がある。

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ビジターはページを短時間で評価するため、この前向きな予感は重要だ。しかし、短いフォームがシンプルで、典型的なフォームとは食い違う場合、この理論は成立しなくなる。

このケースでは、3つのページを1つにまとめ、買い物の流れにおいてユーザーが慣れ親しんでいる順番を排除している。そして、恐らく、見慣れないページを作りだすことで、障害を増やしてしまった可能性がある。

また、複数のページを1つのページに崩したこのケーススタディでは、最終的なフォームの情報量が多くなり、この視覚的な散らかりがネガティブな予感を導き、その結果、コンバージョンが減った可能性がある。

重要な選択肢を少なくすることで、フォームを短くした結果、障害を増やしてしまうケースもある。あるテストでは、入力欄を1つ削るだけでコンバージョン率が40%も落ちたことが明らかになっている。

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このシナリオでは、オリジナル版に加えた唯一の変更は、望む購読期間を選択するドロップダウウンを削除しただけであった。この選択肢がなくなっただけでコンバージョン率は大幅に下がってしまったのだ。

重要なポイント: フォームの入力欄は必ずしも障害を生むわけではない

障害が発生する要因を単純に入力欄の数に限定することは出来ない — ニーズを満たす方法を容易に、そして、早くユーザーに理解してもらうことが肝要だ。ユーザーが求めている主なオプションが存在しない場合、あるいは、複雑、もしくは、見慣れたオプションと異なる場合、コンバージョンは下がってしまう。

フォームを作成する際は、ユーザーに相談し、異なるオプションを試して最も分かりやすいフォーム、つまり、最も典型的でシンプルなフォームを作るべきだ。

鉄則の失敗例 #7: ページを短くする

フォームを短くする鉄則と同じく、大勢のコンバージョンの専門家が、元来、ページは短い方が良いと信じている。しかし、初期のMoz(有名なSEOサイト)では大幅に長いページがコンバージョン率を50%アップさせていた。Crazy Eggでも同じ現象が起き、ページを大幅に長くすることで、なんとコンバージョン率が363%も増加していた。

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この鉄則が失敗した理由: 説明を多く必要とする製品もある

インターネットユーザーは読むのではなく、ざっと目を通す傾向がある。その結果、ページが短ければ、早く吸収することが出来ると言う常識が定着した。そのため、短いページの方が長いページよりもコンバートしやすいと言う理論が成立する。

しかし、実際には、ページにとっての理想的な長さはそれほど単純ではない。なぜなら、ユーザーを説得するまでにかかる時間は、認識の度合い、製品の複雑さ、そして、価格によって異なるためだ。

ページの長さは、ユーザーの認識度を反映している必要がある – 製品、または、解決する問題のことをよく知らないユーザーはより多くの情報を必要とするため、必然的にページは長くなる。一方、製品を熟知し、買いたい衝動に駆られているユーザーに対しては、それほど入念に説得を行う必要はない。

Mozの例でも、CrazyEggの例でも、初期において長いランディングページはコンバージョン率をアップさせていた。初期の顧客は認識度が低かったため、コンバートする前により多くの背景を把握しておく必要があったのだろう。

このアイデアを基に、CrazyEggは数年後にページの最適化を実施し、現在、短いバージョンをテストしている。

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このテストでは、コンバージョン率を13%引き上げたバージョン D(一番右)が最も良い成績を収めた。このブランドは息が長く、製品に詳しいビジターが増え、買うべき理由を長々と説明する必要がなくなった。

価格と製品の複雑さもまたセールスページの長さに影響を与える。単純に「より複雑で、より高額な製品は、判断を下すための情報はより多く求められる」。

また、ブランドもまた判断にインパクトをもたらす — 購入の決定にブランドロイヤリティが大きな役割を担っている業界は、短いページに向いていると考えられる。McKinsey & Companyも指摘しているように、各段階での購入の割合を複雑さと価格のみをベースに割り振ることは出来ない。

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自動車業界では、たとえ製品が複雑であり、高価であっても、消費者の大半はセールスファンネルの早い段階で製品を購入していた。自動車保険の場合、消費者は時間をかけて様々な製品を比較していた。

一部の複雑な製品に対しては、消費者はブランドに頼って近道をしている可能性がある。つまり、この場合短いページが有効に働くと考えられる。

消費者がどのぐらいの量の情報を必要としているのかを解明するには、認識、価格、ブランドのロイヤリティ、さらには、層(店舗で製品を確認した後、オンラインで購入するタイプは女性よりも男性に多い)、季節性(休暇シーズンの買い物客はお買い得に敏感)の複雑な組み合わせを理解しなければならない。

重要なポイント: 必要とされるコンテンツと長さを合わせる

ページの長さはコミュニケーションの有効性を判断する目安には向いていない。MozやCrazy Eggの例に反映されているように、より多くの情報を求めているユーザーは短いページではコンバートすることが出来ない。

簡潔により多くの情報を伝えることが出来れば最高だが、簡潔なページで多くの情報を伝えられないケースもある。同じように、長いページでも少ない情報しか伝えることが出来ない可能性もある。真剣に精査する度合いが高い場合、より多くの情報が求められると言える。

そこで、ページの長さにばかり気を取られるのではなく、何を伝えようとしているのか、そして、その情報をどうすれば明確に伝えることが出来るのかを本気で考えてみよう — 場合によっては、長いページが必要とされる可能性もある。

鉄則の失敗例 #8: CTAを上半分に掲載する

インターネットのユーザーはスクロールしないと言う説が一般的だが、CTAを下半分に動かしたところ、コンバージョン率が304%もアップしたサイトが存在する。

 

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この鉄則が失敗した理由: ユーザーは実際にはスクロールしている

「上半分」理論は新聞紙を発端としており、今でも上半分に注目の80%が注がれている

確かにユーザーは上半分に注目していても、行動を起こす準備が整っていないケースもある。行動を起こす動機が存在しないなら、CTAはきっかけとして有効に働かない。

「顧客候補の意思決定プロセスを最も効果的に補う場所にCTAを配置するべきだ」 — マイケル・アーガード: ContentVerve

ページの長さに関するポイントと共通することだが、アーガードは「製品/提案の複雑さとCTAの理想的な配置の」相関関係を調査し、複雑な製品の場合、下半分のCTAの方がコンバートすると報告している。

ページの長さと同じように、理想的なCTAの配置は、製品と問題の認識度、そして、ブランドと業界に左右される可能性が高い。この調査のケースと同様に、ユーザーがより多くの情報を必要としている場合、CTAを低い位置に配置するとプラスに働くことがある。

CTAをページの低い位置に掲載すると、直線的なAIDAのプロセスを辿る時間をユーザーに与え、購入するよう説得することが出来る。

image00この画像は鉄則の失敗例を説明するために掲載している。幾つも欠点があるので、単純にこのレイアウトをコピーするべきではない。

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この直線的な説得のプロセスを用いて、最後のきっかけに導きながら、買い手のモチベーションを高めることが出来る。

コンテンツを下半分に移すと、上半分をスッキリさせる効果もある。その結果、より明確になり、第一印象を改善し、コンバージョンを増やす効果が見込める。

しかし、この鉄則の失敗はユーザーの行動における変化に起因している可能性もある。現代のユーザーはスクロールに慣れ、スクロールすることが当たり前になっている。

頻繁に言及される先程の80%のスタッツは、注目に焦点を絞ったNielson Norman Groupの調査結果で報告されているものだが、同社はスクロールが改ページよりも効果的であり、また、スクロールさせるように作られたページは実際にユーザーをページの下へと導くとも指摘している。

別のデータでは、ユーザーは76%の確率で少なくとも多少スクロールし、22%の確率で一番下までスクロールすることが明らかになっている。一番下まで到達したユーザーがわざわざ上までスクロールし直して、CTAボタンをクリックする可能性は極めて低い。

重要なポイント: 説得の流れにフィットする場所にCTAを掲載する

鉄則に従うよりも、情報の流れを考慮し、コンバートする前にどれぐらいの量のコンテンツを必要としているのかをテストして、その結果に応じてCTAを配置するべきだ。

結論: 相関関係の存在

コンバージョン最適化の鉄則は、大方、大半のユーザーにおいて、多くのページで有効に働く便利な近道に過ぎない。既存のデータがない、もしくは、意味のあるテストを実施する上で必要なトラフィックを持ち合わせていないサイトにとっては、良い出発点となる。

しかし、鉄則が必ずしもそのページで、そのユーザーに対して、そして、その期間において効果を発揮するとは限らない — また、たとえ効果があったとしても、他のアプローチの方がより高い効果をもたらす可能性もある。

闇雲に鉄則に従うのではなく、鉄則を生み出した説得心理を考慮し、以下の点に注意してもらいたい:

  1. スライダーはページを見にくくしてしまうことが多い → ページの見やすさを保ち、気を散らすアイテムは置かない
  2. トラストシールは信頼度を高める → 信頼できるサイトを作ろう
  3. 大きなボタンは注目を集める → 次のステップをユーザー自身が解明しなければならない状況は好ましくない
  4. CTAを1つだけ用いると次に取る行動が明確になる → 視覚的な階層を用いて、次のステップが目立つようにデザインしよう
  5. 人物の写真は目立ち、感情を表現する効果がある → 適切な訴求力(感情、論理、信頼)にユーザーの注目を集めよう
  6. 短いフォームは障害を減らす → 分かりやすいフォームを用意しよう
  7. 短いページは消化しやすい → 飛ばし読みすることが可能な、分かりやすいページを作ろう
  8. 上半分のCTAは視界に入りやすい → CTAを目立たせ、ページの流れにおいて最も妥当な場所に配置しよう

メインの画像のソース


この記事は、ConversionXLに掲載された「When Conversion Optimization Best Practices Fail」を翻訳した内容です。

どれも事例ベースだけに説得力がありますね。鉄板ルールであっても、最後に説明されているように、それが持つ意味を深く考えた上で、時には鉄板ルールにチャレンジしてでもコンバージョン最適化に取り組みたいところです。テストを繰り返させるのがウェブの強みなわけですし、時には常識を越えてこそ真のグロースハックを極められる?! — SEO Japan

2014年に起こったソーシャルメディアのトレンド Top 10

2015年を迎えるにあたって、2014年に米国で起こったソーシャルメディアの代表的なトレンドを再確認してみませんか?その多くは実際に日本でも起こり、またこれから起こるであろうものかもしれません。 — SEO Japan

マーケッターなら、ソーシャルメディアを無視することは出来ない。

Mad Men(広告業界をテーマに掲げたアメリカの人気ドラマ)の理論に従い、ターゲットのオーディエンスがいるネットワークに姿を現す必要がある。

eMarketerによると、アメリカの成人は1日に1時間以上ソーシャルメディアのコンテンツの吸収に時間を割いている。

Time Spent with Social Media per Day - eMarketer


2014年版 ソーシャルメディアに起こったトレンド Top 10

今回の投稿では、2014年のソーシャルメディアにおける10点の重要なトレンド、および、ソーシャルメディアプラットフォームの利用を改善するための実用的な戦略を紹介していく(ついでに、ソーシャルメディアで失敗するパターンも確認しておこう)。

Top 10 social media highlights of 2014


1. ソーシャルメディアが成果をもたらすことが出来る点を重役がいまだに納得していない。

これは会社にとって事業を左右する問題だが、直接的な成果を確認しない状態で、ソーシャルメディアのアクティビティに資金を投じている企業は多い。

ソーシャルメディアでの交流が、購入ファンネルの中間地点の領域にインパクトを与えることが、成果を確認しにくい要因の一つに挙げられる。

Convertro_SocialMedia_report 2014-2


マーケティングとの関わり合い:

マーケッターは、ソーシャルメディアのアクティビティを計測することが出来る環境を作り出す必要がある。Inboundマーケティングリサーチ 2014年版でHubspotが指摘しているように、ROIを計測する試みを行うだけで、成果が改善される。

Measure COntent Marketing ROI-Hubspot state of inbound 2014


実用的なソーシャルメディア戦略:

  • コールトゥアクションを盛り込む明示および暗示によるコールトゥアクションを利用しよう。少なくとも、ソーシャルメディアで幅広くコンテンツをシェアしてもらえるように促すべきだ。
  • ソーシャルメディアに投稿するコンテンツのブランディングを改善する。 全ての領域においてブランディングを実施する必要がある。ターゲットのオーディエンスには、ロゴがない状態であっても、自分の会社のコンテンツである点を理解してもらわなければならない。

2. 企業はソーシャルメディアの利用を拡大し、マーケティングの枠組みを超えて参加している。

全従業員の力を活用し、ソーシャルメディアの接触範囲を最大限まで拡大しよう。数名の主要な従業員のみに依存するべきではない。

マーケティングとの関わり合い:

ソーシャルメディアへの参加を、ソーシャルメディア部門やマーケティング部門の数名の従業員に限定するべきではない。また、ソーシャルメディアに詳しい大学生を雇えば済むような話でもない。会社のイメージとブランドが左右されるためだ。

実用的なソーシャルメディア戦略:

  • ソーシャルメディアガイドラインを見直す。 従業員による会社に関する発言の内容を定めよう。簡潔なルールを決めるべきだ。例えば、世界的な製薬会社のRocheは従業員向けに14点のソーシャルメディアガイドラインを策定している。
  • ソーシャルメディアガイドラインを全従業員に配信する。 全ての従業員が会社のハンドブックを読んでいるわけではない。少なくとも1年に1度はコピーを提供すると良いだろう。
  • 従業員を教育し、ソーシャルメディアに参加させ、目標達成に貢献させる。 ソーシャルメディアでコンテンツを広め、範囲を拡大するために必要なツールと助けを従業員に与えるべきだ(ちなみに、弊社はトレーニングをサービスとして提供しているので検討してもらいたい)。

3. ウェブサイトへのトラフィックをもたらす手段として、ソーシャルメディアのシェアが検索を上回る。

2014年、ソーシャルメディアのシェアはトラフィックの源としての重要度を増し、マーケットシェアを検索から奪っていた。


Maximize social sharing - Shareaholic chart


マーケティングとの関わり合い:

成果を最大限に高めるため、コンテンツの配信を補う総合的なソーシャルシェア計画を用意するべきだ。

と言っても、SEOの取り組みは継続する必要がある。得られるトラフィックは少なくなるが、今後もトラフィックをもたらしてくれるためだ。

実用的なソーシャルメディア戦略:

  • ソーシャルメディアでのシェアを考慮して全てのコンテンツを最適化する。 全てのコンテンツが最大限のチャンスを得られるように工夫する(ソーシャルシェアに関する見解とコツをこの記事で確認しておこう)。
  • ソーシャルメディアネットワークごとにソーシャルメディアのコンテンツを調整する。 こうすると、各ネットワークで大勢のオーディエンスに接触することが可能になる。
  • 全てのコンテンツでソーシャルシェアが可能な状態にする。 「このページを印刷する」や「この記事をEメールで送信する」等の若干見過ごされがちなオプションも活用してもらいたい。

4. Facebookによる動画の配信がYouTubeを上回った。

動画視聴のカウントに対するFacebookの基準は、YouTubeと比べると大雑把だが、このトレンドは、とりわけYouTubeがリードしていた広告の機会、および、販売の力において注目する価値が大いにある。また、YouTubeがGoogleに次いで2番目に規模の大きい検索エンジンである事実を見逃さないでもらいたい。


Facebook video vs YouTube Video 2014


マーケティングとの関わり合い:

動画は視覚的なコンテンツとして2015年のソーシャルメディア計画およびコンテンツマーケティング計画において欠かせないアイテムだと言える(ついでに動画コンテンツクリエイターになる10のコツを確認しておこう)。

実用的なソーシャルメディア戦略:

  • 動画を2015年の編集カレンダーに盛り込む。 ジェイ・ベール(著名なコンサルタント)のような定期的な動画番組、あるいは、製品を使い方を説明する動画を試してみよう。
  • Instagramの動画やVine等の短時間の動画の力を試す。 大勢のミレニアム世代をオーディエンスに抱えている場合、特に重要だ。

5. ソーシャルメディアのコンテンツファンネルを埋めるために写真が用いられる。

昨年、写真(およびその他の視覚的なコンテンツ)はソーシャルメディアで注目を勝ち取っていた。その中でも特に目立ったのはInstagramだ。

マーケティングとの関わり合い:

オーディエンスが別の被写体を撮影している際、ブランドはどのように映っているのか考えてみよう。つまり、他の人の写真の背景に製品が紛れ込んでいる場合、どのように見えているのかチェックしておくと良い。

実用的なソーシャルメディア戦略:

  • 従業員と顧客に製品を撮影するよう促す。 店舗で写真を撮影する領域を設ける、あるいは、自社サイトで顧客に写真をシェアしてもらう手が考えられる。
  • 適切な場合、ハッシュタグを用いたキャンペーンを実施する。 店舗や見本市で実行すると面白いかもしれない。

6. LinkedIn パブリッシングがプラットフォームを公開する。

LinkedInは、企業および様々な業界のエキスパートに対して、使い勝手が良いコンテンツプラットフォームを提供している(LinkedIn パブリッシングの使い方に関してはこの記事を参考にしてもらいたい)。

(SlideShare(毎月6000万名のエキスパートがアクセスする便利な視覚コンテンツプラットフォーム)をLinkedInが所有している点を覚えておこう。昨年、SlideShareのブログによると、このサイトは44億ビュー & 420万アップロードを達成したようだ)。

マーケティングとの関わり合い:

マーケッター、および、企業はLinkedInに姿を現し、参加する必要がある。マサチューセッツダートマス大学の調査によると、Inc.トップ 500の企業は数あるソーシャルメディアの中でLinkedInのパワーをとりわけ活用している傾向が見られる。

実用的なソーシャルメディア戦略:

  • プラットフォームを限定した編集カレンダーを作り、LinkedIn パブリッシングを活用する。 気が向いた時だけ投稿するのではなく、編集カレンダーに盛り込んでおくべきだ。
  • LinkedInで従業員にスポットライトを当てる。 優秀な人材の流出を危惧するのではなく、このビジネスメインのプラットフォームで会社の素晴らしさをアピールしよう。
  • 従業員が前に進むことが出来るように支援する。 従業員を支援すると、転職されてしまうと憂慮する方もいるかもしれないが、現実には仕事に反映される。

7. 引き続きPinterestがセールスを呼び込む。

Pinterestはカウチコマースの筆頭格だ。スタイル、装飾、料理において助けが必要な時、消費者はPinterestを頼りにする。

マーケティングとの関わり合い:

Pinterestはその他のソーシャルメディアプラットフォームよりも多くの金銭的な価値をもたらすことが調査によって判明している。

また、Pinterestで自社のコンテンツをキュレートする取り組みはトラフィックをサイトにもたらす効果もある。昨年の夏、BuzzFeedがしきりにケーススタディで取り上げられていた。

実用的なソーシャルメディア戦略:

  • 主要なコンテンツの領域でボードを作成する。 Pinterestで画像やチャートを投稿し、コンテンツへの新たな経路を読者候補に与えよう。
  • Pinterestで価格設定のパワーを活用する。 メーリングリストを購読していない顧客にも価格の変更を知ってもらうことが可能だ。
  • 販売期間が終わった製品やスタイルのページを残しておく。Pinterestのトラフィックを現行の製品に導く効果が見込める。

8. アルゴリズムに変更が加えられてもFacebookは今後も必要。

ビジネスの種類に関わらず、Facebookは今もソーシャルメディアにおいて最も重要なサイトである。分かりきっていることだが、繰り返す価値はある。

マーケティングとの関わり合い:

Facebookの自然(無料)の接触範囲は今後も狭まっていく。その結果、広告によるサポートが必要になる。

実用的なソーシャルメディア戦略:

  • Facebookで存在をアピールする。 Facebookの広範な接触範囲を軽視するべきではない。
  • コンテンツとエンゲージメントをユーザーのニーズに合わせる。ただし、Facebookの投稿の寿命が短い点を理解しておこう。
  • ターゲットを絞ったFacebook広告をテストする。 投稿をパワーアップさせるだけでなく、カスタムオーディエンスを活用しよう。

9. Google+の効果は控え目。

Google+の強みはGoogleファミリーの一員である点だ。

マーケティングとの関わり合い:

この利用されることが少ないソーシャルネットワークの効果を強化する方法を学ぼう。

実用的なソーシャルメディア戦略:

  • 会社に人間味を与える。 Google ハングアウトを利用すると良い。

10. Twitterはリードとセールスの増加に貢献するものの、自動的にソーシャルシェアをするだけでは不十分。

マーケティングとの関わり合い:

ソーシャルネットワーク全般に言えることだが、成果を出すためには、Twitterでも狙いを絞ったソーシャルメディア戦略が必要となる(Twitterのアクティビティを成功に導く27点のアドバイスを参考にしよう)。

実用的なソーシャルメディア戦略:

  • Twitterのプロフィールを強化して、注目を集める。 効果的な写真を使い、適切なサイトに向かうリンクを張る。
  • 写真を盛り込む。 Twitterによると写真を使うとRTが35%増加するようだ(その他のRTを増やすアドバイスをこの記事で16点紹介しているので参考にしよう)。

 

結論: ソーシャルメディアプラットフォームは今後も進化を続け、マーケッターと企業に新たな機会をもたらす。

2015年以降は、各種のネットワークを組み合わせ、各ネットワークの性質とオーディエンスを考慮してコンテンツと交流を調整していく必要がありそうだ。

2014年のソーシャルメディアのトレンドの中で、とりわけ重要だったトレンドは何だろうか?


この記事は、Heidi Cohenに掲載された「Top 10 Social Media Highlights of 2014 (Charts)」を翻訳した内容です。

LinkedInは動画回り以外は現状の日本でもかなり共有できる内容だったのではと思います。SEO Japan的にはソーシャルが検索以上の集客効果を及ぼす点は無視できないですけどね。実際、特にサイトを立ち上げた段階&1~2年かけてコンテンツを蓄積し、サイトのオーソリティを十分に構築するまでは、特に情報発信系のサイトであれば、ソーシャル経由のトラフィックが検索経由のトラフィックを上回ることは普通にあると思います。逆にいえば、新しいサイトを始めた人が最初の集客トレンドから「SEOは終わった。ソーシャルだけでいい!」と振り切ってしまうこと危険性もありそうで怖いですが、そこにSEOのノウハウをプラスすることで集客を最大化できる可能性も是非忘れないでいただきたいです。 — SEO Japan

2014年に話題を集めたVine作品25本を一挙公開

Instagramの人気が日本でも激増中ですが、写真に加え動画も今年は日本でもさらにブレイクする予感はあります。YouTubeもありますが、気軽に動画を楽しめるプラットフォームといえばVine。既に日本でも若者を中心にVineユーザーが増えているようですが、今回は英語圏のVineから昨年投稿され話題を集めた人気作品&名作を一挙25作品紹介します。Vineの活用方法のヒントに是非。 — SEO Japan

2013年も優れたVine動画を集める作業を行ったが、今年は昨年よりも遥かに選出作業に苦労した。昨年以来、奇妙で、面白いVineの世界は様々な方向に拡大を続け、奇抜なユーザー、新進気鋭のミュージシャン、そして、有名なアーティストが、このユニークなフォーマットから続々と誕生している。

2013年にリリースされたInstagramの動画機能により、Twitterが運営するこの生まれたばかりの動画シェアサービスは、年を越せるかどうかさえも危ぶまれていた。 しかし、その後、Vineは順調に成長し、メジャーなサービスとして定着していくのであった。Vine生まれのセレブは映画のイベントに招待されるようになった。Vineで頭角を現したアニメ製作者を含む視覚コンテンツの才能豊かなユーザーは、大手企業の広告を作り、そして、メジャーな映画祭はこの6秒間のメディアを盛り込むようになった。

また、Vineは画期的な機能を幾つも導入した。その中でも、ループカウント(人気の新しい判断基準)、Vine カメラ(動画のインポートを可能にする)、そして、Vineのユーザーではなくてもウェブサイトにアクセスすることを可能にしたアップデートは、とりわけ好評を得ていた。

今回集めた作品は、今年特に目立った作品である(順番に意味はない)。選出基準においては、視覚的な素晴らしさ、そして、複雑さに重点を置いた。しかし、その他にも素晴らしい作品が多数Vineでは作られており、マルコ・ミーキンスブリタニー・ファーランナッシュ・グリアージャローム・ジャールニコラス・メガリスアダム・ゴールドバーグ等のパワーユーザーの作品を忘れずにチェックしておくことを薦める。

1. 9ヶ月間を追ったVine動画

イアン・パジャム は出産の奇跡を短くまとめた。

2. Ford、マスタングのCM


ジェスト・アメス(Vineで人気の高いアニメ製作者)が、Ford ヨーロッパのCMの中で玩具の世界に命を吹き込んだ。

3. アルファベットの冒険


Mashable チャレンジにVine動画のプロ、Pinotが提出した作品。このチャレンジでは、絵や文字に息吹を与える作品を募集していた。

4. 進化するコンテンツのシェア


マリス・ジョーンズはポラロイドからソーシャルメディアに至るまでの写真共有の歴史を追った。

5. フルーツマジック


ストップモーションの天才、BetterOffRedは、小さな物体ばかりを使った複雑な作品を得意にしている。

6. タイプライターを使いこなすスヌーピー


工作用紙に息吹を与えることに関しては、Khoaの右に出る者はいない。

7. #drone


Totalsuccessはテクニカラーの色合いとモノトーンのコントラストを用いて、この魅力的なVine動画を作成した。

7. 想像力を解き放とう


ブルーノ・ベーガロによる名作。

8. 空を舞う少女


Vine動画のパイオニアの一人、視覚芸術家のミーガン・シグノリが作成した動画。

9. 鏡複写機


Tropvineコンテストで優勝した作品。Tee Ken Ngは紙とコピー機を独創的に用いてこの作品を完成させた。

10. ノッポに勝つ方法

Vineのスター、ルディー・マンクーソは、背が低いこと、そして、ヒスパニック等のトピックをコメディーと音楽の才能で表現している。

11. ファーガソンの暴動の裏では


マイケル・カルフーンはファーガソンの街で行われた様々な抗議活動を撮影した。四六時中流れていたニュースでは放映されなかった深いシーンもカメラに収められていた。

12. 母の車


今年の夏、イギリスのティーン、ティシュ・シモンズは、母の車を運転する模様をVineで公開したところ、なぜかバイラル化した。その後、この動画のパロディーとミームが続出した。

13. 薬物依存症


ジェシカ・ハーモンは薬物依存の恐ろしいサイクル — 預金の引き出し、パニック、痛み、繰り返し — を6秒間の動画に見事にまとめた。このVine作品は今年のトライベッカ映画祭の一環として行われた#6secondfilmsのドラマ部門で優勝した。

14. 3D自分撮り


Tee Ken Ngは自分撮りに新たな次元を加えた。

15. 「ラップ」ダンサー


@yelldesignの設立者、マット・ウィリスは、トライベッカ映画祭のアニメ部門をこのトルティーヤを使ったダジャレで制した。

16. テレポートできて良かった


ローレンス・ベッカーによる奇抜なエンドレスループ作品。.

17. シボレーの広告


Khoaが作成したこの6秒間のシボレーの広告には多くのアクティビティが詰め込まれている。

18. リアルテーブルテニス


こちらも@yelldesignの作品。このVine動画は、全豪オープンのために作られた。

19. 前向きなシルビオ


アルバート・バーニーはこの作品でトライベッカ映画祭のコメディ部門を制した。大好きなマグカップを割ってしまったことで起きる出来事が描かれている。

20. ビンテージ版Tinder


アリー・ハンドリーが新感覚出会いアプリのTinderを伝統的な視点でとらえた作品。

21. あいつの身体を借りよう

22. おまわりさん …


Kin Bach(バッチと発音する)の名でVineユーザーに知られているアンドリュー・バチェラーは、コメディー作品のカリスマである。同じく有名なVinerのルディー・マンクーソと手を組んだこの作品は、2500万ループ回近く再生されている。(注意: この動画には不適切な言葉が使われている)。

23. グアカモーレの作り方


ミーガン・シグノリが、グアカモーレの作り方ハイスピードで撮影した。レシピとしても使えそうだ。

24. ナッツ


イアン・パジャムはストップモーションを駆使して、ぬいぐるみのネズミに命を与えた。

25. モンペリエ観光


この作品からも分かるように、ディラン・ブラウは低速度撮影の天才である。


この記事は、Mashableに掲載された「The 25 best Vines of 2014」を翻訳した内容です。Copyright reference no. 110250.

どれもなんとなく魅入ってしまう作品ばかりでした。日本人が得意そうなジャンルが気もするのですが、今後日本からも世界に羽ばたくVine作品が登場するのでしょうか。企業の活用方法としても当たりはずれは大きそうですが、アイデア次第で使い道は色々とありそうです。 — SEO Japan

InstagramがTwitterよりも強い理由

昨年末、Instagramの月間アクティブユーザー数が3億人とTwitterを超えたことが大きな話題となりました。日本でも若い女性を中心に利用者が急増しているようですが、今回はMashableによるTwitterにないInstagramに強さを分析した記事を。Instagramを活用したマーケティングを考えている方も増えだしていると思いますが、何かヒントがあるかも? — SEO Japan

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画像: Flickr Jose Moutinho

現在、私のInstagramのフィードには、公共の交通機関でクリスマスツリーの隣に何気なく座っている男性を撮影した友達の写真が掲載されている。

この写真には「Low carbon Xmas shopping」(低炭素なクリスマスの買い物)と言うキャプションが与えられている。また、手作りの御馳走のバッグを持つ可愛い犬の写真、さらに、ファインディング・ニモ調のドラッグレース仕様のMiataの写真もアップされている。

さらにスワイプしていくと、香港の抗議活動、雪が舞い散るニューヨーク、サン・バルテルミー島の青い海、そして、ウィーンの美術館に飾られた素晴らしい絵画作品を見ることが出来る。

水曜日に行われたInstagramの大きな発表 — 月間アクティブユーザーが3億名を超え、Twitterが報告した2億8400万名(最新のデータ)を上回った — について考える際は、このコンテンツの多様性を忘れてはならない。

Twitterのスタッツは少し前のものであり、次の四半期の発表では、Twitterも3億越えを宣言する可能性がある。それにしても、Instagramのアクティブユーザーの増加ペースは目を見張るものがある — 今年の3月に2億名に達したばかりであった — 一方のTwitterのユーザーの増加は横ばいの状態が続いている。勝者がどちらなのかは誰でも分かる。

奇妙にも、InstagramよりもTwitterの方がメディアに取り上げられる回数は圧倒的に多い。ニュースや雑誌は視聴者(読者)にツイートの投稿をしきりに呼び掛けているが、Instagramを投稿しろとは滅多に言わない。ただし、日常的な会話においては異なる現象が起きている可能性はある。それでも、妥当な主張であれ、反対意見であれ、ツイートの投稿を要請する際は、拡散に値する張りつめた会話を交わしていると推測する。一方、Instagramへの投稿に関しては、どうでもいい自分撮り写真や食べ物の写真を思い起こさせる。

それでは、なぜTwitterはハイペースでユーザーを増やすことが出来ないのだろうか?Instagramは、Facebookに買収されたことで、Facebookが抱える13億5000万名のユーザーに接触することが出来る点が理由に挙げられるかもしれない。しかし、それが正しかったとしても — ただし、FacebookはInstagramの利用を薦めていない — 毎月毎月アクティブに利用するユーザーが増えている理由にはならない。

再び私はInstagramのフィードを確認した。すると、そこに答えがハッキリと出ていた。InstagramはTwitterの良い点 — 即時性、国際的な面、ユーモア、個人的なつながり、誰でもフォローすることが出来る環境 — を全て兼ね備えた唯一のサービスである(この点に関してはFacebookも敵わない)。そして、悪い点はほとんど吸収していない。

私がこき使っているTwitterのフィードには、おきまりの問題が存在する — 雑音ばかりで、大事な情報が少ない。と言っても、どうでもいいユーザーをフォローしているわけでもなければ、フォローするユーザーの意見に無関心なわけでもない。反対に、私は関心を持ち過ぎているくらいであり、辛辣なコメント、大量のリンク、急を要する議論に吸い込まれている。何時間もTwitterに時間を費やし、ふと気づくと、笑い、楽しみ、学び、そして、国家に関する議論に参加している。しかし、犠牲も払っている。

Twitterのタイムラインをスクロールすると、少し不愉快な気分になることがよくある — Twitter大好き人間としては、認めたくない感情だ。ニュース記事を読んでいて鬱な気分になる時のような気分を味わうこともある。そして、注意力の欠陥が高まり、最後まで考えなくなっているのでは、あるいは、読むのが早すぎる、もしくは、大声を出すのが早すぎるのではないかと感じることもある。Twitterのユーザー達は、RT可能な皮肉なストーリーを求めて、深い真実には目を瞑る知ったかぶりに成り下がってしまっている。

何気ない不当な行為に遭遇し、Twitterのセッションを怒って終わらせることがある。そもそも、この行為を拡大することを、Twitterは得意にしている気がする。私のTwitterのフィードで水曜日に何度も現れたストーリーが良い例だ– どうやら、ハーバード大学の准教授が、4ドル多く請求されたと思い、地元の中国料理店に常軌を逸したEメールを送ったようだ。

この准教授に対する批判が後を絶たなかった。バカバカしいストーリーを見つけ、何度もシェアされていることに気づくと、追い打ちを掛ける心理が働く。的を射ている意見であったとしても、集団で袋ただきにするようなものであり、不快な気分になる。

しかし、Instagramを使うと気分が晴れる。友達の作品や見知らぬ才能あふれる人達の作品が飾られた、ミニチュアアートの美術館を訪れたような気分を味わえる。このアプリには — ウェブ版ではいまだに写真を投稿することが出来ないため、基本的にアプリ以外の何ものでもない — 適切に作品を見て、考えをまとめる時間がある。投稿する側もある程度時間を割いて各作品を投稿しており、同程度の意図が存在する。Instagramには、Twitterのような大混乱は起きない。対応可能な量であり、1日に2、3回チェックすれば、フィード内の写真を全て見ることが可能だ。

アクティブユーザーの人数を考慮すれば、このレースの勝者を予想するのは簡単だ。Twitterがここ2、3年で写真サービスとして立て直す努力をしていた点を考慮すると、同社は、この日がやって来るのは昔から分かっていたはずだ。

Twitterは埋め込み写真を強制し(いまだにサイトでオプトアウトすることが認められていない)、大量の写真フィルターを押し付け、アプリではテキストよりも写真を優先するようになった(「投稿」をタップすると最初に写真のストリームが表示されるようになったのは随分と昔のことだ)。

Twitterは写真の投稿に関しては、Instagramよりも有利であったはずだ。正方形のボックスの制限はなく、どんな縦横比でも写真を投稿することが出来る。、また、両社の間に2年前に生じた対立がいまだに解決されていないため、Instagramの写真はTwitterでは適切に表示されない。

この制限によってInstagramの成長は遅くなっただろうか?全く遅くなっていない。ユーザーは、正方形のボックスによる作品の縮小をあまり重視せず、それよりも有利になるように利用する方法を見出しているように思える。このボックスによりユーザーは構図を考える必要があるだけでなく、写真のストリームが統一される効果もある。条件が全く同じ状態であり、Instagramに投稿される写真のピクセル数は全て同じである。

一方、Twitterは、反時系列に表示される煩わしい問題を抱えている。ただし、あらゆるアップデートからTwitter自身がこの方針を後悔していることが感じられる。好きなだけ調整することが出来ても、ツイートの大半が写真を伴うレベルに達する日は永遠にやって来ないだろう。Twitterは基本的にワードベースのメディア、つまり、ニュースサイトなのだ。

ただし、悲観する必要はない。Twitterはリアルタイムのニュースと会話(胸を張ってもよい領域)については、他のサービスを圧倒している。Twitterは八方美人にはなれない。ソーシャルネットワークはInstagramの台頭を警鐘として受け取り、ユーザーの人数ではなく、ユーザーの利用にもっと力を入れるべきである。Pinterestのようなサービスの取り組みを見習ってもらいたい。

Instagramは9ヶ月間でユーザーベースを50%増加させ、破竹の勢いで成長しており、Facebookが7億6800万ドルを投じた判断は正しかったことを証明している。Instagramは誰もが夢中になる美術館のようなアプリだと言えるのではないだろうか。

このストーリーに何か付け加えることがあるなら、コメント欄で発表してもらいたい。

この記事は、Mashableに掲載された「Instagram’s nice factor is key to its victory over Twitter」を翻訳した内容です。

Mashableということで期待してしまいましたが、書かれている内容は、個人的な印象にすぎませんし、フォロワーの選び方の問題の気もしますが、確かにInstagramのフィードに出てくる綺麗な写真を見て何となく気持ちが明るくなる気持ちはわからなくはないです。後は写真ベースで会話できることで、Twitter以上に簡単に国際交流できる面は確かにあるように思います。What’s Upといい、Instagramといい、Facebookの買収したサービスは順調に成長を続けているようですが、将来的にどのように統合していくのか気になるところです。当面、サービスとしては個別運営していきそうな流れでもありますが、裏側で何か関連させていくのでしょうかね?Twitterの逆襲も含めて、今後の進化が見逃せません。 — SEO Japan

知っていると得するソーシャルメディア関連調査データ

コンテンツマーケティング時代に検索エンジンと並んで、いや時にはそれ以上に重要なのがソーシャルメディアの存在。私も自社運営サイトで日々コンテンツマーケティングを実践していますが、時には検索エンジン以上の集客をもたらしてくれることも多い、貴重なチャンネルとなっています。今回は、ソーシャルメディアに関する様々な調査データから、ちょっと気になる内容とそれに対する対策をまとめた記事を。英語圏のデータですが、日本でも参考になる点が多そうです。 — SEO Japan


12 Mind-Blowing Social Media Metrics Facts
重要な事業目標の達成において、ソーシャルメディアのパフォーマンスを計測する取り組みは、マーケティングの効果を証明する上で欠かせない。この取り組みを行わない状態では、予算と人材を増やしてもらうことも、そして、(敢えて言っておくが)自分自身の仕事を守ることも難しくなる。

ソーシャルメディアのエンゲージメント(シェアやコメント等、参加を介した交流)と成果をもたらす取り組みの間には「ズレ」が存在する。このズレを理解するため、まずは次の3点の指標について考えてもらいたい:

  1. eMarketerによる推測では、ビジネスの89%は2015年中にマーケティング目的でソーシャルメディアを利用するようだ。ビジネスによるソーシャルビジネスの利用は定着しており、会社の事業計画に組み込まれていることが多い。ただし、ソーシャルメディアが目標達成にどのように貢献しているかを企業が正確に計測している、と早とちりしないでもらいたい。

    US Firms Using Social Media For Marketing-eMarketer-2014-1


  2. Hootsuiteが実施したSocial Business Benchmark調査によると、回答者の88%は競争に参加する上でソーシャルメディアを重要視しているようだ。要するに、たとえ収益にどのような影響を与えているかどうか分からなくても、少なくとも、競合者に置いてきぼりを食らわないために、ソーシャルメディアを利用する必要があると考えている。
  3. Useful Social Mediaが実施したThe State of Social Media 2014調査を参考にする限り、ソーシャルメディアの力を理解している経営陣は50%しかいない。

    Social media metrics facts-chart


    同様に、Social Business Benchmark調査の結果では、回答者の43%が重役の支持を得るのが難しいと指摘していた。: 予算と人材を得るには、経営陣のサポートが必要になる点を肝に銘じておこう。

12点の刺激的なソーシャルメディアの指標が教えてくれる真実(チャート付き)

それでは、どのようにしてソーシャルメディアでの取り組みの成果を計測すればよいのだろうか?

以下に、刺激的なソーシャルメディアの真実を12点挙げていく。

12 Mind-Blowing Social Media Metrics Facts


  • The State of Social Media 2014調査によると、重役の34%はソーシャルメディアを適切に計測していると確信している。

    Social Media Metrics Facts


たった34%である!!!つまり、経営陣の66%はソーシャルメディアを正しく測定しているかどうか自信がないことになる。この傾向はSocial Business Benchmark調査の結果とも一致しており、ソーシャルメディアで得たデータを有益な情報に変えることが出来ると答えた参加者は39%のみであった。

なぜこのような現象が起きるのだろうか?

1. 簡単に計測可能なアイテムを評価する。

当然だ。当初、ソーシャルメディアは、マーケッターが片手間に行い、後にデータを確認する程度の取り組みであった。

The State of Social Media 2014調査は、計測の対象として人気が高い次の3つのアイテムを挙げている:

  • 48.7%はアクティビティ、もしくは、エンゲージメント(シェア/コメント等の参加を介した交流)を計測している。
  • 47.3%はウェブトラフィックを計測している。
  • 47.0%はフォロワーの人数、または、いいね!の数を計測している。



social media metrics facts - chart


この3つのデータでは、ソーシャルメディアマーケティングが接触をもたらしていることぐらいしか分からず、十分とは言い難い。

Social Media Explorerのジェイソン・フォールズはこの問題に関して「ファンの獲得イコール、ソーシャルネットワークでユーザーの注目を集めて、メッセージを受信してもらう行為、そして、顧客の獲得イコール、説得して製品を購入してもらう行為 」と巧みに表現している。

実用的なソーシャルメディアのアドバイス:

次の方法を用いて、トラフィックをリード、または、セールスにコンバートする力を改善すると良いだろう。

  • ソーシャルメディア用のコールトゥアクションを盛り込み、リアクションを促す。顧客候補をEメールのニュースレター、または、購入プロセス内の暫定的な段階に加わってもらう手を検討しよう。
  • 専用のランディングページを使って、セールスに関連するアクションを促す。ブランドらしさと手掛かりを維持し、ソーシャルメディアのフォロワーがページに留まり、行動を起こしやすい環境を作るべきだ。
  • セールスシステム上で計測可能な独自のトラッキングコードを埋め込む。コードを使わずに、セールスの発端を計測することに苦労する企業は多い。

2. ブランディングを計測する。

従来型のメディアであっても、ブランディングのインパクトの計測に手こずっている。そのため、ソーシャルメディアでブランディングの影響を計測することに成功しているマーケッターが5人に1人しかいなくても不思議ではない(The State of Social Media 2014)。

  • 18.1%は感情を計測している。感情はブランディングに対する功績を認める目安としては弱い。

ソーシャルメディアでは、名前とロゴを掲載するだけではブランディングとは言えない。画像、写真、あるいは、提示の仕方にハッキリと「らしさ」を反映させ、宣伝することなく、ターゲットのオーディエンスに印象を残す必要がある。

実用的なソーシャルメディアのアドバイス:

3. ソーシャルメディアで評判をチェックする。

Social Business Benchmark調査によると、会社に関する言及をチェックするタスクはとても重要のようだ。具体的に言うと:

  • 調査の参加者の81%はソーシャルメディアを使って、会社の評判を把握している。
  • 79%はソーシャルメディアを使って、外部のコミュニケーションをチェックしている。

会社、ブランド、重役の潜在的な問題をチェックし、迅速且つ適切に対応することが、ソーシャルメディアをモニタリングする理由である。運が良ければ、何もチェックしなくても済むかもしれない。

実用的なソーシャルメディアのアドバイス:

  • ソーシャルメディアポリシーを策定する。ただし、策定したらそれで終わりではなく、従業員が会社を代表する場面において、ポリシーにどのように対処すればよいのか理解してもらう必要がある。
  • 問題に対応するソーシャルメディア危機管理計画を立てておく。準備をしておこう。危機に見舞われた際に、社内の重要な人員にいつでも連絡が取れる体制を整えておくべきだ。

4. リードとセールスを計測する。

The State of Social Media 2014によると、セールスを計測しているマーケッターは25%に満たないようだ。

  • 23.3%はリードを計測している。
  • 19.5%はセールスを計測している。

この2つのアイテムは会社の収益に直結する。是非、計測の対象に加えてもらいたい。

ただし、簡単に計測することが出来るわけではない。これはマーケッターのせいではない。ただし、予算と人材を割り当ててもらいたいなら、もっとまともな理由が必要になる。

その理由を説明する

AOLの調査によると、プラットフォームによっては、ソーシャルメディアを顧客が最初に利用するケース、最後に利用するケース、または、ソーシャルメディアのみが利用されるケースが、全体の8%から46%を占める。つまり、ソーシャルメディアは購入ファンネルの中間に大きな影響を与えるが、この層のインパクトを計測するのは難しい。

Convertro_SocialMedia_report 2014-2


実用的なソーシャルメディアのアドバイス:

ソーシャルメディアを使って、リードとセールスを増やす能力を改善することは可能だ。幾つか検討してもらいたい案を紹介していく。

  • セールスに対応する会社のブログを立ち上げる。顧客の問いに答え、製品の使い方および作り方を伝えるタスクに力を入れよう。必要に応じて、製品ページにリンクを張ると良い。
  • LinkedInを使って顧客候補と関係を構築する。従業員、とりわけセールスチームにはLinkedInを定期的に活用させるべきだ。仕入れ業者と販売業者の関係を通じて、B2Cのビジネスを後押しすることも可能だが、特にB2Bのビジネスにとって有効な手立てだと言える(LinkedInを利用する有益な戦略を知りたい方はここをクリックしよう)。
  • プレゼン、Eブック、PDFをSlideShareに投稿する ? SlideShareはB2Bにとって質の高いセールスの宝庫である。アイデアが欲しいなら、リー・オッデンが提唱するEブックのエピックコンテンツキュレーション戦略を参考にすると良いだろう。
  • Pinterestでの存在を確立する。B2Cのマーケッターなら代わりにPinterestを使って消費者と交流を行うことが出来る(この記事で紹介したPinterestのヒントを)参照にしよう)。

The State of Social Media 2014 調査参加者の50%は2014年にソーシャルメディアのROIを計測することが出来たと答えた。2013年と比べて6%上がっている。これはExtoleが実施した調査の結果(マーケッターの52%がソーシャルメディアのROIの計測を難しいと感じていることが明らかになった)とも一致している。

Social Media Metrics Facts-Chart


当然だ。MBAの講義で教わることだが、ROIを割り出すには、セールスを計測しなければならないからだ。

5. コストと返品を減らす。

ソーシャルメディアにはセールスを確保し、返品を減らす効果がある。

  • Social Business Benchmark調査では、回答者の73%がソーシャルメディアで顧客のクレームを解消し、疑問に答える力を重視していることが判明している。これは顧客候補を顧客に変える効果、そして、顧客の返品を防ぐ効果を持つ。

実用的なソーシャルメディアのアドバイス:

  • 全てのソーシャルメディア、および、オウンドメディアでソーシャルメディアによるカスタマーサービスを宣伝する。問題を解決することが可能な場所を知ってもらおう。
  • コメント、レビュー、そして、問題の具体的な数をカウントし、適切に処理されていることを裏付ける。

今回紹介したソーシャルメディアの指標が明らかにする真実によって、ソーシャルメディアのアクティビティをウェブサイト、電話による問い合わせ、そして、店舗でのリード生成および販売プロセスとうまく結びつける重要性が証明されたと言えるだろう。

その上で、ビジネスのセールスとコストを分析するシステムが、ソーシャルメディアの追跡コードを読むことが出来るかどうかが鍵を握る。

その他に重要だと思うソーシャルメディアの指標があるなら、その指標を、そう思う理由と併せて教えてもらいたい。

ついでに、この記事「ソーシャルメディアから収益を得るための5つの取り組み」も役に立つので目を通しておくと良いだろう。


この記事は、Heidi Cohenに掲載された「12 Mind-Blowing Social Media Metrics Facts (Charts)」を翻訳した内容です。

SEOサービスに携わる者として、ついつい集客という観点からソーシャルメディアを見てしまいがちですが、それ以外にも、検索マーケティング以上にビジネスに活用できる点が多そうですね。私も今年は一歩上のソーシャルメディア活用を目指して取り組んでいきたいと思います。 — SEO Japan

変化を受け入れること、それがSEO業界の掟

SEO Bookから変革を続けるSEO業界の今について、Googleの歴史を紐ほどきながら考察した記事を。前回の記事はGoogle批判の応酬で読みづかれてしまった人も多いと思いますが、今回はよりシンプルでストレート、SEO関係者には是非読んでほしい価値ある内容です。 — SEO Japan

SEOは以前から変化が頻繁に起きる業界であった。しかし、ここ1、2年は、変化の頻度が高まり、また、規模が大きくなった気がする。2003年にフロリダアップデートが行われたが、それ以来、半年に1度はフロリダ級の変更が加えられているように思う。

Googleが根本的なシステムをアップデートする度に、戦略を調整して、対応しなければならない。残念ながら、予告が行われることはなく、フェアなゲームとは言い難い。

調整から戦略へ

SEOを実行するサイトがスタンダードな法則に従っていた時期があった。Web Position Gold(ソフトウェア)を覚えている方も多いのではないだろうか?

Web Position Goldが登場したのは、SEOが一連の反復可能 – 大部分において技術が要求される – ステップで構成される時代であった。キーワードをページに加える、十分な頻度でキーワードを繰り返す、少数のマークアップを確認する、そして、「理想」のページと比較する、ウェブにアップロードする、リンクを幾つか加える、少しの間待つ、ウェブランキングレポートを実行する…それでSEOを語ることが出来た。とりわけ競争が激しい分野を除き、このステップを踏んでいれば、上位にランクインすることが可能であった。

しかし、この取り組みは時代遅れになってしまったようだ。

現在、この全てのタスクを実行しても効果は見込めない。多少効果があったとしても、他にも多数の要素があり、個別のページのスコアに分離することは出来ない。信頼されているサイトで配信されれば、瞬く間に上位にランク付けしてもらえる。知名度の低いサイトで配信されれば、しばらくは誰にも見てもらえない状況が続くだろう。

2004年、株式を公開する前、Googleは投資家向けの文書を発行していたが、その中でSEO – 「インデックスのスパマー達」- を事業のリスクと位置付けていた。検索結果を操作する人達に対するGoogleの本音を知りたいなら、以下の文章に目を通しておこう:

Googleは、インデックスのスパマーの影響を受けやすく、その結果、ウェブの検索結果の完全性に損害が出る可能性がある。

「インデックスのスパマー」は検索結果を操作する手段を編み出す行為を継続しており、さらに、今後もこの取り組みを止めないだろう。例えば、Googleのウェブ検索テクノロジーは、ウェブページがリンクを張るウェブサイトの重要度に応じて、ウェブページのランク付けを行っている。そのため、インデックスのスパマーにより、まとめて複数のウェブサイトにリンクを張り、検索結果を操作する試みが行われてきた。Googleはこの問題を真剣に考慮している。なぜなら、ユーザーに適切な情報を提供することが出来るか否かは、Googleの成功を左右するためだ。この類の、そして、その他の類のインデックススパムを撲滅する取り組みが失敗すると、適切な情報を提供する点においてGoogleに対する信頼は低下してしまう。その結果、ユーザーのトラフィックが減り、ビジネスに損害が出ることになる。

SEOはAdwordsのビジネスモデルと競合する。そのため、Googleはアルゴリズムの仕組みを解明し、リバースエンジニアリングを行い、Web Position Gold等の簡易ツールを作る取り組みを「真剣に考慮」している。まずはフロリダをリリースし、その後、パンダ(日本語)、続いて、ペンギン(日本語)、そして、ハミングバードが送り出された。全て、ユーザーの検索体験を改善することが目的だが、その一方で、SEOを困難にすると言う(Google側の考えでは)嬉しい副作用も兼ね備えていた。

Googleのステートメントにおいて、「適切な情報を提供する」の部分が重要な鍵を握っている気がする。

技術的な作業からPRへ

SEOには常に技術的な作業が要求される。コードをチェックし、修正する。SEOは開発とデザインの要素、そして、SEOに与える影響を認識している。その上、ウェブサーバーの仕組み、さらに、時折スパイダーがインデックスに失敗するパターンを把握しておく必要がある。

しかし、フロリダアップデートが行われてからと言うもの、マーケティングの領域がより重要になった。SEOの技術的なタスクしか実施しないサイトは、鳴かず飛ばずで終わる。パンダやペンギン等の新しいアルゴリズムはユーザーの行動を測定する。Googleがページの情報の品質を特定しようと試みているためだ。また、ハミングバードはキーワードを入力する意図を解明しようと試みる。

その結果、キーワードベースのSEOが瀕死の状態を迎えた。Googleはキーワードのリファラーのデータを隠し、各種のアルゴリズムは、ユーザーの意図と(過去および現在の)行動を基に適切な情報を提供する。ユーザーを理解し、独自で、魅力的なコンテンツを持ち、そして、マーケットの地位を確立することが、あらゆるキーワードのマークアップよりも重要になった。多くのSEO業者が基盤とするキーワードのマッチングによるSEOでは、生き残ることが出来る可能性は低い。

また、小規模なサイトから焦点が移り、現在、ブランドを優遇する傾向が見られる。 ブランドが「ブランド」と分類されるだけではなく、大規模なPRアクティビティが行われているためだ。大きな会社は複数の広告およびPRキャンペーンを実施することで、・企業名に対する検索の量が多い、・製品およびサービスとのセマンティックな関係が見られる、・信頼されているメディアから頻繁にリンクを得ている等、Googleが好むシグナルを送ることが出来る。このシグナルはランキングに反映され、また、手動のペナルティーを科された小規模 & 弱いサイトと同じ行動を取っていても、猶予を与えてもらえる状況を作り出す。

ランキング

GoogleはPageRankツールバーに見切りをつけたようだ。

Googleは、今後、少なくともPage RankツールバーにおいてはPageRankの更新を行わないつもりだ。

一部の専門家がこの点に気づいていたが、既にPageRankツールバーは存在意義を失くしていたため、ほとんど反感を買わなかった。今でもPageRankツールバーに応じて、SEOの取り組みを調整しているSEO業者はいるのだろうか?そもそも、PageRankツールバーを重要視する理由が見当たらない。外部向けのPageRankの値はおおよその人気度を示唆するものの、当該のページからのリンクが得られるランキングとは異なる。その他に非常に多くの要素が絡んでくる。Googleが今でも内部のPageRankのデータを用いているとしたら、1997年にリリースされたものと比べ、遥かに複雑なシステムを用いているはずだ。

PageRankのスコアはオーソリティを表す。あくまでもGoogleは内輪ネタとしてPageRankを今まで使っていたのだろう。

しかし、トップ10に食い込んでいるかどうかの方が、遥かにオーソリティを示す目安として有益である。Googleは 上位にランクインしているページは十分にオーソリティを持っている。事実、重要なのは、ツールバーのPageRankの値、あるいは、第三者サービスの値ではなく、あくまでもGoogleでの結果だ。トップ 10入りしたページからのリンクは、その他の何よりもオーソリティの目安として有効だ。効果的なマーケティングを行いたいなら、業界を牽引する著名なサイトからリンクを得る、そして、関係を構築する取り組みがベストだ。これはPRと言ってもPageRankではなく、Public Relationsである。

PageRankの次に追放される運命にあるのはキーワード主導のSEOだ。キーワードのリファラーデータの非公表は、終焉へのカウントダウンの始まりであった。そして、ハミングバードが留めを刺した。キーワードは、– オーディエンスが存在するかどうか、そして、オーディエンスの規模を特定することが出来るため — 今でもリサーチを行うアイテムとしては有効だ。しかし、SEOは徐々にセマンティックの関係およびサイトの分類に左右されるようになってきた。キーワードをアピールするだけでは十分ではなく、ウェブページ、および、サイトはキーワード、そして、同様のキーワードと関連し、その関連性がはっきりと認識できる必要がある。大方、検索用語だけでなく、ユーザーの意図とマッチしていなければならない。多くの例外が存在するものの、ハミングバードに関して分かっていることを考慮すると、ユーザーの意図を無視することは出来そうもない。

ランキングを確認し、重要なキーワードを切望する行為は今後も行われる。しかし、ランキングは本当に大事な取り組みから注意をそらすデメリットがあった。接触範囲、そして、具体性の方が重要度は高い。すなわち、最大の価値はどこから得られるのだろうか?具体的なキーワードほど直帰率は低く、コンバージョン率は高い。直帰率が低く、コンバージョン率が高いと、よりポジティブなシグナルが生成され、エンゲージメントを重視しつつあるランキングアルゴリズムに送り込まれる。ビジネス上のメリットをもたらさないキーワードで上位にランク付けされても意味はない。

もちろん例外はある。しかし、これが現在の傾向だ。Googleはキーワードの用語にマッチするだけではなく、ユーザーの意図にマッチするページを求めている。接触範囲に関しては、顧客が姿を表す全ての場所に接触しておきたいところだ。

広義における検索

変化に対応するため、SEO業者は出来るだけ広い範囲で検索について考えるべきである。検索は情報を探す行為だ。検索エンジンでクエリを用いて、積極的に、自主的に情報を探すこともある。その一方で、ソーシャルメディアでの購読、そして、フォローを介した受け身的な検索が行われることもある。このようなアクティビティは検索戦略にどのように盛り込まれているだろうか?

検索エンジンに限定しているわけではないため、従来のSEOの定義とは異なるかもしれない。私は定義の中で情報を広い範囲で求める点を重視している。事実、ユーザーは情報を求めて、検索を行っている。先日、エリック・シュミットは検索におけるGoogleの最大のライバルはAmazonだと指摘していた。メカニズムとチャンネルは変わるかもしれないが、情報を探す行為に変わりはない。BuzzFeedの戦略の変化が良い例だ:

2011年、ジョーナ・ペレッティがHuffington Postを去り、BuzzFeedに専念していた頃、BuzzFeedはGoogleでランキングを落とした時期があった。同サイトはソーシャルメディアマーケティングとSEOの双方を活用してトラフィックを得ようと試みていた。しかし、SEO経由のトラフィック、つまり、Googleの検索結果から得られる無料のトラフィックは干上がってしまった。

接触、時事性、そして、(大抵の場合)新鮮さは重要だ。エンゲージメントも大事だ。情報を探す行為は、キーワードのテクニカルなマッチングと言うよりも、知識におけるアイデアのマッチングに当たる。BuzzFeedは重要なポイントから決して目を離さなかった。ユーザーが情報を探す手伝いをすることこそが、BuzzFeedの使命である点を分かっていたのだ。

インターネットはまだ生まれて間もない

まだ何も起きていないと言っても過言ではない。インターネットは生まれたばかりだ。タイムマシンに乗って30年後の世界に向かい、現在を振り返れば、2044年の人々の生活を動かす優れた製品の多くが、2014年の時点では存在しなかったことに気づくはずだ。未来の世界では、ホロデッキ、仮想現実コンタクトレンズ、ダウンロード可能なアバター、そして、AIインターフェースを駆使し、そう言えば「30年前にはインターネットが存在しなかったんだね」と昔を懐かしむようになる。

30年後も全く同じように情報を探す行為は実施されているはずだ。SEOを行う目的は情報をビジターの目の前に提示することだ。従って、SEOは生き残る。以前から、SEOと言う名称は妥当ではなく、大事なポイント、つまり情報を他のサイトよりも先に検索エンジンのユーザーに提示する取り組みから目を逸らす要因となっていた。

一部のSEOの関係者は昔のSEOとはかけ離れてしまったため撤退した。SEOを有効に行うには高額なコストが必要とされるようになりつつある。しかも、とりわけ小規模な業者にとっては十分な見返りを得られない可能性がある。しかし、この考え方は、大事な点を見失っている気がする。

オーディエンスは今も確実に存在する。ニーズは変わっていない。オーディエンスは情報を見つようとしている。ユーザーが情報を探すタスクを助けることがSEOなら、その真実を見落とすべきではない。「理由」を思い出し、「方法」を合わせよう。

今後の投稿では、その「方法」を具体的に探っていくつもりだ。


この記事は、SEO Bookに掲載された「The Only Thing Certain In SEO IS Change」を翻訳した内容です。

SEO関係者には身が引き締まる内容でした。最後の「オーディエンスは今も確実に存在する。ニーズは変わっていない。オーディエンスは情報を見つようとしている。ユーザーが情報を探すタスクを助けることがSEOなら、その真実を見落とすべきではない。」、これが全てですね。

しかしGoogleの投資家向け資料の内容は、もちろんGoogleにしてみるとそういうスタンスなのでしょうが、SEO会社としては今読んでもドキッとする内容ですね。実際、ほぼスパマーの駆逐に成功しているわけですが・・・。それにしてもWeb Position Gold、懐かし過ぎました。このソフトの存在を知っている人は一体今の日本のSEO関係者にもほぼいないと思います。気づけば年を取ったものです。。。(遠い目)。 — SEO Japan

2015年のコンテンツマーケティングを成功に導く10のトレンド

今年こそは、コンテンツマーケティングに真剣に取り組んでみよう、という方も多いと思います。今回は2015年のコンテンツマーケティングにはトレンドを予測しつつ、実は極めて基本に忠実なお役立ち記事を紹介します。これからコンテンツマーケティングに取り組む人も、既に取り組んでいる人にも有益な情報が詰まった「コンテンツマーケティング入門」的な内容です。 — SEO Japan


2015 Content Marketing Predictions
2015年がついに幕を開けた。コンテンツマーケティングは、もはや、マーケティングを補う存在ではなくなり、事業の計画および運営において中心的な役割を担うようになった。

2015年版 コンテンツマーケティングの推測 Top 10

今回の投稿では、コンテンツマーケティングにおける大きな10点の推測、さらに、ビジネスを成功への軌道に乗せるために必要な関連する戦略を紹介していく(ちなみに、2015年版のソーシャルメディアの推測も行っているので是非参考にしてもらいたい)。

1. コンテンツマーケティングの基礎への注目が高まる

2014年においては、魅力の面でも重要度の面でも高くはなかったが、2015年、コンテンツマーケティングの基礎に対する注目は高くなりそうだ。企業はコンテンツマーケティングを語るだけでなく、全体的な事業計画に統合しなければならなくなるためだ。

つまり、ターゲットのオーディエンス、コアのコンテンツマーケティングのアイテム、および、効率の良いコンテンツの配信を詳しく綴ったコンテンツマーケティング戦略を策定する必要がある。

実用的なコンテンツマーケティング戦略:

  • コンテンツマーケティング計画を文書にまとめる。会社の計画とターゲットのオーディエンスに合致する計画を策定してもらいたい。
  • 特徴のあるマーケティングペルソナを作る。製品ごとにターゲットの顧客を理解し、顧客が購入プロセスで求めるコンテンツのタイプを把握する。
  • コンテンツの統括者を任命する。役職に関わらず、会社全体のコンテンツの責任者となる重役レベルの人物が必要だ。
  • 会社の編集カレンダーを保つ。ターゲットの異なる複数のカレンダーを利用する必要があるかもしれないが、重複を減らすため、1点のトップレベルの計画にまとめるべきだ。
  • コンテンツの配信を最大限に高める。あらゆる機会を活かし、コンテンツをオウンドメディア(自社メディア)、ソーシャルメディア、ペイドペディア(広告)で宣伝、および、配信する。



2015 Content Marketing Predictions


2.
コンテンツマーケティングの原則は全ての会社の情報を網羅する。

コンテンツマーケティングはマーケティングのみに限られるわけではない。

その他の会社の情報の有効度を高めるため、全ての情報にコンテンツマーケティングのアプローチを当てはめ、他部門との間の壁を取り壊すべきだ。製品(マニュアルおよび標示)、顧客サービス、セールス、人事、投資家向けの広報活動にも適用される。

このアプローチを適切に実施すると、重複するコンテンツ、および、効率の悪いコンテンツを除去することが可能になり、コストの削減につながる。反対に、部門の垣根を超えることが出来ない場合、同じ用途のために何度も同様のコンテンツが作られてしまう。

実用的なコンテンツマーケティングの戦略:

  • 会社が持つ全ての情報を精査する。作成された情報を全て把握する必要がある。
  • 各コンテンツにメタデータを適用する。全てのコンテンツを見つけられる状態にする必要がある。メタデータの利用は、社内のコンテンツキュレーションの良し悪しを左右する。
  • マーケティング以外のコンテンツをコンテンツマーケティング計画に統合する。 1度限りのコンテンツアクティビティを回避するためだ。
  • コンテンツの候補を中央で集める。セールスおよびカスタマーサービスにコンテンツのリソースをBCCで通知させ、尋ねられる質問の回数および作成する必要のあるコンテンツの回数を減らす。
  • 古いコンテンツをキュレートする。関連する場合、既存のコンテンツを再び宣伝する(ついでにキュレートしたコンテンツが元々のコンテンツを上回る理由を学んでおこう)。

3. ソーシャルメディアとコンテンツマーケティングは一つの機能にまとめられる。

コンテンツはソーシャルメディアでの交流に勢いを与え、ソーシャルメディアはコンテンツを流通させる。そのため、この2つの機能をより高度なソーシャルベースの取り組みにまとめることが可能だ。すると、重複を減らし、顧客の反応を改善する効果が見込める。

実用的なコンテンツマーケティング戦略:

  • ソーシャルメディア計画とコンテンツマーケティング計画をまとめる。 必要なコンテンツを確保していることを確認するため、そして、重複するアクティビティとプロジェクト管理のコストを削減するためだ。
  • 積極的に活動している各メジャーなソーシャルメディアネットワークに対するチャンネル計画を策定する。そのために、各ネットワークに対して、独自のコンテンツを作り、メジャーなプロジェクトを調整する。交流する必要がある点を忘れないでもらいたい(ソーシャルメディアでの対話もコンテンツの一つに数えられる)。
  • 従業員を積極的に活動させる。一連のソーシャルメディアガイドラインを策定する。従業員がソーシャルメディアで素晴らしい活動を行い、会社を代表して交流を行う際の心構えを周知させよう、新しいコンテンツに関して従業員に通知する方法を文書に記録しておくと良いだろう。

4. モバイルを意識したコンテンツを作る。

コンテンツを消化するメインのツールとして、モバイルデバイス、スマートフォン、タブレット、Eリーダーの利用が増えているため、モバイルデバイス向けの情報を提供しなければならない(ついでに55点のモバイルマーケティングに関連するチャートをチェックしておこう)。

デバイスにとらわれないコンテンツを提供する必要がある。情報に種類によっては、テレビや車を含むその他のインターネットに接続されるデバイス、つまり、モノのインターネットを考慮する必要があるかもしれない。

モバイルデバイスでコンテンツを読むことが出来ない場合、コンテンツを見る以前にオーディエンス候補に見捨てられてしまう。

実用的なコンテンツマーケティング戦略:

  • ターゲットのオーディエンスを理解する。デバイスの利用およびコンテンツの消化をマーケティングペルソナに盛り込み、好きな時に、好きな場所でコンテンツを楽しむことが出来る状態を確保するべきだ。
  • コンテンツ計画の中にモバイルコンテンツの作成を盛り込む。後でコンテンツを調整する作業は難易度が高く、また、コストが高くつく点を肝に銘じておこう。

5. 動画の人気が爆発する。

プロ級の動画をローコスト、あるいは、ノーコストで撮影し、シェアすることが出来るため、この取り組みを行う会社および消費者は増えていく。従って、マーケッターはコンテンツ計画に具体的な動画戦略を組み込んでおくべきだ。

AmazonとNetflix(さらにAppleも)がテレビおよび映画のプラットフォームをDIY動画の分野に拡大し、FacebookとYouTubeからマーケットシェアを奪う試みを行うことで、2015年の動画を巡る状況は変化する。どちらの企業も動画の配信プラットフォームを持ち、ユーザーベースを既に導入している。

その結果、動画およびテレビに特化するエージェンシーにはチャンスが到来する。また、インフラが整っているため、スタートアップがロサンゼルスに続々と集まるようになる。

実用的なコンテンツマーケティング戦略:

  • レギュラー動画戦略を策定する。 動画を定期的に作成するためだ。顔を出して、話をする程度でも構わない。
  • あらゆる主要なコンテンツの取り組みの一環として動画を盛り込む。詳しい説明、舞台裏の様子、インタビュー、カットした場面等を提供すると良い(10の簡単なステップを介して動画ディレクターになる方法を参考にしておこう)。
  • テキストのコンテンツに動画を組み込む。 自分が好きなものを第三者に説明するようなアプローチを心掛けてもらいたい。

6. LinkedIn パブリッシングが勢いを増す。

LinkedIn パブリッシングはエキスパートとしての重要な要素の一つに数えられる。社内の重役、および、影響力の強い人物は編集カレンダーを策定し、定期的に寄稿するべきである。

LinkedIn パブリッシングは記事の枠組みを超えて、動画、ポッドキャスト、PDF、Eブックを網羅するようになる(LinkedInはB2Bマーケティングの重要な戦力、SlideShareを既に買収している)。地位を強化するため、LinkedIn パブリッシングは有料の製品を拡大し、SlideShareが抱えるリード生成および計測機能を加えるようになるだろう。

今後の3年間で、LinkedIn パブリッシングはBloombergを見習い、書籍や雑誌等の従来のフォーマットを含む本格的な出版ブランドに姿を変える可能性がある(注記: Content Marketing InstituteはCCOマガジンおよび書籍の出版においてこの取り組みを既に実施しているが、LinkedInはさらに大きなポテンシャルを秘めていると言える)。

実用的なコンテンツマーケティング戦略:

  • 主要な事業の分野に対してLinkedInkのコンテンツ戦略を練る。そのためには、ターゲットのオーディエンス、および、影響を与えたい業界内のソートリーダー(新たな考えを示すことが出来る専門家)を把握する必要がある。
  • 自社が所有するコンテンツ配信チャンネルを介してLinkedInのコンテンツを配信する。 これにはEメールとソーシャルメディアも含まれる。また、従業員のネットワークを軽視するべきではない。

7. ライブイベントはあらゆるタイプのビジネスにおいて重要度を増す。

B2Bの企業のマーケッターににとって、以前から、カンファレンスは欠かすことの出来ない存在であった。買い手と売り手のための市場とも言える。

今年、コンテンツの形式として、ライブイベントはB2CおよびB2Bの企業にとってマストアイテムとなる。ライブイベントは、顧客候補を店舗、または、別の場所に導く手段である。実際に一部の小売業者はこの取り組みを長年実施してきた。大手スーパーの料理のデモンストレーションや食べ物の試食等をイメージしてもらえると分かりやすいかもしれない。

ライブイベントの利点は、従業員と直接顔を合わせ、関係を構築してもらうことが出来る点だ。

実用的なコンテンツマーケティング戦略:

  • 四半期ごとに顧客とコミュニティを交えたイベントを行う。 例えば、実演や朗読等が該当する。
  • 各イベントに対して、関連するコンテンツを作る計画を立てる。 イベントのコンテンツの枠組みを超えて、別のコンテンツのテーマとして利用することが可能だ。
  • 名簿を作る。 参加者の氏名とメールアドレスを尋ね、有益な情報を提供するための戦略を立案する。
  • 他の関連するイベントに参加する。 インフルエンサーに会うため、そして、コンテンツを作るために、他社のイベントに参加する手がある。

8. コンテンツのプレゼンテーションが価値を増す。

マーケッター、コンテンツのクリエイター、そして、コンテンツを受け取る側は、コンテンツのプレゼンテーションの価値を高く評価し始めている。

コンテンツのプレゼンテーションは、ブランディングだけでなく、コンテンツの効果を左右する。読者はコンテンツに引き込まれたいと望んでいる。また、ざっと目を通すことが出来る点も重視している。文法も重要であり、コピーの編集は無視できない。

作成するコンテンツの中身だけでなく、どのように提示するか、そして、どのように見る者を魅了するかも重要になる。これは2014年の画像を重視する流れを受け継いでいる。この点は、消費者が期待するプロらしさに欠けることが多いEブック等の自己配信コンテンツにとりわけ目立つ。

その結果、記事主体のコンテンツ作成およびコピーエディターに機会がもたらされるようになるだろう。

実用的なコンテンツマーケティング:

  • 注目を掴みとるタイトルを用いる。BuzzFeedとUpworthyが証明しているように、タイトルはオーディエンス候補に大きな影響を及ぼす。投稿する前にタイトルの候補を幾つか作成するべきだ。
  • コンテンツの視覚的要素を取り込む。 視覚を喜ばせるアイテムを与え、読者を魅了すると良い。
  • コンテンツを読みやすくフォーマットする。 太字、概要、短目の文と段落の利用、および、読みやすさのレベルを考慮してもらいたい。
  • テキストを編集する。 少なくとも、読みやすさと文法をチェックするため、配信する前に誰かに読んでもらおう。

9. テストおよびコンバージョンの手法の利用が増える。

コンテンツマーケティングの成果を最大限に高めるためには継続的なテストおよびコンバージョンの最適化を実施する必要がある。最高のコンテンツを持っていても、顧客候補を顧客にコンバートすることが出来ないなら意味はない。

コンテンツマーケティングが高度化するにつれ、ライバルは増える。従って、各ビジターのコンバージョンを改善することに力を入れなければならない。

実用的なコンテンツマーケティング戦略:

  • 購入プロセスの各領域をテストする。 場馴れするため、まずはすぐに成果が表れやすい領域から着手すると良いだろう。ただし、一度に多数のテストを実施するべきではない。
  • 全ての主要なコンテンツにテスト計画を盛り込む。 今後の改善に向けた計画を立ててもらいたい。
  • 他社のケーススタディを確認する。 Which Test WonとMarketingSherpaを参考にすると良い。

10. セールスとROIを示すコンテンツマーケティングの計測基準の利用が増える。

予算と人材の拡大を実現するため、マーケッターはコンテンツマーケティングの成果を見せる必要がある。

幸いにも、HubspotのInbound調査を参考にする限り、成果を計測するだけで、ROIは17倍も改善されるようだ。

Hubspot Inbound 2014-ROI


実用的なコンテンツマーケティング戦略:

  • 適切なコンテンツマーケティングの計測基準を特定する。 事業の目標と計測基準を関連させる必要がある。
  • コンテンツと適切な製品とをリンクで結ぶ。 製品ページ同士にリンクを張ろう。
  • トラッキングコードを各コンテンツに統合する。 可能な場合、コンテンツを固有のマーカーで関連付けてもらいたい。
  • コールトゥアクションを用いる 顧客候補が必ず次のステップに進むとは限らないためだ。

 

コンテンツマーケティングの成果を最大限に高めるためには、コンテンツマーケティング戦略のコアの要素に力を入れながら、新たなトレンドを取り入れる必要がある。

今年のコンテンツマーケティングにおいて、どの推測が重要だと思うだろうか?その理由を教えてもらえると嬉しい。


この記事は、Heidi Cohenに掲載された「10 Big 2015 Content Marketing Predictions」を翻訳した内容です。

LinkedInは日本では重要度が低そうですが、それ以外は基本と最新トレンドもふまえた、よくまとまった内容だったと思います。コンテンツマーケティングの状況と課題はサイト・企業によってまちまちと思いますが、取り組むべきポイントを考える上で参考になる記事ですね。 — SEO Japan

衆院選の歴史をまとめたレスポンシブ・インフォグラフィック

昨日ご紹介した新会社エコンテにて早速インフォグラフィックを作ってみたので紹介します。 — SEO Japan

アイオイクス時代と同じインフォグラフィックでは進化がない、ということで、インタラクティブ&スマホ対応(レスポンシブ)にしてみました。

衆院選の歴史をまとめたインタラクティブ・インフォグラフィック

1890年から始まった衆議院選挙の歴史を見やすく表現できるよう、インタラクティブ・チャートを利用しています。チャートでは各党議席数を比較できるよう、前回の結果もあわせて表示。数値や一枚絵では気付きにくいデータの変化や傾向を、直感的に把握させてくれるデータ・ビジュアライゼーションを目指しました。

第1回から最新の選挙まで、衆議院選挙のインタラクティブ・チャートを通して見る、日本の選挙の歴史をお楽しみください!

米国を中心に始まったデータ・ジャーナリズムが日本でも注目されていますし、このようなインタラクティブなインフォグラフィックの活用法は今後進んでいくのではないでしょうか。またスマホ全盛時代の今、PCはもちろん、スマホ、タブレットでも快適に閲覧できるレスポンシブルなインフォグラフィックも今後必要となっていくのではと思います。エコンテでは他に先駆けてこういった新しい取り組みを積極的に行っていきたいと思います。 — SEO Japan

パンダとペンギンに生活を左右される日々の終わり

2015年も始まりましたが、昨年後半期待された?大型イベントといえばペンギンアルゴリズムのアップデートでした。予想以上に盛り上がらなかったのは想定の範囲内、といった感じだったかもしれませんが、そんな内容から改めてペンギン&パンダの最新状況を考える記事を。SEO業界を揺るがしてきた2大アルゴリズムの今とは。 — SEO Japan

google-white3-algorithm-seo-ss-1920

ペンギン 3.0(日本語)が登場してから数か月が経過した。「大きな影響を与えていない」、と言うのが大方の見方だ。事実、検索結果に変化が生じたのは1%に満たないとGoogle自身が報告している。

ペナルティーを受けたと主張するサイト全体で同じ様な結果が出ていた。私がマーケティングコンサルタントを務めるRankAboveでは、大量のデータを用いて分析を行っている。この中には、クライアントのデータもあれば、有益な情報を得るために、弊社自身が集めているデータもある。

ペンギンのインパクトを受けたサイトに対する、追跡中の25,000点近いキーワードにおいて、ほとんど変化は見られなかった。

Ranking Delta after Penguin

ペンギン 3.0後のランキングデータ

と言うことは、前回のアップデートが行われ、一部のウェブサイトを奈落の底に突き落とした時点から状況はほとんど変わっていないことになる。

ペンギン 3.0によって、窮地に陥った多くの小規模なオンラインビジネスが救われるのではないか、と言う期待があった。しかし、この期待を裏切る結果が出ている。今後も、過去の大きな変化と同じようなレベルの変化は生じない可能性が高い。ペンギン 3.0は安定期に入っており、新たな標準が確立されたと言えるだろう。

しかし、赦免を求めていたオンラインビジネスはどうなってしまうのだろうか?なぜか回復しなかったのだろうか?

ペンギン & パンダの仕組み

ペンギンとパンダのリリースによって、検索エンジン結果ページ(SERP)の再編成が行われた。これは必要とされていた変化であった。当時、ガラクタのようなページやスパムがSERPに蔓延していたためだ。そして、このようなウェブページは今も健在である。

ペンギンとパンダのアップデートはスパムの問題を解決するために行われた。不正をしているサイトの価値を低く評価することが可能なシステムを導入し、GoogleはSERPを揺るがした。その結果、様々な取り組みによって得た「妥当」なポジションを失うサイトが現れた。

最大の誤診であった可能性もある。しかし、実際に上位に値しないサイトもあった。つまり、不正な取り組みによって人為的に上位にランクインしていたサイトのことだ。

そのため、このタイプのサイトを運営しているなら、そもそも、人工的に到達したランクに戻ることが出来るなどと期待するべきではない。現在のペンギン後の位置こそが相応しい場所だと言える。

サイトがペンギンに捕まるとどうなるのかに関して、様々な推測が行われている。悪質なリンクによるメリットを全て失い、ペナルティーが新たに科されるのか?あるいは、SERPの本来あるべき位置まで落とされるだけなのだろうか?

Devalued Links vs Penalty Links

最新のアップデートによって、不正な手を用いたサイトは妥当な、粉飾されていない場所に落ち着いた、と私は見ている…追加のペンギンペナルティーが科されなければの話だが。

ペナルティーであれ、ペナルティーではないのであれ、サイトが被ったランキングの落下においては、その差はたいして重要ではないと思う。

実際の「ペンギンペナルティー」は幾つかの理由で、それほど大きな影響を与えていないと私は推測している:

  1. データを参考にする限り、SERPにおいて大きな変化が見られないため。
  2. ペンギンにつかまった大半のサイトはリンクプロフィールを整理したものの、ランキングはほとんど上がっていないため。

また、SERPにおける変化が少ない理由に関して、リンクの年齢と鮮度を考慮する必要もありそうだ。2012年より前にスパムリンクを日常的に構築していたウェブサイトは、新しい品質の高いリンクの獲得にほとんど時間を割いていなかったはずだ。

そして、2012年以降は、スパムリンクを整理する作業に力を入れ、新しい質の高いリンクを入手する取り組みはまだ行っていないのではないだろうか。要するに、過去2年間で被リンクのオーソリティは弱体化したのだ。簡単に言うと、2011年に得たリンクは、2014年に得たリンクほど価値が高くない。

Graph of Ranking Change Speculation

 

パンダとペンギンに生活を左右される日々に終止符

最終的に妥当なランキングに落ち着いたのではないだろうか。パンダとペンギンは2、3年間に渡ってSEO業界を揺るがしてきた。この2つのアルゴリズムのことを良く知る時間は十分にあり、また、過去の手法が効かなくなったことは明白である。

古いリンク構築の手法、そして、古い例レベルなコンテンツは効果がなく、求めている結果を得ることは出来ない。

リンク構築はマーケティングに過ぎない。ペンギンとパンダはこの点を私達に気づかせ、本来の検索エンジンによるリンクへの対応を反映させただけだ。

優れた、質の高いコンテンツを作る。その良質なコンテンツを基に、関連性があり、信頼のあるリンクを獲得する。このプロセスを繰り返し、鮮度を維持して、質が高く、有益で、価値の高いコンテンツをコンスタントに与えていく必要がある。

アルゴリズムのアップデートを気にする必要はない。(スパマーを除いて)その時期は終わったと言える。

これは新たな標準として確立されただけでなく、現実であり、そして、あるべき姿でもある。そのため、「回復しなかった」ことを嘆き悲しむのではなく、前向きな取り組みを行うべきだ。

この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「Is This The End Of The Penguin & Panda Era Shakeups And Recoveries?」を翻訳した内容です。

パンダとペンギンに生活を左右される日々に終止符が打たれた、というのはSEOを長くやってきた方であれば既に何となく実感しているのではないでしょうか。検索ユーザーにもウェブマーケッターにもポジティブなこととも思いますが、かつてのトリック派には少し物足りない時代かもしれません 汗 だからこそのコンテンツマーケティングだったりするわけなんですけどね。我々も新会社まで作ってしまいましたし、SEOの形は変われどより地道に着実に努力していきたいと思います。– SEO Japan

コンテンツマーケティング専業会社「株式会社エコンテ」を設立しました。

この度、新たにコンテンツマーケティングに特化した専業会社を設立しましたので、SEO Japanでも紹介させていただきます。 — SEO Japan

【概要】
ウェブマーケティング事業を手がけるアイオイクス株式会社は、インフォグラフィック制作やネットリサーチ、メディア運営等を含めたコンテンツ関連事業を分社化し、コンテンツマーケティング事業に特化した株式会社エコンテを新たに設立いたしました。

【背景と目的】
ソーシャルメディアやモバイルデバイスの急激な普及、そして検索エンジンの進化に伴うSEO(検索エンジン最適化)市場の変化に伴い、ウェブマーケティングにおける、コンテンツマーケティングの重要性が高まっています。アイオイクスでは、主事業のSEOサービスの一環として、古くからネットリサーチを活用したコンテンツ制作を行い、また2010年から開始したインフォグラフィック制作の実績も100本を超えるなど、いち早くコンテンツマーケティング事業に取り組んできました。コンテンツマーケティング事業を専業会社化することで、拡大するコンテンツマーケティングの需要に応えてまいります。SEOのリーディングカンパニーとして培ってきたサイト集客や分析力も加え、「リサーチ」「コンテンツ」「集客」「分析」を駆使した、専業会社ならではの統合的なコンテンツマーケティング施策、オウンドメディア構築サービスを提供いたします。

【新会社の概要】
商号 株式会社エコンテ
所在地 東京都渋谷区恵比寿3-46-3
設立 2014年12月17日
代表者 代表取締役社長 滝日伴則
資本金 1,000万円
事業内容 コンテンツマーケティング事業
URL http://econte.co.jp/

【事業内容】
株式会社エコンテは、大量生産型のコンテンツマーケティングとは一線を画した、他社との違いを生み出す「ひとつひとつの物語を描く」コンテンツ制作にこだわります。特に得意分野のインフォグラフィックでは、デバイスの多様化や今日のユーザー行動に合わせて進化した次世代型のインフォグラフィック作成にも挑戦していきます。またサービス事業だけではなく、コンテンツマーケティングのノウハウを活かした独自のオウンドメディア運営やテクノロジーソリューションの開発も行っていく予定です。コンテンツマーケティング市場のさらなる活性化と、インターネット上における質の高いコンテンツ創出に貢献していけるよう尽力してまいります。

上記はプレスリリースとほぼ同じ内容なので、コメント欄にて何点か補足させていただきます。

SEO Japanでも最近はSEO以上にコンテンツマーケティング関連の記事を多く配信しているように、SEOとコンテンツマーケティングは近年切っても切れない関係になりつつあります。アイオイクスでは、他社に先駆けてコンテンツマーケティングに取り組んできましたが、ブランド的にも社内体制にもSEO色がどうしても強くなり、SEOのためのコンテンツマーケティング、という関わり方になりがちでした。

今回、分社化・専業会社化することで、よりコンテンツファーストなウェブマーケティング会社を作りたいという想いが強くあります。SEOはもちろん、インフォグラフィック、リサーチの実績を元に、他ではできないコンテンツマーケティングサービスを提供していきたいと思っています。

アイオイクスから分社化しての会社設立は一昨年のデータアーティスト以来です。エコンテは当面私が代表を兼務しますし、我々にしかできない新たな取り組みに果敢にチャレンジしていくつもりです!アイオイクス、データアーティストに続き、エコンテもどうぞよろしくお願い申し上げます。 — SEO Japan

2015年、Googleに死角なし

2015年も始まりましたが、今年もGoogleはその圧倒的な存在を検索や広告市場はもちろんそれ以外の分野でも示し拡大していけるのでしょうか?ネイティブ広告の台頭でGoogleのシェアが弱まるという話もあったりします。今回はGoogle評論家といえばこの人、SEO Bookによる大変興味深い分析記事を紹介します。Googleの進む道を理解せずしてSEOのみならず、ウェブマーケティングにも勝利なし。 — SEO Japan

Googleは検索業界で頂点に立っている。しかし、検索以外の分野においては無能なのだろうか?

数週間前、テクノロジー戦略の専門家のエン・トンプソンがGoogleはピーク時のIBMとMicrosoftと同じ道を歩み、恐らく、検索広告はネイティブ広告に圧倒されるのではないかと示唆していた。

Forresterによると、デジタル広告の支出は、2、3年後にTV広告の支出を上回るようだ。確かに、ここ最近スポンサードコンテンツの台頭は目立つものの、ネイティブ広告にはカテゴリーすら与えられていないのが現状だ。

ネイティブ広告は曖昧であり、広告かどうか分からないアイテムもある。明らかな広告もあるが、その場合でもYouTubeの動画広告等、複数のカテゴリーにまたがる場合もある。 また、比較的新しく、規模が小さ過ぎるタイプのネイティブ広告もある。Amazonは支払いサービス & プライム配送契約を第三者の企業のサイト(AllSaints等)にも拡大し、このようなサイトの在庫をAmazon.comに表示し、CPCベースでトラフィックを売っている。この取り組みはネイティブ広告に含まれるのだろうか?また、在庫をメタ検索サイトに同時配信するチケットの仲介業者やホテル予約サイトもネイティブ広告に含まれる可能性がある。

このように、ネイティブ広告には曖昧な部分が多い。また、Googleは既にDoubleClickでネイティブ広告の管理機能を提供し、BuzzFeed等のネイティブ広告で成功しているサイトと提携を結んでいる。

検索におけるペニーギャップがもたらす影響

Timeは来年全てのメジャーなメディアで有料制をテストし、第三者と協力して、People.com等のサイトにアフィリエイト広告を統合する。

因みに、上の文の2つ目のリンクは、ペイウォール(有料)記事に向かう。Twitterでウォールストリートジャーナルの記事に向かうリンクをクリックすると、有料の記事に到達することが多い。有料の記事に記載された重要な情報が瞬く間に広がることもあるが、通常は、有料記事の内容をレポートする、競合する無料サイトの方がシェアされることは多い。また、無料サイトの記事は、ソーシャルメディアでさらに拡散され、Hacker News等のフォーラムやディスカッションサイトで取り上げられ、TechMeme等のアグリゲータで注目を浴びる。その結果、より多くのリンクを獲得し、SERPで上位にランクインし、当該のストーリーのデフォルト/正規のソースになる。

コストの食い違いが生じることで、大幅に金銭的なコストを上回る点が、ペニーギャップの問題点の一つとして挙げられる。支払いに注目を集めることが出来るなら、至るところで少しづつユーザーに課金するよりも、ユーザーの行動を観察し、収益化する方が、通常、多くの収益を得られる。

有名なサイトは無料版を提供しなければ、マーケットのポジションを確保することは出来ない

様々なサイトに対する購読を盛り込むサイトも存在するが、その一部はHighbeam Researchのように、記事の一部のみを表示して、残りの記事を読む料金を請求していた。しかし、この手のサイトは、パンダによって壊滅的なダメージを受けていた。コンテンツにアクセスする障害が大き過ぎると、エンゲージメントはごく僅かになり、ペナルティーを科される可能性がある。一部のサイトにおいては、一般的な登録プロセスであってもアクセスする際の障壁となる。GoogleはGoogleに表示されるコンテンツをエンドユーザーにも見せるべきだと要求している。この要求が満たされていない場合、クローキングを行っていると見られてしまう — ただし、Googleが提供するコンテンツに鍵をかける消費者調査を使って収益化している場合、特別扱いしてもらえる。

各種の第三者のコンテンツに対して、継続的な購読料金を要求することが可能な需要を得るには、ある程度の規模が必要となる。この規模に達することが出来るのは、どんなビジネスなのだろうか?例えば、楽曲を提供する少数のビジネス(Apple、Spotify、Pandora等)、そして、動画を提供する少数のビジネス(Netflix、Hulu、Amazon Prime)が挙げられる。この手のサービスを除くと、大半の購読サイトは、金融等のニッチなトピックに限られ、規模は小さい。その上、ペイウォールによって蓋をされたコンテンツは、無料で見ることが可能な公開されている広範なマーケットと比較すると、見てもらえる機会は圧倒的に少ないと言わざるを得ない。

購読ベースのモデルがうまくいく広範なニッチの業界に属していても、Googleとの戦いには苦戦を強いられる可能性が高い。Googleの最高事業責任者がSpotifyの経営陣に加わったことで、SpotifyはGoogleから睨まれずに済むはずである。ただし、何やら雲行きは怪しい…

プレミアムコンテツに対するGoogleの影響

私は以前から、Googleが好都合なメディアの契約を得るために、著作権侵害を活用してきた点を指摘してきた(このインフォグラフィックの2つ目のポイントを見て、確認しておこう)。私の考えを皮肉と取る人もいたが、著作権を侵害する行為との「継続的な戦い」にGoogleが言及した際に、真っ先に挙げたのは、広告ユニットを増やす取り組みであった。

無料のオプション、有料のオプション、そして、その中間のオプションもある。GoogleとYouTubeは後者を採用し、その一方で、ビジネスモデルをテストし、有料のオプションへのトラフィックの流れを収益化している。

「テクノロジー企業は長期に渡るプレミアムコンテンツの価値を認めていない」 — ジェシカ・レシン

大きな価値のズレが生じており、その結果、多くのビジネスが何度も何度も戦略を練り直さなければならない状況に直面している。グレイエリアは常に変動するためだ。

多くのビジネスの利鞘は10-15%程度だ。オンラインパブリッシングを生業とする会社は、トラフィックの20%が消えると、持続可能であったビジネスモデルが、一夜のうちに自転車操業に陥る。一方、思い通りにオンラインのトラフィックを動かす/向きを変えることが可能な企業は、「支配者」になる

ドイツでは、一部のパブリッシャーがGoogleに対してインデックスへの掲載料を取ろうとした。その結果、Googleはこのパブリッシャーのリスティングの近くにスニペットを表示しなくなった。さらに、ニュース検索を通常の検索結果に統合する方法を見直し、Reddit等のソーシャルサイトを含む広範囲のソースを盛り込む決断を下した。すると、Google検索のトラフィックは40%落ち、さらに、Google ニュースのトラフィックは80%落ちたため、アクセル・シュプリンガー(インデックス料を求めた企業の一つ)は以前の状態に戻してもらいたいとすぐにGoogleに要請せざるを得なくなった。その結果、同サイトのスニペットは再び掲載されるようになったものの、「ニュース内」の変更は撤回されなかった

弱者に与えるGoogleの影響

Googleは大手メディアのアクセル・シュプリンガーに対して大きな影響力を持つ。それでは、その他の規模の小さい、弱いビジネスに対しては、一体どれぐらいのインパクトを与えることが出来るのだろうか。

この問いに対する答えを知りたいなら、Demand Mediaが直面したシチュエーションを振り返ると良いだろう。

Demand Mediaはピーク時に19億ドル以上の価値があると言われていた企業だ。同社は、ドメイン名の管理部門をRightside Groupとして切り離したものの、コンテンツ部門は事実上全く価値がないと見なされるほど落ちぶれてしまった。現在、Demand Mediaは4000万ドルの現金および現金等価額を持つ。今年の始め、同社はSaatchi Artを$1700万ドルで買収し、昨年はEコマースサイトのSociety6を9400万ドルで買収していた。前四半期の収益が発表されると、株価は16.83%値下がりし、先週の木曜日にはさらに6.32%下落し、時価総額は1億200万ドルになった。

最近の業績報告で、Demand Mediaの重役は次のように説明していた:

  • 2014年の年末までには、良質な視覚素材とリライトによって5万本以上の記事が改善される。
  • 品質を重視する取り組みを実施中であり、第4四半期中に18億ドル相当のパフォーマンスの低調な記事を削除する。
  • 最高のユーザー体験を作り出す取り組みとして、既に2つの広告ユニットを削除し、1月1日までに3つ目のユニットを削除する。
  • (上の2点に関して)この変更によって、収益にネガティブな影響が出ると見ており、年換算で約1500万ドルのEBITDA(利払い・税金・償却前利益)を調整した。
  • 第3四半期を通して、コンテンツの修正に1100万ドルを投資し、第4四半期にはさらに100万ドル、そして、来年の第1四半期と第2四半期には200万ドル~400万ドルの投資を見込んでいる。
  • ビジター数を確認すると、モバイルの領域が成長していることが分かるが、その結果、モバイルに関連するCPMが低下している。また、デスクトップでは価格帯の縮小が起きている。
  • 広告の密度が高過ぎるサイトは、オーディエンスを怒らせるだけでなく、検索インデックスのランクに関してペナルティーを科される可能性もある。

Googleは2011年の4月にeHowを抹殺した。3年以上が経過した今も、Demand MediaはGoogleに戦略を決めさせており、場合によっては過去の投資を取り消すために多額の支出を行っている。

しかし、Googleの検索結果を見ると、Googleは全く反対の戦略を実施しているように見える: 第三者のコンテンツをさらに盗み、広告ユニットの増加 & 拡大を行っている。

盗んで、販売するプログラム内のソースのリンクは薄い灰色であった。あるジャーナリストが青いリンクに関するストーリーを取り上げて初めて、色を青く変更したのであった。

ブレンド

検索結果は一部の領域を調和させ、その一方で一部を目立たせる。また、定期的に色を変え応答率を好きなように変えることが出来る。

パブリッシャーはページに掲載する広告を追加して、CPMの低下を食い止めると、バナー広告は酷評されるうようになった。Googleインフラ稼働していれば、大量のバナー広告を繰り出している(そして、計測している)。

検索広告のパフォーマンスは、バナー広告とは異なり、低下していない。

唯一、Googleが苦戦を強いられたのは、AdBlock Plusの人気が高まった時のみであった。このサービスは検索広告をブロックするため、GoogleはAdBlock Plusを禁止し、その後、第三者サイトの広告をブロックする一方で、料金を支払い、Google上では広告を表示する契約を結んだ後、最終的に復旧させることに同意した。

検索自体が究極のネイティブ広告プログラムである。

Googleはホテル等の分野において3連のローカルリスティングを優先し、ローカルカルーセルを廃止している。ホテルのリスティングのいずれかをユーザーがクリックすると、Googleは当該のホテルに対してナレッジグラフを差し込み、さらに検索結果に予約用のアフィリエイトリンクを組み込むため、自然な結果は押し下げられてしまう。

上のグラフィックをご覧になれば分かるように、通常のテキストを用いる「Website」リンクがページの右側に掲載され、そのすぐ傍に画像が配置されることによって広告のように見える。実は、広告に見えるように意図的に配置されているのだ。そのために無視されてしまう。一方、実際の広告は左側に掲載され、通常のテキストのリンクのようみ見える。広告と表示されているが、この表記と実際の広告の間には2行の線が引かれており、紛らわしさを増している。

Googleはこのような極端な形式でレイアウトを変える権限を持っている。しかし、その他の全ての領域においても、誰が敵で、誰が味方なのかを特定することが出来る。SEO業界は様々なマーケティングの手法における「倫理」に関してチマチマと話し合っているが、その一方で、Googleは目標の達成に力を入れ、SEOのエコシステム全体を消し去ろうとしている。

Googleが広告と自然なリスティングをナレッジグラフで混合する*以前*に、そもそもユーザーは両者の違いを区別することが出来ない。これが、バナー広告とは異なり、検索広告の利用が低下を免れている大きな理由の一つだ。

モバイルも同じ考え方で再編されている。Googleの取り組みは上部に配置され(そして、収益化され)、残りは下の方に追いやられる。

「ナレッジ」と広告の境界線が曖昧であるため、Googleは次々とカテゴリーでテストを行い(例えば、検索結果から直接医師に電話をかける機能) & Googleがデータを集める一方、各種のテストに対する料金を広告主に要求している。

また、Googleは第三者のサイトから情報を収集する一方で、収益化する機会を得られるなら、当該のサイトのリスティングに表示する情報を減らすことが出来る。2009年、Googleはスポンサーではないリスティングからマップ上の電話番号を削除していた。そして、今回の3連のリスティングに至っては、上半分のコンテンツは全て収益化されている…

「その一方で、3つのリスティングを表示するオリジナルの検索結果には、合理的に考えて、ユーザーが求めるであろう情報が欠けている:

  • 電話番号
  • 住所
  • 地図
  • レストランのウェブサイトへのリンク

大半のユーザーが求める情報は意図的に隠されている、もしくは、クリックをしなければ到達することが出来ない」 – デイブ・オレムランド

Googleはユーザーを優先していると主張し、「盗んで、置き換える」プログラムを正当化している。しかし、収益を増加させる機会を得るために、意図的に一部の情報を隠している。Googleは現在隠されている基本的な機能の一部を再び加えるかもしれないが、スポンサーのローカルのリスティングの一部に限定されるだろう。

結局 – 全ての問題を解決するには広告を出す必要がある

検索結果内のブランドのバナー広告は反応率が低いだろうか?あるいは、広告主は多額の資金投入に難色を示しているだろうか?その場合、Googleはテストを終了させ、代わりに検索結果に製品カルーセルを盛り込み、トラフィックをGoogle Shoppingにもたらす可能性がある。

「これはGoogleによる新たな収益化の手段だと私は見ている。クライアントは通常PPC ブランド広告のクリックと比べて、商品リスト広告のクリックに400-500%多く料金を支払っている。Shoppingのキャンペーンでは全く同じキーワードをネガティブに指定するつもりだ。」 – バーブ・ヤング

Googleによる収益化の取り組みは事実上無制限に行われる。

クリックカジノ

キーワードは部分一致がデフォルトとなった。さらに、キャンペーンの「強化」が行われ、広告主はモバイルデバイスで質の低いクリックを受け入れなければならなくなった。

続いて、曖昧な完全一致のターゲティングが登場し、具体的に特定の用語にターゲットを絞ったキャンペーンを実行するためには、広告主は品質の低い検索のバリエーションを購入し(そして、不要な新しい解釈を引き続き受け入れざるを得なくなり) & 多数のネガティブキーワードを加えなければならなくなった。

過去、一部のPPCの専門家は、自然検索の曖昧化を問題視していなかった。「所詮他人事」だと考えていたのだろう。

しかし、楽観視し過ぎていたようだ。

言うまでもなく、Googleは広告を競売にかけるだけでなく、支出を管理するSEMプラットフォーム化を望んでおり & 自動入札機能の「メリット」を活用するべきだと提案している。

広告主はGoogleの自動入札機能を強烈に非難している: 「やっと1回クリックしてもらえた。このクリックに362.63ドルも費やした」

唯一このパフォーマンスを上回るのは、子供向けの無料モバイルタップゲームに掲載されるバナー広告だけだ。

干渉を強める

先程、Googleは自分の都合の良いようにAdBlock PlusのエクステンションをPlayストアで配信禁止にした、と伝えた。Googleは繰り返しDisconnect Mobileの配信も禁止した。配信を携帯電話に頼っているなら、Googleを回避することは不可能に近い。さらに、Googleはパフォーマンスのデータを集め、密かに競合するアプリをローンチし、そして、第三者のアプリに力を入れる。その上、広範なネットワークにおける各種の広告料金をコントロールする権限も持つ。

「それなら、検索とモバイルを避けて、Eメールを利用すればいいじゃないか」と考える方もいるかもしれない。しかし、結局同じ問題に遭遇することになる。GmailではソーシャルのEメール、あるいは、プロモーション用のEメールはほとんど見てもらえない場所に追いやられてしまうためだ:

「規模が大きなオンラインストアは、ネックになり得るものの、Googleにも同じことが言える…事実、Googleは毎日投稿するブログの記事をプロモーションフォルダに誤って送信していた。しかも、(この記事を除けば)この誤りを指摘する手段が私にはない – セス・ゴーディン

1年前、ある四半期の成果が芳しくなかった原因として、GrouponはGmailのタブを挙げていた。スタートアップに対する、このフィルタリングのインパクトはさらに強烈だ。オーディエンスの目に触れる機会が少し変わるだけで、成長率は1を下回り、自然に広めるのではなく、知ってもらう機会に資金を投じなければならないためだ。

このタブの他にも、スパム扱いされる、あるいは、セキュリティの警告を受ける等、多くのリスクが存在する。Search Engine Land等、大勢のGoogleの従業員がチェックしているサイトでさえ、ニュースレターがGmailで警告を受けていたことがあった。

Googleはさらに

  • 検索ランキング、バーティカルの検索結果での置き換えを行い、(先程も触れたように)事業に関連する情報を隠している。さらに、検索クエリを提案し、ウェブブラウザを利用して消費者の意図を転換することで、ウェブサイトへの干渉を強めている。
  • 広告の視聴を自然の視聴としてカウントし、関連性の判断基準を変更し、競合するチャンネルを調査している。さらに、契約の一環としてオーディエンスに見てもらえる機会を優先することで、YouTubeの動画への干渉を強めている。 YouTubeは視聴数の半数以上が、スクリーンの小さなモバイルデバイスに集中しているため、Googleによるランキングの好みが変化すると、クリックの分布に大きな変化が現れる。
  • デフォルトバンドリング契約を用いて、Googleのアプリをデフォルトに設定することをメーカーに条件として突きつけることで、モバイルアプリへの干渉を強めている。
  • そっくりなバンドリングベースのビジネスモデルを禁止することで、ビジネスモデルへの干渉を強めている(バンドリングはGoogleのみに許される取り組みである)
  • その他諸々。

自然の検索キーワードのデータを隠すキーワード(not provided)の導入は、自然な検索に対する干渉である。Google がHTTPSをランキングシグナルとして公表した時、 Netmegは「これは広告ターゲティングを行うため、そして、ユーザーのプロフィールを作る権利を主張するための行動に過ぎない。この点を良く覚えておいてもらいたい」と言っていた。

Facebookが広告プラットフォームのAtlasを再び立ち上げると発表するや否や、Googleはデータへのアクセスを取り締まり始めた:

Googleは、Krux、BlueKai、そして、Lotame等のデータ管理会社と今週協議を行い、特定の広告におけるピクセルの利用禁止を宣言した。デジタル広告内に埋め込まれたピクセルは、マーケッターがターゲティングを行う上で、そして、特定のユーザーが広告をインターネット上で見た回数を把握する上で役に立つ。

「GoogleはGoogleのディスプレイネットワークを通じて、データ管理プラットフォームが提供する広告で、そして、購入したインプレッションでのみピクセルの利用を認めている。つまり、Googleは狭い範囲に利用を限定している」と、Kruxのチーフ・ソリューション・オフィサーを務めるマイク・モローは述べている。

同時期、Googleはデータ共有の取り締まりも始め、様々なデバイスで消費者のターゲティングを実施する機能の提供を開始し、広告主が特定のウェブサイトを訪問するオーディエンスに狙いを絞ることが可能なカスタムアフィニティの導入を発表した。

Googleは情報を整理する(曖昧にする)特別な役目を持つだけでなく、アナリティクスを通してマーケティングの効果を計測する取り組みも行っている。そのアナリティクスは定期的に新しいレポートを導入しているが、過剰に自ら貢献をアピールし、その一方で、その他のチャンネルの貢献を低く見積もることで発生する、アクティビティバイアスから収益を得ている。ラストクリックアトリビューションが検索広告への支出を決める目安として常習的に利用されており、数年前からディスプレイ広告の価値を落とす要因となっている。

競合者への投資

Googleはエコシステムのランキングを決めるだけでなく、積極的に投資も行っている。

GoogleはYelpの買収を試みた。Facebookのゲームの人気が爆発的に高くなると、Googleは疑わしい経歴を持つZyngaに投資し、データにアクセスしていた。Grouponが、60億ドルの買収提案を受け入れないことが分かると、Googleは10社以上のGrouponの競合者と手を組み、検索結果内に新たなオファーの広告ユニットを作成した。

YouTubeのエコシステム内部においても、MachinimaやVevo等の一流のパブリッシャーの株式をGoogleは保有している。

投資が特別な扱いを受ける疑わしきは罰せずの原則を受ける、あるいは、公開されていない情報にアクセスする事態が実際に生じている。

例えば: 「Baiduのマップアプリでは、アプリを内でホテルを見つけ、部屋の空き状況をチェックし、予約することが出来る。つまり、検索エンジンを去る必要がない。」これはパブリッシャーにとって恐ろしいシナリオである。

実は、この恐ろしいシナリオは既に表面化している。Googleの即日発送サービスの統括者がUberに移り、GoogleはUberの集荷と見積もりをモバイルマップアプリに加えた。

当然、GoogleもUberに投資していた。Uberが成功していることは疑いようもない。ただし、勝ち名乗りを上げる者がいる一方で、悔しい思いをする者もいる:

Googleはまるでディスプラションこそが長所とでも言いたげにディスラプションに投資し & 内部のデータを活用して投資を動かしている:

「計測、数値化することが出来ないなら、ソリューションに取り掛かることなど夢のまた夢だ。Googleは世界最大級のデータセットにアクセスすることが可能であり、クラウドコンピュータのインフラは史上最大の規模を誇る。勘に頼って投資を行うのは愚かだ」とGoogle Venturesのマネッジングパートナーを務めるビル・マリスは指摘している。

検索エンジン、ウェブブラウザ、アプリのストア & モバイルOSから利用データを組み合わせると、あらゆるビジネスに関して圧倒的な情報を得られる。

Googleはデータのためだけにマージンの少ない領域に数十億ドル規模の投資を行える数少ない企業の一つだ:

Googleの重役は公のクラウドにおいて、Googleのアプリを動かすデータセンターと同じぐらいのパワー & スピードを実現するようにエンジニアに要請している。 この取り組み、そして、その他のセールスおよびテクノロジーの戦略は、増加するクラウドの収益を手に入れるためだけに行われるのではない。このようなサービスから、次にどんな製品を作るべきか、どの会社を購入するべきか、そして、消費者のその他の好みに関する重要なデータを得られるとGoogleの経営陣は確信している。

Googleは5億ドルもの資金を投じて買い物の即日配送サービスを宣伝している。

そして、現在、Google Fiberでは事業向けインターネットサービスを推進している。イーロン・マスクは元Googleの従業員と手を組み、衛星インターネットサービスの提供を計画している。

大詰め

現在、Googleは他のどの企業よりも連邦政府のロビー活動に力を入れている。Googleの経営陣が副チーフテクノロジーオフィサーチーフテクノロジーオフィサー、そして、特許商標局の局長に就任している。Googleのソフトウェアエンジニアがオバマ大統領に次のような提案を行うほどGoogleの勢いはとどまるところを知らない。

  • 政府の職員全員に年金を全額与えて退職させてしまおう。
  • 管理の権限をテクノロジー業界に委譲しよう。
  • エリック・シュミットをアメリカのCEOに任命しよう。

このエンジニアは常軌を逸しているか、注目を集めたいだけなのかもしれないが、この悪夢ようなシナリオが現実にならなくても、特定の会社の職員が規制する側に回れば、Googleが規制によってダメージを受ける可能性は限りなく低くなる。

オバマ大統領はオープンなインターネットの重要性を指摘している:「インターネットサービスのプロバイダーに、最高のアクセス環境を制限させることも、サービスとアイデアにおける市場の勝ち組と負け組を決めさせることも認めてはならない。」

Googleの職員が政府で重要な役割を与えられているなら、Googleに関する重要な不満は聞き届けてもらえらないはずだ。

先日、Fortune誌はラリー・ペイジをビジネスパーソン・オブ・ザ・イヤーに選出した:

「ペイジが自分自身が描く未来のビジョンを周りに押し付ける典型的な例だ。ラリー・ペイジが挑戦する様々な取り組みは、他社を寄せ付けないものがある。このようなビジネスのリーダーが誕生したのは、GEのトーマス・エジソン、または、HPのデビッド・パッカード以来のことだ」 — ベン・ホロウィッツ(アンドリーセン・ホロウィッツ社)

Financial Timesに掲載されたラリー・ペイジの最新のインタビューから際限のない野望が感じられる:

  • 「世界最強のインターネット企業は検索を牛耳ることで得たキャッシュを引き換えに、次世代のテクノロジーにおける金塊を掘り当てようとしている」…「野心がなければ何も達成することが出来ない — そして、その野心こそが世界に不足している。」
  • 「世間はディスラプションに遭遇しているものの、前向きなものとも、生活を一変させるものとも考えていない…自分が参加していると感じないことが問題だと私は思う」– ラリー・ペイジ
  • 「仕事におけるディスラプションが発生しても、短期間においては、必要とする物事のコストが引き下げられることで穴埋めされるかもしれない。この点は重要であるにも関わらず、議論されていない」– ラリー・ペイジ
  • 「資本主義のシステムでは、テクノロジーを通して効率の悪さを除去することは、当然、行わなければならない」– ラリー・ペイジ

しかし、同時に暗い面、つまり、テクノロジーの夢想家ならではの副作用も存在する。

例えば、ユーザーを処方箋が必要な調剤に釘付けにして、思考の流れを増強 & 収益化することも考えられる:

例えば、気分を反映するキッチンの壁によって、抗鬱剤の広告が導かれ、ウェブでも付きまとわれるケース、従業員の精神状態を雇用者に通告するケース、もしくは、Facebookのページに表示するケースは、容易に思い浮かぶ。書籍「コンテキストの時代―ウェアラブルがもたらす次の10年」の著者、ロバート・スコブルとシェル・イスラエルによると、Facebookはニーズを推測するシステムを作りたがっているようだ。

もしくは…

Googleの貯蓄は、リフキンが提唱した第三次産業革命において重要な意味を持つ。と言っても、単純に、消費者製品の価格を下げるポテンシャルを持っているからではなく、– 生産性を上げるために人間の労働力を増やす — 資本主義社会の大原則を初めて根本から覆すためだ。また、生産が労働力から解放されると、資本主義は思想的にも、そして、現実的にも成立しなくなる、とリフキンは説いている。

ただし、テクノロジーが原因で「誰もが損をする」わけではない。大きな成功を収める者も現れる。

ミシェル・ファンはYouTubeでの人気を活かして、メイクアップ購読サービスをスタートさせ、8400万ドル/年間を稼ぎ出している。

層の一番上にいる者はテクノロジーによってさらに勢いを得ることが出来る。このような極端な成功を収めた人物はオフラインの世界で宣伝を行い、さらにプラットフォームにビジターを引き寄せることが出来る。

Googleは日本のYouTubeクリエイターをテレビ、インターネット、そして、印刷媒体の広告で大々的に宣伝している。さらに大勢のビジターを獲得しようと目論んでいるのだろうか?

「人気ベース」の報酬システムはほんの一握りのユーザーを裕福にするものの、その他大勢のパブリッシャーは作業に力を入れても金銭的なメリットは得られない。最悪なのは、「バイラル化」のサクセスストーリーは多額の広告予算によって作られていることだ。

Googleは、アテンションエコノミーにおける収入の不平等を調査によって把握していた – しかも、この調査はブランドの優遇を始める前に行われていた。

次々にカテゴリーが商品化され、次々にプラットフォームにGoogleから資金が流れていく。そして、最終的にプラットフォームで仕事をしている従業員は、クラウドソースならではの宿命ではなく、違法な談合によって給与が引き下げられていた時代を切望するようになる:

代わりに、従業員は移動の自由、そして、活動時間を自分で自由に決めることが出来ると言う上辺だけのメリットを得るようになった。しかし、健康保険を支払うことが出来ない状況でも、あるいは、次にヒットする製品が幾ら支払ってくれるのか分からない状況でも、そして、実際にいつになったヒットするのか分からない状況でも、その価値はあるのだろうか?アプリの利用規約が、労働契約とほとんど変わらない状況でも、仕事の注文がスマートフォン経由で行われ、すぐに応答しなければ二度とチャンスをもらえない状況でも、そして、仕事について誰にも話をすることが出来ず、最低限の賃金を稼ぐために休みなしで作業をこなさなければならない状況でも、その価値はあるのだろうか?

人が商品化されるように、価値のその他の層も商品化されている:

SEO業界では、以前から大勢の専門家がブランド化を万能薬として推奨してきた。しかし、上半分に掲載され100%収益化されるホテルの検索結果を考慮すると — ブランドを持っていたとしても、参加するための費用を支払わなければならない。現在、Google ショッピングの広告が、ブランドのナビゲーショナルクエリでテストされているケースを考慮しても同じ結果が見えてくる。

Googleはさらに収益化する固有名詞に対して広告のターゲティングを行う技術の特許を取得している。

ブランドを作るために資金を投じ、Googleに再び資金を渡さなければ参加する権利すら与えてもらえない。

Googleの広告製品を回避し、広告費と売り上げの差で稼ぐ方法を控える手もあるが、Googleは収入を得るためには喜んで不公平な条件を突き付けてくるだろう。

例えば、イギリスで商標用語[cheapflights]を検索すると、一般的な検索用語の[cheap flights]に転換される。公式サイトは自然なランキングでは2位につけているものの、左側の列で、このサイトの上には、クリック可能なページが19ページもある。

ブランドは強みだが、誰かがそのブランドを探す際に毎回表示してもらうために料金を支払わなければならないなら、負担になる

モバイルアプリを使ってGoogleを回避することが出来るかもしれないが、GoogleがOSを所有しており、メーカーとのバンドリング契約を介して、広範な分野でGoogleを自らをデフォルトのサービスとして確実に配置させることが出来る点を覚えておくべきだ。また、モバイルに関しては、OSに付属する新しい通知機能がアプリを切り離している点、そして、Googleが様々な分野に直結しているGoogle Now等のアプリを持っている点を肝に銘じておこう。

SEO業界は長年Googleのエコシステムを採用するべきだと推奨してきた。しかし、Googleが創り出す価値よりも多くの価値を占拠するようになると、SEO業界はGoogleのエコシステムを推奨していては利益を得られなくなる。Googleの

  • 資金力
  • ロビー活動
  • 政府の要職にいる元従業員
  • 動画、モバイル、アプリ、マップ、Eメール、アナリティクス(と検索)への支配
  • 広範な投資対象

…を考慮すると、Googleがピークに達しつつあるとは言い難い。


この記事は、SEO Bookに掲載された「Peak Google? Not Even Close」を翻訳した内容です。

基本Googleに批判的なSEO Bookではありますが、三歩下がって読んだとしてもGoogleの圧倒的な力を改めて感じられる内容でした。検索にしろ、広告にせよ、または携帯電話であれ、やはりプラットフォームを押さえていると強いですね。途中で日本のユーチューバーCMの話が出てきましたが、いわれてみると、確かに「サクセスストーリーは多額の広告予算によって作られている」側面もありますし。Google大帝国の成長はどこまで続くのでしょうか。 — SEO Japan

ブログを書く時に問うべき40の問い

コンテンツマーケティングはブログだけじゃないと書いておきながら、やっぱり基本はブログということで、今回はそのブログをより有益な存在にするためのアドバイス記事をカリスマブロガーのニール・パテルに学びます。 — SEO Japan

content marketing

コンテンツマーケティングの長所は、多数のソーシャルシェア、新たなEメールの購読者、そして、コメントをもたらしてくれる点だ。ただし、前提として、コンテンツの質が高く、また、コンテンツマーケティングを適切に実施する必要がある。

しかし、コンテンツマーケティングのタスクはあまりにも多く、失念してしまうこともある。

そこで、この取り組みを成功に導くため、チェックリストを策定した。これから紹介するリストのアイテムの大部分を実施していれば、コンテンツは有効に働く。

タイトル

以下に、タイトルを作成する際に問い掛けてもらいたい質問を挙げていく:

  1. Googleで検索してもらえるか? – してもらえるなら、検索経由のトラフィックが流れ込んでくる可能性が高い。
  2. タイトルは好奇心をくすぐるか? – 好奇心を喚起するヘッドラインはクリックしてもらえる確率が高い。
  3. タイトルは簡潔で、要点を反映しているか? – タイトルが57文字以上(注:日本語の場合、30文字程度)なら、Googleの検索結果ページで省略されてしまう。
  4. タイトルは分かりやすいか? – 分かりやすさは大事だ。コンテンツの内容が分からないなら、直帰されてしまう。
  5. 感情を利用しているか? タイトルで一般的な欲望を掻き立てることが出来ると、より大勢の人達を魅了することが可能だ。
  6. タイトルには人気の高いキーワードやフレーズが盛り込まれているか? – 盛り込まれていない場合、Googleで上位にランクインすることは難しい。

導入部

ブログの記事には必ず導入部が用いられる。導入部を作る際に、問い掛けてもらいたい質問を挙げていく:

  1. 読者を魅了しているか? – 導入部の段落で質問を投げ掛けると良いだろう。
  2. 簡潔にまとめられているか? – 出来るだけ早く本文に到達したいところだ。段落は3つあれば十分だ。
  3. 要約を提供しているか? – 導入部を読み終えた時点で、読むべきかどうかが分かる程度の情報を与える必要がある。
  4. 写真を盛り込んでいるか? – 何らかのメディアを導入部で利用してもらいたい。写真であれ、動画であれ、クリックを促すアイテムが必要だ。

本文

ブログの記事を作る際に問い掛けてもらいたい質問を挙げていく:

  1. 小見出しを使っているか? – 小見出しを使うと読者は記事を読みやすくなり、飛ばし読みすることが可能になる。
  2. 各段落は5行以下に収まっているか? – 段落は5-6行以下に収める必要がある。このリミットを越えてしまうと、気軽には読めなくなる。
  3. 読者と対話しているか? – コンテンツでは「私/僕」と「君/皆さん」を利用しよう。会話をしている気分にさせる効果があるためだ。
  4. 疑問にイタリック体を用いているか? – 記事内の問いにはイタリック体を使おう。コンテンツに個性を加えることが出来る。
  5. ストーリーを伝えているか? – 常に魅了しなければ読者に飽きられてしまう。そのためには、ストーリーを聞かせる手が一番有効だ。
  6. メディアを使ってコンテンツを強化しているか? – チャート、画像、動画、そして、オーディオに至るまで、メディアは記事に個性を与えることが可能だ。
  7. コンテンツは簡潔にまとめられているか? – どうでもよい情報が大量に詰め込まれているなら、誰にもコンテンツを読んでもらえない。
  8. 賢く見せようとしているか? – 難解なワードを使い、読者を見下した態度の文章を綴ると、あっと言う間に嫌われる。
  9. 何らかの時事ネタに結び付けているか? – GoogleニュースやYahoo!ニュースを用いてトレンドを特定すると、トラフィックをもたらすコンテンツを作りやすくなる。
  10. どの感情に訴えかけているのか? – ユーモアや怒り等、特定の感情に訴えかけるべきだ。1つか2つ選んで、コンテンツ全体で利用しよう。昼ドラのように感情を常に揺さぶることを目標に掲げると良いだろう。
  11. 記事を正しくフォーマットしているか? – 箇条書き、引用符等、ブログのプラットフォームが提供するフォーマットツールを使えば、さらに読みやすくなる。
  12. 外部のサイトにリンクを張っているか? – 適切な場合、外部のウェブサイトにリンクを張るべきだ。すると、記事を配信した際にサイトのオーナーにEメールを送り、ソーシャルメディアのアカウントでシェアを要請することが可能になる。
  13. 記事の中で専門家に言及しているか? – 記事の中に他の専門家の発言や意見を盛り込んでおくと、コンテンツに対する信頼が増す。また、取り上げた専門家に連絡を取り、ソーシャルメディアでのシェアをお願いすることが可能である。
  14. 主張を裏付けているか? – 何らかの主張を行うと、必ず疑いを持たられる。スタッツとデータを用いて、読者に信頼してもらえれば、エキスパートとしての地位を確固たるものにすることが出来る。

結論

記事をまとめる際に問い掛けてもらいたい質問を挙げていく:

  1. 問いで記事を結んでいるか? – 問いで記事を終えると、コメントを多く獲得する効果が見込める。問いの部分をイタリック体で入力することを薦める。
  2. 3つの短い段落で記事をまとめているか? – 短く、要領を得た結論を作り、記事の要点を読者に提供する。
  3. まとめは200ワード以下か? – 200ワード(注:日本語で400文字程度)を越えると長過ぎる。出来れば100ワードから150ワード(注:日本語で200~300文字程度)にまとめておきたいところだ。
  4. 読者の意見を受け入れているか? – 最終的な決定を下すようなトーンは避けるべきだ。代わりに、読者に会話に参加してもらおう。
  5. 記事を読みたいと思うような結論になっているか? – 本文を読む前に結論を読む人もいる。魅力的なら、導入部まで戻って読んでくれるはずだ。

宣伝

記事を投稿する前に問い掛けてもらいたい質問を挙げていく:

  1. 理想的な日時に投稿しているか? – コンテンツマーケティングには科学的な要素もある。このチャートに目を通し、コンテンツ配信の適切なタイミングを把握しておこう。
  2. 自分のサイトに投稿するべきか、または、別のサイトに投稿するべきか? – 通常は、他のサイトに質の高いコンテンツを投稿する方が効果は高い。この記事を読めば理由が分かる
  3. Eメールアドレスを集めているか? – Eメールアドレスを集めていないなら、コンテンツを配信するべきではない。Eメールはサイトに戻って来てもらう上で強力な手段となる。
  4. リードマグネットを持っているか? – リードマグネットは、Eメールアドレスを引き寄せる効果がある。EメールアドレスとEブックやPDFを交換すると良い。
  5. 記事全体にソーシャルシェアボタンを散りばめているか?Flare等の自動スクロール型ソーシャルプラグインやリンクをツイートするツールを利用し、出来るだけソーシャルシェアを呼び掛けよう。
  6. 同分野の人物のソーシャルネットワークリストを作成しているか? – 記事を投稿する度に、コンテンツのシェアを要請するべきだ。私のブログは毎月大勢のビジターを獲得しているものの、いまだにこの取り組みを行っている。
  7. ソーシャルメディアのメタタグを使っているか?使っていない場合、使っている時と比べ、メジャーなソーシャルネットワークでシェアされた際のパフォーマンスが落ちる。
  8. シェアする際にエキスパートの情報源に言及しているか? – ツイート内でユーザーネームを盛り込むと、RTしてもらえる確率が高くなる。
  9. LinkedInでインフルエンサーに直接メッセージを送っているか? – 単純だが、シェアを増やしてくれる可能性がある。この記事でLinkedIn向けのメッセージのテンプレートを紹介している。
  10. コンテンツを再利用しているか? – ブログの記事をPDFやスライドにまとめ、ウェブでシェアすると、より多くのトラフィックを稼ぐことが出来る。Slideshare等のサイトに投稿すれば、さらにトラフィックは増える。ただし、コンテンツの重複によるペナルティーから逃れるためにコンテンツを調整しておく必要がある。
  11. 1回以上コンテンツをシェアしているか? – Twitter等のソーシャルメディアで少なくとも2回はシェアするべきだ。最初のツイートを全てのフォロワーが見るとは限らないためだ。

結論

今回紹介した40点の問いに答えれば、コンテンツマーケティングを成功に導く上で必要なタスクを実施しているかどうかがすぐに分かる。

全ての取り組みを実施していなくても構わない…事実、この記事を作成する際、全ての手段を活用したわけではない。しかし、実施するタスクが多ければ多いほど、良い結果を得られる。

その他にも記事を投稿する前に問い掛けるべき質問をご存知なら、教えてもらいたい。


この記事は、Quicksproutに掲載された「The Ultimate Content Marketing Checklist: 40 Questions to Ask Yourself before Publishing Your Next Blog Post」を翻訳した内容です。

このリスト、かなり良くできているのではないでしょうか?!LinkedInの話以外はほぼ日本語でもそのまま使えるように思います。ブログ初心者はもちろん、日常的に書いている人でも一読すると何か新しい気づきがあるかもしれません。コンテンツマーケティングを活用する上でもまずが基本が大事ですよね。 — SEO Japan

最新調査から読み解くB2Bコンテンツマーケティング戦略の秘訣30

先日紹介した米国の2015年コンテンツマーケティング調査レポートから、B2Bコンテンツマーケティングに参考になるポイントをまとめたお役立ち記事を紹介します。コンテンツマーケティングというとブログばかりが注目されている日本ですが、その手法は多種多様、米国では既に様々な手法が活用されていることがわかります。いずれ日本でもそうなるであろう近い未来、今から先取りして差をつけてみませんか? — SEO Japan

今すぐ使える30点の実用的なコンテンツマーケティングのアドバイス

2015 B2B Content Marketing Tactics
2015年に向けて、利益をもたらす様々なB2Bのコンテンツマーケティングの手法を組み合わせ、コンテンツマーケティング戦略を策定しているだろうか?

答えを出す前に、Content Marketing Institute(CMI)とMarketingProfsが合同で実施した2015 B2Bコンテンツマーケティング 予算、基準、トレンド(北米版)調査を基に、他のマーケッターが利用している手法をチェックしていこう。

2014年、マーケッターは平均で13通りのコンテンツマーケティングの手法を用いている。また、今後の1年間で8つの新たなコンテンツの取り組みを行う計画を立てている。つまり、1ヶ月に実施する取り組みは2つを下回ることになる。

マーケッターの70%は2013年よりも多くのコンテンツを作成している。さらに、 マーケッターの42%は新しいコンテンツを毎週、または、毎日、複数配信している。

Change in B2B Content-2015 B2B Content Marketing Benchmarks


2015年 B2Bコンテンツマーケティングの有益な手法

2015 B2B Content Marketing Tactics


効果的なコンテンツマーケティング戦略を策定するには、様々なコンテンツマーケティングの手法を組み合わせる必要がある。2015年のコンテンツマーケティングを確実に成功に導くため、2015年に使える24点の有益なコンテンツマーケティングの手法、そして、推奨する実用的なコンテンツマーケティングの手法を併せて紹介していく。

B2B Content Tactics Used-2015 B2B Content Marketing Benchmarks


B2Bマーケッターの92%はソーシャルメディアのコンテンツを利用している(ブログは含まない) 。

ターゲットのオーディエンスに接触するため、オーディエンスが時間を過ごす場所にコンテンツを配置する必要がある。eMarketerによると、アメリカのインターネットユーザー(成人)はコンピュータ & モバイルデバイスを介して、ソーシャルメディアを平均で1日に67分間利用するようだ。

Time Spent with Social Media per Day - eMarketer


ソーシャルメディアは、B2Bのコンテンツを効果的に配信する上で鍵を握っている

実用的なコンテンツマーケティングのアドバイス:

  • コンテンツマーケティングを各ソーシャルメディアプラットフォームに合わせる。コンテンツマーケティングの効果を高めるため、各ソーシャルメディアサイトに対して、コンテンツマーケティングを適応させ、最適化しよう。

B2Bマーケッターの83%はEメールのニュースレターを利用している。

多くの会社が、Eメールをコミュニケーションの頼みの綱として用いている。顧客のEメールリストを使って、定期的に有益な情報を提供しよう。

実用的なコンテンツマーケティングのアドバイス:

  • Eメールのニュースレターのフォーマットをスマートフォンのユーザーに合わせる。Eメールの多くは、時間に関わらず、スマートフォンで読まれるためだ。

    Email Opens By Time Of Day-2Q2014-Movable Ink


B2Bマーケッターの81%はウェブサイトで記事を利用している。

品質の高いコンテンツを会社のウェブサイトに掲載し、検索結果で上位にランクインさせよう。

実用的なコンテンツマーケティングのアドバイス:

  • 検索エンジンとユーザーに対してウェブサイトのコンテンツを最適化する。段落を短くまとめ、太字を使い、キーワードに焦点を絞った情報とナビゲーションを活用してもらいたい。

B2Bマーケッターの80%はブログを利用している。

(注記: Social Media Examinerによる2014年の調査ではブログを利用したと回答した参加者は55%であった)

5つの基本的なタイプのコンテンツを介して、ブログはウェブサイトの情報を補う役目を持っている。

実用的なコンテンツマーケティングのアドバイス:

  • ブログを会社のウェブサイトに統合する。 Orbit Mediaのアンディー・クレストディナは、MarketingProfsが主催した2014 マーケティング B2B フォーラムでこの手法を推奨していた。ブログをナビゲーションに明確に反映させ、ビジターが発見しやすい環境を作ろう。

B2Bマーケッターの77%は直に会うイベントを利用している。

コンテンツの観点で見て、ライブイベントの主催、後援、プレゼン、参加を組み合わせて活用しよう。各取り組みから複数のコンテンツを作成することを目標に掲げてもらいたい。

実用的なコンテンツマーケティングのアドバイス:

  • 事前にイベントのアクティビティを計画し、コンテンツを作るチャンスを最大限に活用する。リー・オデンは、カンファレンスを開催する前にEブックを作成することで有名だ。Eブックは究極のキュレーションコンテンツに挙げられる。

    The Future of B2B Marketing eBook - MPB2B Forum


B2Bマーケッターの77%はケーススタディを利用している。

ケーススタディは、以前からB2Bマーケティングの必需品として重宝されてきた。他の会社(実際の顧客)が製品をどのように利用しているのかを紹介すると、顧客候補が選択する際の判断材料を与えることが出来る。

実用的なコンテンツマーケティングのアドバイス:

  • 出来るだけ具体的なケーススタディを作成する。可能な場合は、会社名、そして、数字を用いて、結果等、具体的な情報を加える。ただし、ケーススタディを配信する前に許可を得る必要がある。

B2Bマーケッターの76%は動画を利用している。

製作価値の高い動画を作ろうとすると高額なコストがかかるものの、スマートフォンやコンピュータを使って、魅力的なコンテンツを作るアプローチを検討してみよう。例えば、Spin Sucksのジニ・ディートリヒは、ラップトップで作った短い動画を使って、Facebookで週に1度質問に答えている。

実用的なコンテンツマーケティングのアドバイス:

  • 従業員と顧客の動画を撮影する。動画は文章を作る手間を省いてコンテンツを作ることが可能な優れた手段である。
  • 利用許可書を用いる。許可を取ってから動画を投稿する必要がある。

B2Bマーケッターの69%はイラスト/写真を利用している。

視覚的な情報は一瞬のうちに脳に取り込まれる。視覚的な情報には、注目を集め、複雑なコンセプトを簡素化する効果がある。

実用的なコンテンツマーケティングのアドバイス:

  • イラストや写真を使って画像をテキストのコンテンツに挿入し、読者により長い時間コンテンツに触れてもらう。見せ掛けのストック写真の利用は回避しよう。実際の人物の写真を利用するべきだ。

B2Bマーケッターの68%はレポートを利用している。

顧客候補を魅了するために、最高の情報を提供しよう。例えば、Kelly Servicesは1点のレポートを3点のSlideShare向けのコンテンツに変換し、250名の顧客候補を獲得した。

実用的なコンテンツマーケティングのアドバイス:

  • 視覚的な訴えを活かして、より魅力的なレポートを作成する。画像と太字を駆使して、コンテンツを見てもらえるように工夫しよう。
  • レポートをSlideShareで配信し、接触範囲を広げる。通常の会社のウェブサイトと比べると、このB2B向けソーシャルメディアサイトは遥かに多くのトラフィックを獲得している。レポートには、登録して、より詳しい情報を得られる手段を顧客候補のために用意する必要がある。

B2Bマーケッターの65%はオンラインプレゼンテーションを利用している。

顧客候補、その中でも、購入する製品のリサーチを開始したばかりの顧客候補が求める情報を提供して、セールスのリードを増やすことが出来るため、直感的にこのアプローチは理にかなっていると考えられる。

実用的なコンテンツマーケティングのアドバイス:

  • プレゼンテーションの価値を拡大させる。配信する場所によってコンテンツを作り直し、見つけてもらう確率を高めるためのツールを加える。

B2Bマーケッターの62%はインフォグラフィックを利用している。

インフォグラフィックの利用が大幅に増加している。ニール・パテルは、自身のインフォグラフィックが時間の経過と共に成果が落ちていることを指摘し、この傾向を裏付けている(ニール・パテルは今もインフォグラフィックを利用しており、結果が出ていることは疑いようがない)。

実用的なコンテンツマーケティングのアドバイス:

  • 特別な配信網を作り、インフォグラフィックの接触範囲を広げる。PRとインフルエンサーへの接触を行おう。

B2Bマーケッターの61%はオンラインセミナーやウェブ放送を利用している。

オンラインセミナーは、強力なコンテンツであり、事前に再利用の計画を練って、出来るだけ良い結果を出し、投資を最大限まで活用しよう。

実用的なコンテンツマーケティングのアドバイス:

  • インフルエンサーに参加してもらう。重要なソートリーダー(新たな考えを示すことが出来る人物)をオンラインセミナーに招待し、接触範囲を拡大する(注記: 取り組みに対する見返りを用意しておく必要がある)。
  • オンラインセミナー後に送る一連のEメールを作成する。Eメールアドレスの取得は、この手法を用いる大きなメリットであるため、オンラインセミナー終了後に送信するEメールを事前に作成しておき、この機会を最大限まで活かすべきだ。

B2Bマーケッターの48%は調査レポートを利用している。

人間はデータが大好きな生き物だ。有益で、魅力的なチャートと分析データを用意しよう。

実用的なコンテンツマーケティングのアドバイス:

B2Bマーケッターの47%はマイクロサイトを利用している。

特定のカテゴリーの顧客を引き寄せるため、マイクロサイトはターゲットを絞ったコンテンツを提供する。

実用的なコンテンツマーケティングのアドバイス:

  • 用途に合わせたランディングページを利用する。コンテンツとベースに一貫性を持たせ、ビジターにさらに読んでもらえるよう促そう。

B2Bマーケッターの38%は独自のコンテンツツールを利用している。

ここでは、単純な問題を解決するオンラインツールを指す。このツールは製品に関連する具体的な問いに答える。

実用的なコンテンツマーケティングのアドバイス:

  • オーディエンスが持っている疑問に対して自動的に答えを与えることが可能な場所を決める。セールスリードとして顧客候補をコンテンツへと誘うツールを活用しよう。

B2Bマーケッターの37%はEブックを利用している。

様々な長さと形式のEブックが存在する。マーケッターはこのタイプのコンテンツを外部に依頼することが多い(この手法を用いるマーケッターが少なくて驚いた)。

実用的なコンテンツマーケティングのアドバイス:

  • 既存のコンテンツを魅力的なEブックに編集する。多数の記事を単純にまとめればいいわけではない。新たな見やすいフォーマットで有益な情報をキュレートすると良い。

B2Bの32%は雑誌を利用している。

ターゲットを絞った(印刷)雑誌は、B2Bマーケティングの主力として以前から利用されている。例えば、Content Marketing Instituteは、的を絞った雑誌「Chief Content Officer」を作成している。

実用的なコンテンツマーケティングのアドバイス:

  • 記事を業界の重要な雑誌に掲載する。明確な意図を持って編集者に接触し、問い合わせる。
  • 広告の関係を活用する。広告を掲載している雑誌で関連する記事の掲載を要請しよう。

B2Bマーケッターの30%は本を利用している。

個人の取り組みであることが多いが、(印刷)本を出版すると、会社、そして、会社の取り組みを支える関連するイベントにプラスに働く。本を出版すると、重役に講演の依頼が舞い込むこともある。

実用的なコンテンツマーケティングのアドバイス:

  • 狙いのハッキリしたマーケティングキャンペーンを行い、本の宣伝を行う。一流のB2Bマーケッターであっても、書籍が行き届く範囲と生産性を最大限に高めるため、裏方の力に頼っている。

B2Bマーケッターの30%はモバイルアプリを利用している。

モバイルアプリは、開発、ダウンロードの宣伝、そして、ダウンロードしたユーザーへの利用の要請を行う必要がある。オーディエンス側にアプリを利用する理由がある場合、とりわけ効果は高くなる。例えば、MarketingProfs 2014 Marketing B2B Forumは、モバイルアプリを使って、最近のカンファレンスで参加者に情報を伝え、また、積極的な参加を呼び掛けていた。

実用的なコンテンツマーケティングのアドバイス:

  • ダウンロードと定期的な利用を促す。これは、継続的なコミュニケーションの一環として行うことも、あるいは、特別な狙いを持つメッセージを作って実施することも可能である。

B2Bマーケッターの27%はデジタルマガジンを利用している。

デジタルマガジンは、ハイパーリンクの力と追加の情報を提供する力を活用する。

実用的なコンテンツマーケティングのアドバイス:

  • 第三者のプラットフォームを活用する。例えば、AmazonやApple。
  • 代わりにキュレーションを試す。Scoop.itPaper.liを使うと、定期的な配信が楽になる。

B2Bマーケッターの23%は仮想イベントを利用している。

仮想イベントはオンライン版のカンファレンスである。

実用的なコンテンツマーケティングのアドバイス:

  • イベントの前、最中、後に提供するコンテンツを企画する。顧客候補が求めるイベント関連の情報を提供しよう。

B2Bマーケッターの22%はポッドキャストを利用している。

ポッドキャストは、コンテンツマーケティングを行う機会をもたらす。以前からポッドキャストを実施しているマイク・ステルツナー等の一流のマーケッターの取り組みを参考にすると良いだろう。パット・フリン曰く、ブログのビジターの20%はiTunesのポッドキャスト経由でアクセスしているようだ。

実用的なコンテンツマーケティングのアドバイス:

  • 人気の高いポッドキャストでゲスト出演する。他の誰かのポッドキャストを使って、ポッドキャストを試してみよう。
  • 自社メディアでポッドキャストの宣伝を行う。第三者のサイトとソーシャルメディアでのプロモーションに加え、ウェブサイト、ブログ、Eメールでポッドキャストを大々的に宣伝しよう。

B2Bマーケッターの21%は紙媒体のニュースレターを利用している。

その他の印刷媒体と同じように、ニュースレターの利用も減少している。しかし、郵便物を受け取る機会が減っているため、紙媒体のニュースレターは飛躍的な効果をもたらす可能性がある。

実用的なコンテンツマーケティングのアドバイス:

  • 紙のニュースレターを始める、または、継続を決定する前にメリットとコストを計算する。製作費、印刷費、そして、郵便代金に加え、増えていくメリットを評価しよう。

B2Bマーケッターの12%はゲーム、または、ゲーミフィケーションを利用している。

ゲームとゲーミフィケーションは、消費者向けのアイテムであることが多く、B2Bマーケッターはこの手法をあまり魅力的だとは感じていない。

上位にランクインしたコンテンツマーケティングの手法

慌てて、24点の手法を全てマーケティングの計画に加える前に、上位にランクインしている手法を振り返ろう。

B2B Content Tactic Effectiveness-2015 B2B Content Marketing Benchmarks



Change in B2B Content Marketing Tactic Use-2015 B2B Content Marketing Benchmarks


  1. 直に会うイベントは、5年連続でB2Bコンテンツマーケティングの手法において1位を獲得した。会社を飛び出し、人と会って関係を構築する必要があるため、当然と言えば当然である。
  2. 2番人気はオンラインセミナー。ライブイベントと同じように、オンラインセミナーでは、ターゲットのオーディエンスが必要とする有益な情報を提供する。オンラインセミナーの開催には、Eメールアドレスを獲得し、別のコンテンツを用いて関係の構築を継続することが出来る効果がある。
  3. 動画はB2Bコンテンツマーケティングにおいて3番目に多く利用されている。動画の人気は高い。YouTubeに投稿して、検索を強化しよう。YouTubeは世界で2番目に大きな検索エンジンであり、その接触範囲は広範に及ぶ。
  4. 4番目に利用が多かったのはブログであった。ブログでは、検索のトラフィックをもたらし、顧客の疑問に答える情報を提供すると良いだろう。

 

今回紹介した「2015年版 コンテンツマーケティングの手法」を組み合わせれば、コンテンツマーケティング戦略にプラスに働く。

具体的な手法を選択する際は、ターゲットのオーディエンスに接触し、事業の目標を達成する上でどのように効果があるのか特定するべきである。また、利益の増加をもたらすために必要とされるコストを算定する必要もある。

競争に勝つために、毎月、コンテンツマーケティングの取り組みを1つか2つ企画し、編集カレンダーに盛り込んでおこう。

今回紹介したB2Bコンテンツマーケティングの手法のリストから、どの手法を採用して来年のコンテンツマーケティングを進めていくつもりだろうか?その手法を選んだ理由も聞かせてもらいたい。

この記事は、Heidi Cohenに掲載された「Top 2015 B2B Content Marketing Tactics」を翻訳した内容です。

コンテンツマーケティングのチャンネルは多数、コンテンツをブログだけでなく様々な方法で発信していくことが重要と思わせる内容でした。しかし効果的な手法でイベントが一位といわれると、そうなのか?という気がしなくもないですが、、、私もデータアーティスト社にてイベントを主催したりもしていますし、もちろん効果は実感していますが、それも普段の地道なコンテンツマーケティングあっての気もします。その場で人と話せるだけに体感的にそう感じる人が多いのかもしれませんが、本当にコンテンツマーケティングを活用できているのか?という気にならなくもない私でもありました。 — SEO Japan

昨年末起こった押さえておきたい米国ウェブ業界ニュース – 災難続きのSonyからメディアが抱える信用問題まで

毎週恒例の米国ウェブ業界最新事情ですが、昨年末紹介し忘れたというか忙しくて配信できなかった内容を。色々と見逃せないネタが詰まってます。 — SEO Japan


今週のウェブマーケニュースでは、・終わりの見えないSonyの悲劇 ・Timeがデジタル化を推進 ・スペインのパブリッシャー、Google ニュースから姿を消す ・マーケティングのスキル ・2015年に注目すべき企業とトレンド ・Instagramがアップデートを敢行 ・SecretとMediumの今後の方向性 ・Serialが最終回を迎える ・データを取得してPRプログラムを改善する方法 ・メディアが抱える信用問題等の話題を伝える。

それでは、デジタルマーケティング業界に影響を与える重要なリンクをまとめて紹介していく。

毎週、経営者の方々が、最新の変化、レポートする価値のあるアイテム、そして、仕事で役に立つ可能性があるコンテンツを把握することが出来るように、テクノロジー、ソーシャルメディア、モバイル、デジタルコミュニケーション、そして、マーケティング業界の現在のイベントとトレンドに関するリンクを集めて、ニュースレターを提供している。ニュースレターを購読することも可能だ。

また、Flipboardを利用しているなら、This Week in Digital Magazineを購読すると、同じリンクを手に入れることが出来る。

ウェブマーケティング

  • ご存知のように、Sony Entertainmentでは騒動が続いている。Eメールを送れなくなり、財務データ、そして、個人のデータを勝手に公開され、企業の機密情報および知的財産も公にされてしまった。Sonyは高給取りの弁護士を雇い、削除通知を発行した。すると、今度はハッカーに2001年の911のような攻撃を行うと宣告され、映画「The Interview」の公開を取りやめなければならなくなった。
  • 一部の専門家は、これは戦争でもなければ、テロリズムでもなく、(規模は大きいものの)データの漏洩、つまり、サイバー攻撃であり、Sonyのリアクションを過剰だと主張した(Motherboard)
  • ジョージ・クルーニーは断固とした姿勢を感じられるレター、そして、注目に値するインタビューを通じて、Sonyがハッカーの要求をこれ以上飲まないように同業者に呼び掛けた – ただしハリウッドの映画業界はジョージ・クルーニーのリクエストを完全に無視した(Deadline Hollywood)
  • Time Inc.のチーフコンテンツオフィサーを務めるノーマン・パールスティーンはデジタルエイジの難題に直面し、レポーターに対して最後通告を突きつけた。会社は多くのトラフィックを稼ぎ出すレポーターの雇用を続ける権利があると語った。恐らく、トラフィックをもたらさないレポーターを解雇する権利もあると言いたいのだろう(Washington Post)
  • コンテンツのヘッドラインとテキストの一部をGoogle ニュースで提供する行為がスペインの裁判によって禁止されたことを受け、GoogleはGoogle ニュースのインデックスからスペインのパブリッシャーを除外した(12月22日の時点)。その結果、スペインのニューサイトのトラフィックは激減した。最初からこうなることは分かりきっていたはずだ。Timeには同じ轍を踏んでほしくない(GigaOm)
  • 2015年に注目すべき15社のソーシャルメディアをチェックしておこう(Forbes)
  • 2015年に注目すべき5つの世界的なPRのトレンドの中には、マイクロネットワークに力を入れるトレンド、そして、東洋と西洋の統合が進むトレンドが挙げられている(The Holmes Report)
  • 今年の総括を行っているの私だけではない。Googleも2014年に検索されたフレーズをまとめている
  • プラットフォーム

    • Facebook
  • Twitter
  • Instagram
  • 匿名アプリのSecretはコメントを匿名で投稿する機能を携え、今年の3月にダウンロード数が最も多いアプリとしてトップに躍り出たものの、徐々に利用するユーザーは減少している。そこで、Secretはチャット機能を持つソーシャルネットワークとして再出発するようだ(The Verge)
  • いまどき、1700万名以上のユーザーを抱えるサービスは決して珍しくはない。しかし、Mediumを立ち上げたエバン・ウィリアムズはこのサービスをさらに改善する計画を立てている。なぜなら、Mediumには、モノローグに近い形で会話に貢献する意義深いコンテンツが投稿されるためだ(USA Today)
  • コラボレーティブエコノミー

    • Uber
    • Uberは先週の暴風雨に便乗した値上げに飽き足らず、今度はシドニーでの人質事件を理由に、都市部の顧客に対して値上げを行った。アルゴリズムを非難する専門家もいたが、広報部門は何が起きているのか明確に把握していたはずだ(Mashable)
    • 先週、ニューデリーでUberのドライバーが婦女暴行事件を起こしていたが、今度はボストンのUberのドライバーが車の後部座席で乗客を強姦した( Huffington Post)
    • 世界的な安全対策のプロがUberに加わった。Airbnbでセーフティプログラムを実施したフィル・カルデナスがUberに入社したのだ。カルデナスはブログの中で2015年のUberが目指す安全対策を説明している — テクノロジーの改善、身元調査における新しい適性審査の方法の導入、24時間体制のカスタマーサービスとサポートシステムの導入、顧問およびトレーニングのための提携の締結がこのプログラムに含まれている。
    • 中国では少なくとも3つのタクシー配車アプリが存在する。そんな中、先週、UberとBaiduが提携を結んだ。UberがBaiduを必要とする理由を学んでおこう(Fast Company)
  • カーシェアリングアプリの人気が高まることで、自動車メーカーの収益に影響は出ているのだろうか?(Reuters)
  • 消費者を対象としたシェアエコノミーはメディアで取り上げられる機会が多いものの、実はピア・ツー・ピアの企業レベルの取引がB2Bの世界で急成長している(strategy+business)
  • オーディオ



    計測基準/測定/ビッグデータ

    法律/人事

    • Sonyを巡る騒動は終始する気配を見せず、重役、製品、そして、一部の映画スターに関するデータがハッカーによって公開されている。この問題に対してSonyは、高額な弁護士を雇い、メディア各社に情報の削除を要請し、全ての情報のコピーを管理と破壊を「アレンジ」するだけであった(Krebs on Security)

    コンテンツ

    • TED Talksを通じて素晴らしいアイデアが世の中に伝えられている。The Year in Ideas: TED Talks in 2014で特に優れたプレゼンを視聴しよう(TED)

    重要な記事、動画 & オーディオ

    最近のメディアは信頼に関する問題に直面しているようだ。一部のジャーナリストやメディアの品位を疑いたくなるような問題が続出している。だらしなさ(タイトなスケジュールが原因?)と倫理観の欠如が要因に挙げられる。それでは最近の問題を幾つか紹介していく:

    • Rolling Stone誌が、男子学生の社交クラブによる女子学生への婦女暴行を詳しく綴った衝撃的な記事「キャンパスで起きたレイプ事件」を配信した。その後、同誌は「読者の皆様へ」と題された記事(どう考えてもポジティブな内容は期待できない)で、情報源を検証することが出来ないと認めた(Rolling Stone)
    • 女優/活動家のレナ・ダナムが大学の友人「バリー」に強姦された体験を赤裸々に本に綴ったものの、肝心のバリーを特定することが出来ない事実が判明した。また、他にも確認出来ない情報が幾つかあり、このストーリー自体の真実味が疑われている(Washington Post)
    • 大手出版社のPenguinは、有名YouTuberのゾーイ・サグのデビュー作が、JK ローリングのハリー・ポッターの第一作の売り上げを上回ったと主張していた。しかし、ゾーイ・サグの作品を大々的にアピールした後、ペンギンは「ゴーストライターの存在」を認めた(Daily Mail)
    • 今週の始め、ある高校生が投資クラブでの活動を通して、7200万ドルを手に入れたと自慢していた。その後、すべて嘘であったことを認めた(New York Observer)

    • この記事は、Scott Montyに掲載された「This Week in Digital December 19th 2014」を翻訳した内容です。

      時間がある時、読んでみたい紹介記事が目白押しでした。今週末、頑張ります。 — SEO Japan

    2014年の検索業界の総括月別まとめ

    2015年、検索マーケティングに取り組む前に改めて総括しておきたい2014年。そそんなあなたのためにDistilledが素晴らしい記事を書いてくれました。 — SEO Japan

    本サイトでハンナ・スミスが2013年の検索を総括してから、早くも1年が経過した。しかし、なぜか分からないが、その実感は湧かない。それでも、総括を行う時期が再びやって来た。今年も色々なことが検索業界では起きたが、SEOは健在だ。しかも、今まで以上に面白味を増している。それでは、2014年を振り返り、大きな変化をまとめていこう。

    1月: ゲスト投稿とリンクネットワークにとどめの一撃 & AI

    Googleのウェブスパムチームは、SEOコミュニティの疑わしいグループに対して宣戦布告を行い、新年をスタートさせていた。以前から拡大可能なゲスト投稿はGoogleの取り締まりの対象になっているのではないかと疑ってきたが、Googleのウェブスパム対策を統括するマット・カッツが個人で運営するブログの記事の中で、ハッキリと認めた。続いて、マット・カッツは、検知不能を売りにしていた複数のリンクネットワークを公の場で批判し、閉鎖に追いこむのであった(そもそもGoogleを表立って挑発するのは得策とは言い難い)。

    これとは別に、Googleは4億ドルでAI事業を営むDeepMindを買収し、2014年の新たな方向性を示していた。

    2月: FacebookがWhatsAppを買収 & ダン・バーカーが最高のツイートを投稿

    FacebookはWhatsAppを190億ドル(キャッシュ & 株式)で購入した。この出来事は世間を驚かせた。Instagramを10億ドルで買収した取引が、色褪せて見えてしまうほどの大金だ。マーケティングを全く行わない状態で急激にユーザーを増やしたWhatsAppの実力がこの金額に反映されていると言える。この買収から10ヶ月が経過するが、何も手を加えず、今までの方向性を維持すると言うFacebookの約束は守られている。ただし、この取引の数日後にWhatsAppはクラッシュしていた :)

    その他にも、2月にはダン・バーカーが投稿したこのツイートが注目を集めていた。その理由は読んでもらえれば分かるはずだ :)

    マット・カッツ
    Googleでスクレイパーのサイトがオリジナルのコンテンツのソースよりも上位にランクインしているなら、Googleに連絡を下さい。

    ダン・バーカー
    見つけました。コンテンツのテキストがそっくりです。

    3月: ゲスト投稿が再びニュースになる

    SEOサービスを提供するドック・シェルダンがGoogleによるペナルティーを受けた。個人のサイトで配信したゲスト投稿の最後に掲載されていた1本のリンクが原因だと見られている。当該の記事は確実にゲストによる投稿であったが、ペナルティーを課すほどのスパム行為と見なされたとは考えにくい。

    次にゲストブロガーのコミュニティサイト、MyBlogGuestにペナルティーが与えられたことが明らかになった。Googleは2014年の年明けにマット・カッツが行った脅しと警告を着実に実行に移しているようだ。

    4月: 驚異的な成長を続けるモバイル & ヴィック・ガンドトラがGoogleを退社

    Facebookはモバイルデバイスを利用する同サイトのユーザーが10億人を超えたと報告した。この傾向は2014年を通じて見られた。この件に関して、その数ヶ月後にロンドンで行われたSearchLoveでモバイルの脅威に関するプレゼンを当サイトのウィル・クリッチローが行っている。

    また、4月にはヴィック・ガンドトラがGoogleを辞めたことがニュースとして報じられた。ヴィック・ガンドトラはGoogle+の開発を指揮していた人物として知られている。Google+には当初から懐疑的な見方、そして、批判的な見方があったが、ローンチから3年以上が経過した今も健在である。

    5月: パンダ 4.0、Facebookが不気味な試みをスタート & 忘れてもらう権利

    5月になると大規模なパンダアップデートがリリースされた。このアップデートはパンダ 4.0と呼ばれるようになった。パンダ 4.0はペイデイローンアップデートと同時期に展開され、SEOサイトのMozを代表するライター、Dr. ピートが行った分析によると、大幅なランキングの変更があったようだ。今年はペンギンアップデートに関する話題も多かったが、ペンギンがニュースになるのはこの数ヶ月後である。

    FacebookはモバイルデバイスのマイクをONにして、ステータスアップデートの供給源として利用する新しい不気味な機能を発表した。一部の専門家は、ユーザーが良く聞く音楽、そして、良く見るテレビ番組に関するデータをFacebookが集め、広告を提供する際に活用するようになるのではないかと推測していた。

    さらに、5月には、EUが「忘れられる権利」をユーザーに与えた — 要するに、自分の名前を言及する特定のページを自分の名前に対する検索結果から削除するようGoogleに要請することが出来るようになったのだ。Googleは、この要請を受け入れるようになってから、24時間で1万2000通を超えるリクエストが寄せられたことを認めた。その結果、次のようなメッセージがより頻繁に表示されるようになった:

    ヨーロッパのデータ保護法の下、一部の結果は削除された可能性があります。詳細はこちらをご覧下さい。

    6月: Google+のオーサーシップの写真が検索結果から削除

    Google+のオーサーシップの利用を一生懸命クライアントに薦め、必要なマークアップを整えたものの、Googleは検索結果からオーサーの写真を削除すると宣言した。この件に対する公式の発表は、とても簡潔な内容であった。Mozのサイラス・シェパードはもう少し詳しくこの件を伝えている。

    7月: 成長を続けるモバイル & Googleの新しいローカルアップデート、その名はピジョン

    今年の4月に明らかになったトレンドは7月になっても続いていた。ShareThisによるレポートで、スマートフォンとタブレットのシェアの数が2014年の第二四半期で30%増加したことが判明した。

    ローカル検索を対象とした最新のGoogleによるアップデートの名前を見た時、思わず笑ってしまった。不評だった2012年のエイプリルフールのジョークを思い出したためだ。実は真面目なアップデートだと分かって初めて詳しく調査する気になった。この記事を書いている時点で、このアップデートは米国のみで展開されており、英国ではリリースされていない。しかし、その他の国で展開されるのは時間の問題だと思う。

    因みに、ちょうど同じ頃、マット・カッツが休暇を取った。

    8月: Googleがhttpsを推奨 & アイスバケットチャレンジが煩わしいくらいバイラル化

    Googleは2011年からhttpsへの移行をスタートされていたが、今年の8月、httpsを採用するサイトは検索結果で優遇されると発表した。ただし、その後すぐに、大幅に優遇されるわけではないと忠告した。

    また、8月には、ALS アイスバケットチャレンジがバイラル化し、チャリティーであったとしても若干煩わしくなるレベルに達した。俳優のパトリック・スチュワートが最高のアイスバケットチャレンジを行った:

    これが本当のアイスバケットチャレンジだ。

    因みにマット・カッツはまだ休暇を楽しんでいる。

    9月: 新しいシグナルを持つ最新のパンダアップデート & Yahoo! ディレクトリの閉鎖が決定

    比較的規模の大きなパンダアップデートが再び行われた。しかし、今回のアップデートでは、Google曰く、より多くのシグナルを見つけ、品質の低いコンテンツをより正確に特定することが可能になり、アルゴリズムが改善されたようだ。

    同じく9月にはYahoo! ディレクトリが閉鎖され、私は少し悲しくなった。私がSEOを始めたばかりの頃、このディレクトリはスパム良質なリンクを構築する上で効果的であった。

    マット・カッツはまだ休暇から戻っていない。

    10月: ついにペンギンアップデートが行われるものの、規模は意外と小さい

    前回確認されたアップデートから1年以上が経過した10月、Googleは待望のペンギンアップデートを行ったと告知した。しかし、Dr. ピートによる分析、そして、SEO業界の一部の専門家によるフィードバックを見る限り、期待されたほどインパクトは大きくなかったようだ。

    その後、このアップデートは徐々に展開されていくことが明らかになった。アップデート導入時のインパクトが思ったよりも小さかったのは、このためだと推測される。

    マット・カッツはまだ休暇から戻っていない。

    11月: Yahoo!の逆襲 & 感謝祭の休日に現れたペンギン

    Firefoxがデフォルトの検索エンジンをGoogleからYahoo!に変更したと発表した。対象はアメリカのみだが、この変更は元Googleの従業員、マリッサ・メイヤー率いるYahoo!にとって大きな勝利だと言える。

    また、感謝祭の休日の前後にランキングの変動に関するニュースが出回っていた。これは、10月に行われたペンギンアップデートのドミノ効果であることが分かった。一部の専門家はペンギンは継続的なアップデートに移行しているのではないかと推測し、この推測は12月に入って 確認されることとなった。

    マット・カッツは休暇中

    12月: Google ニュースがスペインを去る

    スペインで新たな法案が可決され、検索結果に、たとえ一部であったとしても新聞の記事を表示する場合、検索エンジンは料金を支払わなければならなくなった。Googleはこの法律に従うことを拒んでいるため、Google ニュースはスペインから姿を消す

    また12月、Googleが、モバイルフレンドリーなウェブサイトを優遇するため、新たなステップを踏むことが明らかになった — 国内外の検索結果に「スマホ対応」が表示されるようになる:

    モバイルに力を入れ、同じことをするウェブサイトを優遇するトレンドは1年を通じて続いたことになる。

    今回の総括を楽しんでもらえたら他に何も言うことはない。ただし、万が一、メジャーなトレンドを見逃していたら、コメント欄で気軽に指摘してもらいたい。


    この記事は、Distilledに掲載された「The Year in Search | A Round Up of 2014」を翻訳した内容です。

    改めて去年の動向を振り返られる、大変わかりやすいまとめ記事でした。一読して今年につなげたい。 — SEO Japan

    2015年のB2Cコンテンツマーケティングを成功に導く3つの取り組み

    昨日、コンテンツマーケティング調査を元にした記事を紹介しましたが、今回はB2Cのコンテンツマーケティングに特化した記事を。コンテンツマーケティングはよりB2Bで活用されているという話もありますし、B2CはB2Cならではの難しさもあるようですが、さてB2Cマーケッターが考えるコンテンツマーケティング成功の秘訣とは。 — SEO Japan

    2015年 B2Cコンテンツマーケティングのトレンド: リサーチ & チャート

    2015 B2C Content Marketing Trends-3 Elements
    現在、常にネットにつながり、情報に溢れた時代を迎えており、コンテンツなしでは、B2Bのマーケティングは成立しない。

    Content Marketing InstituteとMarketingProfが共同で行った2015 B2C Content Marketing Trends調査によると、B2Cマーケッターの77%はコンテンツマーケティング戦略を用いて、明確に狙いを絞ったオーディエンスに価値をもたらす情報を作り、配信しているようだ。

    コンテンツマーケティングを活用しているB2Cマーケッターがこれほど多いことを知ると、B2Cのマーケッターは何の問題も抱えることなくコンテンツマーケティングを実施している、と思うかもしれない。

    しかし、2015 B2C Content Marketing Trends調査では、正反対の結果が出ている。コンテンツマーケティングの利用が効果的だと感じているマーケッターは37%に過ぎないのだ。


    2015 B2C Content Marketing Trends-


    2015年のB2Cコンテンツマーケティング計画に盛り込むべき3つの不可欠な要素

    コンテンツマーケティングを採用するだけでは十分とは言い難い。セールスと利益を増やすために、次の3つの不可欠な要素をコンテンツマーケティングの計画に取り入れる必要がある。

    2015 B2C Content Marketing Trends-3 Elements


    1. コンテンツマーケティング戦略の文書化

    コンテンツマーケティングを成功に導く上で、コンテンツマーケティングを文書化する取り組みは欠かせない。ただしこの戦略を利用しているB2Cマーケッターは27%のみである

    2015_B2C_Research-Have content marketing strategy


    コンテンツマーケティングを文書化する戦略は有効である。戦略を文書化したB2Cマーケッターの43%はコンテンツマーケティングからセールスを得ている。

    コンテンツマーケティング戦略に対する、次の3つの要素を重役に納得してもらう点に関して、大勢のマーケッターが尻込みしているようだ。

    • コンテンツマーケティングの目標が企業の目標と一致している。 目標では、顧客の獲得と維持(リード生成とセールス)に的を絞ってもらいたい。

      2015 B2C Content Marketing Trends


    • 顧客、顧客のインフルエンサー等、オーディエンスを絞る。そのために、現在の顧客を理解し、また、マーケティングペルソナを作る必要がある。このリサーチに基づき、B2Cのマーケッターは、通常、4タイプのペルソナを用いて、ターゲットのマーケットを網羅する。
    • プログラムの成功を判断するコンテンツマーケティングの計測基準。出来れば、セールスを主要な業績の視標の一つに含めてもらいたい。

    反対にマーケッターの50%は文書化していない(あるいは口頭で済ませている)。 文書にまとめるか否かは、パフォーマンス & コンテンツマーケティングの成功に大きな影響を与える。

    実用的なコンテンツマーケティングのアドバイス:

    • オーディエンスをターゲットにしたコンテンツマーケティング戦略を策定する。コンテンツマーケティングの計画の一環として、コンテンツの作成および配信に加え、コンテンツマーケティングの評価、そして、コンテンツのキュレーションを行おう。
    • コンテンツマーケティングの計画をチーム一丸となって遂行する。品質の高いコンテンツを作る上で必要なツールを従業員に与えよう。写真と動画の利用も忘れずに行うべきだ。公の場で恥をかく恐怖心を拭い去ることが鍵を握る。

     

    2. コンテンツマーケティングのリソース: スタッフと予算

    マーケッターは平均で予算の25%をコンテンツマーケティングに費やしている(人材は除く)。


    2015 B2C Content Marketing Trends


    予算が多ければ多いほど結果は良くなる。

    • 良好な成果を上げているB2Cのマーケッターは平均でコンテンツに予算の29%を投じている。
    • 良好な成果を上げていないB2Cマーケッターは平均でコンテンツに予算の17%をに投じている。

    平均的なB2Cマーケッターの45%はコンテンツマーケティング専用のスタッフを抱えている。

    • B2Cマーケッターの17%は個別のユニットとして動くコンテンツマーケティングの人材を抱えている。
    • B2Cマーケッターの28%は社内で横並びに組み込まれたコンテンツマーケティングの人材を抱えている。

    成功するためにはリソースは欠かせない。良好な成果を上げているマーケッターの63%はコンテンツマーケティング専用のスタッフを抱えている。


    2015 B2C Content Marketing Trends-headcount


    マーケティング部門の一部がコンテンツマーケティングを担当する会社は、B2Cの会社の約1/3を占める。小さな規模の会社では、経営者がコンテンツマーケティング(およびコンテンツの作成)を担当する。


    2015 B2C Content Marketing Trends-headcount


    基本: 専用のリソース、スタッフ、予算を用意することで、コンテンツマーケティングの成果は良くなる。

    興味深いことに、成功や規模に関わらず、マーケッターの60%は今後12ヶ月間でコンテンツマーケティングの予算を増額する計画を立てている。


    2015 B2C Content Marketing Trends-Budget


    3. コンテンツマーケティングの計測基準(コンテンツマーケティングのROIを含む)

    ビジネスの面で、セールスと利益は成功へのとなる。

    • B2Cマーケッターの54%はセールスを計測している。2014年度の調査から比べると10%アップしている。
    • B2Cマーケッターの39%はコンバージョン率の増加を計測している。コンバージョン率が良くなると、各コンテンツに対して成立するセールスが増えるため、この計測基準は収益に関連すると言える。
    • B2Cマーケッターの39%はSEOのランキングを計測している。コンテンツマーケティングはSEO戦略を支えるため、検索マーケティングの経費の削減につながる。


    2015_B2C_Research-Content Metrics-1


    信じられないことに、B2Cマーケッターの5名に1名はコンテンツマーケティングのROIを計測していない。


    2015 B2C Content Marketing -ROI success


    Hubspotが実施した「2014 Inbound Research」により、ROIを計測するだけで収益が改善されることが判明している。コンテンツ戦略の文書化と同じように、従業員はセールスと利益について検討せざるを得なくなるためだ。


    Hubspot Inbound 2014-ROI


    ROIに関連しているため、Hubspotの「State of Inbound 2014」調査の結果を精査したいなら、このコンテンツマーケティングのROIの分析に関する記事に目を通しておこう(注記: インバウンドマーケティングはコンテンツマーケティングとは異なる。前者はSEO、ソーシャルメディア、そして、コンテンツマーケティングを網羅している)。

    実用的なコンテンツマーケティングのアドバイス:

    • コールトゥアクションを加える。顧客に次に取ってもらいたい行動を本人に突き止めさせるのではなく、購入プロセスの次のステップを踏んでもらえるように要請する必要がある。
    • 適切な追跡ツールを実装する。コールトゥアクションをクリックした人数を計測することが出来る環境が求められる。
    • コンテンツの特徴をランディングページにも反映させる。同じブランディングおよびコンテンツの同じ要素を維持し、読者がコンテンツマーケティングのルートから脱線していないことを把握してもらう必要がある。

    コンテンツマーケティングの計測基準を詳しく知りたい方は、53点のコンテンツマーケティングの計測基準を確認しておこう。

     

    コンテンツマーケティングで成功するB2Cマーケッターが少ない理由

     
    コンテンツマーケティングを通じて順調にセールスを得ているB2Cマーケッターは25%を下回った。 B2Cマーケッターがコンテンツマーケティングに力を入れているにも関わらず、なぜ成功しているマーケッターは少ないのだろうか?

    その答えは知るには、マーケッターの力の及ばないコンテンツマーケティングにおける難問を理解する必要がある。

    • 成功の判断はコンテンツマーケティングの難点として最も多く挙げられていた。マーケティングの取り組みがうまくいっている点を証明しなければ、リソースを確保するのは難しくなるため、辻褄は合う。
    • (予算および人材の面で)リソースの欠如を挙げるマーケッターは2番目に多かった。魅力的なコンテンツの製作の難航、一貫したコンテンツの製作の難航、そして、各種のコンテンツの製作の難航は、コンテンツマーケティングが予算と人材の面で足りていない兆候である。
    • B2Cマーケッターの約1/3が重役の支援の欠如に直面している。この状況では、コンテンツマーケティングの全ての取り組みが難航してしまう。

    実用的なコンテンツマーケティングのアドバイス:

    • 重役がコンテンツマーケティングを支持することに難色を示す原因を探り、その問題に対処する。さもなければ、コンテンツマーケティングを成功に導く上で必要なリソースを永遠に得ることは出来ない。

    しかし、マーケッターが絶対に持つべきではない領域が1つある。それは、マーケティング部門の取り組みにおいてである。

    • コンテンツマーケッターの1/3はマーケティング部門全体の結束が欠ける問題を抱えている。マーケティング部門全体が同じ方向を向いている必要があるため、この問題は目立つ。また、コンテンツマーケティング戦略をマーケティングの計画のその他の要素に統合して、コスト効率よく結果を改善することはそれほど難しくないはずである。


    2015 B2C Content Marketing Trends-Challenges


     

    2015年のB2Cコンテンツマーケティングを成功に導きたいだろうか?

    それなら、コンテンツマーケティング戦略を策定 & 文書化し、(人材および予算の面で)リソースを与え、そして、コンテンツマーケティングのROIを計測しなければならない。

    2015年のB2Cコンテンツマーケティングにおけるトレンドにおいて、何が鍵を握ると思うだろうか?


    この記事は、Heidi Cohenに掲載された「Does Your 2015 B2C Content Marketing Plan Include These 3 Elements?」を翻訳した内容です。

    成功の秘訣という意味では、そこまで大きくB2Bと変わるわけではないようですね。私はどちらかというとB2BよりB2Cのコンテンツマーケティングに携わることが多いですが、B2Bと比較し、ターゲットユーザーの範囲が広く、ピンポイントでコンテンツの制作を行うことももちろん大事ですが、ネットでバズる要素を求められる点がチャレンジといえばチャレンジに感じます。もちろん、またそれが面白くもあるわけですが。。。さて皆さんに少しは参考になるデータはあったでしょうか。 — SEO Japan

    2010年代におけるGoogleの進化とSEO衰退の歴史まとめ

    ペンギン・パンダ等のアルゴリズムの進化、そして手動の取締り強化により、SEOを巡る状況は英語圏のみならず日本でも大きく変わりました。今回はそんなGoogleの進化とそれに伴うSEOの衰退を整理してまとめてくれた記事をサーチエンジンランドから。もちろんSEOの概念や必要性がなくなることはないでしょうが、専門職としての役割と需要は、Googleの進化と共に減ってきているのは紛れもない事実と思います。業界関係者には是非読んでほしい内容。 — SEO Japan

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    SEO業界は2010年以来劇的な変化に直面しているが、今度どのように進歩するのだろうか?

    賢くなったGoogle

    Googleは常に賢いサービスであった。立ち上げられたばかりの頃、ページランクアルゴリズムによって、Googleは検索業界を一変させた。あまりにも革命的であったため、今となっては誰も覚えていないその他諸々の検索エンジンを次々と葬っていった。カフェインが導入される前の、初期のGoogleも賢く、2010年以降に登場するGoogleの前任者としては申し分のない製品であった。

    過去を振り返ると、Googleの品質保証、つまり検索エンジンの結果ページ(SERP)を保護する取り組みは力に頼っていた。相互リンク、有料テキストリンク、アーティクルリポジトリのリンク等、迷惑なリンクを特定して、ウェブスパムを識別し、対処するプログラムを書くのが常套手段であった。インフラに対するビッグダディアップデートが行われる前は、特にこの傾向が強かった。

    インデックスのインフラを対象としたカフェインアップデートが2010年に導入された際、マイリー・オイェはウェブマスターセントラルで「ウェブ全体が拡大、そして、進化を続けており、カフェインを投入することでGoogleも共に進化することが可能になる」と話していた。この言葉は嘘ではなかった。カフェインが導入されると、Googleは好みのサイトをより正確に特定することが可能になった。

    例えば、Googleは、上位にランクインしているコンテンツを書き直し、反復するのではなく、新しい情報、アイデア、あるいは、考えを当該のトピックに与えるコンテンツを求めている。

    確かに、Googleはさらにパワフルな武器も導入している(パンダやペンギン等)。しかし、現在のGoogleはより知的な行動を取る気がする。ページランクアルゴリズムとパトロールが強化されただけではない。

    初期のGoogleに話を戻す。10年以上前のGoogleと同じく、SEOコミュニティもまた賢かった。相関関係を誰かが発見するずっと前に、SEOコミュニティは重要なランキングファクターを特定することに成功していた。

    SEOコミュニティはGoogleの裏をかくこともあった。SEO業者に欠けていたのは、知識、あるいは、知識だと思っていたモノを体系化するプロセッサとストレージだけであった。

    その後、ムーアの法則が追いつき、クラウドが登場した。MajesticとMoz等の会社がウェブの広範囲をクロールするようになり、ベールを取り払い、Googleの隠し味の多くを明らかにする取り組みを始めた。

    SEOの知識がピークに達したのは、カフェインが導入された時期と一致すると主張する声もある。当時、Googleはあらゆる情報を公開していた。

    しかし、現在、SEO業界はGoogleの発表に関して既に持っている知識を精査することに専念している。同時に、Googleは共有するデータの量を減らしている。

    今年の10月、Googleは — 「利用を止めた」ではなく、– ページランクに別れを告げると言った。また、Googleはキーワードの分析機能を取り上げ、さらに、キーワードツールのレベルを低下させた。知識と影響の比率において、2010年と現在を比べると、現在、SEOに対する知識の量は低下している可能性がある。

    それでは、カフェイン導入後5年目に差し掛かろうとしている現在、SEOはどこに向かおうとしているのだろうか?

    SEOの終焉

    SEOに関して、ウェブサイトのオーナーは次の3つのタイプのいずれかに当てはまる:

    1. SEOをマーケティングのチャンネルの一つと考える。このタイプの見解を持つサイトのオーナーは、トラフィックを増やす手段としてSEOを実施する。SEO目的で、コンテンツを作り、ページを最適化し、リンクを構築する。
    2. SEOのトラフィックを、SEO以外の取り組みを全て適切に実施した褒美と考える。キーワードを選び、コンテンツを最適化するものの、コンテンツ、ソーシャルメディア、そして、宣伝を活用し、エンゲージメントとアウェアネスを高める取り組みに力を入れる。このタイプの人達は、SEO以外のタスクを全て正しく実施すれば、結果として、自然なトラフィックが増えると考えている。
    3. SEOを実施しない。 このタイプのウェブサイトのオーナーは認める認めないに関わらず、我流を貫く。デザイン、アーキテクチャ、そして、サイト上のコンテンツにSEOのベストプラクティスを反映されることはない。SEOが結果的に効果を発揮することを望むものの、その準備を行わない人達もこのグループに属する。

    様々な理由で3つ目のタイプの見解を持つサイトのオーナーが増えつつある。最新のHTML5/CSS3/JavaScriptのデザインに夢中になり、何も変えたくない人もいれば、単純に諦め、豊富な資金を持つブランドとは勝負にならないと考えている人もいる。

    大勢のSEOの関係者がこの業界を去りつつある。コンテンツマーケッターに転身した人もいれば、インバウンドマーケッターに転身した人もいる。このタイプに当てはまる場合、今でもSEOを仕事の一環として行っているが、仕事の範囲を拡大している。SEOのみでは、あまりにも仕事が限定されてしまうためだ。

    SEOのみを生業とする業者は今でも存在するが、業界全体としては撤退する傾向が見られる。

    Googleが有名な企業に大きなアドバンテージを与えるため、中小規模のビジネスは苦戦を強いられるようになり、とりわけ国内のみで営業する小さな会社は大きな規模のライバルに対して闘志を燃やすようになった。スタートアップ、そして、大企業レベルであっても、SEOをその他の部門に組み込む動きが進んでいる。

    SEO専門の業者は確実に実在するものの、雇用の機会は減少を続けている。現在、SEO専門のエキスパートはエージェンシーか個人か企業社内のポジションに限られる。

    ページランクの終焉

    ページランクのアップデートを終了すると言うGoogleの発表は、少し拍子抜けした感が否めなかった。この発表を行うまでに、なぜこんなに時間がかかってしまったのだろうか?それよりも重要なことhな、貴重な情報がまた一つ取り上げられてしまったことだ。

    Googleはアドワーズのキーワードツールを没収した。アナリティクスでは(随分前の話だが)キーワードのリファラー情報の提供を停止した。Googleはウェブマスターツールを気が向いたら強化しているものの、重要なアップデートを頻繁に行う必要のある本格的なソフトウェアプロジェクトのようには扱っていない。

    現在、Googleの利益に貢献しない取り組み、あるいは、PCCの投資を減らす取り組みは、全て粛清の対象になってしまう気がする。

    オーサーシップが思ったような効果を発揮しなかったら、修正するのではなく、諦めた方が良い。Google+の+1が期待したほど指標としての役目を果たさなかったら、断念しよう。今後も、Googleは情報を隠す手段を次々に考案していくはずだ。

    キーワードターゲティングの終焉

    ハミングバード(および、エンティティの基本的な概念)のおかげで、1つのページに関連する全てのキーワードとそのバリエーションを詰め込む最適化の手法が編み出された。

    この展開に行き着く前、SEOのエキスパートはキーワードごとにページを作る方針を採用していた。Googleはリスクの分散を認めなていない。うまくやれば、多数のキーワード、キーフレーズ、あるいは、バリエーションで上位にランクインすることが出来る。失敗すると、沈没する。

    また、Googleは既に他の誰かが言ったことを繰り返すのではなく、新たな考えを提示せよと注文をつけている。 これは効果的なSEOコンテンツを作る上で、大きな障害を作り出している。多くのページを1つのページにまとめ、オリジナルのテキストではなく、オリジナルの考えを詰め込まなければならないのだ。

    ちなみに、SEOエージェンシーに勤めている/経営している方に言っておくことがある。今なら、ハミングバード以前のコンテンツをエンティティに変えるタスクを、製品として提供することが出来る。パンダから復帰させるサービスと組み合わせると良い。ただし、上位にランクインし、多くのトラフィックを獲得しているウェブサイトを台無しにすることがないように注意してもらいたい。

    リンク構築の終焉

    リンク構築は今まで以上に重要になったのだろうか?それとも、息絶えたのだろうか?Googleは有料のリンクを無視、または、罰っし、その一方で、無料のリンクを評価する方法を見出したようだ(ペンギンさんの登場)。

    トッド・マイコートが作成したリンクベイト講座を読み直してもらいたい(その際は、フレーズ「リンクベイト」を無視しよう)。

    Googleはウェブサイトのオーナーに対して、オーディエンスを獲得し、リンクとソーシャルメディアのシェアでオーディエンスから見返りを与えてもらうシステムを提案している。コンテンツがオーディエンスのアクティビティ、または、会話を促さないなら、リンクを得ることは出来ない。

    そのため、ブログでのコメントやソーシャルメディアでのシェア等の指標に注目する必要がある。ただし、全ての記事、投稿、または、ページがバイラル化するわけではない。10本のうち2本がリンクをもたらしているなら、高く評価するべきだ。3本リンクを獲得したなら表彰状ものだ。

    リンク構築のプロ — と言ってもウェブサイトの管理者に勧誘電話をかける人達ではなく、戦略的にリンクを構築することが可能な有能な人達 — つまり、お互いに助け合うグループをまとめることが出来るネットワーカーには、生き残る道がまだあると私は考えている。

    個々のグループは大きな影響力を持たないかもしれないが、雪だるま式に膨らんでいくと、読者やフォロワーはコメントを残したくなり、シェアしたくなり、そして、リンクを張りたくなる。

    最高のネットワークは最高のコンテンツに勝つ。インフルエンサーの仲間で構成されたソーシャルネットワークに属するインフルエンサーこそが、最高のリンクビルダーになれる。

    マット・カッツの終焉

    …と言っても、マット・カッツがもうすぐあの世に旅立つわけではない。十分に値する休養を終えた後、ミスター Googleとして、SEOコミュニティ専門の広報として、復活を遂げるだろう。期待しているが、復帰する確率は50%程度だと私は見ている。

    マット・カッツが提供する情報は、GoogleのエンタープライズのPPCアドバイザーが提供する情報よりも、非エンタープライズのサイトを助けてくれる。そもそも、ウェブが若く、流動的であった時代と比べると、小さな事業を大規模な広告スポンサーに成長させることは難しくなっており、Googleには、公式の発表とアップデートを提供する以外にSEOを助けるインセンティブが存在しない。

    また、個人、エージェンシー、そして、スモールビジネスのSEO担当者は、大企業のSEO担当者よりも鋭い質問、または、不満を投げ掛ける傾向がある。従って、雲隠れすることで、気まずい雰囲気を作らずに済む。

    そもそも、Googleは質問に答える必要はあるのだろうか?Googleのエキスパートがこの役目を果たしている。Mozu等の会社は、そのツールと調査を駆使して、SEOに関してGoogleが今まで提供した情報よりも多くのデータと答えを提供している。

    Googleの他の従業員もネット上で質問に答えているものの、Moz等のサービスは随分前からこの取り組みを行ってきた。事実、マット・カッツの穴を埋めるほどの働きをしている従業員はいない。アダム・ラスニクがウェブマスター Q&Aの動画を撮影している姿を見たことがない。Googleのエンジニアによる講演の機会が減る可能性は十二分にある。

    最後に

    質問は多いが、まともな回答はほとんど得られない。2020年にはGoogleはページランク、そして、リンクベースの検索エンジンから、オーソリティよりもクオリティを優先する検索エンジンへと姿を変えているのではないだろうか。

    しかし、Googleのブランド贔屓が直ることはないだろう。つまり、大きな企業は今後もSERPで幅を利かせ、小さなビジネスが上位にランクインするのはますます難しくなっていく。大半のSEOの関係者はこの業界から足を洗い、ウェブディベロッパー、デザイナー、そして、コピーライターのスキルの一つに成り下がる可能性が高い。

    この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。


    この記事は、Search Engine Landに掲載された「The Decade Is Half-Over: Where SEO Has Been & Where It’s Going」を翻訳した内容です。

    SEOの衰退を断定的に言い切ってしまっていることには、反論を持つ方もいるかもしれませんが、SEO業界(SEOに専門に携わる人または会社、また彼らによるビジネス)全体の市場は一時に比べ確実に下がってきているのは間違いないでしょう。いわゆるわかりやすいスパム業者が事業撤退せざるえないのは仕方ないとしても、コーディングやキーワードリサーチ等のテクニカルな専門知識も、以前と比べ求められる専門性はより薄くなっていると思います。重要でない、という意味ではなく、通常のウェブデザイナーやコンテンツマーケッターが考慮すべき基本要素の一つに過ぎないというか。

    もちろん、特殊ケースに対応できる職人的技や、検索経由のトラフィック獲得に注力したウェブマーケッターという意味でSEO専門職のニーズはあり続けると思いますが、それなりのレベルに達していなければ、これまでのようなビジネスを続けることは相当難しいのではないでしょうか。

    私自身も昨年から新規サイトを幾つか立ち上げていますが実質やっていることの大半はコンテンツマーケティングですし、結果として従来のテクニック寄りのSEO以上に検索経由のトラフィックを伸ばせています(それ以上にソーシャル経由のトラフィックが多かったりもしますが)。もちろんベースにSEOの知識があることでコンテンツの価値を最大限活かせていると思いますが、コンテンツマーケティングやソーシャルメディアと切り離された「従来のSEO」は、既にその価値をほぼ失っているのでは、と思う最近です。SEO業者の代表がこんなことをいっていいのか、とも思いつつも汗、覚悟を決めて今年SEOに取り組んでいきたいと思う私です。 — SEO Japan