Microsoft、Windows 8/RTのIE10でFlash使用サイトのブロックを解除

今日(米国時間3/11)現在、Windows 8のMetro UIモードおよびWindows RT上のInternet Explorer 10は、標準でFlashをブロックし、MicrosoftがまとめたCompatibility View(CV)リストに載っているサイトにのみFlashコンテンツの再生を許している。明日それが変わる。あらゆるFlashコンテンツが標準で動作するようになり、CVリストはFlashコンテンツの動作を禁止するサイトのために使用される。

これまでWindows 8ユーザーは、Flash使用サイトを見るためにはデスクトップモードに切り替えなくてはならなかった。しかし、Microsoftは、「テストした数千ドメイン」のうち未だに非互換なのはわずか約4%だったため、方針を変更すべきと判断したと語った。

これはかなり予想外の変更だが、Microsoftは、「過去数ヵ月間徹底的にテストした結果、Flashコンテンツを含むサイトの大半が、今はタッチ、性能、およびバッテリー寿命に関してWindows体験と相応れる状況になった」と 言っている。MicrosoftのInternet Explorerグループのマネージャー、Rob Mauceriは、殆どのサイトがIE10で「問題なく動く。みんなが持ち歩くこれらのメインマシンは、重要なサイトのウェブコンテンツをアクセスできるはずだ。そうでなければ、単なるPCのお供になってしまう」と語った。

Windows 8 Flash

Windows 8およびRTの公開に先立ち、MicrosoftはAdobeと協力して、Windows 8の中心機能に違いないタッチ操作に最適化したバージョンのFlashを開発していた。しかし、Flashがバッテリー寿命やセキュリティー、信頼性を損ねることを恐れたMicrosoftは、当初のWindows 8のMetroモードおよびRTのIE 10ではCVリストを利用して、タッチに対応し利用体験に何らかの悪影響を与えないサイトのみ動作を許可した。

デベロッパーがInternet Explorer 10で自サイトが正しく動作するかどうかを確認するために先月Microsoftが立ち上げたサイト、modern.IEには、明日から、新たなFlashブロックリストに自分のサイトが載っているかどうかをデベロッパーが確認できる機能が加わる。

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(翻訳:Nob Takahashi)

ダイエットまで何マイル?:マウスクリックによるアデノシン三リン酸消費量は195マイクロモル。消費カロリーは1.4カロリー

Image (1) mousey_header.jpg for post 170008ビデオゲームというのはこれでなかなか疲れるものだと思う。「ワークアウト」だと言っても良いと思うのだ。そんなことを思っていたら、日本の出版社がマウスのワンクリックで何カロリーを消費するのか計算してくれていた。

計算結果を掲載してくれたのはPHPサイエンス・ワールド新書の『なんでもカロリー換算』だ。同書によれば、ワンクリック辺りの消費カロリーは1.4カロリーなのだそうだ。計算にあたっては、使用する人差し指の筋肉を10.8立方センチメートル、重さを11.7グラムとして計算している。ATP(アデノシン三リン酸)消費量は195マイクロモルということになった。

この数字が何を意味するのかはよくわからない。まあしかし、成人男性と成人女性の1日あたりの平均消費カロリーは2,000kcalおよび1700kcalということなのだそうだ。メリハリボディを作るためには、どんどんマウスをクリックするべきなのかもしれない。

(via Rocketnews24 and Yahoo! Japan)

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(翻訳:Maeda, H)

Twitter、全発言ダウンロードを英語以外の12ヵ国語でも提供開始

twitter-bird-calloutTwitterがアーカイブ機能(過去に行った全ツイートのダウンロード機能)を、英語以外の12言語に拡張した旨を発表した。対応したのはドイツ語、ペルシア語、フィンランド語、フランス語、ドイツ語、ヘブライ語、ヒンディー語、ハンガリー語、マレー語、ノルウェイ語、ポーランド語、そしてスペイン語だ。過去の前発言をまとめてダウンロードする機能は昨年12月に実装されている。当初は英語で利用している人に対してのみの公開となっていた。

Twitterのアナウンスはつい先程行われた。

アーカイブ提供を最初にアナウンスしたのは2012年9月のことだった。続いて11月に詳細がアナウンスされた。アーカイブ機能を多言語で提供することにより、さらなるエンゲージメントの獲得と、英語圏以外での利用層拡大を狙うものと言って良いだろう。

尚、海外での収益化の努力も継続中だ。1月には中東および北アフリカでの広告販売を開始している。利用者数については昨年1年で3倍に伸びているのだそうだ。

また詳報が入ってくればお伝えすることとしよう。

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(翻訳:Maeda, H)

Aolの最新CEOお気に入りのTechCrunchライターはマイケル・アリントン



このGIF動画のように、先週Aolはまた新しい経営陣を加えた。Aolブランド事業の専任CEO、Susan Lyneを得て、Aol NetworksのCEO Ned BrodyおよびAol MembershipのCEO Jimmy Maymannとの三頭体制が整った。そして、同社はすばらしい早業で経営陣を1つ減らし、COO Artie Minsonを退任させた。恐らくPatchの予想外の不水振が理由だ。

Aolの組織改訂は常に不可解であり、Aolの決算報告書によるとHuffPostおよびHuffPost Liveのトラフィックと売上は、ブランド事業の売上として計上されているにも関わらず、Huffington PostのボスはArianna HuffligtonでありLyneの配下にない。著名ブランドの一つとして、TechCrunchも実に手ぬるい扱いを受けており、Lyneはわれわれが編集権の独立を維持することを約束している。

「あなたがたは、Aolによる介入を殆どあるいは全く受けることなく驚くほどトラフィックを増やした。助けは必要ないでしょう」と彼女は、就任早々上のビデオにある私のインタビューに答えた。そしてAriannaが部屋にいたからなのか、「Huffington PostにはHuff Post Liveや今後の海外展開など、よく考えられた成長計画がある。一緒にできることはたくさんあるが、私の時間はそこまで成長の早くない分野に費やす方が良い」と語った。

他に、TechCrunchに「水着特集号」の予定がないこと以外で言うこととしては、彼女お気に入りのTechCrunchライターはMichael Arringtonだそうだ。でも彼女は[Ryan] Lawlerを見るまで待った方がいいかもしれない。

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(翻訳:Nob Takahashi)

Amazon Redshift はビッグデータ分析を変えるのか

編集部注: この記事はシリコンバレーでHapyrusを起業した藤川幸一(@fujibee)によるゲスト記事である。Hapyrusはクラウド上のビッグデータのためのウェブサービスを提供する会社で、500startupsや日本の有名な複数のエンジェルから投資を受けている。

昨年11月にAmazon Web Services(以下AWS)が初めてのユーザーカンファレンスre:InventでAmazon Redshift(以下Redshift)を発表して以来、ビッグデータ分野での破壊的プロダクトとしてメディアに紹介されて来ました。そしてついに、先日2月15日に一般公開されたRedshiftですが、エンタープライズ向け製品ということもあって、AWSの他のプロダクトよりも単価が高め(1時間あたり0.85ドルの利用料)です。このため触ってみたいけれども敷居が高いという方も多いのではないでしょうか。また、破壊的と言われていてもピンと来ない方が多いと思います。Hapyrusでは、長年AWS上のHadoopサービスであるAmazon Elastic MapReduceを簡単に利用できるようにするサービスを提供してきた経験と、米国でRedshiftの検証に公開前からAWSチームとともに携わってきた実績を踏まえて、Redshiftの特徴と用途について解説したいと思います。

Redshiftはデータウェアハウスの価格破壊

データウェアハウスとは、データ分析や管理のためのシステムですが、要するにデータの追加のみで、更新をほとんどしないビッグデータ向けのデータベースのことです。MySQLなどの通常のDBシステムとの違いはトランザクションをミリ秒単位で処理(OLTP)したり、頻繁に更新したりはできないですが、大量の過去データを保持し、データ集計などの計算(OLAP)を得意としています。企業の意思決定のためのBI(Business Intelligence)システムや、過去のデータを元にしたシステムの最適化などに利用されます。

この用途の違いのため、特殊なハードウェアなどで提供されることが多く、また大企業のデータ分析で利用されることが多かったため、数千万円から数億円以上という価格帯で、大変高価と考えられて来ました。

しかし、最近のHadoopを始めとする低コストなビッグデータ処理技術の発達から、大量データ分析の価値が見直され、広告テクノロジーやソーシャルゲームなどの、より小さな組織でもビッグデータを分析して新しいビジネスを生み出す事例も出始めています。

今まではビッグデータ分析とデータウェアハウスは、その価格差ゆえに別物と考えられることが多かったのですが、Redshiftはその価格差を壊し、スタートアップなどの小規模なビジネスでもビッグデータ分析を十分可能にしてしまったのです。ここが「破壊的」と称される所以です。今までも、Hadoopを利用すれば比較的低コストで同様な処理(例えば Hadoop Hiveを利用するなど)ができましたが、実はHadoopを実用化する場合、優秀なHadoopエンジニアの獲得や大規模なサーバ管理など、潜在的なコストが大きく、小規模ビジネスが簡単かつ十分にその恩恵を受けるのは難しかったのです。

具体的なポイント

では、Redshiftと既存のデータウェアハウス技術、Hadoopとの違いは何なのでしょうか。

- 価格
例えば、このようなキーワード(データウェアハウス 価格 億円)で検索してみて下さい。数テラバイト規模のデータウェアハウスでも、億円単位のプライスタグがついています。さらに、その管理のために複数のデータベース管理者を雇う必要があります(参考資料)。 これと同様なものをAmazonはテラバイト単価で最低年間1,000ドル(3年reserved instance/最低2TBから)で提供するというのです。さらに、データベース自体はAmazonがクラウド上で管理しますので、この価格に管理コストに含まれています。はっきり言うと、100万ドル対1,000ドルレンジの比較です。桁が3つも違います。実際に、このコストの差を埋める根拠を求めるのは非常に困難だと思います。これが、なぜあんなに騒がれていたかの理由です。

Hapyrusで、Hadoopで同等な処理(Hive上で同じSQLクエリー)でのベンチマークを集計して公開した(下図・日本語版はこちら)のですが、通常の実行コストを比較したものだけでも速度・コスト共に10倍以上もRedshiftが優っているという結果がでました。このベンチマークは一時SlideShareのHottest Slideにもなりました。それだけRedshiftはビッグデータ関連のエンジニアの関心が高いということです。HadoopやHiveは、基本的にその専門家を雇う必要がありますが、Redshiftは後述するように普通のWebエンジニアでも操作ができます。


- データウェアハウスとしての性能
ここから少し技術的な説明になりますが、最大の特徴はカラムナー(列指向)と呼ばれるデータ格納方式です。IBM NetezzaやHP Verticaなどの最新のデータウェアハウスで採用されている方式ですが、これはデータベースの各カラム(列)ごとに、データを保存する方法です。これに対して、通常のデータベースは行指向データベースと呼ばれます。行指向の場合、インデックスを利用して特定の行を瞬時に取り出すのは得意ですが、データの全件集計などはすべてのデータを処理する必要があるので不得手です。カラムナーの場合は、特定のカラムのみ計算すればよく、集計処理に向いています。

さらに、カラム内には特定のデータが繰り返し現れることが多いので、圧縮効率が非常に良くなります。Redshiftでは、7種類(2月28日現在・参考資料PDF)の圧縮アルゴリズムから各カラムごとにそれを選べます。さらに、投入するデータや現在格納されているデータから最適な圧縮方法を見つける方法も提供されています。

このように、クエリーに必要な、圧縮されたカラムだけをメモリ上に載せて計算を実行するので、対象がビッグデータであっても驚くようなスピードで結果を得られるのです。

Hadoopでもこのカラムナーのメリットを活かす追加モジュール(RCFile、HBaseなど)がいくつか公開されていますが、技術的な敷居もあり、標準的に使われているかというとそうでもないと考えています。

他のデータウェアハウスと比較しての最大の特徴は、Amazonらしくスケーラビリティーです。MPP(Massively Parallel Processing)と呼ばれる仕組みを備えていて、データ量が増えるに従って処理・保存サーバー数を増やし、処理速度を維持・向上することができます。Hapyrusではこの機能について、データ読み込みとクエリー速度の両方をベンチマークで確認しました


実はRedshiftは元々、Amazonが出資しているParAccelという会社が提供するテクノロジーを元に開発されています。MPPはその会社や、他のベンダーからも提供されている機能ですが、これがAWSから提供されるということに意味があります。つまり、これがAmazon独自の最大の特徴なのですが、スケールアウト(台数を増やす)のが、ものの数クリックで完了するのです! これは他のベンダーがどんなに頑張っても真似できない、パブリッククラウドサービス独自の部分だと思います。

まとめると、カラムナーデータベースであり圧縮オプションが豊富、MPPによりスケーラブルでスケールアウトは数クリックで完了。初めてこれらの事実を知って、さらに検証が完了した時、身震いしたのを覚えています。

- 既存技術との互換性
RedshiftはPostgreSQLという既存のデータベースを元に構築されています。つまり、PostgreSQLのドライバーや、それに対応している各種ツールはほぼすべて利用できるということです。通常のJDBCドライバーですべての操作が可能です。つまり、一度データをRedshiftに入れてしまえば、既存のアプリケーションや新規に作ったウェブサービスなどからも、容易に利用できるということです。もちろん、PostgreSQLのすべての機能が使えるというわけではありませんが(例えばデータタイプがプリミティブに限定されるなど)、利用する敷居はHadoopに比べて格段に低いと考えられます。

- 現状の問題点
一番の懸念点は、まだ一般公開されたばかりで、実績があまり公表されていないことでしょう。しかし、そもそもこの技術は世界一のECサイトであるアマゾンで利用されて検証されているものですし、かなり前から非公開ながら、いろいろな企業で検証されてきたということです。公開当初は広く使われるようになるということでいくつか問題も出てくると思いますが、すぐに落ち着いてくるでしょう。

前述のベンチマークで、Redshiftへのデータの一括ロードにかなりの時間がかかるという結果がでましたが、インスタンスを複数にすることでかなり改善することがわかっていますし、またHapyrusでも一括ではない継続データアップロードの仕組みを提供しようとしています

また、技術内容や利用方法についてもまだ広く知られていませんが、このような記事を通して、HapyrusとしてもRedshiftを利用する方々を応援して行きたいと思っています。

Hadoopとの住み分け
もちろん、Hadoopのほうが得意なことも多々あります。例えば、各レコード全体を処理していくものや、複雑な機械学習を利用した分析など、より高度な処理はHadoopでしか出来ないものもあります。また、頻繁に分析しない処理(例えば年に1回、月に1回のペタバイト級のバッチ処理など)は、Hadoopのほうがコストパフォーマンスが良くなる可能性があります。逆に、数分や数十分前のデータに対して短時間にリアルタイムに近い分析をしたい広告テクノロジーやデジタルマーケティング、ソーシャルゲームなどの分析には、テラバイト級のデータである限り、Hadoopや他のテクノロジーよりもRedshiftのほうが優位にあると考えられます。

Redshiftはビッグデータ分析のキラーアプリケーション
今まで、筆者はビッグデータ技術で一般利用が可能なものはHadoopしかなく、それをどれだけ使いやすくするか、ということがどのような規模の会社でもビッグデータの恩恵に与れる最短の道だと信じて進んできました。しかしまさに、それはRedshiftによってひっくり返されてしまいました。これはとても嬉しいことです。なぜならば、より簡単に、より低コストでビッグデータ分析の道がどんな規模の会社に対しても開けたということだからです。Redshiftを利用することで、皆がクラウドビッグデータを活用してよりよい世界が実現されることを願っています。

公開からわずか3週間、Mailboxは毎日5000万通メールを処理している




わずか数週間前に公開されて以来、メール管理アプリのMailboxはかなりの大ヒットになっている。その人気ぶりに、125万人以上がウェイティングリストに登録した。この早期の成功で困るのは、Mailboxが需要に答えるそばから新しいユーザーが待ち行列に加えられていくことだ。同社はこれまでに約50万人の申請を処理してきたが現在の成長曲線から見て、列は伸びる一方のようだ。

メールのスヌーズとプッシュ通知を処理するために、Mailboxはユーザーのメールをクラウドから取り出し再フォーマットしてから送り出す。このため、サービスが新規ユーザーを追加する際には、スケールアップに耐えられることを確認する必要がある。しかし、処理されるユーザーの数もメッセージの数も膨大だ。

「現在私たちは1日に約5000万通のメッセージを配信している」とCEOのUnderwoodは私に言った。これは一般公開からわずか3週間後のことだ。比較のために挙げると、Twitterが同じ量のメッセージをさばくようになるまでには3年を要している。もちろん、これはMailboxがユーザーのメールボックス内にある大量の既存コンテンツを管理しているからだ。

本誌は、同社のスタートから最近数週間の急成長に関して、Underwoodと数分間のおしゃべりをしてアプリの簡単なデモも見せてもらった。まだMailboxに登録していない人は、今見逃がしているものを上のビデオでチェックされたい。

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(翻訳:Nob Takahashi)

自転車乗り必携?!:Chaotic Moon、周囲360度を記録するビデオカメラ搭載自転車用ヘルメットを開発

SXSW Interactiveのような大規模テックイベントでの楽しみのひとつは、地元のアントレプレナーたちと直接に会って、どんな仕事をしているのか見せてもらえることだ。と、いうわけで、今回はChaotic Moonにおじゃました。オースチンでシステム開発およびアプリケーション開発を行なっている。

Chaotic Moonの仕事としてはルパート・マードックのThe Dailyを思い起こす人も多いだろうか。あるいは最近登場してきたMarvel Unlimitedに注目している人も多いかもしれない。このChaotic Moon、最近従業員のひとりが自転車に乗っているときにひき逃げにあってしまった。こうした事故を防ぐにはどういう仕組みが必要なのだろうかと、自転車乗りむけのプロダクトを開発した。

作り上げたのは7つのカメラを搭載する自転車用ヘルメット(プロトタイプ)だ。周囲360度をカバーし、急な動きや大きな音を検知するために加速度センサーおよびマイクも搭載している。このプロダクトは、何か緊急事態が発生した際の情報収集を行う自転車向けの「ブラックボックス」として機能する。しかしそれだけではなく、自転車の安全についての注目を集め、自転車業界に向けて、こうしたプロダクトが簡単かつ比較的安価に作成できることを示すのも目的としている。

「簡単」というのは、製作期間の話だ。Chaotic Moon LabのGMを務めるWhurleyによると、1週間ほどで本プロダクトを作り上げたのだそうだ。ちなみに「カメラを搭載するだけなら簡単だろう」と考える人もいるかもしれない。実は本プロダクト用にソフトウェアの開発も行なっている。すなわちすべてのカメラからの情報を一斉にダウンロードして同時に表示するというアプリケーションだ。動作の様子については、冒頭に掲載したビデオ映像を確認してみて欲しい。

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(翻訳:Maeda, H)

陰険な解雇をされた25歳の共和党スタッフが著作権法改革の闘士になるまで

Strike Me Down

DC界隈*の誰かが、知的財産(intellectual property, IP, 知財)の抜本的な改革に関する共和党の公式報告書があることを嗅ぎつけ、著作代理店にそのドキュメントをインターネットから削除させ、執筆を担当したスタッフを解雇させた。しかしその、こそこそとした政治工作は裏目に出た。若き犠牲者Derek Khannaはたちまち、エンタテイメント業界や通信業界が行うロビー活動に反対する生ける殉教者として、ニュースメディア上のスターになった。彼が批判した巨額のロビー活動は、イノベーションを犠牲にしてまで反海賊法をごり押しすることで、かねてから悪名高い。〔*: DC界隈、日本なら‘永田町界隈’。〕

それから3か月後にKhannaは、携帯電話のキャリアよりも消費者の権利を優先せよという陳情に10万名の署名を集め、それに基づいて、消費者優先を法制化し、今や存在しない委員会のドキュメントに彼が記した原則を支持するよう、大統領府と議会を説得した。そしてその説得は成功した。陳情成立の翌日には、大統領府(ホワイトハウス)からの支持を法案化する作業が始まった。その公式文書には、Khannaへの感謝の言葉も載っていた。

[ツイート訳: 携帯電話を消費者がアンロックできるよう努力している。それは、自由の問題だ。自分の電話機だから、自分でアンロックできるべきだ。]〔筆者のホームページ。〕

知財のエキスパートで、科学技術政策に関する人気の高いブログTechDirtを主宰しているMike Masnickは、“連中は彼を解雇して黙らせようとしたが、逆に彼への関心が高まり、デジタルの草の根運動において、彼に強大な声を与えた”、と述べている。“そのため彼は非常に短期間で(しかも予期しない)大きな成功を収め、彼の、携帯電話のアンロックに関する陳情は、これらの問題に関する古い考え方と新しい考え方の違いに、強い光を当てた。古い考え方は“罰則”中心型だ。新しい考え方はオープンであること(openness)とつながり(connectivity)の力を重視する。そして、両者が衝突するときには、ほとんど毎回、新しい方が勝利する”。

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党公認の報告書なのにスケープゴート

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その25歳の共和党員は、下院の保守的な政策シンクタンクRepublican Study Committee(共和党調査委員会, 以下RSCと略記)の嘱託だった。彼が書いた公式報告書は、アーチストのために鷹派的な知財保護を主張する団体、たとえばRecording Industry Association of America(RIAA, Napsterの訴訟で有名)などと違って、“著作権法をめぐる三つの神話とそれらの解体にどこから着手すべきか”を、明らかにしようとしている。

保守派のお題目である自由市場主義に依拠しつつ報告書は、“著作権は資本主義の自由放任の原則のあらゆる側面を侵犯している。著作権の現行の体系では、コンテンツの製作者に対し、コンテンツの独占が、保証され、法によって守られ、国の助成金すら得ている”、と論じている。

著作権に関する現状維持派を批判する人たちは、その悪例の典型として、Amazonの、“ワンクリックで今すぐ買う”ボタンに対する特許取得努力をよく取りあげる。それは特許の濫用であり、誰にでもできる当たり前のようなことを法で保護しようとしている、と彼らは批判する。物理財と違ってソフトウェアには稀少性がない。Amazonもそのほかのオンライン小売サイトも、まったく同じボタンをまったく同じ時間に使える。報告書は暗に、政府や司法の介入なくAmazonとその競合他社が自由市場で自由に競争することが重要、と示唆している。

その大胆な報告書は、こんな新聞見出しを生み出した: “An Anti-IP Turn for the GOP?”(共和党は反知財派に変身か?)。これはThe American Conservative紙に載った見出しだ。学習委員会は党の検討を経ることなく、勝手に報告書をWebサイトから削除し、公式の謝辞(お詫びの言葉)を載せた: “昨日みなさまがご覧になった著作権法に関する政策概要記事は委員会内の適切な検討なく公開されたものです…ここにその過誤をお詫びし、不注意に関する全責任を負うものであります”(委員会の事務局長Paul Teller)。今や存在しないドキュメントと同じく、Khannaもまた、ご都合主義的に嘱託契約を打ち切られた。

firing and going rogue

解雇され一匹狼に

委員会(RSC)は、この試練に関して完全に沈黙したため、かえって目立ってしまった。Khannaは、本誌TechCrunchにくれたメールで、次のように回想している: “この問題について報告書を書けと言われたから、書いたのだ。その報告書はオフィスにいた数人の人たちが読み、正規の手続きを経て承認された。Webサイトに謝辞を書いた事務局長のTeller自身も、校閲し手直しをして(その部分は今でも持ってる)、そのメモを承認した”。

Khannaは、彼をスケープゴートに仕立てた人物については何も言わなかったが、The Washington Examiner紙の報道では、それはコンテンツ業界と仲良しの下院議員Marsha Blackburnだ(政治家に対する本誌の格付けでは : Fの人)。Center for Responsive Politicsによると、共和党の全議員/候補者の中で、音楽業界からいちばん多く政治資金をもらっている人が、彼女だ。

Blackburnの事務所は、本誌のコメントリクエストに対して無返答だ。上のExaminer紙の報道が嘘なら、本誌などへのコメントで真実を明かした方が得策なはずだが。

彼の解雇理由は不可解だが、結果は明らかだ。彼は政治の世界の鼻つまみ者になった。あるテクカンファレンスで、一人の国会議員が彼の就職斡旋依頼を断固として断っている様子を、たまたま目撃したことがある。

村八分にめげなかったKhannaは、一匹狼として彼のオープンインフォメーションメッセージを発言していった。当然ながら彼が向かったのは、議会ではなく報道機関だ。彼はAtlantic紙の署名論説”The Most Ridiculous Law of 2013 (So Far): It Is Now a Crime to Unlock Your Smartphone“(2013年の今、もっとも滑稽な法律: 自分のスマートフォンをアンロックすると犯罪になる)を書き、なんとそれは、Facebook上で58000のLike(いいね!)を集めた(ざっと推定すると、ビュー数は100万を超えたと思われる)。

unknown friends in high places

高い所から未知の友が

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関心の高まりに乗じて彼は、その期せずして入手したセレブの地位を、Sina Khanifarに貸し出した。Khanifarの、携帯電話のアンロック禁止をやめさせよ、という陳情が、ホワイトハウスを動かし始めていた。今の合衆国の著作権法は、人びとがすでに所有している電子製品にも適用される。AT&TのiPhoneに関するサービスのひどさにうんざりしたユーザは、違うキャリアに乗り換えるための“アンロック”という方法を見つけた。そして、携帯電話のアンロックは向こう6年間著作権法の対象外、としていた国会図書館が今年突然、心変わりをした。

草の根コンビは、これまで多くの人が失敗したことに成功した。陳情の署名が、政府が公式にその陳情に対応しなければならない数である10万を超えたのだ。ホワイトハウスも、儀礼的な返答ではなく、その陳情を支持するという大胆で前向きな宣言を発表した

ホワイトハウスのシニアアドバイザーR. David Edelmanはこう書いている: “ホワイトハウスは、消費者は犯罪や処罰の危惧なく自分の携帯電話をアンロックできるべきだ、と信ずる11万4000名あまりのみなさまと同じ考えです。ご自分のモバイル製品の代価をご自分で払い、特別なサービス合意事項やそのほかの義務事項が契約中にない場合には、その製品をほかのネットワークで使えるべきです。それは常識であり、消費者の権利を守るための重要事項であり、また、活発な競争のあるワイヤレス市場が革新的な製品を生み出し、消費者のニーズを満たす堅実なサービスを提供していくためにも重要です”。

おそらくコンテンツ業界のロビー活動家たちは自覚していないと思うが、今のオバマ政権内部には、KhannaやKhanifarらの同類と言っても過言ではないオープンインフォメーションの擁護者たちが山のようにいる。ソーシャルメディアを活用する画期的な選挙戦を成功させたオバマ政権では、スタッフの多くが(そしてインターネット業界にいるスタッフの友人たちが)、選挙戦がそうであったように、政府自体をもインフォメーションフレンドリーにしよう、という合唱に参加しているのだ。

そもそも、ホワイトハウスの陳情システムであるWeThePeopleも、オバマが自分の政権をより参加性に富んだものにするために起用して、彼らのために特別の部署まで作った、テクギークたちの脳が産み落としたものだ。一部の陳情には言葉だけで応じたり、記者団相手のようなはぐらかしをすることもあるが(マリファナを合法化せよなど)、オープンインフォメーションの支持に関しては非常に強力で明白だった。

つい先月には、ある陳情に応えて、1億ドルというぞっとするような金額を国が金を出した研究にはオンラインで無料/自由にアクセスできるための環境作りに配分した。従来は、政府の研究資料でも高価な有料データベースからしか見られなかったのだが。

Khannaは結果的に、ホワイトハウスの中に自分の仲間を作った。皮肉なことに、二つの集団がブログやオンラインのツールを通じてオープンに結びつき、力を 発揮できたのは、彼が無公示状態でクビになったおかげだ。彼が殉教者にならなかったら、今の熱気はなかっただろう。そしてその圧倒的な大衆の支持と、前向きに応えざるを得ない今の状況がなかったら、ホワイトハウスも政策の処方箋を与える決断を、しなかっただろう。

going for the jugular

fixthedmca-org

敵の急所へ向かう

Khannaの仕事はまだある。次は消費者団体Electronic Frontier Foundationのような、有名な科学技術政策提言組織と組んで、本格的な著作権改革を開始しなければならない。両者はすでに、国会図書館のような政府機関が持っている特権を終結させるための動きを開始している。そのためには、その特権を支えている事実上のデジタル著作権法、Digital Millennium Copyright Actを廃止または修正する必要がある。

国会図書館はすでに、ホワイトハウスの宣言を拒否しており、今後は強力なコンテンツロビーたちも拒否の唱和に加わるだろう。これからのKhannaらの敵は大金持ちで、団結力もあり、しかも鳴り物入りで派手な宣伝活動を展開するだろう。

その戦闘は、草の根活動家たちの気骨を試す。しかし結果の如何に関わらず、このデジタルのダビデがロビイストのゴリアテと戦う機会は、ギークな政府高官たちとの連合と、彼らの熱意を強力な声に変えたオンラインツールがなかりせば、あり得なかっただろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

企業にとってFacebookデザイン改訂の意味は、広告の大型化とページフィードの顕在化。しかし「友達のみ」のセクションも

Facebookが今日(米国時間3/7)大々的に発表した新しいニュースフィードでは、ユーザーの写真が大きくなったが、ニュースフィード中の広告も大きくなる。「われわれはユーザーがフィード内で見るあらゆるコンテンツを、今まで以上に没入的にする。これはあらゆるものが対象であり広告もそこに含まれる」とFacebookの製品デザイン責任者、Julie Zhuoは言った。Facebookページは「フォロー中フィード」のおかげでペーシビューが増えるかもしれない。しかし今回Facebookには、「Facebookページのない」フィードもできた。

Mark ZuckerbergをはじめとするFacebookの幹部らは、プレゼンの中で広告に関して一切言及しなかった。話をしたのは、Q&Aセッションで質問された時だ。

しかし、このデザイン変更が広告主に影響を与えるのはこの部分だ。FacebookはUIを整理整頓して、中央のフィードで多くのスペースを写真に与えた。企業は写真を載せたフィード広告を買えば、その写真も大きく表示される。これには、大型のホームページ全面広告や高級雑誌の広告を使い慣れている高級ブランドを呼び寄せる効果がある。

Facebook以外のウェブサイトは、自分たちのコンテンツを見せびらかす良い機会を得ることになる。Facebookは、Pinterestからシェアされたコンテンツが豪華に表示されるところを披露したが、これはこの画像共有サイトにとっても、そこからトラフィックを誘導されるEコマース店舗にとっても有難いはずだ。Zuckerbergは、Quoraをはじめ他のサイトにとっても後押しになるだろうと言った。シェアされたリンクに表示される抜粋が以前より長くなるため、内容のある優れたサイトは恩恵を受けるが、人々が勘違いしてクリックすることを狙った釣り見出しにとっては不利になるだろう。

Pinterest Share

さらにFacebookは、ユーザーが様々なコンテンツ別フィードを選べるようにした。これは、ユーザーがどのフィードを常用するかによって、ビジネスページやプロのライターを有利にも不利にもする。Facebookページのみの「ページフィード」は、格上げされて「フォロー中」フィードに名前が変わった。ここには、ユーザーが「いいね!」を付けたFacebookページやフォロー中の著名人の最新情報が流れてくる。これは、Facebookページやプロのコンテンツ制作者にとっては有利だ。なぜなら以前はFacebookが標準ニュースフィードをフィルターする方式のために、最新情報の一部しかユーザーの目に触れなかったからだ。これで情報に貪欲な人々にとっては、効率よく記事を見つける方法ができた。

一方で、Facebookの中にFacebookページや著名人の入り込めない領域もできた。友達のみフィードは、企業にとって特に問題だ。もしユーザーがこれを常用すれば、企業ページへの関心を表すために気軽にいいね!を付けたり、サードパーティーをパーソナル化したりしても、それらの記事をフィードで見なくてもよくなる。

全体で見れば、ユーザーにとっては選択肢が増えただけだ。企業発のコンテンツを見たければ、以前よりも簡単にそれが可能になった。見たくなければ、スキップできる。企業にとって後者は好ましいことではないかもしれないが、今回の改訂は人々がサイトで過ごす時間を増やし、Facebook体験全般を向上させる。これは、日々そして今後何年にも渡って、企業がユーザーに売り込む機会が増えることを意味している。、

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(翻訳:Nob Takahashi)

コミュニティサイトTopixは政治専門のサブサイトを作ってからトラフィックが急増

topix logo

Topixは、ローカルに限定したオンラインディスカッションのサイトだが、2004年にスタートし、そして昨年、トラフィックが一気に上昇した。CEOのChris Tollesによるとその原因は、政治を話題の中心にしたため、という。

トラフィックは2012年の1年間で前年比40%増加し、1月のユニークビジター数は1240万に達した。各月の一人の平均滞在時間は11.5分で、スマートフォンからの利用が多い。というか、トラフィックの半分以上はモバイルからだ。

2011年の時点ですでにTollesは、政治的なコンテンツがサイトのトラフィックを押し上げている、と語り、政治への関心をうまく利用するための戦略を見つけようとしていた。その結果ローンチしたのが、政治中心のサブサイトPolitixだ。ユーザはそこで、政治記事を共有したり、アンケートに答えたり、また嫌われ者にならずに堂々と政治ニュースに関する意見を述べたりできる。Tolles曰く、政治好きはFacebookでは典型的な嫌われ者だそうだ。

昨年は大統領選があったから、主な政治サイトはどこもトラフィックが伸びた。でもTopixの数字は選挙後の12月と1月でも成長傾向が変わらない(財政の崖とか歳出削減措置などで議論が沸騰したのかもしれない)。Tollesによると、2月も一日あたりのユニークビジター数は約100万だから、落ち込みはない。

同社はこのほど、新しい役員を任命した。一人目のMike Sawkaは同社に7年いた人で、今回、技術担当VPになった。もう一人のSchuyler Hudakは、2010年のカリフォルニア州知事選でJerry Brown候補の選挙参謀の一人だった人。彼は事業開発部長としてTopixに招かれた。

Tollesは売上の額を明かさないが、利益はずっと出ているそうだ。それなら買収のターゲットになるかな? 彼は答えて曰く、“話はいつもあるが、でもうちは長期構想で事業を育てている。今の時点では、買収されるか、どこかを買収するか、その可能性は半々ぐらいだ”。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

GoogleとMPEG LAがVP8ビデオコーデックのライセンス問題で合意, より安心して使える規格に

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Googleのビデオ圧縮形式VP8は、同社がかつてOn2 Technologiesから買収し、今ではパテントライセンスが無料で交付されるオープンスタンダードだ。しかしH.264のパテントとライセンスを管理しているMPEG LAはそのことを黙認せず、2011年には、パテントプールを作成しコーデックに関する特許侵犯でGoogleを訴訟する構えを見せていた。しかし今日(米国時間3/7)、MPEG LAとGoogleは、両者が合意に達したことを発表した。MPEG LAはGoogleに、“VP8と初期のVPxビデオ圧縮技術に不可欠な、11の特許所持者が保有している技法”のライセンスを交付する。

この合意は、それによってGoogleが、合意の範囲内にある技法をいかなるVP8ユーザにも二次ライセンスでき、また、次世代のVPxコーデックをもカバーするものだ。この契約の一環としてMPEG LAは、VP8のパテントプールを作る取り組みを中断する。Googleがライセンス料を払うことになったものと思われるが、合意の財務的詳細は公表されていない。

“Googleとの合意によってVP8が多くのユーザに可利用なったことは喜ばしい。”

MPEG LAの理事長兼CEO Larry Horn.

VP8をめぐる不確かさは、Google以外の企業等の採用を妨げていた。たとえばMicrosoftは、VP8をベースとして作られているGoogleのメディアファイル形式WebMを、同社のブラウザでサポートしていない。しかし、今や多くのブラウザベンダがサポートしているWebRTCは、コーデックとしてVP8を使用している。

“これは、VP8の広範な普及を目指して努力しているGoogleにとって、重要な達成点だ”、とGoogleの特許関連法務担当部長Allen Loが、今日の声明で述べている。

Googleの努力にもかかわらず、H.264は今でもビデオコーデックのデファクトスタンダードだ。しかしVP8がWebRTCの規格の一環であることは、オープンスタンダードの支持者たちにとって励みになる。またVP8の不確かさがなくなったことによって、MicrosoftもWebRTCを同社のInternet Explorerブラウザに、同社独自の規格に代えて採用するかもしれない。

ただし当面は、VP8コーデックハードウェアのサポートは乏しく、依然としてすべてのビデオ製品が、CPUの負担を軽減するためにH.264のコーデックチップを使い続けるだろう。

次世代のH.265とGoogleのVP9コーデックは共に、すでに開発が始まっており、今回の合意は今後のビデオコーデックの競合にさらに拍車をかけるだろう。だが、VP8をめぐる不確かさが消えたことによって、その採用が今後広まることも確実だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Facebook、内容別ニュースフィードを公開。写真、音楽、友達のみ、等々


今日(米国時間3/7)Facebook本社で、Mark Zuckerbergが最新版のニュースフィードを披露した。そこには「モバイルから始まった」デバイス間共通のデザインが使用され、フィードはコンテンツの種類別に分かれ、画像は大きくなった。フォトアルバムも没頭型に改訂され、シェアしたリンクのプレビューも大きくなった。

これらの変更は今日から公開され、数週間のうちに行き渡る予定だ。Facebookが好評不評のフィードバックを得られるよう、公開はゆっくりと慎重に行われる。ここに本誌がいち早く使ってみたビデオがあるので新デザインのルックスと使用感をご覧いただきたい。

他のニュースフィードの改訂としては、チェックインした場所の地図が大きくなり、人々がどこにいるかが正確に表示されるようになった。PinterestからFacebookへの投稿がより鮮明になり、Facebookでの見映えが「Pinterestで見た時に近く」なった。ビデオも大きく表示される。複数の友達が同じ記事をシェアした時は、記事の左側にシェアした友達の顔が表示される。

Facebookは、今話題のコンテンツも注目しやすくした。ファンは様々なニュースソースによる「テイラー・スウィフトに関する最新記事」を見ることができる。

Photos Feed

ユーザーがフィードを選べるようになった。FacebookのニュースフィードチームのChris Struhaがこの内容別フィードを披露してくれた。フィードは、ユーザーがチェックする頻度に基づいて並べ替えられるので、いちばんよく見るフィードをすぐに使える。ウェブ、モバイルの両方で提供される。フィードの種類は以下の通り。

  • 友達のみ:友達の書き込みだけを最新順に表示する
  • 音楽:友達が聴いている曲、新しくリリースされたアルバム、気に入りそうなアーティストの紹介など
  • 写真:写真だけ。Facebookに直接アップロードされたものだけでなく、Instagramなど他の写真アプリからシェアされたものも含まれる
  • フォロー中:ページフィードの改訂版で、いいね!を付けたFacebookページの記事をすべて表示する
  • ゲーム
  • 親友
  • 趣味・関心、友達リスト

Feed List

Mark Zuckerbergはこう説明した。「パーソナルなレベルで、われわれは利用者が気にかけている人々や友達のことを見たり感じたりできるサービスを作っている。われわれの目標は、世界中の人たちにパーソナル化された新聞を届けることだ。新聞には1面が必要で、そこから興味のある記事を堀り下げていけるべきだ。ビジュアルで、リッチで、魅力的であるべきだ。単なるテキスト以上のものが掲載されるべきだ。開始当初からニュースフィードにおけるわれわれのゴールは、他のどんなサービスが提供しようとしてきたものとも異っていた。ユーザーが望めばどんな種類のコンテンツでも・・・そしてどんな視聴者に向けてもシェアできるべきだ。写真が伝えるものは全く別物だ」

誰もがポケットの中にカメラを持っている今、ニュースフィードの主役はビジュアルなコンテンツだ。ニュースフィードのコンテンツは50%近くがビジュアルだ。Facebookページのコンテンツがニュースフィードに占める割合は30%近い。誰もが友達とシェアしたいが、興味のあるメディアやアーティストや世界のリーダーたちの最新情報も見たがっている。

今回の新機能は、数日前私が記事で予想したものに近かった。ウェブの新デザインが届いたユーザーには、ニュースフィードの上部に切り替えボタンが表示される。公開は今日から始まるが、数週間数ヶ月をかけて徐々に広まっていくだろう。Facebookモバイルアプリのアップデートは数週間のうちに公開される。

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(翻訳:Nob Takahashi)

Lumio ― 美しく装丁された書籍のような外観を持つランプ

lumioKickstarterでの素晴らしいプロジェクトというのは、非常にシンプルなものであるケースが多い。今回ご紹介するLumioも、やはりシンプルな美しさをまとったものでると言える。木製のカバーのついたハードカバー書籍のような姿をしたランプだ。灯りをともすには、その書籍風のカバーを開く。もちろん閉じれば灯りは消える。誰でもわかる仕掛けに、万人が認める美しさを備えているプロダクトだ。

Lumioを考案したのは建築家兼デザイナーであるMax Gunawanだ。彼はコンパクトカーに搭載できるモジュラー型住宅を作ろうと考えた。しかし、ワーキングプロトタイプを作るにもかなりの費用がかかることがわかった。そこで彼は、まずは他のプロダクトを世に出すことを決意したのだった。

「モジュラー住宅をひとまずおいておいて、コンパクトさという特徴を引き継いだ折りたたみ式ランプを作ることにしました。スケッチブックのように折りたためるランプを作りたいと考えて、今のデザインが頭に浮かんだのです」とMaxはKickstarterページに記している。「こうしてLumioが生まれたのです」。

LumioはLEDで灯りをともす。フル充電時で8時間の点灯が可能となっている。カバーはダークウォルナット、ウォームチェリー、そしてブロンドメイプルが用意されている。カバーには磁石が埋め込まれており、Lumioは金属部分に容易にくっつけることができるようにもなっている。

Kickstarterページでこれまでに調達できた額は40万ドル。当初は6万ドルが目標であったので、これを大きく上回ることとなった。投資募集期間は残り僅かだ。今回の募集に応じてLumioをゲットするならば、すぐに申し込みをした方が良さそうだ。

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(翻訳:Maeda, H)

Internet Explorer反トラスト審判がやっと決着, Microsoftは$731Mの罰金刑を控訴せず

Flag of European Union

欧州委員会(European Commission, EC)が今日(米国時間3/6)、MicrosoftのInterenet Explorerブラウザの配布形式をめぐる反トラスト法違反に対して5億6100万ユーロ(7億3100ドル)の罰金を科す、と発表した。そしてMicrosoftは謙虚にも、これに対する公式声明として、 その違反の原因となった“技術的エラー”に対して“全責任”を負う、控訴をしない、と述べた。

これまでMicrosoftは反トラスト法違反に関して欧州委員会の決定をことごとく控訴してきたから、今回は180度の態度転換となる。その理由はおそらく、最近(7月)に行った控訴が不発だったことと、最近の同社が巨悪というイメージを払拭しようとしているからだろう。本誌TechCrunchも、今回、控訴は“ほとんどありえない”と見ている。判決に対する声明の全文は、こうだ:

“弊社はこの問題を起こした技術的エラーに関して全責任を負い、それに関した謝罪をした。弊社は委員会に、状況の完全かつ率直な評価を提供した。また弊社は、弊社のソフトウェア開発とそのほかの業務工程を強化して、このような過誤の再発を防ぐための施策を講じた。

今回の審判には数か月を要し、10月には公式の告訴状が委員会に提出されていた。

ECのこの判決は、ある意味では死に馬をむち打つようなものかもしれない。このところのヨーロッパでは、Internet Explorerはブラウザの首位の座をFirefoxに脅(おびや)かされていたし、また両ブラウザは昨年半ば以来、 Chromeに敗退している(グラフ)。いずれにしてもMicrosoftは、もはやユーザのマインドシェアにおいても支配力を失い、スマートフォンなどの新しい戦場では、はるか後方に取り残されていた。しかし今なおWindowsはもっともユーザ数の多いデスクトップPCのプラットホームであるため、今後とも、Microsoftがその地位を利用して自己製品の利用促進のために行ういかなる行為も、注視に値する。

今回の罰金刑は、Microsoftが今とは違う位置にいた2011年2月から2012年7月までの間に起きたことに、関連している。その頃はすでに、EUによる反トラスト法違反に関する調査は、ブラウザをオペレーティングシステムに同梱する同社のやり方にまで立ち入っており、そしてその調査により、同社がWindows 7を、Internet Explorerを選択肢の一つとしてユーザがオプトアウトできるための、分かりやすい方法を与えることなく、配布していたことが明らかとなった。ECによれば、およそ1500万人のユーザがこの欠陥の被害者となった。

しかし今やその欧州委員会も、Microsoftの時代が過ぎ去りつつあることを、一般的な世間知として認めているようだ。今日行われた記者会見で、委員会の競争政策担当主幹Joachin Almuniaは、違反…Microsoftの言葉では技術的な欠陥…が生じた期間について述べるとき、やや言葉を慎重に選びながら、“これは今後二度とないことであり、今回の判決に限ってのことだが、判決の財務的な受益者はMicrosoftだ”、と述べた。この判決でいちばん得をするのはMicrosoft自身だ、と。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

信頼を勝ち取るために、Facebookはニュースフィードの変更をGoogle PageRankのように公表すべきだ

ネガティブな報道とユーザーの混乱が多すぎる。それはFacebookがニュースフィードを黙っていじった結果だ。Biltonゲート事件が我慢の限界だった。Facebookは公開ニュースフィードのアルゴリズム変更に関する情報提供を、GoogleがPageRankで行っているようにするべきだ。Facebookは、フィードをいじることがユーザーに役立ち、もっと広告を売るためではないことをユーザーを説得すべく、教育と透明性が必要だ。

Facebookは綱渡り状態にある。彼らは、マーケター、コンテンツ制作者、アプリ開発者、会社の利益、そして何よりも大切なユーザー体験のバランスを取らなくてはならない。時と共に、その権力、普遍性、富、そしてプライバシー問題のために、人々は何かの変更を見るそはから最悪の結果を想定するようなってくる ― Facebookはもっと個人情報を搾取してもっと稼ぎたいだけだ。

それは半分だけ正しい。データと金が欲しいのは間違いない、しかしFacebookは基本的に使命に駆られる会社た。Facebookの記事を書いて3年間、数十人もの従業員をインタビューし、サンフランシスコでの出来事も知り、私は彼らが世界をもっとオープンで繋がったものにしたいと本気で考えていると、心から信じている。

そうすることは、もっと個人情報をむさぼり金を稼ぐことを意味している。そのデータはサービスをパーソナル化するために使われ、お金はそれを作る人を雇うために使われる。しかし注目すべきなのは、彼らが使命を果たして財を成す唯一の方法は、ユーザー体験を最優先させることだという事実だ。もし広告主やバイラルアプリの開発者がFacebookを支配するようになれば、数年後には彼らが広告を見せたりアプリを売ったりする相手がいなくなってしまう。

このため、Facebookがニュースフィードを変える時、それはエンドユーザーの利益のためである場合が普通だ。問題は、多くの場合にそれがFacebookページ管理者やプロのコンテンツ制作者、例えばNew York TimesのNick Biltonの犠牲を伴うことだ。Facebookは、ユーザーがいいね!をつける可能性の高い記事がニュースフィードに流れるよう、アルゴリズムに変更を加える。それは読者の数を求めるジャーナリストや企業ページの記事が減ることを意味する場合もある。

transparency over fearFacebookは、そうした変更を加えた理由を伝えるやり方が下手で、変更も黙って行ってきた。いずれも人々に、欲深さのためであると思わせた。Facebookはこれに関して昨年夏以来大きな問題を抱えてきた。スパム通報されたFacebookページに対する罰則を強化し、全般的にファン1人当たりのいいね!が少ないFacebookページのリーチを減らした。同時期に、Facebookページがより多くのユーザーにリーチできるプロモーテッドポストを導入した。人々は直ちに、Facebookはプロモーテッドポストを買わなければリーチを減らすと言ってFacebookページを脅していると言って、彼らを非難した。Dangerous Mindsのあるブログ記事(右に貼ってある)は、Facebookを「史上最大のおとり商法」と呼び、16万2000件のいいね!を得た。

実際には、元々FacebookはスパムまがいのFacebookページを排除しようとしていたし、プロモーテッドポストは、ずっと以前からあるスポンサー記事を簡単に買う方法の一つにすぎない。仮にアルゴリズム変更と広告が関係していたとしても、意図的にフィードの質を下げることはFacebookの利益にならない。人々の読む量が減れば、プロモーテッドポストから得た収益は利用量の減少によって打ち消されてしまう。

この問題は先週末Biltonが長文記事で、彼のフォロワーに表示される記事が1年前より減っていて、それはFacebookが広告を増やしたためであると示唆したことによって再び浮上した。Facebookは、一部の有名ライターのエンゲージメントが減っていることを認めたが、それはたまたまユーザーがBiltonの記事を見たくなかっただけであり、殆どの著名人は露出を増やしていると主張した。しかし、最終的にFacebookは、言うなれば世界最強の会社とは思えない防御的態度を取った。、

もしFacebookが、スパム対策や公開フィードのリーチに関するコミュニケーションで先手を打っていれば、こんな状態になることはなかっただろう。Facebookは既に気付いていると私は感じており、少なくともニュースフィードの主要なアルゴリズム変更を行う前にはアナウンスをするようになるのではないかと思っている。利用規約の変更についても書いたように、「人は理解できないことを恐れる」ものなので、Facebookのゴールは理解を深めるさせることにある。

Google Inside Search

Googleではうまくいった。彼らは数ヵ月毎に、「検索クオリティーハイライト:8、9月で65箇所を変更」のような記事を掲載して、PageRankに関わる数十箇所の変更を概説するので、ウェブマスターは自サイトのGoogle検索ランクが変動することを知る。

例えば、昨年8月に載ったある変更は「システムの精度と適用範囲を改善することによって地元ウェブ検索でより関連性の高い結果を得られるようにした。検索結果がユーザーの地元であることを識別する方法が改善され、適切にランク付けできるようになった」というものだった。これによって地元以外のサイト管理者は、Googleが地元を優先したために自分のトラフィックが減るかもしれないことを知る。

Facebookは、小さな変更を頻繁に行い、時としてフィードに大きな変更を加える。明日発表される新しいコンテンツ別ニュースフィードもその一つだ。この大型変更に関しては、リアルタイムの更新一覧や詳細な解説記事が出るかもしれない。あるいは、Googleのように定期的な変更一覧を公開すると共に、主要な変更点を発表するかもしれない。Facebookはこれらと同時に、そもそもなぜ変更するかを説明するユーザー教育が必要だ。理想的なトーンは、「私はユーザーのために戦う!」的で、かつマーケターやパブリッシャーや開発者に、利己的スパマーの罪を着せることのないもの。

陰謀論者を説得することはFacebookにとって容易な仕事ではない。その多くは企業は邪悪だと体質的に考えているだけだ。透明性の推進が唯一効果を発揮するのは、自分が勝ち企業が勝つための最優先事項は、そこを人々が喜んで時間を過ごす場所にすることであると、Facebookが人々に伝えられる時だ。

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Facebookのニュースフィードは、あてにならない贈り物

Facebook Admits Likes Are Down For Some Celebs

Facebook Will Launch Content-Specific News Feeds, Bigger Photos And Ads On Thursday

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(翻訳:Nob Takahashi)

ビデオカメラ付きのRaspberry Piは4月発売, カメラの性能を極限まで引き出すテスターを募集中

raspberry pi camera

超小型のコンピュータRaspberry Piが今後は、視覚を持つ。それは先月本誌もご紹介したビデオカメラ素子だ。この、デベロッパがビデオアプリケーションも作れる新型のRaspberry Piは、Pi FoundationのLiz Uptonによると4月発売だそうだ。

“カメラを載せた基板はすでに生産に入っている。4月中には発売できるだろう”、彼女はFoundationのブログにそう書いている。

そしてGoogle Glassのやり方に倣ってPi Foundationは、Piのカメラ機能を最高におもしろく活用できる、と名乗り出たテスターたち10名に、カメラ基板を無料で進呈する。それはGoogle Glassのように1500ドルという高値ではないし、とにかく無料進呈である。

カメラ基板をもらえるのは、“Raspberry Piのカメラボードの、すばらしくて、想像力に富んでいて、コンピュータの使い方としておもしろい使い方”を考えた人だ。Uptonによると、テストなのに難しいオマケが付いている、というもの。

彼女はこう書いている:

カメラを無料で進呈するのは、ちょっと難しいテストをやっていただきたいからだ。このカメラ基板をさし上げた方には、計算機が行う処理としては難しくて、想像力豊かな仕事を、やらせてみていただきたいからだ。つまり、Piのカメラを酷使して、とんでもないことをやらせ、そのパフォーマンスの限界を知るためのテストだ。そんなテストの結果、必要なら最終製品において新たな調整を盛り込む。想像力豊かな、とは、たとえば顔認識をやらせてみる、カメラ付きPiを2基使って立体画像(3D画像)を作る、視界におかしなものが入ってきたら、何かをする、といったこと。単に美しい画像や映像を撮影しただけでは、このたびのテストとしては不十分だ。Dave Akermanには、彼が撮っている物のクールさに免じて、一台進呈することにしたい。彼の、宇宙のPiなんか、ほんとにすてきな写真だ。

この、Piの視覚テストに参加してみたい方はiwantacamera@raspberrypi.orgにメールをする。自分はそれで何をやりたいか、を書くこと。これまで経験したプロジェクトの説明や、それのGitHub上のコードなども、履歴情報として良い。もらえるのはカメラが載ってる小さな基板だけだから、テストに参加する人は自分のPiをすでに持っていなければならない。

テストへの参加者は世界中の誰でもよい。郵便物の宛先も、明記すること…なにしろ今回はコードではなく、「物」をテストするのだから。なお、申し込みの締め切りは3月12日までだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

LifeBeamの自転車ヘルメットは心拍数をモニタする―戦闘機パイロット用テクノロジーを利用

lazer lifebeam

LifeBeamIndiegogoでスマート・サイクリング・ヘルメット製造の資金集めのキャンペーンを始めた。ヘルメットにはセンサーが組み込まれ、ユーザーの心拍数がモニタできるというものだ。

LifeBeamはイスラエルのスタートアップで、これまで宇宙飛行士やジェット戦闘機のパイロットの身体状態をモニタするハイテク・システムの開発を行なってきた。これまではかさばるモニタ装置を胸にくくりつける必要があったわけだが、LifeBeamでは自社で開発した特別なセンサーをヘルメットに組み込んで心拍数その他の重要な身体情報を読取らせることに成功した。

そこでLifeBeamチームは「このテクノロジーを組み込んだサイクリング用ヘルメットを作ったらどうだろう?」と考えたわけだ。

適切にもSMARTと名付けられたこのヘルメットにはLifeBeamのセンサー組み込まれ、モニタされた情報はBluetoothを介してスマートフォンやフィットネス腕時計などのデバイスにリアルタイムで送信される。

LもちろんifeBeamにはサイクリング・ヘルメットの開発の経験はなかったから、その部分はサイクリング用品で人気のメーカー、Laser Sportに委託した。LifeBeamが首尾よくIndiegogoで資金の調達に成功すれば製造を開始することになっている製品は外見もなかなかスマートだが、搭載されているセンサーは最先端のテクノロジーだ。

「世界で最初のスマート・サイクリング・ヘルメットを開発できてとてもうれしい。LifeBeamの独自のセンサー・テクノロジーとLazer Sportがデザインしたヘルメットが組み合わされて、心拍数と運動状態を連続的にモニタできるシステムが完成した」」とLifeBeamはIndieGogoのプレゼン・ビデオで語っている。

LifeBeamは現在5万ドルの資金を集めようとしている。予約金149ドルで最初のSMARTヘルメットの1つが手に入る。サイクリング・ファンならこれは欲しいだろう。IndieGogoのページはこちら

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+

さあ陶芸を始めよう―デザインした器が3Dプリントされて木箱に入って届く

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Let’s Create! PotteryはiOSとAndroid向けのとても面白いゲームだ。ユーザーはバーチャル陶芸が楽しめる。私もこのゲームで陶器のコレクションを作ったが、これが本物になればいいのにと何度も思ったものだ。

それが3Dプリント・テクノロジーのおかげで本当にできるようになった。

ゲーム中ではこれまでと同じように壺などを作って彩色することができる。

作品が仕上がると、「プリント」という新しいオプションが現れる。このページに行くとフランスの3Dプリントの専門会社、Sculpteoに注文を出すことができる。

小サイズの壺(高さ5センチくらい)なら14ドル(6ドルの送料込み)だ。大きなサイズになると値段もそれなりに高価になる。中サイズ(10センチ)だと30ドル、大サイズ(15センチ)だと100ドル前後だ。

Let’s Create! PotteryがTechCrunchに見本を送ってくれたが、3Dプリントの壺はかわいらしい木箱に入っていた。蓋を開けると干し草がパッキンとして詰めてあった。洒落ている。

3Dプリントはもうすぐ、家全体自動車まで作るようになるということだが、なんといっても小さいものを作るのが得意なのだということを思い出させるサービスではある。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+

YouTube、有料音楽サービスを準備中

youtube

YouTubeは定期購読モデルによる音楽サービスの提供を考えていることを認めた。Fortuneは「ユーザーが広告なしで曲を再生することができるかもしれない」と報じた。サービスの開始は今年中を予定しているもようだ。

世界最大のビデオ・ストリーミング・サービスであるYouTubeは運営をもっぱらバナー広告の販売に頼っている。ビデオの開始時に挿入される広告収入からレコード会社への著作権料を支払っているわけだ。

YouTubeはForbesの記事に対してコメントを発表し、 有料音楽サービスを準備していることを認めたが広告が表示されなくなるという点については否定した。

噂や推測についてはコメントしないのがわれわれの方針ですが、この件については、広告収入に加えて有料サービスによる収入を希望するコンテンツの所有者もいるため準備を進めているところです。

YouTubeは本格的な音楽プロバイダへのステップアップを計画しているように感じられる。私自身、ある曲を今すぐ聞きたくなったらまずYouTubeに行く。たしかに音質、画質はベストではないかもしれないが急場をしのぐ役には十分たつ。有料サービスとなれば高音質の曲が提供されるだろうし、そうなればYouTubeもWarner Music(ストリーミングで曲を提供している)なみのハイレベルな音楽サービスとなる。

Googleはすでに多数の音楽の著作権保有者と契約を結んでいる。昨年11月には世界最大の音楽著作権協会の1つ、Armoniaと契約を交わし、35カ国の550万曲が利用できるようになった。

長期的に見るなら、GoogleはYouTubeとGoogle Playも連携も図るつもりかもしれない。昨年11月にGoogleはiTunes Matchに対抗して、scan and matchという機能をリリースした。ユーザーは2万曲についてローカルの音楽コレクションをGoogleのクラウドからモバイルデバイスのストリーミングさせて楽しむことができる。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+

膨大なデータを活用してさまざまなモノを比較するFindTheBest、1100万ドルの資金を追加調達

findthebestDoubleClickのファウンダーであるKevin O’Connorが運営する、データドリブンによる比較サービスを提供しているFindTheBestが、シリーズBにて1100万ドルの資金を調達した。今回のラウンドをリードしたのはNew World Venturesで、Montgomery & Co.および以前から出資しているKleiner Perkins Caufield & Byers、そしてO’connorも資金を提供している。これによりFindTheBestの合計調達額は1700万ドルとなった。

FindTheBestの狙いは非常にシンプルなものだ。製品やサービスを比較して、どちらが良いのかを示すことが目的のサービスだ。この分野には数多くの競合サービスが進出しているが、FindTheBestでは「データドリブン」による比較を行い、かつ結果の「パーソナライズ」ができることをうりにしている。FindTheBestではさまざまな観点からの比較が行えるように、可能な限りのデータを集めようと努力している。

たとえば大学の比較を行う場合、大学の合格率、SATスコア、学費など、さまざまな気になるポイントから比較することができる。以前にも記事にしたことがあるが、データは政府登録資料などの信頼出来るものを多く集めており、また他のデータについても出典を示して透明性を担保している。さらにどのデータを基準にするかなどの操作を行うこともでき、当然ながらそれにともなって「ベスト」と表示されるものは変化する。情報開示:TechCrunchでもFindTheBestのデータを活用している。

情報には一般に公開されたものや、サードパーティーからの評価、製造元やベンダーのウェブサイトからのもの、専門家や利用者による評価などが含まれている。そうしたデータを表形式で提示して、比較するもののフィルタリングや評価情報の確認を行う。また、昨年には新機能を導入して、利用者からの指示に基づいたパーソナライズ機能も実現している。

また、FindTheBestは、同サービスが収集する各種情報を多角的に活用しようともしている。たとえば、さまざまな分野のデータを比較閲覧するためのFindTheDataや、アメリカ国内の企業や組織に関連するデータを読み解くFindTheCompany、貸家やさまざまなアイテムないしペットなどのリスティング広告を比較するためのFindTheListing、そしてまたクーポンやプロモーションコードなどを探すためのFindTheCouponsなどのサイトも運営している。

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O’Connor曰く、今の時代は「データ」というものに大きな注目が集まっているが、データが存在するだけでは意味がないのだと主張する。カテゴライズされて、きちんと分類されてこそ有用なデータとして機能するのだとのこと。そしてデータを有用なものとして、意思決定のための道具として使えるようにすることを、FindTheBestは行なっているわけだ。

FindTheBestの対象は大学から医者、ファイナンシャルアドバイザー、犬のブリーダーなどから三行広告(classified ads)などに広がってきた。今では企業、教育、エレクトロニクス、ヘルス、ホーム&ファミリー、車、ソフトウェア、スポーツ&リクリエーション、そして旅行&ライフスタイルなどのカテゴリが用意されており、さらに広げていく予定となっている。

今回の調達資金は当たらなマーケットセグメント参入のためや、あるいは国際展開、マネタイズのための仕組み作りなどに用いられるのだそうだ。

原文へ

(翻訳:Maeda, H)