カテゴリー: SEO(検索エンジン最適化)
SEO (Search Engine Optimization)
検索エンジンの検索結果のページの表示順の上位に自らのWEBサイトが表示されるように工夫すること。
また、そのための技術やサービスです。
現在、SEOはWEBにおけるマーケティングの主流となっています。
WEBサイトがこうも多くなってしまうと、SEOを施さなければユーザーにとって発見しがたいサイトとなってしまいます。
ここではSEOに関連したニュース・情報をまとめています。
WEBマーケティングに関係する情報もこちらで提供します。
【無料ダウンロード】「2020年のSEOガイド決定版」をリリースしました
こんにちは、SEO Japan編集部です。
昨年、SEO Japan編集部では、Backlinkoによる2019年のSEOガイドを翻訳し、ホワイトペーパーとしてリリースいたしました(2019年 SEOガイド決定版)。
結果、リリース当初から好評を博し、現在でも毎日ダウンロードされるほどの人気コンテンツとなっております。
そして、今年も昨年に引き続き、SEO Japan編集部による翻訳を行い、「2020年のSEOガイド決定版」をリリースいたしました。←リンク貼る
SEOの基本を押さえつつ、2020年のトレンドにも触れた濃い内容となっております。
ぜひSEOに取り組む際の参考としていただければ幸いです。
※翻訳元であるBacklinkoに許可をいただいてのリリースとなります。
ホワイトペーパーの目次
- ドメインオーソリティ2.0
- 画像検索の台頭
- 動画の急増
- 音声検索への最適化
- 強調スニペットへの最適化
- 検索意図をマスターする
- CTRの減少にあらがう
- 被リンクは依然として重要
- 2020年のSEOへのアドバイス
ダウンロードはこちら
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SEO Japanでは、SEOやCRO(コンバージョン率最適化)を中心としたメールマガジンを2週に一度、木曜日に配信予定です。
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投稿 【無料ダウンロード】「2020年のSEOガイド決定版」をリリースしました は アイオイクスのSEO・CV改善・Webサイト集客情報ブログ|SEO Japan に最初に表示されました。
カスタマージャーニーに違和感を感じる人必見!Carlijn Postmaが提唱するオーディエンスジャーニーとは?
【2020年1月】Googleコアアップデートの最新データ【各ツール会社による調査データ】
今回は2020年1月13日にロールアウトされた、Googleコアアップデート(January 2020 core update)の影響調査の記事となります。
Search Engine Landのバリー・シュワルツ氏が各ツールベンダーから意見を募り、それらをまとめてくれています。米国のツール会社のため、日本の実態とは異なる可能性がありますが、今回のアップデートもグローバルに展開されているため、一見の価値はあると思います。
ロールアウトから2週間ほど経ちますが、自身のサイトの状況と比較してみてはいかがでしょうか。
我々はデータプロバイダーのいくつかに声をかけ、「今回のコアアップデートの影響をどう見ているか」の洞察を提供してくれるよう求めた。
GoogleのJanuary 2020 core updateのロールアウトはほぼ完了している(参考)。
我々は、いくつかのデータプロバイダーへ、Googleのアップデートに関する彼らの発見や洞察を送ってもらうよう依頼した。彼らの意見は「今回のアップデートは大きく、多くのWebサイトに影響を与えている」として、一致している。
最新のGoogleコアアップデートに関するいくつかの事実
Googleから与えられた情報で明らかになっていることをまとめよう。
最新のGoogleコアアップデートは1月13日(月)の12:00PM(東部標準時)あたりでロールアウトを開始させている。
このロールアウトは、1月16日(木)の午前に、「ほぼ完了した」とのことだ。
さらに、今回のアップデートはグローバルに行われており、特定の地域・言語やWebサイトのカテゴリーを対象としていない。つまり、「広範囲に渡る、コア・アップデート」であるということだ。
各ツール会社が示しているデータ
我々はサードパーティのデータ提供企業に対し、「今回のアップデートについて、どのようなデータとなっているか」という質問をしている。
RankRanger
RankRangerのモーディ・オバースティン氏は「YMYL(Your Money, Your Life)の領域が大きな影響を受けている」と述べている。さらに、「今回のアップデートは大規模だ」と、付け加えた。
「健康と金融の領域の検索結果の上位に大きな動きがある。また、上位10位を見てみると、全ての領域で変動幅が大きくなっている」としている。
下記は、業界ごとの変動と順位推移のチャートである。
- 旅行
- 小売
- 金融
- 健康
「私が観測しているデータによると、おそらく12月6日のアップデートの対象となっていた小売業界を除き、今回のアップデートは領域を拡大しており、あらゆる順位のサイトに影響を与えている」とモーディ・オバースティン氏は述べている。
「しかし、アップデート期間の上位10位のサイトを対象とすると、小売業界も12月に観測されたほどの数値となっている。」
SEMRush
SEMRushのユリア・イブラギモヴァ氏は「今回のアップデートは非常に大規模であり、ほぼ全てのカテゴリの領域で変動が見られる」と述べている。
「SEMRushのデータによると、最も変動していたカテゴリは、スポーツとニュースの領域を除けば、オンライン・コミュニティ、ゲーム、アート&エンターテイメント、そして、金融の領域だ。」
しかし、ユリア・イブラギモヴァ氏は、全てのカテゴリで大きな変化が起きており、「今回のアップデートは特定のトピックを狙ったアップデートではないと見ている」と伝えてくれた。
SEMRushのデータはこちらで確認することができる。しかし、彼らは追加のデータを送ってくれた。
下記は、それぞれのカテゴリの数値をモバイルとデスクトップで分けた表である。
SEMRushによる、今回のアップデートで大きく上昇したサイトは、下記である。
※注:海外のサイト
- Dictionary.com(英語の学習サイト)
- Hadith of the Day(イスラム)
- Discogs(音楽データベース)
- ABSFairings(バイクの販売)
- X-Rates(為替)
- TechCrunch(ITニュース)
- ShutterStock(写真素材)
- 247Patience(テーブルゲーム)
- GettyImages(写真素材)
- LiveScores.com(スポーツ情報)
また、大きく下降したサイトは、下記である。
- mp3-youtube.download(YouTubeの音源をダウンロードできる)
- TotalJerkFace.com(ゲーム)
- GenVideos.io(動画サイト)
- Tuffy(自動車修理)
- TripSavvy(旅行情報)
- Honolulu.gov(ホノルル)
- NaughtyFind(マッチングサイト)
- Local.com(都市の情報サイト)
- RuthChris(飲食・ステーキハウス)
- Local-First.org(ローカルコミュニティ)
Sistrix
Sistrixのヨハネス・べウス氏は今回のアップデートについての分析記事を投稿している。
彼は以下のように述べている。
「YMYL(Your Money, Your Life)のトピックに関連するドメインが検索アルゴリズムによって再評価された。
全体として、ビジビリティ(可視率)を伸ばしたサイトもあれば、失ったサイトもある。以前のコアアップデートで影響を受けたドメインの方が、より影響を受けている傾向がある。明確な変動は、アップデートの度に見られなくなっているようだ。
Googleは自身の算出への確信を強めており、過去の算出から大きく逸脱することはなさそうだ。」
下記に今回の変化を表しているSistrixのデータを記載する。
Sistrixによる、今回のアップデートで大きく上昇したサイトは、下記である。
- goal.com(サッカーニュース)
- onhealth.com(健康情報)
- CarGurus(自動車販売)
- verywellhealth.com(健康情報)
- Fandango(映画のチケット販売・情報)
- Times Of Israel(イスラエルのニュース)
- Royal.uk(イギリス王室のニュース)
- WestField(観光)
また、大きく下降したサイトは、下記である。
- CarMagazine.co.uk(自動車ニュース)
- Box Office Mojo
- SkySports(映画ニュース)
- ArnoldClark.com(自動車販売)
- CarBuyer.co.uk(自動車販売)
- History Extra(歴史)
- Evan Shalshaw(自動車販売)
- NHS Inform(健康情報)
SearchMetrics
SearchMetricsの創業者である、マーカス・トバー氏は次のように述べている。
「1月のアップデートは”あなたは誰であるか”という観点によって、良い・悪いという判断の変化を戻したように思える。低品質なコンテンツに罰を与えるものと、GoogleがYMYLを強化するものとは、それぞれ別のコアアップデートだ。
2019年の3月や9月と同じほど多くのページに影響を与えていないようだ。しかし、特徴は似ている。」
下記は、SearchMetricsが共有してくれた具体例である。
Onhealth.comは、2019年3月のアップデートでは良い結果を手にし、2019年9月のアップデートでは悪い結果を手にしている。そして、2020年1月のアップデートでは再び良い結果を手にしている。
Verywellhealth.comは、複数のコアアップデートで悪い結果となっている。
Draxe.comは、良い結果を得ている場合も、悪い結果を得ている場合もある。今回のアップデートでは+83%と大きな良い結果を得ているが、以前のアップデートでは大きな悪い結果を得ている。
Sistrixによる、今回のアップデートで大きく上昇したサイトは、下記である。
- esty.com(確認不可)
- cargurus.com(自動車販売)
- verywellhealth.com(健康情報)
- overstock.com(家具販売)
- addictinggames.com(ゲーム)
- onhealth.com(健康情報)
- bigfishgames.com(ゲーム)
- health.com(健康情報)
また、大きく下降したサイトは、下記である。
- tmz.com(ニュース)
- academy.com(スポーツ・フィットネス)
- kbhgames.com(ゲーム)
- orbitz.com(旅行)
- silvergames.com(ゲーム)
- autolist.com(自動車販売)
- etonline.com(エンタメニュース)
- trovit.com(不動産・車・求人の総合検索サイト)
- pampers.com(ベビー用品)
アップデートによって悪い影響を受けてしまった場合の対処法
コアアップデートによって悪い影響を受けてしまった場合にどうするべきか、Googleはそのアドバイスを共有してくれている。
しかし、回復のための特別なアクションがあるわけではない。実際、順位状況が悪くなったからといって、あなたのページに不備があるとは限らない。
しかし、コアアップデートにヒットした場合に考慮すべき質問のリストをGoogleは提供してくれている。
なぜ、我々はコアアップデートを受けて思考すべきなのか
アルゴリズムの変更にヒットされた場合、そのリカバリのための特別な方法を見つけることは困難だ。コアアップデートについては、特にそうだろう。
こうしたデータや過去の経験やアドバイスが示すことは、「コアアップデートは広大で、全体的な品質の項目を多くカバーしているようだ」ということだろう。
今回紹介したデータは、この考えをさらに強化するものであると考えている。
そのため、もしあなたのサイトがコアアップデートの影響を受けた場合、状況を離れた場所から見てみたり、サイト全体を俯瞰して見てみたり、サイト全体を改善するために何ができるか、それを考えてみることが必要だろう。
それぞれのツールがそれぞれのデータを見ているため、出される見解が完全に一致することはありません。それでも、「今回のアップデートの規模は大きい」と「YMYL領域が特に影響を受けている」という点は一致していると思います。
また、「特定の領域・項目・特徴に限っていない」という点もますます強くなっていると思われます。その結果、さらに「これを直せば良くなる」と言うことが難しくなっているのは確かでしょう。
ユーザーのために何ができるのかを常に考え、少しでもサイトを改善していくことが、コアアップデートに対する一番の「対策」であると、改めて感じさせる記事でした。
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新人ウェブマスター向け動画シリーズ: 初心者のための検索講座(日本語字幕あります)
最新の動画シリーズ「初心者のための検索講座」をご紹介いたします。このシリーズは、主に新人ウェブマスターをサポートする目的で作成されました。また、検索に興味のある方や、ウェブおよびオンライン プレゼンスの管理方法を学習中の方であれば、どなたにも参考にしていただけます。
Google は、ウェブマスター コミュニティの発展を願っています。毎日、数多くの人たちが、新たなウェブマスターとしての第一歩を踏み出し、検索の仕組み、ウェブサイトのパフォーマンスを上げる方法、検索で見つけやすくする方法を学ぼうとしています。ウェブに関する事前知識や基本的理解がないと、従来のコンテンツでは、どこから始めればよいかわからない、敷居が高い、と感じてしまうことも多かったのではないかと思います。Google Webmasters の YouTube チャネルでも、基本的な知識を説明する動画であるほど視聴回数が多くなっています。また、ウェブマスター上級者にも、クライアントや関係者にオンライン プレゼンス管理の重要なコンセプトを説明するためのコンテンツとして、基礎情報の動画が必要とされています。
Google では、ウェブサイト管理の経験年数にかかわらず、すべてのウェブマスターの成功を支援したいと望んでいます。また、新人ウェブマスターのサポートをより充実させたいと考えており、この動画がその実現に寄与することを願います。この動画は、全編アニメで構成されています。動画の言語は英語ですが、日本語の字幕を表示できます。動画右下隅の [設定] アイコンをクリックして、メニューから [字幕] を選択してください。
シリーズ紹介:
「初心者のための検索講座」動画シリーズでは、「ウェブサイトは必要?」や「自分のウェブサイトの目標は?」といった基本的なオンライン プレゼンスのトピックから、「Google 検索の仕組み」、「説明行を変更する方法」、「Google の誤ったアドレス情報を変更する方法」など、オーガニック検索関連のトピックまで取り扱っています。実際、これらのトピックについては、フォーラム、ソーシャル チャネル、世界中のイベントで、たびたび質問をいただいています。
経験豊富なウェブマスターの皆様は、これらのビデオを、クライアントへの説明やプレゼンの補助としてご自由にお使いください。アイデアや参考になった点などの共有も歓迎します。他のユーザーがその知識と経験を活用できるように、各動画のコメント欄で発信してください。
Google Webmasters の Twitter をフォロー、または YouTubeに登録して、今後の動画に関する情報をご確認ください。およそ 2 週間に 1 回、このシリーズの新しい動画をこちらのプレイリストに追加する予定です。
【大阪・東京開催】バズ部式!メディアに必要なキーワードの決め方と短期間で検索流入を5倍以上に増やすタイトルの作り方講座
これだけは理解しておきたい!2019年 SEO NEWS振り返り
遅ればせながら…明けましておめでとうございます。SEO NEWS担当の青木です。
今回は「2019年のSEO」を振り返ることを目的に、毎月発行してきたSEO NEWSから注目ニュースをピックアップしていきます。合計14本です。
今回は重要ニュースのみ選定しましたので、年始の業務が落ち着いたタイミングで改めて2019年のSEOニュースを振り返っていただき、施策の選定等に役立ててもらえると幸いです。
あとは、今年からSEO担当者になる(なった)方にもおすすめです。
ぜひブックマークしていただき、新任の方がいましたら教えてあげてください。
※毎月発行しているSEO NEWSはこちらからダウンロードできます。
1月 Googleしごと検索の導入
Google仕事検索が日本でも導入されました!
参考:求人情報 | Search | Google Developers
ひとこと
アメリカでは2017年6月に導入されていた「Google しごと検索(Google for Jobs)」が日本でも1月に導入されました。
これにより「アルバイト」「求人」などの求職系キーワードで検索すると専用の枠(エンリッチリザルト)に求人情報が表示されるようになりました。
2020年1月18日「渋谷 バイト」検索結果
また、多くの場合、通常の検索結果よりも上に表示されます。
導入当初はtitleに「駅から◯分!高時給保証」などの煽りが入るなどのガイドライン違反も見られましたが、
最近はそういった違反もかなり少なくなってきたように感じます。不安な方は改めて確認することをおすすめします。
参考:Google ウェブマスター向け公式ブログ [JA]: 求人情報ガイドラインを守って、より多くのトラフィックを集めましょう
すでに実装されている方で流入数を計測できていないという方は、
以下のサイトなどを参考にGoogle しごと検索経由での流入を確認するといいでしょう。
参考:Googleしごと検索流入を簡単にアナリティクスで分析する方法まとめ – ウェブ企画ラボ
2月 Search Console:ドメインプロパティの導入
Google ウェブマスター向け公式ブログから、Search Console の新機能ドメイン プロパティが実装され、プロパティをまたいだデータ集計がしやすくなりました。
参考:Google ウェブマスター向け公式ブログ [JA]: Search Console の新機能ドメイン プロパティをご紹介します
ひとこと
ドメインプロパティの導入によって、同じドメインのプロトコル(httpおよびhttps)、サブドメイン(sub.example.comなど)、パス(example.com/directory/など)のデータが、
一括で確認できるようになりました(簡単にいうとサイトへの流入をまとめて確認できるということです)。
たとえばこれまで、以下の3つのURLの流入数は1つ1つ登録しなければGoogle Search Consoleで見ることはできませんでした。
https:hogehoge.com
http:hogehoge.com
https:sub.hogehoge.com
しかし今回の機能の導入により、すべての流入をまとめて確認できます。
httpからhttpsに移行し、合計の流入数を見たい方には嬉しい情報です。
サイトを包括的に確認できることで、異変や問題も気づきやすいでしょう。
この機能を使う上での障壁としては、「DNSレコードを使用して所有権を確認する」ことです。
慣れない人からすると、少し大変だと思いますが、「すごく大変!」というわけでもないので、まだ設定されてない方は下記の記事などを参考に試してみてはいかがでしょうか。
参考:ウェブサイト プロパティを追加する – Search Console ヘルプ
参考:サイトの所有権を確認する – Search Console ヘルプ
3月 prev/nextのサポートを数年前から終了していたことを公表
Google Webmastersの公式Twitterアカウントで、以下のような発表がありました。
Spring cleaning! As we evaluated our indexing signals, we decided to retire rel=prev/next.
Studies show that users love single-page content, aim for that when possible,
but multi-part is also fine for Google Search. Know and do what’s best for *your* users!
引用元:https://twitter.com/googlewmc/status/1108726443251519489
ひとこと
改めて要点をお伝えすると、下記がポイントです。
- Googleは数年前からprev/nextのサポートを終了していた(2019年3月時点)
- Bingなど、他の検索エンジンで参考にしているケースもある
- すでに実装している場合でも削除する必要はない
確かに複数ページにわたる記事コンテンツなどでは、対象のキーワードに対し、1ページ目ではなく、2ページ目以降が適切なケースもあります。
最近では検索結果だけでなく、Google Discoverなどでも、2ページ目以降のページが表示されるのを見かけるようになりましたね。
▼参考:Google金谷さんのツイート
複数ページにまたがった一連のコンテンツの関係性を示すページネーション(rel=”next” / rel=”prev”)ですが、Google 検索においてサポートを終了しました。『ユーザーは検索をするときに「すべて表示」ページを好む傾向に』ありますが、これまで通り分割していただいても問題はありません。
引用元:https://twitter.com/jumpingknee/status/1108734294661316614
4月 大規模インデックス削除エラーが発生(解消済み)
Google検索でインデックスのドラブルがあり、一部のページがGoogle検索の結果に表示されなくなるバグが起きました。
参考:Google ウェブマスター向け公式ブログ [JA]: Google 検索でインデックスの問題が発生: その対処法と教訓
ひとこと
「検索結果にいくつかのサイトが表示されなくなった」というショッキングな問題でした。
結局のところ、ウェブマスターにできることは、URL検査ツールよりインデックス状況を確認することくらいでしょう。
この一件の教訓としては、定期的な情報収集の重要性が再認識された点が挙げられます。
また、鈴木健一さんはこの問題について、「海外SEO情報ブログ」で下記のように述べています。
「人騒がせな」と憤る人もいるかもしれません。
ですが、お金を払ってGoogle 検索に登録しているわけではないので、Googleを非難するのはお門違いのようにも思います。
それに、Google 検索だけに集客を依存していると、Googleからの集客がいざ遮断されたときに困窮するという教訓とも言えます。
引用元:Google検索に技術的な問題が発生、インデックス削除されたサイトも。問題はすでに解消 | 海外SEO情報ブログ
5月 その①モバイル検索結果のアップデート
スマートフォンでの検索結果画面の見え方がアップデートされました。
参考:A New Design for Google Search on Mobile
A New Design for Google Search on Mobileより画像を引用し加工
ひとこと
モバイルの検索結果にファビコンが出始めたのはこのタイミングです。
今でもファビコン設定がされておらず、地球儀のマークが表示されたままになっているサイトを見かけることがありますが、個人的にはサイトの認識にもつながるので設定はしておくと良いと思います。
※PCの検索結果においても、表示させるテストを行っているようです。
そのほかの変更点としては、
「ページのtitleの上にURL(パンくずリスト)が表示されるようになる」
「広告枠のデザインが、通常の検索結果に近いものになる」などがありました。
モバイルの検索結果画面は、今でも大きく変わり続けています。
画像や動画、ページ内リンクなどをうまく活用し、ユーザーに見てもらえるようなリッチな検索結果を目指しましょう。
参考:検索結果に表示されるファビコンを定義する – Search Console ヘルプ
5月 その②GooglebotのアップデートによりJavaScriptを気にかける必要性が減少
これまでGooglebotは最新のレンダリングエンジンにアップデートされました。
今後、レンダリングエンジンは定期的にアップデートされていくようです。
参考: Google ウェブマスター向け公式ブログ [JA]: Googlebot が常に最新のレンダリング エンジンをサポートするようになります
ひとこと
検索エンジンはJavaScriptが苦手――2019年は、そんな考えが払拭された年であったような気がします。
もちろん、レンダリングはクロールとは別プロセスで実施され、負担であるのは間違いないとは思いますが、「レンダリング時間の短縮」をはじめ1000以上の新機能があり、それらによって個人的にはSEOの観点でJavaScriptがサイトに与える影響を気にかける必要性は減ったと思います。
とはいえ、JavaScriptではリンクの書き方は「a要素」(<a href=”https://example.com/”>~</a>の形)でないと、検索エンジンにリンクと認識してもらえないなど、知っているのと知らないのでは、大きな差になるトピックもありますので、下記の記事などを参考に勉強してみてください。
参考:JavaScript SEO の基本を理解する | Search | Google Developers
6月 検索結果の多様性を高めるアップデートをリリース
Googleが、検索結果の多様性を高めるアップデートをリリースしました。
Google SearchLiaisonのツイッターアカウントで発表されています。
Have you ever done a search and gotten many listings all from the same site in the top results? We’ve heard your feedback about this and wanting more variety. A new change now launching in Google Search is designed to provide more site diversity in our results….
引用元:https://twitter.com/searchliaison/status/1136739062843432960
ひとこと
要点をまとめると、下記のようになります。
- 検索結果の多様性のため、検索結果に同一ドメインのサイトから表示するページを2件までにする
- ここでの同一ドメインとはサブドメインも含める
※「https://hogehoge.com」と「https://sub.hogehoge.com/」は同一ドメインとなる。 - 例外として、表示することによって多様な検索結果になるとアルゴリズムによって判断された場合は、3件以上表示されることがある。
このアップデートにより、「サイト内の同じテーマのコンテンツの有無」や「そのキーワードでサブドメインのページが上位に表示されていないか」など、以前に比べて念入りに確認するようになった方も多いのではないでしょうか。
7月 2019/7/1以降、検索エンジンに認識されたサイトはモバイルファーストインデックス(MFI)をデフォルトに
モバイルファーストインデックスが実装されてから、徐々にモバイル版のクローラーが回ってきています。
Google Search Consoleでモバイルファーストインデックスの通知を受けた方も多いのではないでしょうか。
2019年7月以降は検索エンジンが認識した新しいWebサイトはモバイル版のクローラーがデフォルトになるようです。
参考: Mobile-First Indexing by default for new domains
ひとこと
Search ConsoleでMFI移行の確認がしやすくなるなど、2019年はMFIへの移行がさらに加速した年でした。
ひとつアドバイスをすると、サイトを確認する際はPC版だけではなく、モバイル版を意識するということ。
特に新規でサイトを立ち上げる際、モバイルユーザーがPCユーザーよりも多いと想定される場合は、「モバイルファーストでサイト制作」を心掛けてもいいと思います。
これはSEOのためではなく、実際に使用するユーザーのことを考慮しても、そのほうがいいといえるでしょう。
8月 How-toリッチリザルトが日本のGoogle検索でも導入される
構造化マークアップを行うことによる検索結果のリッチ化は日本でも進んでいます。
8月からはHow-toリッチリザルトが実装されました。
参考:ハウツー | 検索 | Google Developers
ひとこと
How-toリッチリザルトの導入が発表されたのは5月のことでしたが、実際に日本の検索結果に出始めたのは8月くらいからでした。
この「How-to」や「よくある質問」は、内容や専有面積からCTRに大きく影響します。そのこともあって、実装された方も多いのではないでしょうか。特に「よくある質問」は、いろいろな検索キーワードで目にします。リンク(aタグ)やリスト(liタグ)などのHTMLコンテンツを使えることもあり、工夫しがいがありますね。
参考:Official Google Webmaster Central Blog [EN]: New in structured data: FAQ and How-to
少し一息
以下の記事は「アルゴリズムアップデートが起きたとしても、従来どおり優れたコンテンツの提供に集中してください」というのはGoogleがアルゴリズムアップデートのたびに話していたことですが、そのコンテンツの品質に関してのアドバイスが掲載されています。もちろん、定量的な話はないのですが、コンテンツを作っていく上で参考になります。
参考: Google のコア アップデートについてウェブマスターの皆様が知っておくべきこと
原文は8月に公開された「Google のコア アップデートについてウェブマスターの皆様が知っておくべきこと」ですが、皆さんはご覧になりましたでしょうか?
参考: What webmasters should know about Google’s core updates
品質評価ガイドラインやE-A-Tについてもふれていますので、2020年になってもこの記事は、定期的に振り返ることを推奨します。
9月 nofollow属性の仕様変更
Official Google Webmaster Central Blog [EN]: Evolving “nofollow” – new ways to identify the nature of links
https://webmasters.googleblog.com/2019/09/evolving-nofollow-new-ways-to-identify.html
ひとこと
これまではリンクにnofollow属性を指定することで、検索エンジンはリンク先ページの評価には利用していませんでした。
しかし今回の仕様変更により、リンク先ページのランキング評価のヒントとしてnofollow属性を利用すると発表しました。
そして、クロール対象、インデックス作成の目的としても、2020年3月1日からヒントとなります(もう少しですね)。
※ヒントとは・・・リンクにnofollowがついていても、検索エンジンは評価対象、クロール対象、インデックス対象にする場合があるということです。
また、同時に新しい属性が2つ追加されました。
sponsored属性は広告、ugc属性はユーザーのコメントなどのユーザーが作るコンテンツに対してのリンクに利用できます。
これらは、設定していないからといって、評価が急激に下がるわけではありませんが、当てはまる際には設定してみてください。
参考:外部サイトへのリンクには漏れなく”nofollow”とか、いい加減やめませんか | SEO HACKS公式ブログ
10月 Chrome79より混合コンテンツ をブロック
混合コンテンツとは簡単に言えばhttpsのページの中にhttpの画像や音声、動画のコンテンツがある状態のことです。
これによりhttpsのページの中で、改ざんされた画像や音声コンテンツが流出する可能性などを懸念し、セキュリティの観点ですべての混合コンテンツをブロックしていることを発表しました。
参考:Google Online Security Blog: No More Mixed Messages About HTTPS
ひとこと
ランキング要素でもある常時SSL化ですが、画像などのリソースはHTTPで配信しているといったケースは今でもあります。
HTTPでリソースを配信していても、HTTPSで読み込むことができる場合は、Chrome側で読み込んでくれるようですが、セキュリティを考え、基本的にはHTTPSで配信するようにしましょう。
まだ、常時SSL化ができていないサイトについては、2020年こそSSL化してみてはいかがでしょうか。
参考:Googlebotが混合コンテンツを読み込まなくなるかも、Chromeのセキュリティ強化はSEOにも影響あり | 海外SEO情報ブログ
参考:ウェブ上での HTTPS 暗号化 – Google 透明性レポート
11月 Search Consoleに速度レポートが登場
これまでPage Speed Insightで1つ1つのページのページ速度を調べていましたが、Google Search Consoleでもページスピードを確認できるようになりました。
参考: Official Google Webmaster Central Blog [EN]: Get faster with the new Speed report in Search Console
Official Google Webmaster Central Blog [EN]: Get faster with the new Speed report in Search Consoleから引用
ひとこと
Search Consoleの速度レポートは、実際にChromeを利用し、サイトを見たユーザーデータにもとづいています。
レポートが悪いからといってペナルティを受けるなどの影響はありませんが、そもそも読み込み速度はユーザー行動に大きく影響するポイントです。
「早いに越したことはなく、0.1秒でも改善されれば良し」の精神で、改善に取り組んでみてください。
2020年はいよいよ5Gが本格的に導入される年ではありますが、読み込み速度は決して通信環境だけでなく、デバイスの問題なども絡みますので、引き続き注力していきましょう。
参考:速度レポート – Search Console ヘルプ
12月 日本語の検索においてもBERTを導入
BERT(Bidirectional Encoder Representations from Transformers)とはGoogleが発表した自然言語処理モデルのことです。
これにより文章で検索した場合、その検索結果がより検索意図に沿ったものになるようにしています。
アメリカでの検索ではすでに導入されていましたが、12月より日本での導入も発表されました。
参考:https://twitter.com/searchliaison/status/1204152381061107714
ひとこと
検索するユーザーからすれば、検索エンジンの言語理解力が高まることで、今まで以上に検索結果の精度が高まるため、うれしいことだと思います。
ウェブマスターとしては特に対応する必要はないですが、興味がある方は以下の記事を参考にしてみてください。
参考:BERTとは何か?Googleが誇る最先端技術の仕組みを解説!Udemy メディア
参考:Google AI Blog: Open Sourcing BERT: State-of-the-Art Pre-training for Natural Language Processing
まとめ
各月、ニュースを1つから2つピックアップしましたが、忘れていたニュースなどはありませんでしたでしょうか?
さて「Googleの人はこう発言しました」といったものまで含めると、毎月SEOだけで何十件もニュースはあります。
そうなると大切なのは取捨選択ですが、そんなに簡単にできることではありません。
だからといって、情報をまったく追わなくなってしまうと、サイトの変更が必要なレベルの情報すら逃してしまうおそれがあります。そうならないためにも、弊社のSEO NEWSやTwitterなどで、最低でも月に1回はSEOの最新情報にふれてみてください。
改めて2019年を振り返ると、「検索結果画面のリッチ化の加速」が一番のトピックだったと思います。
1月のGoogle しごと検索を皮切りに、ホテルや航空券の予約などができるGoogle Travelの表示、モバイルでのファビコンの表示など、数多くの機能が検索結果を賑わしています。
すべて対応できるわけではないですが、ウェブマスター側でもできることはたくさんありますので、2019年にできなかったことは、ぜひ2020年に対応してみてください。
最後になりますが、ナイルは今年も毎月SEO NEWSを発行します。ご興味のある方はこちらよりご登録をお願いします。
これだけは理解しておきたい!2019年 SEO NEWS振り返りはナイル株式会社 - SEO HACKSで公開された投稿です。
2020年のSEOにおける10個の重要なトレンド【SEOエキスパート58人へのインタビュー】
2020年に入り、早速コアアルゴリズムのアップデートが行われるなど、SEO界隈は今年も大きな変化がありそうです。
今回ご紹介する記事は、2020年のSEOのトレンドについて、多くのエキスパート達からの予測をまとめた記事となります。
58人のエキスパートからのヒアリング結果を、10個のトレンドとしてまとめています。あなたのSEO戦略の一助となれば幸いです。
SEOのプロフェッショナル達は、2020年に向けてどのようなことを考えているのだろうか。
2020年は、どのような戦略や戦術が効果的であり、検索結果の占有に寄与し、より多くの利益をもたらしてくれるのか。
これは、Search Engine Journalで我々が毎年投げかけている問いである。
私はSEOのプロフェッショナルとしてトップに位置する58人に対し、彼らの考えを尋ねた。
この記事では、彼らエキスパート達による、あなたが知るべき2020年のトレンドの上位10個を紹介する。
トレンドの全てを知りたいだろうか。そうであれば、我々のebookをダウンロードしてほしい(58人のエキスパートによる2020年のSEOにおける最大のトレンド)。
トレンド1:BERTとユーザーに注力した最適化
2019年は、Googleがローンチした新しいアルゴリズムであるBERTが多くの注目を集めた。SEOのプロフェッショナルたちがBERTへの最適化方法を学ぼうとしたのは、自然のことだった。
しかし、この特別なアルゴリズムへの最適化を考える前に、ケリー・スタンゼ氏の意見を聞いてほしい。ケリー・スタンゼ氏はHallmark社のサーチ・ストラテジストであり、ユーザーに注力した最適化とコンテンツ配信の技術的な点に着目している。
つまり、ユーザーの検索へのアクセスポイントを再算出し、それに沿ってコンテンツを配置するということだ。
「何かがクロールされ、インデックスされ、複数の異なる検索環境で提供される仕組みに着目している」とスタンゼ氏は述べている。
「ユーザーが何かを検索する際、これまで以上に多くの選択肢がある。きれいな構造とコンテンツ配信の基本を心にとどめておくことは、SEO担当者にとってより重要となるだろう。」
検索順位と強調スニペットのアルゴリズムにBERTが組み込まれたことにより、「Googleは検索を文字列のマッチングではなく、検索意図のマッチングへと大きく舵を切った」とはグロースコンサルタントでありアドバイザーのエリ・シュワルツ氏の言葉である。
「ユーザーが検索時に使用する文字列ではなく、ユーザー検索意図に即したコンテンツを書かなければならない」とシュワルツ氏は述べている。
「キーワード調査ツールは、コンテンツ作成のための主要なデータセットとの関連性は薄くなるだろう。2020年、本当に賢いSEO担当者は机から立ち上がり、顧客と話にいくだろう。オーディエンスが本当に求めているものは何かを探るためだ。」
Bingのシニア・プログラム・マネージャーであるフレデリック・ダブト氏は、「キーワード調査は古い手法となっていくだろう」と主張している。
「自然言語処理(NLP:Natural Language Processing)と深層学習の勢いが衰える徴候は見られない。2020年、検索エンジンはキーワードから検索意図へさらにシフトしていくことが予測できるはずだ」とダブト氏は述べている。
「SEOの施策者もツールの提供者も自身の努力を検索意図調査へ向かわせ、ユーザーのニーズを満たすことが求められるだろう。」
グルーポン社のシニア・SEO・マネージャーであるジェン・マシュー氏が指摘するには、「Googleはコンテンツやページがキーワードに合致しているかどうかに注力するのではなく、ユーザーの検索意図をベースとする検索結果に最適化するために、アップデートを継続していくだろう」とのことだ。
「SEO担当者はこれが自身のコンテンツにとって何を意味するのかを理解する必要がある。また、こうしたトレンドを導いているGoogleの過去のアップデートの内容の理解も求められる。」
「ここ数年、我々は検索意図に注力し、カスタマージャーニーへの理解を深めてきた」と、Yext社のインダストリー・インサイツのヴァイスプレジデントであるデュアン・フォレスター氏は述べている。検索意図の理解は今後の展望における重要な役割を担っており、多くのオンライン・ビジネスの生き残りと成長にとって不可欠である。
「顧客の検索意図に注力すれば、その経路のどこに合致するかが明らかになるだろう」とフォレスター氏は述べている。
「その経路で発生する質問に対して最適な答えを提供することで、より確実に顧客を捉えコンバージョンへと導くことができるだろう。」
このことはあなたにとって、どのような意味を持つだろうか。
IBM社のSEO・ストラテジストであるキース・グッド氏によれば、「バイヤーズ・ジャーニーの各段階における課題、問題、ニーズについて、ユーザーがどのように語っているかに注目せよ」とのことだ。
「さらに、我々はバイヤーズ・ジャーニーの購買以降についても注目すべきで、サポート、支持者となる機会、コミュニティの形成、将来の購入のための関係性の継続など、売上以降に発生するニーズに対応したコンテンツが必要となる。」とグッド氏は付け加えている。
「常に顧客に注目しよう」とエレベーション・テンサウザント社のディレクター・オブ・サーチであるサム・ホリングスワース氏は述べる。
「潜在顧客をひきつけ、印象を残すものは何かを把握することを忘れている、あるいは、失敗しているブランドが多い。顧客は、真の価値を欲しているのだ」とホリングスワース氏は述べている。
「リアルな店舗と同様、顧客はあなたが顧客目線を持てているか、長期的な関係性(願わくは生涯に渡って)を築くための信頼できるパートナーであるかを知りたがっている。」
サーチ・ハーミット社のリードSEO兼オーナーであるキャロリーン・リーデン氏は、定性的で、人間側にたった検索への回帰という変化が2020年に起こることを期待している。
「多くのマーケターが、ターゲットオーディエンスと1対1で話すことなく、プロダクトやサービスのマーケティングを行っている」とリーデン氏は述べる。
「顧客と会話せず、なぜ顧客がそのように振る舞うかを理解しないのであれば、我々はスマートで全体的な戦略を作成するという自身の能力に制限をかけてしまう」とは、サー・インタラクティブ社のシニア・アカウントマネージャー兼サーチアンドオーディエンス・インサイトを務めるサラ・ガーバッチ氏の言葉だ。
「2020年、私は、顧客に会いに行き彼らの傍らに座ることをお勧めする」とガーバッチ氏は述べる。
「顧客と会話し、彼らが購入に至るまでのジャーニーについて、彼らがどのように検索を使用しているかについて、あなたのサイトをどう思うかについて、話してくれるよう依頼する。ここで得られたデータを各段階での判断に用いる。」
ユーザーに注力した最適化は、SEOを全体的なマーケティング戦略に組み込むことにより達成される。これが、2020年で最大のトレンドになるだろうと、パブリックス・サピエント社のSEOグループのディレクターであるリアン・ジョーンズ氏は述べる。
「SEOをデジタルマーケティングに追加する調味料のようなものとして扱うのを止めることが、かつてないほど企業に求められている。ビジネス計画の鍵となる材料として取り扱うのだ。」とジョーンズ氏は述べる。
「SEO担当者は、全体的なマーケティングとデジタル資産を理解するスキルセットを伸ばさなければならなくなるだろう。SEOの問題を修正する必要性は少なくなり、マーケティングとビジネスの問題を修正する必要性が高まるのだ。」
トレンド2:高品質で最適化されたコンテンツ
Search Engine Journalのアシスタント・エディターであるアンナ・クロー氏は、「これまでも、そしてこれからも、SEOの生命線となることが1つある」と述べている。
それは、コンテンツだ。
「コンテンツはSEOのあらゆる物事に影響する」とクロー氏は述べる。「サイト構造から、あなたが構築するリンクの内部リンク戦略に至るまで。」
「2020年に成功を収めるためには、関連性があり、そして、価値のある何かを書かなければならない」とライトアイエムシー社のCEOであるトニー・ライト氏は語る。
「つまり、SEO担当者はコンテンツの書き方、もしくは、コンテンツの書き方を知っている人を雇用する方法を学ぶ必要がある」とライト氏は述べる。
「Googleの編集能力はまだ完全ではない。その順位を得るべきでないコンテンツも存在するだろう。しかし、ベストなコンテンツが勝利する日はやってくる。」
「あなたのトピックでベストとなるコンテンツ、少なくとも、そのトピックにおける重要な存在となるコンテンツ。それらを保持することを目標に設定する」とパーフィシエント・デジタル社のジェネラル・マネージャーであるエリック・エンジ氏は述べる。そのためには、あなたのコンテンツをGoogleが将来的に評価するものにすべきだ。
「こうすることで、(全検索クエリの約70%となる)ロングテールの検索で効果的な勝利を得られるだろう。それは、あなたのサイトの権威性の構築・あなたのコンテンツへの需要の創出・ROIに直接ポジティブな影響をあたえることの助けとなるだろう。」とエンジ氏は述べた。
「さらに、コンテンツへのこうしたアプローチは、ユーザーのニーズを満たすために、Googleが探しているアプローチに他ならない。そして、Googleが行っていないマーケット投資と言える。なぜなら、Googleはものごとを大規模なアルゴリズムで処理しようとするからだ。」
IBM社のグローバルSEOストラテジストであるジェシー・マクドナルド氏、SEOとコンテンツ戦略のコンサルタントのジェシカ・レベンソン氏の両氏は、「2020年はキーワードへの強迫観念からの開放の年となるだろう」と述べている。
個々のキーワードの順位・ページビュー・手当たり次第にコンテンツを作成するなどの習慣をやめるのだ。
マクドナルド氏は、「トピックへの注力を強めるべき」と述べている。
「トピックへの注力に切り替えることは、特定のページがターゲットとしている単一のキーワードについて心配するのではなく、(顧客との)会話全体に対応するコンテンツを作成することとなる」とマクドナルド氏は言う。
レベンソン氏は、「ビジネスの目標を満たしながら、徹底的で直感的な体験を提供する、よく練られ、組織だったコンテンツのクラスターを採用するべきだ」と述べている。
「次にユーザーが求める答えを知ることが大事。それらは、下記に要約できる。」とレベンソン氏は言う。
- 「あなたのオーディエンスが誰なのか」「彼らがどのように検索を行うのか」を理解する。
- 「彼らが尋ねる質問の背後にある検索意図」「彼らが解決する必要がある問題」を理解する。
- 解決策と答えを、適切な場所、品質、権威のあるコンテンツを通して、彼らが求めるフォーマットで提供する。
- カスタマージャーニーのあらゆる段階において、この方法論に基づいた施策を行う。彼らのニーズを満たす経験を提供するコンテンツを作成するためだ。
- それらを繰り返す。なぜなら、一度うまく言ったとしても、顧客の検索意図が変わらない保証はなく、他の誰かがあなた以上にうまくやる可能性もあるからだ。
HubSpot社のコンテンツSEOのリーダーであるアジャ・フロスト氏によれば、「他に注意すべきことは、コンテンツのカニバリゼーションである」とのことだ。
「ランキングが重複する全てのコンテンツの確認を勧める。必要に応じて統合、リダイレクト、アーカイブなどを行い、すべてのページがユニークなキーワードセットで上位表示されることを目指す」とフロスト氏は言う。
「あなたのWebサイトが同じトピックを何度も何度も扱っているのであれば、異なる角度からそのトピックを扱っていたとしても、それらのページは同じ検索結果の中でお互いを蹴落とすことになる。」
「2020年は、自身のコンテンツに厳しい目を向ける年となる。そして、検索エンジンではなく、ユーザーに対してそれらを最適化していく」。
これは、Aimclear社のプロダクト&イノベーションのヴァイスプレジデントである、ミッシェル・ロビン氏の言葉だ。
「2020年も検索マーケティングで成功を収めるために鍵となるものは、今までと変わらない。一貫性のあるブランドメッセージとともに、あなたが持つ全てのチャネルにて、良質なコンテンツを作成することだ」とロビン氏は述べる。
「検索エンジンが自然言語処理の技術をさらに取り入れることで、最もよく書かれているコンテンツが、あらゆる形式において、勝利を得る日が来る。」
「国境をまたぐSEOでは、ローカライズされたコンテンツに注力すべきタイミングは今である」とAJPRの代表であるモトコ・ハント氏は言う。
「グローバルに展開しているにもかかわらず、その言葉を第一言語とする者ではない、おそまつな翻訳を載せているWebサイトが多く存在する。」とハント氏は述べる。「キーワードの配置の問題ではなく、ローカルのオーディエンスへ書かれたコンテンツであるかどうかという問題なのだ。」
トレンド3:E-A-Tと不公平なアドバンテージ
「2020年、Googleは全体的な評判、特定の企業のE-A-T(Expertise、Authoritativeness、Trustworthiness)、企業の代表としてコンテンツを公開した個人に目を向け続けるだろう」とPath Interactive社のSEOディレクターであるリリー・レイ氏は述べる。
「悪い評判、カスタマーサービスの問題など信用に関わる問題を抱える企業は厳しい時期を強いられるだろう」とレイ氏は言う。
「これら信用に関わる問題は、あなたのブランドに対するレビューやフィードバックだけでなく、サイト上の技術的な問題やセキュリティの問題なども関わってくる。」
レイ氏は、YMYL(Your Money,Your Life)の領域では、それらのトピックを書くための十分な専門知識や信頼性がなければ、自然検索結果で上位表示させることはより難しくなるだろうと予測している。
「2020年、信頼性はパブリッシャーにとって非常に重要になるだろう」とNES UK社のジュニアテクニカルSEOアナリストであるグレース・キンドレッド氏は述べる。
「高品質なコンテンツとフェイクニュースへの対応に注力する」とキンドレッド氏は言う。
「著者の信頼性(著者の認定と特定の領域における権威性を示すこと)への注力は、今まで以上に重要になる。それは、サイト全体に対しても同様だ。」
Search Engine Journal社の創業者であるローレン・ベイカー氏によれば、「nofollowをヒントとする取り組みは、Googleによる、ニュースソース、論文や学術的な研究の参照に対するより良い理解への試みである」とのことだ。
「(構造化データのマークアップにより定義できる)著者の資格やファクトチェックにかかわるスキーマなど、Googleが特定のコンテンツの権威性と信頼性をより簡易に理解できる手段がある。ニュースであっても、公開されたストーリーであっても。」とベイカー氏は言う。
簡単に言うと、「オフラインの影響がオンラインへも及ぶのだ」とKalicube.pro社のオーナーであるジェイソン・バーナード氏は述べる。あらゆるビジネスは自身の不公平はアドバンテージを発見する必要がある。
「ナレッジグラフやE-A-Tの台頭など、エンティティを基盤とした検索では、オフラインでの評判を正確に、説得力のある方法で作成する能力は、大きな差別化の要因となっていくだろう。」とバーナード氏は述べる。
「カンファレンス、アワード、パートナーシップなど、これらオフラインでのイベントは、Googleが直ちに重要視できないものだ。オンラインでも提供し、それらをGoogleに伝え、Googleの理解を促そう。」
Merkle社のSEOシニアマネージャーであるアレクシス・サンダーズ氏は、デジタルを基軸とした競争性を持つための方法を共有してくれた。
- 優れたサプライチェーン
(例:関連のあるステータスの更新が行われた2日以内に対応する) - カスタマーサービス
(例:顧客との摩擦を最小限にしつつ、彼らの質問に答える能力) - デジタルのカリスマ性やブランディング
(例:ユーザーがあなたを探し当てたいのは、彼らがあなたとビジネスを行いたいためか。多くのあなたの評判は、ラブレターのようなものか。) - ユーザー体験
(例:ユーザー体験は便利で、有益で、シンプルか。) - 価格
- ニッチなプロダクト
トレンド4:ユーザー体験とテクニカルSEO
seoplus+社の共同創業者であるブロック・マーレイ氏によれば、「賢いSEO担当者が2020年に注力する大きなトレンドはユーザー体験である」とのことだ。
「ユーザー体験とは、検索結果での接触、ランディングページでの体験、サイトの訪問後を含む全体的な体験だ。リマーケティング、ドリップキャンペーン、再訪者のためのパーソナル化などをイメージしてほしい」とマーレイ氏は述べる。
「あなたが提供できる価値について十分に考えた上で、ユーザーが訪問している間、彼らが最高の体験を得ることができるために、どのような手助けができるかを考えよう。」
「テクニカルSEOはユーザー体験についての議論の重要な要素である」とグード氏は述べる。
「Googleは技術的なミスの補填のために多くのことを行ってくれるようになると思うが(canonicalの訂正、hreflangの補正など)、SEO担当者がテクニカルSEOの基盤を強化する重要性はより大きくなるだろう」とGoode氏は言う。
「マーティン・スピリット氏が、Googleからの目線での技術的なベストプラクティスの説明に多くの時間を費やしていることは偶発的なものではない。それについてしっかりと考える必要があるだろう。」
テクニカルSEOとユーザー体験についての議論は、サイトスピードとページスピードというトピックを含むはずだ。
SALT.agency社のSEOアカウントディレクターであるダン・タイラー氏は、新しいChromeの「遅いサイトへの警告」やSearch Consoleでのスピードレポートなどにより、サイトスピード周辺の議論を再度活性化させていることについて言及している。
「開発者と再度会話する必要があり、場合によっては、ページのテンプレートの刷新や、アセットの読み込み方法の再設計が求められるかもしれない」とテイラー氏は述べる。
Orainti社の創業者でインターナショナルSEOコンサルタントでもあるアレイダ・ソリス氏は、「テクニカルな領域に進むことは、テクニカルSEOのエコシステムについて考慮することになる」と予測する。JavaScriptのフレームワーク・PWA・大規模サイトのSEOの自動化などである。
「この動きは数年前から始まっているが、今年はより明確となるだろう。」とソリス氏は述べる。「2020年は、JavaScriptのフレームワーク、PWAの恩恵によるWebへのシフトを始めたアプリ主導のビジネス、Pythonによる機械学習の技術を活かした大規模サイトのSEOに関わるタスクの自動化などが注目されるだろう。」
トレンド5:モバイルSEO
2020年の重要なトレンドにモバイルSEOを挙げることは意外だろうか。しかし、そうではない。ライト氏が下記のように述べている。
「私に相談に来る顧客の多くがモバイルサイトを保持しているが、その出来はひどいものが多い」とライト氏は言う。
「2020年を生き抜くために、2017年の施策を行い、モバイルサイトを修正する必要があるのだ。」
どういった意味だろうか。
「モバイル・ファーストのサイトを作成する。その後、デスクトップ版にも適用する」とキンドレッド氏は述べる。「こうすることで、ローンチした後に速度の最適化を行う必要はなくなるだろう。」
LSEO.comの創業者兼CEOのクリス・ジョーンズ氏は、「あなたのWebサイトがモバイルフレンドリーでなければ、すぐに対応すべきだ」としている。待ったなしだ。
「オンラインでのレポートの全てが、モバイルでのパフォーマンスを最優先に反映していなければならない」とジョーンズ氏は言う。
「デスクトップのパソコンに座っているユーザーを想像するのではなく、多くの場合で、あなたのWebサイトを探し当てるユーザーは、モバイル経由であることを理解すべきだ。」
しかし、モバイルSEOはこれで終わりではない。モバイルの検索結果を研究すべきだ。
「SEO担当者はモバイルの検索結果を実際に確認する必要がある。”どのような検索結果となっており、どのようなトラフィックが期待でき、そして、どのような最適化が収益に影響を与えるか”を知るためだ。」とは、MobileMoxie社のCEOである、シンディ・クラム氏の言葉だ。
トレンド6:構造化データ
2020年、高品質なコンテンツが重要であるのは言うまでもない。しかし、アルゴリズムはコンテキストを完全に理解できているわけではない。
「そのため、我々は検索エンジンが、検索者の検索意図を基軸とした検索結果を届けるためにコンテンツをより良く理解する”ヒント”を与える必要がある」とSpartan Media社のCEOであるジェレミー・ナフ氏は言う。
「構造化データを実装することで、ページ上の要素だけでなく、それら要素間の関係性やそのページとWebサイト内の他のページとの関係性を、検索エンジンが理解する手助けとなる」とナフ氏は述べる。
「最終的には、あなたはあらゆるチャネルを通じて顧客に発見される機会を得るため、Googleだけではなく、構造化データを利用するAmazon・Facebook・Microsoft・AIのチャットボットなどが、将来的に新しく導入する機能に対する優位性を得たいはずである」とShema App社のCEOである、マルサ・バン・バークル氏は述べる。
「正しく実装された構造化データは、あなたのマーケティングデータのレイヤーとなり得る」とバン氏は言う。
「あなたのコンテンツをあらゆるマシン、検索エンジン、ボイスアシスタント、チャットボットへと公開することになる。あなたのサービスを顧客に対して、あらゆる場面と瞬間で提供できるのだ」
「賢いSEO担当者は、分析作業のために構造化データを活用するだろう。コンテンツのどの部分がどんな結果を出すかを把握し、こうしたデータをコンテンツ戦略、マーケティング戦略、製品機能など、会社を横断して活用するのだ」と付け加えている。
また、「2019年内に基本的なマークアップは完了していたとしても安心すべきではない」とSEMrush社のサーチ・ブランドアンバサダーであるシェリー・ファギン氏は述べる。
「新しい種類のマークアップが継続的に追加され、更新されている」とファギン氏は言う。「実装方法をおろそかにすれば、手動ペナルティの対象となるだろう。プラグインなど、自動挿入の機能が完璧に構造化データを実装できるとは思わないほうがよい」
トレンド7:エンティティとナレッジグラフへの最適化
「未来の検索はますます現実の世界を反映したものになる」とGo Fish Digital社のSEOリサーチ・ダイレクターであるビル・スラウスキ氏は述べる。
「Googleは拡大クエリなどを通じて、検索結果にエンティティに関連した情報を含む方法を探している」とスラウスキ氏は言う。
「Googleのナレッジグラフへの最適化などにより、あなたのサイトについて、エンティティを最適化することが可能だ。ナレッジグラフに表示されるかどうかで、計測しよう。」
SearchLab Chicago社のサーチ・ヴァイスプレジデントである、グレッグ・ギフォード氏による指摘によれば、「ローカル検索はエンティティを基軸とした検索の中心であるため、この領域で何が起こっているか、皆が注意すべきである」とのことだ。
「ローカル検索は何年間もエンティティ基軸としている。Webサイトを保持していなくても、ローカルビジネスを上位表示させることができるのだ」とギフォード氏は述べる。
「Googleは現実世界の訪問数を計測しており、最近では「訪問の品質」をランキング要素として使用する技術の特許を取得している。」
DHJ Ventures社の創立者であるディクソン・ジョーンズ氏は次のように述べる。「基盤となるコンテンツの大部分を確定されたエンティティへ紐付ける必要がある。セマンティックにエンティティ周辺の情報を書くことは、ユーザー・ジャーニーへのより良い回答の助けとなる。コンテンツを用いた解決策となるだけでなく、Googleがより良い検索結果としてふさわしいと見るコンテンツになる。」
「2020年は内部リンクが注目されるようになるだろうが、文字列ではなく、ものごとをベースとするはずだ」とジョーンズ氏は言う。「自身についてのユニークなナレッジグラフを理解することは、こうしたコンセプトを、我々の管理下にあるコンテンツ内で、ユーザーとクローラーの両者の利益へと紐付けることを可能とするのだ。」
あなたのブランドやビジネスをエンティティとして認識されたいだろうか。Nextvia社のSEO兼コンテンツのリーダーであるアリーナ・ベニー氏からのアドバイスを紹介しよう。
「オリジナルな業界レポート、専門家による新しいアドバイスの編集、市場における影響力のある発言などを公開できるようになれば、Googleはあなたをエンティティとして認識するようになるだろう」とベニー氏は述べる。「こうしたエンティティに関連したシグナルは、上位表示の継続の助けとなるだろう。」
トレンド8:リンク構築とブランド構築
2020年も、一流のリンクの獲得を願うだろうか。
Aira Digital社のPR・コンテンツの代表であるシャノン・マクギーク氏は、「2020年にリンク構築は暗闇の時代から顧客ファーストのアプローチへと変化する」と述べている。
これは、下記3つのジャーナリズムとしての書き方を意味する。
- 計画的な記事
特定のタイミングで毎年ジャーナリストによって報じられるトピック(例:ブラックフライデー、バレンタインデー) - 計画的で変化に対応する記事
ジャーナリストによって報じられる時期的なイベントやテーマではあるが、編集者やジャーナリストが編集会議の朝に書くまで正確なストーリーを把握することはできないという特徴を持つ - 変化に対応する記事
今、ここで書かれるといった特徴を持ち、計画的でなく、予測することもできない、ニュース速報。
Rise at Seven社の共同創業者でありクリエイティブ・ディレクターのキャリー・ローズ氏は、「2020年、リンク構築はブランド構築としての意味を持つだろう」と述べた。
「リンク構築、また、トラフィックの獲得とブランドの露出を促すメディアのプレースメントの責任はSEO担当者が担うことになる。これは、検索結果の順位を助けるためのリンクという話だけではない。」とローズ氏は述べる。
「現状のリンク構築はブランド基軸となっており、ブランド構築としての活動としてみなされていない。」
KoMarketing社のデジタルマーケティング部門のシニア・ディレクターであるカシー・ギレット氏によれば、「人々が信頼し一緒にビジネスを行いたいと思うブランドを構築することは不可欠である」とのことだ。
「顧客はますます賢くなり、マーケティングという点では、より多くのものを予測するようになる」とギレット氏は述べる。
「彼らがあなたをより信頼するようになれば、あなたのコンテンツ(リンク)をより共有するようになり、あなた(とその価値)についてより話すようになり、あなたの製品(利益)をより購入するようになるだろう」
トレンド9:青いリンクだけではなく、ビジビリティに注力する
2019年、ゼロ検索結果は大きな話題となった。2020年、検索結果画面のSEOの重要性は増すばかりだろう。
Zyppy社の創立者であるクリス・シェパード氏は、ゼロ検索結果への対応が鍵となるだろう、と述べている。
「あなたのWebサイトではなく、Googleでのブランドマーケティングがより多く発生するだろう」と、シェパード氏は言う。「賢いマーケターは適応方法と優位性を勝ち取る方法を学ぶ必要があり、検索結果のスニペットに表示される情報について、より戦略的に取り組むべきだ。」
シェパード氏は、「これは、強調スニペットの最適化、新しいスキーマ(例:FAQやHowToなど)の活用、画像対策、ファビコンの最適化など、表示回数に対する実際のクリック数を増やす基本的な戦術も含む」と述べる。
しかし、「2020年に計画すべきは、ゼロ検索結果への対応だけではなく、青いリンク以上のものに対する最適化が必要となる」とクラム氏は言う。
「強調スニペットやナレッジグラフの下に表示される1位というポジションは、それらがない場合の1位というポジションとは異なる」とクラム氏は述べる。
「同様に、1位でなかったとしても、People Also AskやInteresting Findsなどの下に表示されている場合、多くのトラフィックは獲得できないだろう。これらの機能はユーザーの目を引き、多くのクリックを獲得してしまうからである。」
「我々は現在の検索結果により対応するべきだ。マップパック、ニュース、イベントなどで上位表示され、従来の自然検索結果以外の場所からのクリックを獲得すべきなのである」と彼女は付け加えている。
トレンド10:プログラミング
「2020年、PythonやRといったプログラミング言語の習得を開始し、時間がかかる作業を減らすべきだ」とMoz社のシニア・SEO・サイエンティストであるブリトニー・ミュラー氏は述べる。
SEOの自動化は下記のマーケティングの効果を開放することになる。
- ブランディング
- 優れた顧客体験の設計
- ストーリーテリング
- 顧客が使用する言葉で語る
- ターゲット市場からの声を聞き、考察の深い、タイムリーな反応を提供する
- コンテンツの消費しやすさの提供(ユーザーが好む方法で)
- 人間力
Catalyst社のSEO部門の代表であるポール・シャピロ氏は次のように述べる。「プログラミングはSEO担当者をより良いSEO担当者にする。そして、それらの者が採用される機会は増えている。」
「分析作業にExcel以上のものを使用することは大きなアドバンテージだ。より洗練された分析を行えるようになり、また、下記の効果も見込めるだろう。」
- 他のデータとの統合
- 複雑な問題を解決するための機械学習の適用
- 人間のインプットでは通常困難とされる決定(インプットの時間に制限がある場合)
2020年のトレンドと考察をさらに詳しく知りたい方へ
今回の記事は、58人のエキスパートによる2020年のSEOにおける最大のトレンドという我々の新しいebookのダイジェストにすぎない。より多くを読みたいだろうか。
そうであれば、「58人のエキスパートによる2020年のSEOにおける最大のトレンド」をダウンロードすることをおすすめする。
このebookでは、2020年のSEOを成功に導くためのエキスパートによるアドバイスや考えを、フルバージョンで確認することができる。ぜひご覧いただきたい。
BERTの導入やE-A-Tへの注力が目立つように感じました。
個人的にはゼロ検索結果への注目や、検索エンジンが進化するからこそ基本的な技術要素を疎かにしないといった意見が興味深かったです。
ツイッターなどで、皆様の意見もご共有いただければ幸いです。
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担当者のコラム(読み物)や、質の高い記事をピックアップして配信していますので、ぜひご購読ください。
なお、noteにてバックナンバーも公開していますので、ぜひ試し読みしていただければと思います。
2020年、Googleの垂直化とゼロクリック検索がローカル検索へと与える影響
明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。
2019年はGoogleが検索結果を改善し続けている様子がわかる年でした。新年最初のコアアップデートも早速実施され、今年もWeb担当者としてはGoogleの動向から目が離せなくなる年になりそうです。
さて、今回はSearch Engine Landより、「ローカル検索から見るGoogleの今後」をテーマにした記事となります。Googleは今後どのような方向に進化を遂げていくのか。企業にとってGoogleはどのような存在になるのか。
文章が少し堅いのですが、一読の価値ありです。
最近、SparkToroブログにおいて、Mozの創設者であり、検索の第一人者であるランド・フィッシュキンは、「2020年、Googleが検索エンジンから競合他社に変わる年になる」と予測した。
ランド・フィッシュキンはWeb検索とゼロクリック検索に関するGoogleの独占状況を引用し、自身の主張を証明するために目を見張るほどの範囲の例を概説した。
Merriam Websterのような辞書サイトやGeniusのような歌詞サイト。あるいは、US NewsやFive Thirty EightのようなニュースサイトからExpediaやKayakのような旅行サイトまで。
レストランのレコメンド・天気・Celebrity Net Worthやビデオゲームなど、最近Googleが最近開発した機能の影響を受けているのは、考えられる限りほぼすべての業種である。
- 強調スニペット
- ナレッジパネル
- 垂直検索体験
- ゼロクリックトランザクション(Google上で予約)
- ファネルより下のトランザクション(Googleショッピング・Googleトラベル)
- カルーセル
- ローカルパック
これらのトレンドはすべて技術的及び戦略的に関連している。
技術的な関連からは、ナレッジグラフの構築と、Googleが検索で使用するほぼすべての機械学習の普遍性について彼らは話している。
フィッシュキンの主張に沿うのであれば、戦略的な観点からは、Googleは行動モチベーションを高める情報源や、すべての潜在的な情報源を余白に詰め込むことによって、ますます体験の中心を占めるようになっている。
このすべてがローカル検索にどのように影響するかについて、拡大する可能性が非常に高い方法に関するいくつかの考えを共有したいと思う。
私の感覚では、Googleは旅行からショッピング・レストラン・サービスなど、さまざまな業種での検索方法を注意深く見ている。
特に、昨年はローカル検索のセット機能を微調整しているが、場合によってはそれをもっと拡大し、より垂直化された検索体験を作成し、ユーザーの行動ファネルにおいてかつてないシェアを所有するだろう。
Googleは粘着性と競争に対する保護への終わりのないクエストに対抗して、ファネルの所有を部分的に進めたいと考えている。
言い換えれば、Googleは世界最高のローカル検索エンジンになりたいと考えているのだ。
Googleは一般的な市場を少なからず征服しているのは確かであるため、垂直化は順調なステップといえる。
しかし、Googleの動向はそれに留まらない。
検索エンジンが夢のような夢を超えて成功するシナリオにおいては、ニッチなマッチングサイトやディレクトリが単純に除外され、Googleだけが消費者と企業を結び付ける存在となる。
このトレンドの例をいくつか紹介しよう。
リテールショッピング(小売り)
これは時間の経過に伴う多くの微妙な変化が、Googleが過去に提供していたものとは異なる検索体験に融合したケースである。
現在、Googleは地域に関する明確な検索意図がなくとも、製品がその地域で購入できることを示す可能性がはるかに高くなっている。
同じ検索結果の下の方で、Googleはローカルパックをカスタマイズしてユーザーに提供していることがわかる。
例えば、Targetの最初のカテゴリは「おもちゃ屋(Toy Store)」に切り替えられている。
3つのリストはGoogleがWebサイトからデータをマイニングして関連性を判断しており、ビジネスサイドは明示的に配信する必要がないことを示している。
特に製品に関する検索では、Googleはここ数ヶ月、特定の検索クエリに一致する写真を表示するために、写真コンテンツの掘り出しとリストの表示変更にも重点的に取り組んでいる。
マイク・ブルメンタルの検証によれば、これは宝石を検索するときに特にうまくいくようだ。
以下の例では、Googleは各リストで利用可能な写真の中からイヤリングの写真を取り出し、ローカルパックに目立つように表示している。
3番目のリストでは、Googleは写真に他のアイテムが含まれていても、対象となるイヤリングの存在を通知できることがわかる。
ホテル
フィッシュキンも触れているが、ホテル検索が他のローカルカテゴリと比較して劇的に変化したため、ホテルをローカル文脈で具体的に議論する価値があると思う。
今年、ローカルパックは「ホテルパック」となった。
ローカルパックに似ているが、実際にはホテルパックは完全に異なる検索体験への入り口だ。
2018年後半に、Googleはホテル用のローカル検索の新バージョンを導入した。それには、より多くのフィルターと、9×9のリスティングが含まれていた。
それはすでになくなっており、今ではGoogle Travelのホテルセクションに置き換えられた。これにより、各ホテルで利用可能なプロフィール情報が大幅に拡張された。
ホテルのプロフィールのタブには、価格・レビュー・場所・概要・写真が含まれるようになった。
これには、Googleマイビジネスでこれまで利用可能であったものと比較して大幅に拡張されたアメニティのリスト、およびその地域でのおすすめ事項などのデータが含まれている(ホテルの近く・ビジネス・Googleユーザー・サードパーティソースからの写真)。
飲食店
これは長い特別な歴史を持つ分野だ。
Hotpotの時代や、検索中のレストランのプロフィールを上げて、レストランのおすすめを求めてYelpや他の場所に流れる可能性のあるトラフィックを獲得するために設計されたGoogleの実験を思い出すと、非常に長い歴史があることがわかる。
レストラン検索の人気を考えると、それは驚くことではない。Googleは当初から、現在の状況を見越して取り組んでいたに違いないだろう。
Search Engine Landのグレッグ・スターリンの調査によると、我々は消費者の84%が他のカテゴリーより多く、オンラインでレストランを探していることがわかった。
今日、レストランの検索は一般的な検索と劇的に異なっているわけではない。しかし、わかりやすい料理の写真など、いくつかの微妙な違いがある。
レストランのローカルパックには、レビュー・料理の種類・価格・時間・ロケーション履歴を参照するようGoogleに依頼できる「過去の訪問」といった特別なフィルターも含まれている。このフィルターを使用すると、訪れたことのあるレストラン、または訪れたことのないレストランのみを表示する。
さらに以下のDivine Thaiのリストにある「伝統的な食事のためのリラックススポット」などの説明は、Googleの編集チームの熱心な努力により、他のリストよりはるかに一般的である。
このため、レストラン検索は他のカテゴリー検索よりもはるかに推奨されているように見える。
サービス指向ビジネス
Googleは過去数年にわたり、Google保証の返金プログラムやGoogle Screenedライセンス検証サービスなど、ローカルサービス広告の新機能を着実に展開してきたが、この取り組みは半分しか実現していない。
これはおそらく、多くの業種がローカルサービス広告の対象から除外されているためである。
2019年に不動産業者・弁護士・ファイナンシャルプランナーが追加され、現在は約30のタイプの業種がリストとなっている。
(錠前や配管工・ペットグルーマー・写真家・ハウスクリーナー・害虫駆除)
ローカルサービス広告はアメリカのすべての地域で利用できるわけではないが、範囲は拡大している。
ローカルサービス広告のユーザー体験は、GoogleショッピングやGoogleトラベルと比較するとやや貧弱だ。「house cleaners anaheim ca」を検索すると、画面の上部に広告カルーセルが表示され、その下にローカルパックがトラフィックを奪い合っている。
Googleホテルと比較すると、広告を選択する明確なインセンティブはない。
ローカルサービス広告のインターフェイスを適切に入力してビジネスを選択すると、上記で共有したホテルの例よりもはるかに単純なプロフィールが表示される。
しかし、これがWebサイトに代わるものであるなら、特に印象的だとは感じない。
それでも、ローカルサービス広告の存在自体が、未来のホームアドバイザーになるというGoogleの関心を示している。
今後、Googleがより堅牢なサービスを提供し、それが飛躍することは予想が付く。そして、それは企業にとっては無料だ。
今日、サービス指向のビジネスは、広告費を払うか、もしくはGoogleマップとローカルパックにランク付けされるために、大企業と勝負しなければならない。
これが錠前屋・ガレージドアの設置者・弁護士などのサービス指向のカテゴリにスパムが並ぶ理由になっていることは、疑いの余地がないだろう。
Googleは次にどこへ向かうのだろうか
Googleが垂直化された体験を中心に構築している勢いを考えると、来年以降、Googleはさらに検索結果へ垂直性を追加し続ける可能性がある。
実際、最近のThink with Googleのレポートが、「Traditional industries are transforming with digital」というセクションで食料品・自動車・金融を具体的に示していることを考えると、これはGoogleの方向性を示唆しているのかもしれない。
過去2年において、「食料品アプリ」のモバイル検索が900%増加し、「電気自動車」のモバイル検索が85%増加し、「財務計画と管理」のモバイル検索が70%増加した。
これらは、Googleのようなデータドリブン型企業が新しい機能をどこに構築するかを決定する際に、確実に参照する種類の需要のシグナルである。
モバイル検索といえば、垂直化は、イノベーションの焦点としてデスクトップが実際にモバイルの前にあるという奇妙なケースだ。
例えば、Googleホテル検索のモバイルブラウザバージョンはデスクトップとほぼ同じだが、余分なタブが複数あり、検索体験としてはそれほど強力ではない。
また、ローカル検索が増加しているGoogleマップは、ホテル用の新しいインターフェイスに切り替えられておらず、アプリ内体験を統一する必要性に疑いの余地はないだろう。
Googleマップの人気の高まりに対して、Googleが、垂直化の優先順位をどのようにバランスさせるかは特に興味深いトピックだと思う。
Googleがユーザー体験の多くを占めるようになる、そんな未来を示唆した記事でした。
Googleは検索結果に独自のサービスを次々と追加しており、検索のプラットフォームから総合的なプラットフォームに移り変わっていくのは予想に難くないでしょう。「SEOのみに頼った集客は危険」とは言われ続けていることではありますが、今後はより一層そのような意識を持つ必要があります。
しかし、依然として有力なプラットフォームであることは確かです。Googleがさらに力をつけるなら、よりSEOの重要性は高まっていくでしょう。
SEOを含むマーケティングをどのように行っていくのか? 考え続けていく必要があると思わされる記事でした。
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2019年、SEO Japanでよく読まれた記事ランキングトップ10
こんにちは、アイオイクス株式会社SEO Japan編集部です。
2019年も、SEOは激動の年でした。
3ヶ月に1回のコアアップデート、Googleしごと検索のリリース、検索結果(SERPs)の変化など、要注目のトピックが豊富だったように思います。
そんな中、SEO Japanでは42記事の配信を行い、基本的なSEOの概要から、具体的なSEO施策、ときには調査データといった内容の記事を公開して参りました。
2019年も大勢の方にご覧いただきまして、SEO Japan編集部としてはとても嬉しく感じております。誠にありがとうございます。
さて、本日、SEO Japanは年内最後の更新となります。
そこで、今回は「2019年、SEO Japanでよく読まれた記事ランキング」と題しまして、どんな記事が皆様の興味を引いたのか、トップ10をランキング形式でお届けします。
果たしてどの記事がノミネートされたのでしょうか。ぜひご覧ください。
【1位】500万の検索結果を分析した結果、自然検索のクリック率についてわかった10の事実
500万の検索結果を分析した結果、自然検索のクリック率についてわかった10の事実
1位は、ブライアン・ディーン氏でおなじみBacklinkoによる、自然検索結果のクリック率を調査したデータの記事でした。
- 検索順位1位のクリック率はどれほどなのか
- どのようなタイトルのクリック率が高いのか
- meta descriptionはクリック率に影響するのか
など、「ユーザーの興味を引くためにはどうすれば良いのか」が、実際のデータに基づいて解説されています。
検索結果上での順位はもちろん大事ですが、「検索結果からどれだけの流入を埋めるか」まで意識して取り組んでいきたいですね。
【2位】30分以内に結果が出る高度なSEOテクニック
2位はNEILPATELによるFAQとQ&Aのリッチリザルトに関する記事でした。
タイトルは翻訳元の「Advanced Hack: How to Improve Your SEO in Less Than 30 Minutes」を直訳したものですが、結果として釣りタイトルのようになってしまい、その節は失礼いたしました。
構造化マークアップは、検索順位に直接は影響しないとされています。
しかし、「30分以内に結果が出る」とされているとおり、検索結果に反映されるのも早い施策であるため、ユーザーの注目を集めたい場合は実装してみてはいかがでしょうか。
【3位】Googleサーチコンソールの「クリック数」「表示回数」「掲載順位」のガイドを紐解く
Googleサーチコンソールの「クリック数」「表示回数」「掲載順位」のガイドを紐解く
3位は、Search Engine LandによるGoogleサーチコンソールの各指標に関する記事でした。
昨今の検索結果は、強調スニペットやナレッジパネル、広告によって、以前と比べてバラエティ豊かな見た目となっています。
この記事では、「サーチコンソールはどのように順位を判定して表示しているのか」という疑問に対し、かなり詳しい解説がなされています。
データを正しく読み解くことで、見えてくるものもあるでしょう。
少し複雑な記事になっていますが、ぜひこの年末に読み込んでみてはいかがでしょうか。
【4位】Googleの検索結果において、自身のサイトをよりクリックされやすくする5つの方法
Googleの検索結果において、自身のサイトをよりクリックされやすくする5つの方法
CXLによる、検索結果ページ(SERPs)内でのクリック率を高める方法の記事です。
強調スニペットやGoogleのサービスの表示などにより、サイトへの自然流入は減りつつあります。
ただし、SERPsでの表示を最適化することで、サイトへの流入数を増やすことはできるはずです。
良いコンテンツをユーザーに届けるための入り口として、こだわれるところはこだわってみましょう。
【5位】キーワードリサーチから被リンクの獲得まで。最新のSEO施策17選【2019年版】
キーワードリサーチから被リンクの獲得まで。最新のSEO施策17選【2019年版】
Backlinkoによる、SEO施策のまとめ記事です。
「スニペット・バイト」「リンク・インターセクト」など、見慣れない言葉が並びますが、「なるほど」と思わされる施策も多く、一見の価値ありです。
すべてを実施する必要はありませんが、SEOに行き詰まりを感じているのであれば、こうしたアイディアリストから施策を考案してみるのは有効かもしれません。
【6位】【実験】新しいコンテンツをいち早くGoogleで上位表示させるためにすべきこと
【実験】新しいコンテンツをいち早くGoogleで上位表示させるためにすべきこと
NEILPATELによる、新規コンテンツに対するSEO施策の記事です。
結論は、「行えるすべての施策を行うべき」となりますが、特に以下の施策が重要です。
- サイトマップの送信
- 既存コンテンツからの内部リンク
- SNSでのシェア
コンテンツの初動を加速させるためにも、できることはひととおり試してみてはいかがでしょうか。
【7位】【調査データ】Googleマイビジネスで3.7以上の評価を得ると、コンバージョンが増加する
【調査データ】Googleマイビジネスで3.7以上の評価を得ると、コンバージョンが増加する
Search Engine Landによる、Googleマイビジネスとコンバージョンの関係性の記事です。
内容としては、Googleマイビジネスの評価(レビュー)が3.7以上のビジネスは、検索経由でのコンバージョン率が高いというものです。
コンバージョンは複合的な要因によってもたらされるため、評価が高ければ必ずしもコンバージョン率が高くなるわけではありません。
しかし、顧客に向き合う姿勢は、自然と評価にも反映されるため、ひとつの指標として評価を高めるのは良い施策といえます。
【8位】Googleのコアアルゴリズムアップデートによる変動からサイトを回復させるために重要な4つのポイント
Googleのコアアルゴリズムアップデートによる変動からサイトを回復させるために重要な4つのポイント
Googleのジョン・ミューラー氏への質疑から、コアアルゴリズムアップデートの概要を知るという趣旨の記事です。
2019年はコアアップデートが頻繁に行われた年でした。そして、コアアップデートは主にYMYL領域に影響するアップデートとされています。
YMYL領域においては、サイトのE-A-Tが重要となりますが、抽象的な概念であるため、イマイチピンと来ない方も多いはずです。
サイトの順位が下落する理由のヒントとして、一読の価値ありです。
【9位】【調査データ】若者はスニペットとナレッジパネルから情報を得ており、検索結果をクリックしない
【調査データ】若者はスニペットとナレッジパネルから情報を得ており、検索結果をクリックしない
検索結果上でのユーザー行動について、実際のユーザーへの聞き取りをもとにしたデータの記事です。
- 自然検索結果はユーザーに好まれているのか
- 強調スニペットはユーザー行動に影響するのか
- ナレッジパネルをユーザーは気にしているのか
などを中心にまとめられています。
アメリカで行われた調査であるため、日本のユーザー行動とは違う部分もあるかもしれませんが、それでも参考になる記事です。
【10位】検索結果の順位をあげるための、内部リンク構築戦略
SEOにおける内部リンクの重要性が語られた記事です。
「サイト内でどのページが重要とされているのか」は、内部リンクによって判断される要素が大きいです。
サイト内のコンテンツがリンクによって繋げられていないと、ユーザーはもちろん、Googleもページ同士の関連性を認識することが難しくなります。
SEOにおいて、「関連性」はひとつのキーワードです。内部リンクは意識して構築するようにしましょう。
まとめ
2019年にSEO Japanでよく読まれた記事のトップ10は、以下のとおりでした。
- 500万の検索結果を分析した結果、自然検索のクリック率についてわかった10の事実
- 30分以内に結果が出る高度なSEOテクニック
- Googleサーチコンソールの「クリック数」「表示回数」「掲載順位」のガイドを紐解く
- Googleの検索結果において、自身のサイトをよりクリックされやすくする5つの方法
- キーワードリサーチから被リンクの獲得まで。最新のSEO施策17選【2019年版】
- 【実験】新しいコンテンツをいち早くGoogleで上位表示させるためにすべきこと
- 【調査データ】Googleマイビジネスで3.7以上の評価を得ると、コンバージョンが増加する
- Googleのコアアルゴリズムアップデートによる変動からサイトを回復させるために重要な4つのポイント
- 【調査データ】若者はスニペットとナレッジパネルから情報を得ており、検索結果をクリックしない
- 検索結果の順位をあげるための、内部リンク構築戦略
並べてみると、検索結果上でのユーザー行動(CTRなど)に関連する記事の人気が高かったようです。
SEOは外部要因などの変数が多いため、「どの施策がどれだけの効果をもたらすのか」を判断しにくいのが特徴です。
そのため、調査データのような、具体的な成果がわかるコンテンツが人気なのも頷けます。
「SEOは何から始めれば良いのか」に悩んだ場合には、わかる範囲でデータを収集し、施策に優先度をつけて実施するのが堅実でしょう。
来年もSEO Japanをよろしくお願いいたします
2019年のSEO Japanの更新はこれでラストとなります。
今年もSEO Japanをご覧いただきまして、誠にありがとうございました。
2020年は社員によるコラムブログ「SEO Japan Mini」や、メールマガジン、Twitterといった発信活動をより強化していきたいと考えています。
今後もSEO Japan及びアイオイクスをよろしくお願いいたします。
それでは皆さん、良いお年を!
SEOコンサルの新人研修プログラムの作り方
こんにちは。デジタルマーケティング事業部、事業組織基盤ユニットの糸田川五大です。随分といかつい名前をしていますが、「組織」に関するさまざまな課題を解決し、コンサルタントが顧客に高い価値を発揮することに専念してもらえるようにするための部署です。
事業組織基盤ユニットが取り扱っている職掌は広いですが、自分は新たに入社したメンバーが少しでも早くコンサルタントとして活躍してくれるよう、研修・マニュアル整備・コミュニケーションの活性化といった仕組みを作ったり、運営したりするのが仕事です。
この記事では、主にコンサルタントの入社初期の研修プログラムをどのように作っているのかを書こうと思います。まだまだ改善途上といった状況ですが、弊社での仕事に興味がある方や、スキルの属人化に悩まれている方にとって、興味深い内容になれば幸いです。
魔法のことば「OJT」
かつて、ナイルにはまだ研修らしい研修というのはなく、OJTという名のもと、基礎知識のテストやワークを済ませたのち、「じゃあ実業務を通じて学んでね」というのが中心でした。
とはいえ、実業務の中で学ぶ、というのも難しいもので、いろいろな課題が生じていました。
- 教える側の力量や精神的な余裕にフィードバックの質が左右されてしまう
- 「実案件で必要な業務をこなす」ことが第一になってしまい、習得するスキルの幅が狭くなってしまう
- 個々人が何をどこまで学び取っているのかがわからず、レベルの高すぎる案件にアサインされて消耗する
などなど、挙げていくときりがないですが、要するに事業の成長に伴う案件規模の大型化・複雑化に新人が追いついていくのが難しいという状況があり、適切なオンボーディング(入社から戦力化までの設計)が必要とされていました。
その中で当時、社外業務委託やアルバイトスタッフの指導・管理を受け持っていた自分が、コンサルティングユニットに協力して「オンボーディング研修」を作っていったという経緯です。
基礎は「重要」であって「簡単」ではない
当初、オンボーディング研修の狙いは、「SEOの基礎業務を現場でつつがなく行えるようになって、早くチームに貢献してもらうこと」が偽らざる本音としてあったわけですが、この基礎が意外と曲者でした。
基礎、という言葉には「簡単で誰にでも出来る」みたいなニュアンスがありますが、現場で基礎とみなされていたことは、実際のところ「だいたいの案件で行うため発生頻度が高く、作業量も多いので猫の手も借りたい」というものであって、別に求められる能力のレベルが低いわけではなかったのです。
基礎だと思われていた業務の例
- サイトの特性や案件の狙いに応じて、対策キーワードのリストを作る
- サイトの情報・内部リンク・URLパスを加味しながらツリー構造に整理する
- そのページで対応するべきキーワードを定義した上で、titleやdescriptionの記述を刷新する
- サーチコンソールやサードパーティツールを使って、SEO上、不利に働くサイトの仕様を見つける
このへんを見て「簡単だな!」と思った方、ぜひ弊社採用ブログ「ナイルのかだん」や「キャリア採用サイト」もご覧ください。お問い合わせの際には「糸田川からのリファラルです」と言ってもらえると大変ありがたいです。
冗談はさておき、これらの業務はSEOの施策の流れ、ビジネス、マーケティング、技術的仕様など、いろいろな背景知識がなければ、ちゃんとした質のアウトプットは出せません。現場で格闘しながらやってきた昔の自分や今のメンバーは偉いなと思う一方で、教えるとなるといろいろな工夫が必要でした。
実践:どうやって「SEOのコンサル」を教えるか
研修の当初の趣旨は「SEOコンサルの現場で、まずは助手として役立てること」というところなので、求められることは以下になりました。
現場で求められていること
- 現場で発生する主要な業務(前掲のような)を一通りやれる
- 作業やアウトプットを作る上で必要なツールやマニュアルが実際に使える
- SEO案件の大まかな流れや、パターンを知っている
- SEOだけでなく、Webマーケティングの基礎的な部分の理解も出来ている
新人の皆さんの経験は様々あり、これらを全てゼロから教えるというわけではないですが、少なくとも上の2つを教えるにあたって、下記のような枠組みを設計しました。
- マーケやSEOの基礎知識の習得
- データベース型のサイトでの現状調査と課題立案
- 記事メディアの調査・課題解決まで
- サービスサイトについて、課題の整理と提案まで
実際、このメニューを自分がマンツーマンで1ヵ月くらいの期間にかけて指導していくようになっているのですが、これだけ見ても「何のこっちゃ」という感じなので、ひとつずつご説明します。
(1)知識と概念を把握してもらう
マーケティングに限らずどんな仕事でも、そこで用いる概念や用語の理解は必要になります。SEOは、特に検索エンジンの技術的な仕様の理解が重要で、新しい情報を正確に知っておくこと、少なくとも必要に応じて公式ヘルプや信頼できる情報ソースにあたれることは必須です。
そういうわけで最初に行うのは、課題図書や必読サイトの提示と、基本的な技術理解や判断を確かめるためのテストです。テストは100問ほど作っており、研修期間中に回答してもらうことになります。
ほかにも、実際に仕事で使う「内部技術要件のチェックリスト」を使いながら、その調査方法や技術的部分の概念理解について講義しています。
▽「SEO100問100答」では実際に顧客から受けた質問などを元に、知識を上手く伝えられるような練習をしています。
(2)~(4)サイトタイプ別に実際の案件を模して研修する
SEOの方針は、先程の図のようにサイトのタイプによって大きく3種類に分けられます。
- 不動産、求人、商品といった、何かしらの要素のデータベースを持ち、それらを条件ごとに切り分けた一覧ページが数多く存在する「データベース型サイト」
- コラムや読み物など、記事の集積である記事「メディア型サイト」
- 上記2つの要素が複合することも多い、商品や問い合わせなどの明確なコンバージョンポイントを持つ「B to Bサービスサイト」
「SEOに効く施策」というのは、調べるだけで数多く情報が出てきますが、実際にどういったサイトにおいて何が有効なのかを判断するには経験が必要です。
例えば、「クロールを改善する施策は、大量のページを持つデータベース型サイトでは有効だが、せいぜい数百ページの記事メディアでは問題にならない」など、サイトの特性や顧客の要望を踏まえて、適切な課題を設定し、それに対する施策に優先度をつけられることが「一人前」の一つの到達点になります。
基本的なSEOコンサルティングの流れは、「調査・分析」を行い、「課題抽出・解決策」を用意し、「提案」して顧客に動いてもらい、実装された後に「成果を検証」することです。
調査・分析のポイントや課題抽出のポイントはサイトのタイプごとに異なるため、3つのタイプすべてで研修します。しかし、すべてを順番に研修していくのは時間がかかりすぎるので、フェーズをずらしつつやってもらっています。
▽データベース型サイトのキーワード作成の例。単語をグループごとに考えて、グループ同士を掛け合わせることで検索キーワードを考える
▽記事メディアでの研修内容の例。対策キーワードを厳選した上で、そこで上位表示するための記事の必要要件を整理する。
▽サービスサイトでの研修内容の例。調査結果の資料をもとに、途中まで作られた提案書の中身を埋めていく中で、提案の要領を伝える。
(+α)実際の案件に同行する
このような研修をこなしていくかたわら、実際の顧客との商談に、営業やコンサルタントと同行してもらっています。実際の現場で繰り広げられている会話を、自分の知識や経験に紐づけて、自分のものにしてみないとわからないことは多いからです。
例えば、道中で先輩にいろいろ話を聞いてもらったり、心得を伝授してもらったり、顧客との距離感を肌でつかんでもらったりしています(このあたりは、ほぼコンサルタントの皆さんに任せています)。
学びを支えるための仕組み
これらのプログラムはサンプルワークを終わらせることが目的なのではなく、「力をつけてもらい、顧客やチームに貢献してもらい、良い仕事をしてもらうこと」が目的です。どういう学びが自分を成長させるかについては、人それぞれ流儀があると思うので、手段の幅は広げようとしています。
いまさら聞けないSEO質問スレッド
チャットアプリのSlackには、新人から1、2年目のメンバーとベテランを中心とした有志で、SEOに関する質問を「いまさら聞けない」と思うことなく、「個々人がスキルアップして、顧客により高い価値を提供することに集中する」ための、クローズドな質問チャンネルを用意しています。
正直、こんな初歩的なことを聞いたら、「半人前扱いされてしまうのではないか」などと思ってしまうのは、痛いほどよくわかります。一方、過去のDGMでは「そういうことを思わない心臓が毛深い人」が成長していく傾向がありました。
しかし、そういったことで成長が止まるのは、顧客のためにもならないので、以下のようなことを「そもそも考えるの禁止!」という誓約をさせた上で、質問チャンネルを用意しています。
<質問チャンネルでのNG思考>
- 何で知らないの?(知らないものは知らないです)
- ちょっとは調べたの?(調べてわからなかったから聞いている)
- こんな質問したら微妙じゃないか?(わからないことがあるのは当然なので)
- さすがにこれでは心配だわ(だから積極的に発言してがんばっているのです)
社内Wikiでのマニュアル管理
Confluenceというツールを導入して、過去にさまざまな人が独自に作ったマニュアルやフロー図を、「社内Wiki」として用意しています。
「実際のサンプル資料をここに格納していったり、マニュアルをみんなで更新していったり、といった動きがとれるようになっていくと最強だよな」と思いつつ、まだまだ工事中です。
ちなみに、社内Wikiについては、自分が業務支援ユニット時代に高久というメンバーといっしょに作り上げたものを引き続き用いています。関心がある方は、こちらの記事を見ていただけると幸いです。
◆ナイルのかだん 暗黙知の可視化/数値化/仕組み化によってコンサル業務を20%削減!業務支援ユニットの挑戦
「正解」だけなら無数にある
とまぁ、こういった形で知るべきことを伝えて、実際にやってもらい、サポートをする…、という状態にはしているものの、正直これはまだ「スタートラインに立ってもらった」という状態にすぎず、やることはまだまだ残っています。
- 単にアウトプットのやり方を覚えただけではなく、より筋の良い課題を見抜くトレーニング
- 過去の成果が出た事例を、より適切に参照できるようなナレッジシェア体制
- 新人の前歴での経験や、得手不得手に合わせた研修プログラムの柔軟な運用
- 既存のメンバーのスキル状況の管理と、学び直しの機会提供
などなど、現場の努力で支えられている部分はいくつもあり、助けられるように知恵をしぼっているところです。
ナイルのSEOコンサルティングの仕事は、「物知りな人として、正しいことを教えてあげる」というようなものではありません。「顧客の横に立ち、同じ壁を見据え、その壁を越えさせていくこと」という、問題解決の仕事になります。
それは、常に「未知」に直面し続けるハードなもので、そこで必要になるのは「正解の知識」自体よりも、「解けない問題を解ける課題にし、実際に解ききる力」です。
教育や研修を担う者は、他人にそれを求める以上、自分自身が常にその力を求めて悪戦苦闘していくべきだと思います。
SEOにも教育にも「正解」だけは無限にある中で、「一人でも多くのメンバーがより自信を持って顧客と向き合い、顧客に成果をもたらせるようにする」という理想に組織を近づけていくのが自分の仕事です。
今後!次回予告
事業組織基盤ユニット(ジソキ)は、先月の11月から3人体制になり、教育や研修だけでなく、根本的な能力評価についても設計を進めています。
見えてきた課題や打ち手も多々あるので、いずれはそのあたりの構想や、取り組みの結果もご紹介していければと思っています。
※もし記事の内容に興味があったら、「@GodaiIt」にDMでも、リプライでもください!励みになります。
SEOコンサルの新人研修プログラムの作り方はナイル株式会社 - SEO HACKSで公開された投稿です。
ユーザーの目を引く検索結果。ユーザーはどのように検索結果を見て回り、それはSEOにどんな意味をもたらすのか?
「10本の青いリンク」と呼ばれた伝統的な検索結果画面は、今日においては、ほぼ目にする機会がないでしょう。
広告に加え、ナレッジパネル、Googleマイビジネス、リッチカードなど、様々な要素が検索結果画面に表示されています。これらの表示がユーザー行動に影響することは十分に考えられ、SEO担当者としても非常に興味が沸く領域です。
今回は、こうしたユーザー行動への影響調査をまとめたSearch Engine Landの記事をご紹介します。
ユーザーの注意は、検索結果画面を横断して「飛び跳ねる」。それに応じて検索行動も変化している。
近年、ナレッジパネル、画像、ローカルパックなどの機能が検索結果画面に多く表示されるようになった。
それらの表示回数は急増し、SEO戦略にも大きな影響を与えている。
こうした複数の機能の導入が、検索者の行動にどのような影響を与えているか、それを明らかにする目的で新たな調査が行われている。
ニールセン・ノーマン・グループによって行われた調査によれば、広告プロダクトのカルーセル、動画カルーセル、強調スニペットやリッチリザルトなどが検索結果画面(SERPs:Search Engine Result Pages)に表示される場合、それは74%のユーザーに見られているということだ。
こうした検索結果画面の視覚的要素は、ユーザーの注視(目線)の経路に影響を与える。また、クエリによって複数の機能の表示は可変となるため、ユーザーの注視のパターンは、直線のパターンではなくなっていると、この調査が明らかにしている。
これは、2017年から2019年の期間で、アイトラッキングとユーザービリティ調査の参加者を対象に、471のクエリを分析した調査の結果となっている。
検索結果画面の機能は、ユーザー行動とアクションにどのような影響を与えるのか
強調スニペットのような機能が検索結果に表示されると、74%の場合においてユーザーに見られるということが、調査によって明らかになっている。
「画像は明らかに注意を引きつけ、また、視覚的な魅力があるため、彼らが探しているトピックについての検索結果であるとユーザーが判断するのに役立っている」と、ニールセン・ノーマン・グループのシニア・ユーザーエクスペリエンス・スペシャリストであり、この分析レポートの著者であるニールセン・ノーマン氏はSearch Engine Landに対して述べている。
また、「しかし、素早く答えを提供する要素も多くの注意を引きつける。強調スニペット・ナレッジパネル・他の人はこちらも質問、といった要素だ。」とも述べている。
興味深いことに、こうした要素は検索結果画面の複雑さを増すことになるが、ユーザーは比較的素早くアクションを起こしているようだ。この調査の参加者たちが、最初に選択した結果をクリックするまでに要する時間は、平均で5.7秒である。
Yextによって行われた別の調査では、ローカル検索結果でのアクション(経路の把握や電話をかける、などのクリック)は大きく増加(17%)しており、去年のビジネスリスティングの表示回数の増加(10%)よりも多い。
「この状況は、ユーザーは、彼らが欲するものをより早く探し当てることができるようになっていることを意味している」と、Yextのアナリストは結論づけている。
「より具体的なクエリを使うことをユーザーは学んでおり、検索エンジンもこうしたクエリの理解を深めていることから、ユーザーは検索にかかる時間を短縮させ、より多くの時間をビジネスを知ることに費やしている」とも述べている。
ピンボール・パターン
検索結果画面の上位に表示される価値は、ユーザーは検索結果を連続して見るという考えに基づいている。
近年の検索結果では、従来の検索結果に加え、広告やインタラクティブな要素など、異なるタイプの結果が表示されている。
ユーザーはそうした複数の要素を直接注視しており、その動きは直線的な動きではない。ニールセン・ノーマン・グループはこの現象を「ピンボール・パターン」と名付けている。
「検索結果画面はクエリによって異なるため、検索結果画面をよく読み、クリックを選択する前に、ページの構造への理解をユーザーは強いられている」と、レポートには記載されている。
リッチアンサー、カルーセルなど、あらゆるクエリで多くの要素が表示されている。こうした情報の詰め合わせは、検索結果画面におけるユーザーの注視の変更に、非常に大きな影響を与えている。
調査では、「検索結果画面のレイアウトが、どのリンクがビジビリティ(可視性)とクリックを獲得するか、その決定権を有している」とされている。
また、「視覚的に強制力のある要素が表示される場所が、それら付近に表示される自然検索結果のビジビリティに影響を与えているかもしれない」、とも述べている。
上記の図は、「購入すべき最高の冷蔵庫(best refrigerator to buy)」という検索における、調査参加者の目線の動きである。
この参加者は、自然検索結果を見る前に、ショッピングカード・広告・強調スニペット・他の人はこちらも質問といった要素に注意を向けている。
どのような検索結果が見られ、クリックされているのか
2006年と今日における検索行動の一番の変化は、検索結果の最初に表示される結果のクリック数である。
2019年では、最初に表示される結果(ここでは、検索ボックスの下に1番初めに表示されるアイテムを指す。そのため、広告である場合もある)が、28%のクリック数を得ている。
しかし、2006年の場合、最初に表示される結果は51%のクリック数を得ていた。
この調査では、ゼロ・クリック検索の増加も考慮されているが、過去と比べ、広告の露出とクリックがページを押し下げている可能性は十分に考えられる。
つまり、2006年と比べ、広告とインスタントアンサーのような機能が、検索結果の上部に表示される機会が増えているということだ。これを考慮した上で、下記のデータを読み取ってほしい。
この調査によると、3位までに表示される結果がクリック数の半数以上(59%)を得ている。3位以下に表示される結果は、2006年と比べ、わずかに高い割合のクリック数を得ている。
ユーザーがクリックした結果が読み込まれるのを待つまでに検索結果をブラウズし続ける場合も観察されている。
最初に選んだページが彼らの疑問を解決しなかった場合、検索結果画面に戻り、最初の選択を行う前に確認していた他のページを選択するユーザーもいた。
ファーストビュー以下の価値は多様である
ナビゲーショナルの検索と事実を確認するための検索において、ファーストビュー以下の検索結果(ユーザーがより多くの検索結果を見るためにスクロールした際に表示される検索結果)はわずか5%しか選択されない。
より複雑な検索の場合、ファーストビュー以下の結果は20%選択されている。
- タイトル:タスクの種類によるファーストビュー以上・以下の選択
- 青色:ファーストビュー以下の検索結果の選択
- 灰色:ファーストビュー以上の検索結果の選択
- 左のバー:調査関連のタスク
- 右のバー:事実確認やナビゲーショナルのタスク
仮にファーストビュー以下に表示されていたとしても、深ぼったコンテンツを発信している場合は、クリックを得ることができる可能性を、この調査は指し示している。
しかし、1ページ目以下を確認されるクエリは、全体の2%ほどである。
なぜ、我々は注意する必要があるのか
今回の調査が実際の検索行動を反映しているのであれば、検索結果に表示される要素に対する最適化が成功した場合、その恩恵に預かることになるだろう。
自然検索結果の上位というポジションは、あなたのWebサイトのビジビリティを高める複数の要素のうちの1つにすぎない。
自然検索結果の「青いリンク」は広告やリッチアンサーにその場所を譲っており、Perficient Digitalの調査によれば、昨年以降、モバイルにおいては2倍以上となっている。
また、Googleマイビジネスは、昨年以上のクリックを得ている。
検索結果画面により多くの要素が表示されるというトレンドは、ユーザー行動に大きな影響を与えるだろう。Googleでの検索の大部分は他のWebサイトへのクリックが発生しておらず、これは、パブリッシャーが自然検索から獲得できるトラフィック数が減少することを意味している。
こうした要素の表示数は今後も増加することが見込まれ、減少することはないだろう。
このトレンドを念頭に置いた上で、マーケターは戦略を練る必要がある。
SparkToro社のランド・フィッシュキン氏がSMXで「検索結果画面のSEO」を紹介していたが、自身の組織に最も意味をなす検索結果画面の要素への最適化によって、ブランドは検索結果からオーディエンスにリーチする方法を発見することができるだろう。
ナレッジパネルが初めて登場した際、「スイス アーミーナイフ」とGoogleは表現していました(Webサイトを「コーク・スクリュー」としていました)。
つまり、「簡単なタスクであればGoogleで完了し、キチンとした仕事であれば、ユーザーはWebサイトを訪問するだろう」ということです。現在、ナレッジパネル等は非常に便利になっており、ユーザーもそれらから情報を得ることが当たり前になっていると思われます。
変化に対応するのはユーザー行動だけではなく、検索結果に対しても行うべきだと改めて考えさせられる記事でした。もちろん、両者は影響しあっていることを忘れてはいけません。
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コンテンツマーケティングを成功させるための6つのプロモーション手段
品質の良いコンテンツの作成は、どのWebサイトにも必要であり、SEOに限った話ではありません。
しかし、作成したコンテンツをどう宣伝するか、力を入れているサイトは意外なほど少ないかもしれません。
今回は、作成したコンテンツを簡単に宣伝する方法を紹介した、ニール・パテル氏の記事を紹介します。
ブログ記事を書くことは簡単だ。
書き慣れていない人は、そう思わないだろう。しかし、こちらの記事の内容に従えば、ライティングも苦にならないはずだ。もしくは、こちらの動画を参照してほしい。
しかし、ブログ記事を書き終わった後、あなたは何をするだろうか。
多くの人が、コンテンツマーケティングにおける「マーケティング」を忘れているのだ。コンテンツを書く人は多くいる。しかし、プロモーションに力を入れる人は少ない。
そこで、私はコンテンツのプロモーションにおける、完璧な公式を作成した。
特に複雑な作業を強いるわけではない。30分とかからないだろう。それぞれを6つのステップに分けて紹介する。
だが、具体的な公式の説明に入る前に、その効果をまずはお伝えしたい。私の一番新しいブログ記事にこの公式を採用した結果は下記だ。
1週間で35,492の訪問を獲得した。これは、恥ずべき数字ではないだろう。この記事が特別優れた内容であったわけではない。ごくごく平均的な内容だ。
私はこの施策をずいぶん長く実践しているため、私と同じような結果をあなたは得られないかもしれない。
しかし、この施策を実践する前と比べて、あなたの記事のパフォーマンスはきっと良くなるはずだ。タイトルにあるとおり、私は35,492の訪問を獲得したが、少なくとも0くらいは獲得できるだろう。
では、各公式の説明に移ろう。
No.1:タイトルを最適化する
10人中8人は、あなたの記事のタイトルを読んでくれる。しかし、そのタイトルをクリックし、残りの記事を読もうとする人は、10人中たったの2人である。
どれだけコンテンツの中身が素晴らしかろうが、タイトルが魅力的でなければ、プロモーションの効果は薄れてしまうだろう。
あなたはこのように考えていることだろう。「すでに記事を公開してしまっているため、変更するには遅すぎるのではないか」と。
いや、タイトルの変更はどのタイミングでもかまわない。ただし、一度公開した場合はURLを変更しないことだ。もし、URLの変更が必要ならば、301リダイレクトを使用しよう。
タイトルを有効活用するシンプルな方法がある。しかも、数分とかからないのだ。
Ubersuggestにアクセスし、そのコンテンツのメインとなるキーワードやフレーズを入力しよう。
下記のようなレポートが出力されるはずだ。
サイドバーにある「コンテンツ候補」をクリックしよう。
すると、次のレポートが出力されるはずだ。
このレポートは、あなたが入力したキーワードやフレーズをタイトルに含んでいる世界中のブログ記事を表示してくれる。そして、ソーシャルシェア、バックリンク、検索トラフィックのデータも併せて提供される。
このレポートの情報を参考にしよう。
「数千のソーシャルシェア(メジャーな業界でなければ数百でもかまわない)」、少なくとも「10の被リンク」「100以上の流入見込み」の3つを有するタイトルを探せれば理想だ。つまりは、以下のようなケースである。
上記3つの条件が当てはまるタイトルの内容を参考にすれば、あなたのコンテンツもより多くのトラフィックを獲得することが見込まれるだろう。
No.2:3本の内部リンクを追加する
新しいコンテンツが愛されるために必要な最も簡単な方法は、リンクを構築することである。
もちろん、リンクの構築はとても困難だ。しかし、内部リンクの構築は困難ではない上、効果的でもあるのだ。
私の記事は、「デジタルマーケティング」という競合性の高いキーワードで上位表示されている。
内部リンクが大きく貢献していると言えるだろう。サイドバーや各ブログ記事に、デジタルマーケティングのメインとなるページへ、リンクを設置している。
新しい記事を作成する度に、その記事と関連した過去の記事を探し、新しい記事へのリンクを貼るのだ。古い記事から少なくとも3本のリンクを設置しよう。
この作業がインデックスの助けとなり、検索結果での上位表示にも影響するのである。
No.3:コンテンツをソーシャルで注意深く共有しよう
ソーシャルメディアマーケティングにおける問題は、FacebookやLinkedInといったサイトに、半ば自動的に、ただ共有してしまうということだ。
このままではうまくいかない。なぜなら、何十億というURLがすでに共有されてしまっているからだ。
言い換えると、我々は普段、共有されたURLの多くを無視しているのだ。
しかし、ソーシャルメディア上で目立ち、数千もの訪問を獲得する単純な方法がある。
どのような方法か。
ヒントを与えよう。LinkedInでの私の最新の投稿を見てみてほしい。
2020年、マーケティングは変化を遂げるだろう。しかし、あなたが考えているようにはならない。
誰も語っていないことが起ころうとしている。
そして、これがFacebookでの投稿だ。
これまでに、GoogleがBERTと呼ばれるアルゴリズムのアップデートを行ったことを耳にしているだろう。
検索全体の10分の1において影響のある、大きなアップデートだ。
SEOを行うものとして、あなたは何をすべきなのだろうか。多くのトラフィックを得るために、どのようにしてBERTを活用できるのだろうか。
ここでは、BERTに愛されるよう、コンテンツマーケティングを行う方法を解説する。
パターンにお気づきいただけただろうか。
私は、好奇心を起こさせることを念頭においている。言い換えれば、私はあなたの興味を惹こうとしている。もし、あなたがその「解決策」を知りたければ、私のサイトへ訪れるだろう。
LinkedInの投稿では、「マーケティングの状況は来年大きく変化する」と伝えている。また、「誰もまだ語っていない」という表現を用いている。
マーケティングの状況が変化することは誰もが知っているため、このような表現を用いている。「誰もまだ語っていない」と表現することで好奇心を駆り立てているのだ。
もし、「どのように変化するのか」ということに興味を持てば、私のサイトを訪れ、記事の残りの箇所を読む以外、選択の余地はなくなるだろう。
Facebookの投稿でも、好奇心を駆り立てるようにしている。この投稿ではGoogleのアルゴリズム更新について触れているが、「Googleの最新のアルゴリズム更新をどのように活かすべきか、その答えを私は知っている」という表現を用いている。
そして、その内容を知りたければ、私のサイトを訪れるほか、取るべき行動はないはずだ。
自身のサイトへユーザーを導きたいのであれば、ソーシャルで投稿する際、好奇心を引き立てるようにしよう。
最も簡単な方法は、ソーシャルメディアで記事を共有する際、人々の興味を引くようなセンテンスを追加することである。
No.4:発リンク先へメッセージを送る
ブログ記事内で他サイトへのリンクを設置することがよくある。
競合サイトへリンクを貼ることもあるだろう。
他サイトへのリンクを設置していないのであれば、あなたは大きな間違いを犯していることになる。発リンクは、権威性と信頼性の助けとなるからだ。
記事内で何らかの統計やデータを用いる場合、そのソースについて言及するだろう。そうすることで、信頼性が増し、あなたのブランドに専門性が備わるだろう。
これは、Googleのメディック・アップデートの助けにもなり得る。
他サイトへのリンクを設置した場合、そのサイトのEメールアドレスを探しだそう。通常、サイト上にEメールアドレスは記載されているはずだ。
Eメールアドレスが見つからない場合は、コンタクトページを探そう。コンタクトページのフォームから連絡を取ることも可能だ。
Eメールアドレスやコンタクトページが発見できれば、下記のようなメッセージを、発リンク先の全てのページに送信しよう。
こんにちは。【サイトオーナーの名前】
まず、伝えさせてください。私はあなたのコンテンツを非常に気に入っております。【発リンク先のページのタイトル】の記事は特に。
私の最新のブログ記事である【あなたのブログ記事のタイトル】から、こちらの記事へのリンクを設置しています。ご確認いただき、もしお気に召せば、あなたのお気に入りのソーシャル・ネットワークでご共有いただけますと、大変ありがたいです。
よろしくお願いいたします。
【あなたの名前】
私の場合、こうしたメッセージを送付すれば、50%~60%の人が返信してくれ、私の記事を共有してくれる。
しかし、私のブログは知名度があるため、私にとってはこうした結果を出すことは難しいことではない。ただし、最初から簡単であったわけではなく、今の状態に至るまで、この施策を長期間行ってきたのだ。
また、私はこの施策をニッチな市場においても実践している。そうした市場では、私の名前を伝えることはないが、成功率は20%ほどある。
注意点として、メッセージを送る際、あなたのサイトへのリンクの設置を求めないことだ。成功率はとたんに下がってしまうだろう。
No.5:Eメールの徹底送信
残り2つの施策は私が獲得した結果の大部分を占める。非常に基本的なことと思われるかもしれないが、決して侮ってはならない。
Eメールの送信をしていない場合、まずは、ユーザーのEメールアドレスを集めることから始めよう。Hello Barなどの無料のツールを使い、ポップアップやスライダーを作成しよう。
Hello Barは、あなたが現在使用しているどのEメールプロバイダーにも接続できるだろう。
環境構築が完了すれば、新しいブログ記事を投稿するたび、Eメールを送付しよう。
下記に、私が送信したEメールの一例を挙げる。
このメールから13,544クリックを獲得した。非常に効果的だ。
下記の項目を押さえていれば、Eメールの送信により、多くのトラフィックを獲得できるはずだ。
1.リストを磨き上げる
あなたが送信したEメールを30~60日間開いていないユーザーはリストから削除しよう。アクティブなユーザーでない可能性があるからだ。
2.テキストベースのEメールを送付しよう
上記の例のように、私はEメールを常に簡潔な内容にしている。画像も装飾もなく、テキスト文章と私のサイトへのリンクを記載しているだけだ。このくらいシンプルにしよう。
3.好奇心を駆り立てる
ソーシャルメディアの投稿のセクションで説明したように、好奇心を駆り立てる内容でなければ、Eメール戦略も成功しないだろう。
コンテンツを書けば書くほど多くのトラフィックを得られる。それは、Eメールリストをより大きなものにしてくれる。そして、より多くのEメールリストが、さらに多くのトラフィック獲得へとつながるのだ。
No.6:プッシュ通知を送る
プッシュ通知を活用するサイトが非常に少ないことは大きな驚きだ。2020年現在、私は、プッシュ通知はEメールマーケティングよりも多くのトラフィックを生み出してくれると考えている。
とある調査結果をお伝えしよう。マーケティング領域での競合他社を分析していた際、19サイトのうち、たったの3サイトしかプッシュ通知を使用していなかったことを発見した。
他の業界ではその割合はさらに低くなるだろう。つまり、大きな機会があると言えるのだ。
では、プッシュ通知の仕組みを説明しよう。
あなたのサイトを訪れたユーザーのブラウザ上に、「定期購読を希望するかどうか」というメッセージが表示される。
何人かは、「希望する」をクリックしてくれるだろう。NeilPatel.comでは、だいたい5.4%の訪問客が「希望する」をクリックしてくれる。
Subscribers.comのような無料のツールを使えば、プッシュ通知の送信と定期購読希望者を集めることができるだろう。
新しい記事を書く度にSubscribers.comにログインし、「通知を作成する(Create Notification)」ボタンをクリックしよう。この画面で、該当の記事のタイトルと説明文を入力することができる。
上記の画像の通り、私は、「アイコン(icon)」を使用し、画像サイズを「大(large)」にし、「カスタムボタン(custome buttons)」を表示させている。
これら3つの項目を使用することが、プッシュ通知から多くのトラフィックを得るための鍵となる。Subscribersを使用したデータの一部を公開しよう。
各プッシュ通知から、だいたい6,000ほどの訪問客を獲得している。悪くない数字だ。
プッシュ通知がどのように表示されるかは、私が送付している下記の画像を確認してほしい。
プッシュ通知の優れている点は、ユーザーがどのサイトを訪れていたとしても、上記のメッセージが表示される点だ。このメッセージにより、あなたのサイトに戻ってきてくれるユーザーもいるはずだ。
プッシュ通知を送信した際にオンラインでなくとも、次にブラウザを開いたときに、メッセージは表示される。
結論
コンテンツのプロモーションはそれほど大変な作業ではない。
「上級」のテクニックや、創造性に溢れたアイデアも必要としない。基本的な作業が効果的であり、私はこの記事で紹介した施策を何年も実施している。
今回の記事で紹介した施策以外にも、やれることはあるだろう。しかし、現実的に考えてみてほしい。我々が使える時間は限られている。
今回の記事で紹介した施策が、最もコストに見合った成果をあげてくれると確信している。
作成したコンテンツのパフォーマンスが悪い場合、品質の問題ではなく、宣伝の方法に問題があるかもしれません。
もちろん、全ての記事に対し、全力で宣伝を行うことは難しいと思いますが、今記事で紹介されたシンプルな方法から試してみてはいかがでしょうか。
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GoogleのE-A-Tにおける、よくある10の誤解
かつてはSEO界隈のみの用語でしたが、昨今はいたるところで話されている印象のあるE-A-T。
SEOのみならず、健全なWebサイトの運用にも一役買う概念であるため、多くの人が知ることは良いことだと思います。
しかし、抽象的な概念であるが故、噂のようなものが独り歩きしてしまうのも事実。
今回の記事はSearch Engine Journalより、誤解も多いE-A-Tを解説した記事を紹介いたします。
E-A-T(Expertise、Authoritativeness、Trustworthiness:専門性、権威性、信頼性)は、Googleの品質評価ガイドラインの2014年度版に初めて登場した概念である。
このガイドラインは、Google検索の品質評価に使用される。
検索の品質評価とは、Googleに雇用された数千人の評価者が、一定のWebサイトをレビューし、それらのページの品質についてのフィードバックをGoogleに送付するといった内容だ。
評価者からのフィードバックはGoogleによってベンチマークされ、アルゴリズムの改良に活用される。E-A-TはGoogleの基準として機能し、該当のWebサイトが提供するコンテンツが、どの程度信頼に足るかを評価者が判断するために用いられる。
ガイドラインには、以下のように記されている。
有益な目的を持つ全てのページにおいて、専門性、権威性、信頼性(E-A-T)はとても重要だ。
Googleは、品質評価者が以下の項目を考慮に入れるよう、指南している。
- 彼らが分析しているWebページのメインコンテンツのE-A-T
- Webサイト自体
- Webサイトのコンテンツの作成者
現行版の品質評価ガイドラインでは、167ページ中、E-A-Tという言葉が135回言及されている。
昨年、E-A-TはSEO界隈での大きな議論の的となった。特に、2018年8月1日にリリースされたGoogleのコアアルゴリズムのアップデートによる自然検索からのトラフィックの変化と結び付けて話されることが多かった。
SEO担当者は、E-A-TはGoogleのアップデートにおいて、重要な役割を担うと推測し始めた。特に、YMYL(Your Money Your Life)関連のWebサイトにとっては。
(後にGoogleもWebマスターセントラルブログで認めた)
SEO界隈で意見が交わされるに従って、E-A-T関連の議論は混乱し、誤解され、事実誤認も発生するようになった。
こうした誤解は、理論としては正しいこととGoogleのアルゴリズムの実際の仕組みの差によってもたらされている。
良いE-A-Tを持つサイトを検索結果に表示させることがGoogleの目的である。また、Googleのアルゴリズムも、そのように振る舞うと想定されるものだ。
しかし、E-A-T自体が、現在のGoogleのアルゴリズムの仕組みを説明するものではない。
この記事は、E-A-Tに関連する10個の噂や誤解を検証するために書かれている。
また、E-A-Tが実際にはどのように作用し、Googleがどのように使用しているかを明らかにしたいと思う。
1.E-A-Tはアルゴリズムではない。
E-A-T自体はアルゴリズムではない。
先日開催されたPubconでのQ&Aセッションにて、Googleのゲイリー・イリェーシュ氏は、「Googleは何百万もの小さなアルゴリズムの集合体であり、それらが一致団結して順位スコアを算出している。こうした”ベイビー・アルゴリズム”はページやコンテンツ内のシグナルを探しており、それらはE-A-Tとして概念化される」と述べている。
つまり、E-A-T自体はアルゴリズムではないが、Googleのアルゴリズムは、良いE-A-T、悪いE-A-Tと関連する、オンサイト、オフサイトの両方のシグナルを探している。
それは、権威性を理解するためにWeb上のリンクを利用する、ページランクのようなものだ。
2.E-A-Tスコアは存在しない。
上記と同様のセッションにて、ゲイリー・イリェーシュ氏は、「E-A-TスコアやYMYLスコアは存在しない」と認めている。
GoogleのアルゴリズムがE-A-Tスコアを付与していないというだけでなく、品質評価においてE-A-Tを分析している品質評価者が、個々のWebサイトのランキングには直接影響することもない。
3.E-A-Tは直接のランキング要素ではない。専門性、権威性、信頼性も、それぞれ個々のランキング要素ではない。
これは、E-A-Tがランキングとして重要な検討事項ではないということよりも、セマンティックについての議論となる。
Googleは少なくとも200を超えるランキング要素を使用している。例えば、ページスピード、HTTPS、タイトルタグ内のキーワードなどであるが、これらは特定のページの順位に直接影響しうる。
E-A-Tはこうした要素と同じように作用するものではない。ランキング決定の役割としては、もっと間接的なものだ。
Is E-A-T a ranking factor? Not if you mean there's some technical thing like with speed that we can measure directly.
We do use a variety of signals as a proxy to tell if content seems to match E-A-T as humans would assess it.
In that regard, yeah, it's a ranking factor.
— Danny Sullivan (@dannysullivan) October 11, 2019
E-A-Tはランキング要素か。
我々が直接測定できる、例えばスピードのような、技術的な要素を意味するのであれば、答えはNoだ。
我々は複数のシグナルをプロキシとして使用しており、該当のコンテンツがE-A-Tを満たしているか、人間と同じような判断を試みている。
この意味においては、E-A-Tはランキング要素であると言える。
E-A-Tが現在のアルゴリズムでどのように組み込まれているかと質問された際、AJ・コーン氏は次のように述べている。
「あまりに多くのSEO担当者が、専門性、権威性、信頼性をランキング要素と考えていると感じている。しかし、それらはアルゴリズムの仕組みそのものではない。
単純に、”そうあるべき”ものを推測するものだ。より有益な議論も発生している。
例えば、Googleがアルゴリズム的にこれらに影響を与えているのは何か。つまり、健康領域だ。
Googleは、最も価値のある医療系のテキストとより関連性があるかを判断するため、BioSentVec embeddingsを使用しているのか。それについての回答を私は知らない(個人的には実験しているように思えるが)。
いずれにせよ、こうした議論はより価値のあるものだと考えている。単純に、”専門性を増すために、署名欄にDrという記述を追加すべきか?”といった会話よりも。」
4.E-A-Tは全てのサイトが重点的に注視すべきものではない
Googleは品質評価ガイドラインで次のように明言している。
特定のWebサイトのE-A-Tのレベルは、Webサイトに記載されているトピックスや、どの程度YMYLの領域であるかによる。
例えば、「高いE-A-Tが求められる医療系のアドバイスは、適切な医療系の専門家や認証評価を有する個人や組織によって、作成されるべきだ」とある。
しかしながら、写真やギターの演奏方法など、趣味についてのWebサイトの場合、専門性の要求は低くなり、E-A-Tの分析という観点では、低い水準になりうる。
読者の幸福、健康、経済的な成功、福利などに直接影響を与えるYMYLのトピックを扱う会社にとっては、E-A-Tは非常に重要だ。
また、クレジットカードの情報を扱うため、ECサイトの領域もYMYLと考えられるということも重要と言える。
上記のE-A-Tメーターは、異なる領域のWebサイトにおいて、E-A-Tがどの程度重要であるかを示したものだ。
- 左上:編み物:不要
- 右上:有名人のゴシップ:低い
- 左下:ペットの健康:高い
- 右下:がん治療:非常に高い
5.E-A-Tに注力することは、技術的なSEOの監査や他のSEO施策の代替とはならない
E-A-Tに注力することが、それ単体で、SEOのパフォーマンスを向上することはない。
オンページの最適化、高品質な被リンクの獲得、技術的なSEOなど、成功するSEO戦略に組み込まれるべき通常の施策も、E-A-T獲得のために実行されるべき施策なのだ。
アルゴリズムの更新でネガティブな影響を受けたサイトにとって、E-A-Tは考慮すべき項目の1つにすぎない。
コア・アルゴリズムのアップデートからの回復は、サイト全体の品質の向上、ユーザー体験、技術的なSEO、Webサイトの構成の改善など、多くの異なる領域での改善が求められる。
さらに言えば、ページ読み込みの遅延、クローリングやレンダリングの問題など、技術的な問題を抱えるサイトは、Googleに適切にインデックスされないこともある。
Webサイトのパフォーマンスに影響しうる他の問題を抱えている場合は、そうした問題とのバランスを考え、E-A-Tへの注力を優先付けるべきだ。
6.E-A-Tは新しい概念ではない。誤情報に対するGoogleの処置でもない
「E-A-Tは、2018年8月1日にロールアウトされたコア・アルゴリズムのアップデートのタイミングでGoogleが新たに採用したものである」と主張するSEOの専門家もいる。
しかし、E-A-Tは品質評価ガイドラインの2014年度版に初めて登場している。
さらに、私はE-A-Tに注力した調査を行った結果、2018年~2019年のコア・アルゴリズムアップデートによりネガティブな影響を受けたサイトの51%が、2017年3月のフレッド・アップデートでもネガティブな影響を受けていることを発見した。
Googleによる、誤情報の削除と高品質で信頼できるコンテンツを検索結果に表示させる取り組みは、2018年8月1日にロールアウトされたコア・アルゴリズムのアップデートよりも前から行われていたのである。
検索結果の信頼性と透明性の改善やフェイクニュースの削減を目的とした取り組みへ、Googleは様々な形で投資している。例えば、下記のような取り組みだ。
7.2018年8月1日のアップデートは、「医療系」や「E-A-Tアップデート」と公式に名付けられたものではない
8月1日のアップデートはバリー・シュワルツ氏によって「医療系」アップデートと名付けられたが、一般的に、コア・アルゴリズムのアップデートはGoogleによって名前をつけられるようなものではなくなっている。
8月1日のアップデートを「E-A-Tアップデート」と呼ぶデジタルマーケターもいるが、この名前は不正確だけでなく、ミスリードさせるものだ。
このアップデートによってパフォーマンスが下降したのは、E-A-Tが無いサイトだけではない。
8.著者のバイオグラフィを記載すること自体がランキング要素ではない(Googleは全ての著者情報を認識できるわけではない)
「全てのコンテンツの著者情報を記載し、理想としては、それぞれの著者の詳細な説明ページを用意し、高品質なコンテンツを作成するための信頼があることを伝える」といったことがE-A-Tを改善するための共通のオススメ施策となっている。
品質評価ガイドラインでは、コンテンツの著者がその分野においてどの程度専門的な知識を有しているかを確認する方法として、著者のバイオグラフィを確認することを、Googleは品質評価者に繰り返し勧めている。
しかし、Webマスターハングアウトにて、ジョン・ミュラー氏は、「著者のバイオグラフィは技術的な必須要項ではなく、また、特定のタイプのSchemaも求められているものではない」と述べている。彼がくれたアドバイスは、以下のとおりだ。
著者情報と専門性、権威性、信頼性については、ユーザー調査を行うことを勧める。
いくつかのパターンを用意し、そのコンテンツを書いた人が優れた人であり、そのトピックについての信頼性や関連性があることをユーザーに一番伝わる方法を模索しよう。
パブコンのQ&Aセッションで、ゲイリー・イリェーシュ氏は次のように述べている。
Web検索において、非常に有名な著者について、例えば、ワシントン・ポスト紙のエグゼクティブといった場合、その著者のエンティティを我々は有している。
著者情報ではなく、エンティティなのだ
つまり、Googleはナレッジグラフの表示のため、定評のある著者を認識することはできるが、全ての著者を認識するのとは別のものとなるのだ。
しかし、過去数年、Googleはオーサーシップに関連した様々な取り組みを行っており、それらの経験はこの領域で活かされているかもしれない。
9.YMYL領域のサイトのみがコア・アルゴリズムのアップデートで影響を受けるわけではない。また、アルゴリズムのアップデートによってネガティブな影響を受けた場合、E-A-Tのみが原因であるわけではない
ここ最近のコア・アルゴリズムのアップデートは、YMYL領域のサイト(特に健康や医療に関連するサイト)に大きな影響を与えている。しかし、影響を受けたその他の領域のサイトもある。
例えば、2018年8月1日以降のコア・アルゴリズムのアップデートによって、レシピサイトが大きな影響を受けている。
しかし、E-A-Tに限れば、これらのサイトはほぼ似たレベルである。こうしたサイトは情熱的な料理ファンによって運営されており、オンライン上でレシピを公開するに十分な品質を保っている。
しかし、それぞれのレシピサイトは、E-A-T以外の、特有のSEOの問題を抱えている。例えば、サイトの構造・広告の量や大きさ・ページ読み込み速度などである。
こうした要素が、アルゴリズムのアップデートによる影響の要因と見るべきだろう。
10.E-A-Tは、効果的な特効薬ですぐに結果が出るというものではない。E-A-Tの構築には時間がかかる
SEO施策のうち、メタデータの最適化や技術的な要素の改修など、Googleが再クロールしてくれ、アップデートしたコンテンツをインデックスしてくれれば、パフォーマンスの改善がすぐに見られるといった施策もある。
直接的なランキング要素ではないこともあり、E-A-Tはこうした施策のようにはならない。
信頼性の改善のためには、非常に多くのリソースが必要とされる。完遂するにあたり、多くの時間と努力が求められるのだ。
ユーザーからの信頼を得るには時間がかかり、そうした変化を検索エンジンが認識するまでに、さらに時間を有する可能性もある。E-A-Tの問題により、アルゴリズムのアップデートの影響を受けたサイトであれば、なおさらだろう。
Googleは、サイト全体の再評価を次のコア・アルゴリズムのアップデートまで行わない場合もある。その場合、E-A-T改善のための施策の効果が認識されるまで、少なくとも数ヶ月かかることになる。
しかし、E-A-Tの改善の効果は、SEOの領域以外にも認められるだろう。ユーザーがあなたのWebサイト、著者、ブランドをより信頼するようになるため、E-A-Tの改善はユーザー体験の強化につながるのだ。
E-A-Tのみならず、検索エンジンのランキング要素の要因として扱うには危険な項目は昔からありました。
新しい概念が広まり、それがWeb全体を健全な方向に導くのであれば非常に素晴らしいですが、悪影響を与える広まり方は避けたいと思います(特に悪意を持って広めようとする場合)。
今回の記事の肝どころは、最終行の「E-A-Tの改善はユーザー体験の強化につながる」だと思いますが、ここでも、ユーザーをまずは念頭において施策を行いたいものです。
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SEO Japanでは、SEOやCRO(コンバージョン率最適化)を中心としたメールマガジンを2週に一度、木曜日に配信予定です。
担当者のコラム(読み物)や、質の高い記事をピックアップして配信していますので、ぜひご購読ください。
なお、noteにてバックナンバーも公開していますので、ぜひ試し読みしていただければと思います。
SEO HACKSブログで大事にしている7つのマインド
こんにちは。平塚です。今回は記事タイトルの通り、SEO HACKSブログがどのようなマインドで記事更新がされているかについてお話しします。
なぜ、今この記事を書いたのか
弊社役員である土居の天照SEOブログのDNAを継承し、2012年頃から本格始動したSEO HACKSブログですが、責任者が変わっていくなか、SEO HACKSブログには言語化されていない大切にしているマインドみたいなものがあると感じていました。
それはナイルのSEOコンサルティングサービスにも結びつく企業文化にも近いものだと思っていますし、今後もSEO HACKSブログで守って欲しいと願っていることでもあります。
そこで、私がSEO HACKSブログを責任者として見ている間に、いい機会なので「記事執筆の際に大切にしているマインド」を言語化したいと思ったのが本記事を書こうと思ったきっかけです。
この記事で公開する内容はあくまで「SEO HACKSブログ」の方針です。すべてのメディア運営者の方々に当てはまるテーマではないかもしれません。また、BtoB領域でアウトバウンド営業をせずに問い合わせを増やすためのオウンドメディア運営方法のような具体的なノウハウが詰まっている内容ではありません。
ただ、特に「自社メンバーが持ち回りでコンテンツを書いているオウンドメディア」運営者の方が大事にするべきマインドとしては参考になるところもあるかと思いますので、そういう方は一読いただければ幸いです。
※本記事で述べられている内容は、私の個人的見解が多分に含まれています。これから変わるかもしれませんし、変わらないかもしれません。あくまで今現在の方針です。
SEO HACKSブログで大事にしている7つのマインド
読ませたい人を具体的にイメージして、その人に心から伝えたい内容にする
まずは何よりも、読ませたい人。つまりターゲットをきちんと定義しましょう。ということです。よくある悪いターゲットの例として
「Web担当者の人で、SEOのことを学び始めた人」
みたいな設定をするメンバーがいます。いやいや、そんな人本当にいる? とりあえずターゲットって言っておけばいいと思ってない? と私は感じてしまいます。
読ませたい人が具体的に浮かんでいなければ、気持ちも乗らないしテーマもふんわりしてしまいます。コンサルティングをしているのであれば、目の前に悩めるクライアント様がいるはず。クライアントのイメージが沸かないのであれば、知人・周りのメンバーが興味を持つテーマがあるはずです。過去の自分に教えてあげたい。とかでもいいでしょう。
そういった人たちが自分の記事をを読んでどうなって欲しいかをイメージできないと、面白いコンテンツにもならないし、誰の心も動かせません。
社内6割、顧客3割、読者1割
せっかく書いた記事、できれば色んな人に読んでほしいし、色んな人に深く刺さるコンテンツにしたい。そして何よりも一過性のものではなくて、定期的に読んでほしい。と私は常々思っています。
だからこそ、まずは自社内できちんとその記事が読まれ、勝手にシェアされ、そしてことあるごとに引っ張り出されるようなコンテンツであればいいと思っています。自社内であれば「読んで、感想ください。よければシェアもしてください」と気軽にお願いもできます。
(一方、残念なことに拡散依頼をしてもスルーされた記事もたくさんあります。そういった記事は結果としてあまり読者の反応も悪く、数字も良くなかった気がします。)
顧客3割については、「読ませたい人を具体的にイメージしよう」でも述べたとおりです。強いて言うのであれば、その記事がある程度評判になれば担当者の方に「やっぱりこうするべきでしょ? 」という提案の裏付けになるかもしれません。
とにかく、身の回りの人たちに刺さらないコンテンツが、世の中にいる悩める読者に届くはずがない。ということです。
※一応補足しておくと、決して一般読者の優先度が低いということではありません
自分のキャラ、自分(自社)だけの資産を活かした記事にする
SEO HACKSは、SEOコンサルティングサービスのオウンドメディアです。なので、弊社のコンサルティングサービスとの接点を作り、知ってもらい、信頼してもらい、問い合わせてもらい、契約してもらうのがゴールとなります。
味気のない一般論をSEO HACKSブログでアウトプットする意味は限りなくありません。
「ナイルはこういった考えでSEOをやっているんだ」
「ナイルにはこんな事例があるんだ」
「ナイルはこんな詳しくわかりやすい解説が出来るコンサルタントがいるんだ」
「このコンサル、なんだか一度会ってみたい」
このように、会社の知見・思想がきちんと伝わるような記事、執筆者の名刺代わりになるような味のある記事のほうが良いと考えています。そうでないと、自分のためにも会社のためにもSEO HACKSブログを定期的に読んでくださっている読者のためにもなりません。
解説記事は「どこよりも早い」「どこよりも詳しい」「どこよりもわかりやすい」の三択
SEO HACKSブログはあまりニュースやトレンドのSEO解説記事を出しません。
これは定期的かつ瞬発的に記事が出せるほどリソースがないからというのが一番の理由ですが、なによりもニュースや解説記事を出すからには「どこよりも早い」「どこよりも詳しい」「どこよりもわかりやすい」のいずれかであるべきだと考えているからです。
(図は吉野家っぽくしたかっただけです。「説明がうまい」は「どこよりも詳しい」の意だと思ってください。)
この3つのいずれかに当てはまらないようであれば、SEO HACKSブログで書く意味はほぼないだろうと考えています。なぜならそういったニュース記事や解説記事は他のサイトで十分に世の中のニーズが満たされており、ナイルの価値が発揮できないと考えているからです。
会社を代表するメディアとして、間違ったことは絶対に言わない
公開した記事や昔の古い情報が残った用語集記事に対して、情報が誤っているとご指摘をいただくことがあります。こういったときはすぐに謝罪を行い、すぐ修正をした上で「どのように同じ誤ちをしないような体制を作れるか」を検討するようにしています。
これは、おかげさまで今までたくさんの方に読んでいただき、なおかつWeb上でそれなりに露出している責任があるからであり、誤った情報を出し続けることによって読者の皆様が不利益を被ることだけは絶対に避けたいからです。
SEO HACKSブログはできるだけ露出を増やし、PVをかき集めるために運営されているメディアではありません。数字を追い求めた結果「絶対に出してはいけない記事例」のような物を出してしまえば、読者も、顧客も離れ、長年積み上げてきた努力も水の泡となります。
アイキャッチ、見出し、挿入する画像は細部まで気を使う
「目についた記事はスマホでざっと最後まで見た上で面白そうだったら精読をする」
こんな人も少なくないと思います。私も例外ではありません。
SEO HACKSブログを読んで頂くような方は、日々無数の情報に触れており、記事を読んでもらうのはもはや時間の奪い合いとも言えるでしょう。であるからこそ、たとえBtoBの専門的なオウンドメディアであっても、1分でざっくり理解できるように心がけています。
同業界の方々に刺激を与えるような記事を目指す
やはり同業界からのポジティブな拡散は成果の指標として見ていいと考えています。
特に業界に顔が広い方に見てもらい、シェアしてもらえれば読んでほしかった読者の方々に記事が届きやすくなりますし、何よりも同じ業界の人間として、賛同を得られるというのはモチベーションにもなります。
記事を書く際は、そういう方たちにどうやったら刺激を与えられるか。共感してもらえるかをイメージするのも大事でしょう。
(逆に、ひんしゅくを買わないようにすることも大事ですね。)
まとめ:良いコンテンツは、ドキドキする
いろいろと持論をさらけ出してしまいましたが、記事を公開すべきかどうかの最終判断は「自分の心に問いただしてみるべき」だと思っています。
「早くこの力作を読んで欲しい」
「つまらないって言われないかな」
ワクワクしたり、不安になったり、公開前に気分が高揚する記事は絶対にいい記事だと私は思います。それは感情が乗っているからです。
公開前に、何も感情が起きなかったり、「正直公開したくないな」と思うようなら期限を延ばしてもいいからテーマごと変えたほうがいいでしょう。きっとそれはいい記事じゃないから。
次なるSEO HACKSブログ責任者に向けて
私事で恐縮ですが、おそらく今回で自分がSEO HACKSブログの更新は最後になると思います。なので実は今回のブログの裏テーマは今後担当するSEO HACKSブログ責任者に向けてのメッセージでした。
あくまでここで述べた内容は私が思うSEO HACKSブログの運営マインドです。なので、べつに気に入らないなら変えてもらっても構わないし、時代に即して進めてもらえればいいと思います。
(文章が長くなったのでカットしましたが「更新頻度が低い」「オピニオン記事が少ない」「記事がやたら長い」という課題点も残っています。)
ただ、世の中の流れに合わせて数字を取るために更新するのではなく、SEOやSEO HACKSブログはこうあるべきだ。という”美意識”と今までのやり方にとらわれない”柔軟性”を持って取り組んでもらえれば、SEO HACKSブログはもっともっと良くなるかと思います。皆様も今後にぜひ期待していてください。
SEO HACKSブログで大事にしている7つのマインドはナイル株式会社 - SEO HACKSで公開された投稿です。
【決定版】ローカルSEOガイド
中・小規模のビジネスにとっても、Webからの流入はビジネスへ影響を与え、事業として無視できない存在であると思います。
いわゆる「ローカルSEO」といわれる領域ですが、通常のSEOとは異なる部分もあり、特別な施策も必要となるでしょう。
今回は、Backlinko社のブライアン氏による、「決定版」と銘打ったローカルSEOのガイドを紹介させていただきます。初めてローカルSEOに取り組む方も、施策の整理として利用する方も、どちらにも有益な内容となっております。
※決定版ガイドであるため、非常に長い記事となっております(17,000文字弱)。
ぜひブックマークしていただき、お時間のある時に読んでいただければと思います。
この記事は、2019年のローカルSEOの完全ガイドである。
このガイドを読むことで、以下の項目が学べるだろう。
- 3パック内での上位表示の方法
- NAP(Name・Address・Phone number)サイテーションの構築の方法
- Googleマイビジネスのプロフィールを最適化する方法
- その他
さあ、始めよう。
チャプター1:ローカルSEOの基礎
このチャプターでは、ローカルSEOの基礎について扱う。
まず、ローカルビジネスにとってSEOがいかに重要かを示す興味深いデータを紹介する。
次に、順位測定の方法を含む、マップパックの解説を行う。
ローカルSEOとは何か
ローカルSEOとは、物理店舗を持つローカルビジネスが、場所を基軸としたキーワード(例:「鍵屋 ニューヨーク」)に対して行う最適化の作業である。
ローカルの検索エンジン最適化は、Webサイトの最適化はもちろん、Googeマイビジネスのプロフィールの最適化も含む。
なぜ、ローカルSEOは重要なのか
大量の統計データをここで披露するつもりはない。
しかし、いくつかの重要なデータを紹介し、ローカルビジネスにとってSEOがいかに重要であるかを示すつもりだ。それぞれ見ていこう。
Google検索の46%が「ローカルインテント」である(Search Engine Roundtable)。
「近くの〇〇(Near me)」は、従来の場所を基軸とした検索よりも、150%の速さで増加している。
Googleの検索結果の29%がローカルパックを表示している(RankRanger)。
スマートフォンで何らかのローカル検索を行ったユーザーの74%が、その日のうちにその店を訪れている(Google)。
上記のデータからもわかるとおり、ローカル検索がSEOの世界に占める割合が非常に大きいことは明らかだろう。
そして、あなたのローカルビジネスの情報を検索者に提供できれば、彼らが数分後にあなたのお店のドアをノックする可能性は十分に考えられるのだ。
マップパック
マップパック(「ローカルパック」とも呼ばれる)は3つのローカルビジネスのリストから成る。
Googleマップから引用された、それぞれのビジネスのロケーション(場所)も表示されている。
- 緑:Googleマップ
- 青:ローカルビジネスの検索結果(NAP)
- オレンジ:自然検索結果
例えば、「床屋 ボストン」と検索した場合、検索結果の上部にマップパックが表示される。
「通常」の検索結果はその下に表示される。
このガイドの後半で、Googleがマップパック内の順位をどのようにつけているかを解説している。
しかし、ここでは、「マップパックは独自のルールが制定されている独自のアルゴリズムが用いられている」ということを覚えておくにとどめてもらいたい。
もちろん、いくつかのランキング要素(例:被リンク)は、ローカル検索結果にも通常の検索結果にも良い影響を与える。
しかし、他の要素(例:NAP)はマップパックの順位においてのみ、重要となる。
1つ、指摘しておきたいことがある。
Googleは特定の街や州を含んだキーワードに対してのみ、ローカル検索結果を表示しているのではない。
ローカル検索のニーズがあるとGoogleが判断した場合は、検索キーワードに明らかなローカルに関連する単語を含んでいなかったとしても、ローカル検索結果を表示させている。
例えば、先日私が「庭師」とニューヨークで検索したところ、Googleはマップパックを検索結果に表示させた。
この事実は、ローカルビジネス用のキーワード調査を行う段階で、非常に重要となる。多くの場合で、「店名 + 場所名」というキーワードの最適化を望むだろう。
多くの場合、「店名」のみのキーワードのほうが、「店名 + 場所名」のキーワードよりも、検索ボリュームは大きくなる。
このことを念頭においた上で、次はローカル検索における順位の測定について見てみよう。
マップパックの順位の測定方法
ローカルSEOの施策の第1段階は、自身がどの位置にいるか、つまり、ベンチマークをすることから始まる。
特に、マップパック内の順位は測定すべきだろう。
世に出ている多くの順位測定ツール(ランクトラッカー)は、マップパックの順位も測定できる。
ここで問題となるのが、ローカルSEOにおいては、検索する場所がとても重要になるということだ。実際、検索する場所が1マイルでも離れた場合、マップパックの内容は全く別物となる。
例えば、ニューヨークの72丁目2番街で「コーヒーショップ」と検索した場合を見てみよう。
こうした検索結果は、検索者が検索を行った場所によってカスタマイズされている。
実際、同じ検索を数マイル離れた場所で行った場合、マップパックの内容は著しく異なるものとなっている(もしくは、同じ結果を異なる順番で表示している)。
もし、単一のロケーション(例:ニューヨーク)の検索のみを測定していた場合、実際に表示されている検索の非常に限られた部分のデータしか集めることしかできない。
そのため、ローカル検索結果においては、とても細かく順位を測定する必要があるのだ。街や対象領域の全体のうち、どこの場所からの検索で表示されるかを把握するためだ。
詳細な検索結果を測定する目的では、Local Falconというツールをおすすめする。
しかし、Local Vikingといったツールでも同様の測定は可能だ。
兎にも角にも。
まず行うべきことは、あなたのビジネス名を選ぶことだ(注:このフィードはGoogleマップから直接引用される。そのため、こうしたツールを使用する場合は、Googleマイビジネスのプロフィールを設定している必要がある)。
次に、測定したい検索キーワードを選ぼう。
最後に、順位を計測する領域を選択しよう。
例えば、5マイル(8km)を半径とした場合、下記のようになる。
7×7のグリッドがセットアップされ、この領域全体におけるデータを得ることができる(このグリッドは15×15に設定することも可能だ)。
順位計測の準備は整った。
ツールがデータを取得した後は、それぞれの場所における順位を示したビジュアルが表示されるようになる。
上記のとおり、街全体のどの場所で多く表示されているかがわかる、非常にインタラクティブなマップが得られる。
この場合では、郊外における検索での表示機会が多いようだ。そして、中心街に行くにつれ、結果が悪くなっていく。
これは必ずしも問題であるとは限らない。
競合他社が、あなたが運営するホテルよりも、中心街に位置していることもある。そのため、こうした地域で行われた検索の場合、競合他社のほうがより関連性が高いとGoogleが判断したのだ。
つまり、こうしたツールを用いることで、あなたが上位に表示「されるべき」場所を特定するのだ。
例えば、とある舗装材ビジネスの場合、1つの場所を除き、街の北部では全て1位を取得している。
この場合、どの競合他社が自分のサイトよりも上位に表示されているかを確認すべきだ。
上記のとおり、競合他社が1位に表示されている。
2位に表示されていることに満足できない場合、競合他社のサイトを見てみよう。また、競合他社の所在地も確認すべきだ。
そして、順位を測定している地図に競合他社の所在地を表示してみれば、「なぜあなたのサイトが1位に表示されていないか」がわかるだろう。
競合他社の所在地のほうが、検索が行われた場所から、非常に近かったのだ。
そのため、この場所での検索の場合、競合他社を1位に表示させているGoogleの判断は、非常に理にかなったものと言えるだろう。
※編集部注
文中で紹介されているのは海外のツールですが、日本で使えるローカルSEOツールには、以下のようなものがあります。
ローカル自然検索の順位
ローカルビジネスを運営しているのであれば、マップパックは上位表示を獲得すべき場所だ。
しかし、通常のローカル検索を完全に無視したいとは思わないだろう
もちろん、通常はローカル検索の自然検索結果は、ローカルパックの下位に表示される。
しかし、「マップパックに表示されないと価値がない」と考えるべきではない。多くのローカル検索が商業的意図を含んでいるため、ローカル検索結果にも表示されることは価値があるのである。
そして、マップパックとは異なり、ローカル検索の自然検索結果は、基本的には安定している。
ローカル検索の自然検索結果に最適化するためには、タイトルやURLにキーワードを含めるなど、従来のオンサイトSEOが必要とされる(基本的な施策はこちらの動画にまとめられている)
被リンクの獲得も必要だ。
ローカル自然検索の順位における独自性は、順位の測定方法にある。「店名 + 地域名」という検索は、ローカル検索の一部にすぎないことを思い出して欲しい。
そのため、「ボストン 床屋」というキーワード以外にも、「床屋」や「近くの床屋」といった検索キーワードでの順位も測定が必要だ。
例えば、ボストン近郊での「近くの床屋」という検索キーワードでの順位を測定したい場合、順位測定ツールの測定地域を設定すればいい。
また、その街の他の場所での順位も測定したい場合、同じキーワードの別の場所での順位を測定すればいい。
チャプター2:ローカルSEOのキーワード調査
このチャプターでは、ローカルSEOにおけるキーワードを発見する方法を解説する。
幸運にも、ローカルSEOのキーワード調査は、基本的には「1度やれば終わり」というプロセスだ。
ブログとは異なり、常に新しいキーワードを探す必要はない。
だからといって「キーワード調査がローカルSEOにおいて重要ではない」ということではない。実際は非常に重要である。
しかし、多くの場合、最初に取り組むべきことは、人々があなたのローカルビジネスを発見するために用いたキーワードの短いリストの作成となる。
Yelpのサジェスト
これはGoogleのサジェストと同様に機能する。
あなたのローカルビジネスの領域での検索者が、あなたのビジネスを発見するために用いたであろうキーワードを入力してみよう。
そして、サジェストの結果を見てみよう。
Yelpの優れている点は、ユーザーが入力した単語が含まれていないキーワードも表示する点だ。
例えば、「Japanese」と検索した場合、Yelpは「Asian Fusion Food」もサジェストしてくれる。
非常に素晴らしい。
Googleのサジェスト
GoogleのサジェストはローカルSEOにおいても有効だ。
忘れてはいけないことは、「ローカル検索では潜在顧客が実際に使うであろうキーワードでなければならない」ということだ。
例えば、「空調設備(HVAC)」と入力した場合、サジェストは下記となる。
「近くの(near me)」以外、ローカルSEOに適しているキーワードではない。
しかし、「HVAC B」のように、地域名の単語を加えると、ローカルSEOにも適したキーワードが発見できる。
ローカル音声検索
Googleによると、モバイル検索の20%が音声検索であるとのことだ。
20%である。
音声検索と通常検索の大きな違いは、「音声検索はキーワードが長く、自然な言葉に近い」ということだ。
例えば、「グルテンフリー ピザ ブルックリン」というキーワードを考えてみよう。
同じ検索を音声で行った場合、「今営業しているブルックリンにあるグルテンフリーのピザ」といったキーワードになるだろう。
私が知る限り、音声検索のキーワードを調査するツールはない。しかし、今後のプロセスを進めていく上で、忘れてはいけない存在となっている。
Googleキーワードプランナーの「ウェブサイトから開始」
Googleのキーワードプランナーを使うと、特定の地域の検索ボリュームを把握することができる。
そのため、すでに多くのキーワードを保持しているのであれば、その中でどのキーワードが最も良いか、判断するためにはうってつけの機能だ。
しかし、新しいキーワードを調査している段階であれば、「ウェブサイトから開始」の機能をおすすめする。
このページで、競合サイトのURLを入力してみよう。
すると、該当のページに関連した様々なキーワードを提案してくれる。
チャプター3:ローカルSEOのランキング要素
ここからは、ローカルSEOがどのような仕組みになっているのかを見ていこう。
特に重要となる要素について簡単に解説したい。そして、そうした要素に対する最適化のアドバイスもお伝えする。
さあ、始めよう。
Googleマイビジネスのプロフィール>あなたのWebサイト
昨年、Mozが「ローカル検索のランキング要素調査」を発表した。
この調査結果によると、マップパック内のランキングで最も重要な要素は、Googleマイビジネスのプロフィールであった。
自身のWebサイトももちろん重要だ。ページ内のコンテンツ、サイトに向けられているリンクなどは、マップパックのランキングにも影響する。
しかし、マップパック内のランキングで1位を勝ち取るためには、Googleマイビジネスのプロフィールを素晴らしい内容にする必要がある。
(これが、今回のガイドでGoogleマイビジネスのみを扱っているチャプターを用意した理由だ。具体的な最適化の方法はチャプター4でお伝えする。)
NAP情報は重要
NAP(Name・Address・Phone number)も重要な要素である。
NAP情報はビジネス名、住所、電話番号を表す。
なぜ重要なのか。
GoogleはNAP情報を用いて、あなたのビジネスについての情報が正しいかどうかを確認している。そして、GoogleがNAP情報を確認するケースが多いほど、あなたの住所や電話番号が正しい情報であることに確信をもつことができるのだ。
そのため、評判のあるサイトで一貫したNAP情報が言及されている状況を作ることが必要なのだ。
オンラインでのレビュー
Mozの調査では、「レビューに関連するシグナル」も重要な枠割を果たすとされている。
特に、Googleマイビジネスでのネガティブなレビューは悪影響を与えるとしている。また、Googleはサードパーティのサイト(例:Yelp)でのレビューも使用しているとしている。
つまり、ポジティブなレビューを得ることが良い影響を与えるということだ(レビューをしてもらうことに対するインセンティブを与えることは認められていない)。また、ネガティブなレビューは悪影響を与える。
Mozの調査に参加したあるパネリストは、「レビュー(オーナーの返答も含む)は消費者のビジネスに対する信頼を示すものであり、ビジネスに対する信頼はランキングにおける基盤となる要素だ」と述べている。
つまり、レビュー(ネガティブなレビューも含む)に対する返答は、ローカルSEOの助けとなり得るのだ。
「通常の」SEOもあてはまる
従来のGoogleのランキング要素は、ローカルSEOにも100%あてはまる。
実際、自然検索での順位はローカル検索の順位にも影響するとGoogleも認めている。
ウェブ検索結果での掲載順位も考慮に入れられるため、SEO の手法もローカル検索結果の最適化に適用できます
つまり、自然検索での順位が良いほど、マップパックでの順位も良くなるのだ。
そのため、コンテンツを作成し、ページを最適化し、被リンクを獲得するといった施策は、ローカルSEOの順位にとっても非常に重要なのである。競合性の高い業界(法律、歯医者など)では特に重要だ。
チャプター4:Googleマイビジネス
Googleマイビジネスのプロフィールを最適化しよう。
チャプター3で述べたとおり、Googleマイビジネスはローカル検索の順位で非常に重要だ。
Googleマイビジネスの効果を最大限活かしたいのであれば、このチャプターが最適だ。
全てを1000%一貫させる
Googleマイビジネスにおいては、一貫性がとても重要だ。
Googleマイビジネスに記載した内容の全てがWebサイトの内容と合致しているだけでなく、Web上のNAP情報にも一貫性を持たせるべきだ。
Googleマイビジネスの情報が、あなたのWebサイトの内容やYelpなどのサードパーティのサイトの内容と合致していることをGoogleが確認できた場合、Googleは「このビジネスの情報は信頼できる。ローカル情報とも合致する。」と判断することができる。
しかし、Googleマイビジネスとは別の住所がWeb上にあった場合、Googleに対する危険信号となってしまう。
そのため、ビジネス名、住所、電話番号などを変更した場合、新しい情報に素早くアップデートすることが重要となる。また、ローカルビジネスのディレクトリ内の情報もその対象となる。
Googleマイビジネスに書かれている内容がそっくりそのまま、別の場所でも書かれていることを重点的に確認することをおすすめする。
片方では「Avenue」と書かれ、もう片方では「Ave.」と書かれているような状況は、Googleは好まない。
このような状況であっても、郵便配達員がAmazonのパッケージを間違った場所に届けることはないだろう。しかし、Googleに対しては、困惑したシグナルとなってしまうのだ。
可能な限り全てのデータポイントに記載する
Googleはプロフィールの内容をどの程度記載しているか、そのスコアを提供してくれる。
しかし、このスコアは非常に甘いスコアであると考えている。基本的な情報を入力するだけで、高いスコアが与えられてしまうのだ。
そのため、私はこのスコアを基準値として利用している。しかし、競合性の高いキーワードでの上位表示を狙うのであれば、さらなる作業が必要となるだろう。
多くの人が見落としているのが、カテゴリの選択だ。
Googleは、あなたのビジネスが属するトップレベルのカテゴリを選択することを強いている。
また、すでに用意されているカテゴリから選択しなければならない(あなた自身でカテゴリを作成することはできない)。
つまり、多くの人が、追加カテゴリの選択を忘れているのだ。追加カテゴリはキーワードとあなたのビジネスが表示される検索に直接影響する。
すでに追加カテゴリを選択していても、「サービス」と「製品」タブの記載もお勧めする。
こうした情報は、あなたのビジネスが実際に何を販売しているかをGoogleに伝えることになる。そのため、こうした情報をしっかりと記載することは、とても重要なのだ。
ビジネスに関連する重要なデータは常に更新する
開店時間、休日の営業時間など、基本的な情報は正確であり最新であることを常に確認しよう。
こうした情報が順位に直接影響を与えることはないかもしれない。
しかし、誰かがあなたのレストランに訪れ、「閉店」の看板を見たとすると、お腹を空かせたその顧客からネガティブなレビューを受けるかもしれない。
そのため、営業時間を変更した場合は、Googleマイビジネスの情報もしっかりと更新するようにしよう。
より多くのレビューを獲得し、それらに返信する
チャプター3で解説したように、レビューはローカル検索の順位の中でも特に重要な要素のうちの1つである。
言うまでもなく、可能な限りの多くのポジティブなレビューが欲しいはずだ。
そのため、レビューの内容がポジティブであれ、ネガティブであれ、またはその中間であれ、全てのレビューに対して返信することを私は強くお勧めする。
そうしたケアを、潜在顧客(そしてGoogle)が目にすることになる。
レビューへの返信がどんな変化をもたらすか、例を見てみよう。
返信の内容:
アンリ様、長時間お待たせしてしまい、大変申し訳ございませんでした。食事の提供にそれほどの時間をかけるべきではなく、この点に関して謝罪させていただきます。可能であれば、より詳細の状況を把握したいため、該当のレストランにお電話をいただけないでしょうか。もし、このメッセージが貴方様を驚かせてしまったら申し訳ございません。
フィードバックのご記載、まことにありがとうございます。
もしあなたがこのレストランに行くか検討していれば、こうしたレビューへの返信は、ネガティブなレビューの中でも目を引くことだろう。
Googleマイビジネスのレビューへの返信は、Googleマイビジネスのダッシュボードから行える。
レビューの獲得には、2つ念頭に置くべきことがある。
- 顧客へレビューをしてくれることを依頼する(満足してくれた顧客の場合、快く引き受けてくれるだろう)
- レビューの記載を非常に簡単な方法にしておく
両方を同時に満たす方法はあるだろうか。
レビューページへのリンクを記載したEメールを送付しよう。
レビューページへのリンクの作成には2つの方法がある。
レビューページへのリンクの作成方法1
このページにアクセスしビジネス名を入力する
すると、あなたのビジネスの「場所ID(Place ID)」を発行してくれる。
そして、その「場所ID」を下記のURLに追加する。
https://search.google.com/local/writereview?placeid=
上記の例を用いた場合、レビューページへのリンクは下記となる。
https://search.google.com/local/writereview?placeid=ChIJ-x3_Q8d544kRkvCvAv2dNqY
上記のリンクをクリックすれば、ユーザーにレビューを残してくれるよう、訴求メッセージが表示される。
レビューページへのリンクの作成方法方法2
Googleマイビジネスにログインし、「クチコミを増やす」カードを表示させる。
すると、顧客に送付するための短いURLを生成してくれる。
非常に便利だ。
チャプター5:ローカルビジネスのためのオンサイトSEO
この短いチャプターでは、ローカルビジネスのサイトがオンサイトSEOの効果を最大限引き出すための方法を解説する。
タイトルタグやボディの内容を通常のオンサイトSEOのアプローチで最適した後、それらをローカルビジネスのWebサイトにデザインされた方法で採用しよう。
全てのロケーションで独自のコンテンツを作成する
サイト内の全てのページで独自のコンテンツを作成する必要があることは、すでにご存知だろう。
そのため、あなたがボストンとブルックリンでビジネスを展開している場合、それぞれのページのコンテンツは完全に異なる内容であるべきだ。
しかし、重複コンテンツを避ける範囲であれば、物理的にビジネスを展開していない地域のランディングページも作成できることをご存知だろうか。
こうした施策は、マップパックの順位には全く影響しない。
(その地域での順位を獲得したい場合は、その地域でのGoogleマイビジネスのプロフィールが必要となる。)
しかし、複数地域のローカルの自然検索で上位に表示させることは可能だ。そうした地域のユーザーに有益な情報を提供していれば、これらのトラフィックがコンバージョンすることも十分考えられる。
例えば、下記の屋根の修繕サービスは、「ブルックリン」と「ナティック」周辺に最適化したページを作成している。
何が素晴らしいのだろうか。彼らは、ナティックやブルックリン周辺に店舗を構えていないのだ。
しかし、彼らは両方のターゲットキーワードで上位表示を獲得している。
構造化データをローカルSEOのために使用する
ローカルSEOの場合、Schemaのマークアップ(https://schema.org/)は、「やっておいたほうがいい」以上の価値がある。
Schemaには、ローカルSEOの全体的なカテゴリがある。
例えば、住所や電話番号へのマークアップが可能だ。
Googleがマップパック内の順位の決定の際、Schemaに強く依存しているとは思えない(Googleは、こうしたデータをGoogleマイビジネス内のデータとしてすでに保持している)。
しかし、構造化データを正確に実装できる自信があれば、「LocalBusiness」をマークアップすることは、決して悪いことではない。
特に、決定的に助けとなる構造化データは、レビューのマークアップである。
他の検索結果と同様、星型のレビューマークはリッチスニペットとして、ユーザーの目を引くことに役立つ。
(注:Googleは、「LocalBusiness」と「Organization」のレビュースニペットのサポートを停止している。しかし、レビューのマークアップは、コンテンツ、ツール、レシピなど、ローカルビジネスのWebサイト上の他のコンテンツに使用できるのだ)
タイトルタグのクリフハンガーを用いる
私はこのテクニックをFacebook広告の第一人者であるニコラス・カスミス氏より学んだ。
そして、このテクニックがローカルビジネスのサイトでも非常に有効であることを確認している。
このテクニックの考え方は、まず、タイトルタグを強力で利益を生み出すメッセージにする。
このメッセージは、Googleが設定する上限(500-600ピクセル、もしくは、50単語)を超えてしまうようにしよう。
残りのメッセージが検索結果では切り取られてしまうため、続きを読みたいという理由で、クリック数の増加が期待できる。
Backlinkoの読者であるアンドリュー・ホーランド氏は、このテクニックを自身のローカルビジネスのサイトで使用した。
この施策の結果、CTRとランキングが大きく上昇したと、彼は私に伝えてくれている。
チャプター6:NAPサイテーション
それではローカルSEOの最も困難な領域に目を向けてみよう。NAPサイテーションだ。
NAPサイテーションは被リンクのようなものである。構築は非常に難しいが、とても重要な要素なのだ。
このチャプターでは、ローカルサイテーションを構築する方法を解説する。
NAP監査を行う
NAPのデータは、どの場所で言及されようとも、100%一貫性があることが大事だ。
- あなたのWebサイト
- あなたのGoogleマイビジネスのプロフィール
- ディレクトリサービス
あなたのビジネスが言及されているオンライン上のあらゆる場所が対象だ。
サイテーション関連のツールやサービスは山程ある。私がおすすめするのは、WhiteSparkとLoganixだ。しかし、これ以外のツールを選択する方法もある。
何はともあれ、どんなツールやサービスを使用しても、まず用意すべき情報は下記である。
- 現在使用している、最新のNAP情報
- 過去に使われていたNAP情報(この情報があれば、サイテーションを最新の情報にアップデートすることができる)
この情報があれば、あなたが選択したツールがインターネット上を駆け巡り、あなたのNAP情報を集めてくれるだろう。下記のようなレポートが表示されるはずだ。
不正確なNAP情報を修正する
サイテーションのリストは手にいれた。次に、不正確なNAP情報を探そう。
(長期間経営しているビジネスで、今までに1回もこの作業を行っていない場合は、修正すべきNAP情報の量は非常に多くなるだろう。)
不正確なNAP情報を把握できた後は、可能な限り正確な情報に修正しよう。
私の経験から、不正確なNAP情報は以下の2つに分類することができる。
- あなたが変更することが可能なサイテーション(例えば、Yelpでのサイテーション)
- 他の誰かが変更しなければならないサイテーション(例えば、ローカルリソースのページでのメンション)
前者の場合、1つ1つを行うと、作業は膨大になってしまう。YextやBright Localといったサービスが存在するのは、そのためだ。
他の誰かが変更しなければならないサイテーションは、その相手に対し、フレンドリーなEメールを1つ1つ送付していく必要がある。
下記に例を記載しよう。
メッセージの内容:
ジェシカさん。こんにちは。Backlinko社のブライアンと申します。
今回、私のお店が引っ越ししたことをお伝えするため、メッセージを送付しています。新しい住所は、エバーグリーンテラス742です。
あなたのWebサイトに記載されている私のお店の住所が古い住所のままであることを、本日気が付きました。新しい住所に更新いただければ、非常に幸いです。
Link Intersectを用いて、サイテーション(及びリンク)の獲得機会を発見する
Yelp、FourSquare、Angie’s Listなどでサイテーションを構築した後、何をすべきだろうか。
自身の経験からすると、サイテーションの最適な機会はローカルサイトによってもたらされる。ローカルサイテーションは非常に関連性のあるサイテーションであり、マップパック内のランキングにも強い影響を与える。
また、自身のローカルビジネスの領域にいる別のローカルビジネスに接触することになるため、そうしたサイト経由での訪問者はコンバージョン率も高くなると見込めるだろう。
問題は、「そのようなローカルサイテーションの機会をどのようにして見つけるか」ということだ。
私は、AhrefsのLink Intersectの機能をお勧めする。
名前が指し示すとおり、この機能はリンク構築のために作られた機能だ。しかし、この機能の内容を見てみると、サイテーション構築にも十分に使用できると考えられる。
実際に、同じサイトからリンクとサイテーションの両方を獲得できることもあるのだ。
下記に、この機能の活用方法を記載する。
まず、競合サイトを2~3個選び、ツールに入力しよう。
備考:直接の競合サイトを選ぶ必要はない。あなたのローカルビジネスの領域で展開しているあらゆるビジネスが対象となる。そうしたサイトも、ローカルビジネスのディレクトリサービスでサイテーションを構築しているためである。
次に、最初のステップで入力した競合サイトへリンクを張っているサイトのリストが表示される。
最後に、サイテーション構築の機会を探そう。
リンク獲得の機会の例は下記のような場合だ。
下記のような場合、リンクとサイテーションの両方の獲得が見込まれる。
ここでは、張られるリンクがnofollowであるかどうかは、あまり気にしなくて良い。最終的な目的は、そうしたサイトのページにあなたのビジネスのNAP情報を記載することだ。もしリンクを獲得できれば(それがnofollowであれ)、ボーナスを獲得したと考えるべきだろう。
競合サイトのNAPをリバースエンジニアリングする
NAP監査に使用したツールは、競合サイトにも使用できる。
競合サイトのNAP情報を入力すれば、競合サイトが言及されている場所を特定したリストが手に入る。
自身の経験からすると、この手法はLink Intersectの手法よりもうまくいくことが多い。サイテーションツールの場合、競合サイトへのリンクがあるかどうかは関係ないのだ。
こうしたツールを用いれば、競合サイトのNAP情報を記載したサイトのリストが手に入る。具体的には下記のとおりだ。
チャプター7:ローカルリンクビルディング
ローカルSEOにおけるリンクビルディングも、通常のリンクビルディングの戦略を適用することができる。
ローカルビジネスでないWebサイトにおけるリンクビルディングは、歯医者、ピザ屋、鍵屋などのローカルビジネスでも有効だ。
状況はより良いとさえ言える。
ローカルビジネスは特定の街や地域と強いつながりがあるため、非ローカルビジネスが得ることのできない被リンクの機会が多数あるのだ。
このチャプターでは、強力なリンクビルディングの機会をご紹介する。
その他のローカルビジネス
多くのローカルビジネスは、その地域のその他のローカルビジネスとつながりがある。
どこかの時点で、Eメールの送付という手段をとらざるをえないが、まずは知人のつながりから始めることをおすすめする。
下記の業者は全てリストアップしよう。
- 販売代理店
- サプライヤー
- 卸売業者
- 請負業者
- 近所のビジネス
彼らとは何らかのつながりがあるはずだ。
次に、彼らのWebサイトの中で、あなたのWebサイトへのリンクを設置するにふさわしいページを探そう。
(この作業は多くの人が見落としている)
例えば、下記の舗装業者は、懇意にしているだろう卸業者のサイトへのリンクを設置している。
ローカルの商工会議所
商工会議所はリンクが最も獲得しやすいWebサイトの1つだ。
下記にその例を記載する。
リンクの設置方法は商工会議所による。年間の費用を請求してくる場合もあれば、会員の更新で済む場合もある。
いずれにせよ、非常に関連性のあるリンクのため、ぜひ獲得したいリンクと言えるだろう。
さらに、こうしたリンクにはNAP情報も併記することができる。
備考:テキストのリンクを設置したい場合は、商工会議所に相談してみよう。ここまでこの記事を読み進めている場合は、他の90%のローカルビジネスよりも、ローカルSEOに精通していると言える。
そのため、あなたは彼らに対し、ローカルSEOについての話をすることができるはずだ。商工会議所だけではなく、あなたの領域でのどのローカルビジネスとも、こうした話をしてみよう。
例を挙げてみよう。
ローカルイベントのスポンサー
1つの事実がある。
「多くのローカルイベントはスポンサーを必要としている」ということだ。
こうしたイベントのスポンサーになれば、多くの場合、イベントのWebサイトからあなたのビジネスへのリンクを設置してくれるはずだ。
例えば、とあるNPOが主催する下記のサーカスのページでは、スポンサー企業へのリンクが設置されている。
あなたが送る支援は、現金でなくてもいい。イベントでピザを提供するブースがあるならば、ペパロニピザのLサイズを寄付してみよう。印刷会社の場合、フライヤーの印刷を申し出てもいい。アイデアは無限だ。
ローカルのPR
ローカルの新聞やニュースサイトは、ネタを常に欲している。
もし、興味深いイベント(例えば、アニバーサリーイベントや新規オープンなど)を控えているのであれば、あなた自身がレポーターとなることも可能だ。
注意すべき点は、そうしたイベントの数日前にはニュースサイトに連絡をしておくことだ。彼らにも準備期間が必要だからである。また、イベントの開始前に、その背景などをまとめた資料を提供してあげよう。
もし、イベントの開催が億劫であれば、ローカルストーリーのソースになるという手もある。
こうしたことを発見する一番の方法は何か。それはTwitterだ。
効果的な検索方法を2つご紹介しよう。
- 「Looking to speak to(〇〇について話してくれる人を探す)」+「街の名前」
- 「#journorequest」+「地域の名前」
例えば、「Looking to speak to」+「ボストン」と検索した場合、PRの機会は山程発見できる。
さあ、いよいよ最後のチャプターだ。
チャプター8:上級者向けローカルSEOのポイントと戦略
上級者向けのアドバイス、戦略、戦術のご紹介をもって、この記事を終わりとしよう。
従来のNAP構築やGoogleマイビジネスの最適化以上の戦術ではないかもしれない。
しかし、ランキングへの影響は期待できるはずだ。
サジェストの精査
最適化すべきローカルキーワードを発見する方法だ。
例えば、「Cleaners(掃除機)」と入力すると、非常に多くのサジェストが表示される。
ランディングページの作成に完全に合致するキーワードもあるだろう。
アバウトページにGoogleマップを埋め込む
Googleに対し、その地域であなたがビジネスを行っていることを伝える優れた方法だ。
まず、Googleマップであなたのビジネスを検索しよう。
次に、画面の左上にあるドロップダウンメニューをクリックしよう。そして、「地図を共有または埋め込む」をクリックする。
すると、埋め込み用のコードが表示される。
最後に、このコードをお問い合わせページやアクセスページに埋め込もう。
ファーストビューに地域特有のキーワードを記載する
自身の経験から、この施策はローカルの自然検索に大きく影響すると考えている。
Webサイトの上部の大見出しの箇所に、あなたの地域特有のキーワードを記載するのだ。
例を挙げてみよう。
また、この大見出しにはH1タグを記述することをお勧めする。
いずれにせよ、この施策は、オンページのSEOというよりも、ユーザー体験のための施策だ。
なぜか。
ローカルビジネスを探している検索者があなたのページを訪問した際、その地域であなたがビジネスを行っていることが、すぐに分かるようにするべきだからだ。
下記のような大見出しを見れば、検索者は検索結果画面に戻ってしまい、その地域でビジネスを行っていると100%確信できるページを訪れてしまうだろう。
※見出しの抽象度が高いため、どこでビジネスを行っているのかがわからない
一方で、次のようなタイトルは非常に効果的だ。検索者に、「すばらしい。彼らは明らかにボストンでビジネスを行っている。私は正しい場所にいる。」と思わせよう。
複数キーワードへのタイトルタグの最適化
この施策は昔からある手法だが、ローカルビジネスに対しても効果的だ。
トップページのタイトルタグを最適化しよう。キーワードを2~3個含めるのだ。
例えば、下記のビジネスのトップページは、「サンディエゴ キッチン リモデリング」と「バスルーム リモデリング サンディエゴ」というキーワードに最適化されている。
そして、両方のキーワードで上位5位以内を獲得している。
多くのローカルビジネスは、内部リンクの数が非常に少ないため、この施策は効果的だ。
私が提案してきた多くのローカルビジネスのリンクプロフィールを分析すると、90%以上のリンクが、トップページに向けられていることがわかる。
つまり、トップページからのリンク効果を絞り出すべきだ。そして、周辺のキーワードに最適化することが、その中でも最も効果的な施策の1つなのである。
ローカルの検索者のためにメタディスクリプションを最適化する
ディスクリプションの作成が自然検索のCTRの向上に寄与することは明らかだ。
しかし、下記のようにキーワードを詰め込みすぎている例をよく見かける。
不快感さえ覚えてしまう。
このようなディスクリプションではなく、下記のような内容にすることを強く勧める。
訴求力のあるディスクリプションを作成するには、Google広告のコピー文を参考にしよう。
実際、こうしたコピー文がクリックを発生させているのだから(そうでなければ、そのコピー文の使用を中止するだろう)。そのため、こうしたコピー文を参考にすることは、魅力的なディスクリプションの作成に貢献してくれるだろう。
例えば、「ホテル ニューヨーク(hotel new york)」と検索した場合、3つの広告のうち2つが、「節約(save)」と「価格保証(price guarantee)」という表現を使用している。
あなたのページのディスクリプションにも、ぜひ使用すべきキーワードだろう
自分のビジネスでローカルSEOを行おう
Backlinkoの読者であり、今回のガイドの作成に協力してくれたジョシュア・バラード氏とアンドリュー・ホランド氏に心から感謝している。
さあ、次はあなたの番だ。
このガイドで紹介したテクニックのうち、あなたが最も試してみたいと思ったテクニックはどれだろうか。
サジェストを使用したキーワード調査だろうか。
ローカルディスクリプションの最適化だろうか。
いずれにせよ、下記にコメントを残していただけると幸いである。
(ぜひ、SNS等で感想をシェアしてください!)
「ユーザーにとって有益な情報を届ける」という基本概念はSEOと同一ですが、施策内容については独自性がありますね。
特にGoogleマイビジネスは非常に肝心な施策となるため、決して手を抜かぬようにと、改めて思いました。
ローカルSEOも変化の激しい領域ですが、バラバラの知識を一箇所にまとめてくれている、非常に有用な記事でした。
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Googlebot のユーザー エージェントの更新
今年の Google I/O で発表したように、Googlebot では Chrome ベースのブラウザを使用してウェブページのレンダリングを行います。さらに、2019 年 12 月には、新バージョンのブラウザに対応する形で Googlebot のユーザー エージェント文字列を更新します。また、それ以降も Googlebot での Chrome の更新に合わせて、バージョン番号を定期的に更新します。
ユーザー エージェント文字列とレンダリングの背景情報については、Google クローラ(ユーザー エージェント)と Google が JavaScript をインデックスに登録できるようにするをご覧ください。
現在の Googlebot ユーザー エージェント
モバイル:
Mozilla/5.0 (Linux; Android 6.0.1; Nexus 5X Build/MMB29P) AppleWebKit/537.36 (KHTML, like Gecko) Chrome/41.0.2272.96 Mobile Safari/537.36 (compatible; Googlebot/2.1; +http://www.google.com/bot.html)
パソコン:
Mozilla/5.0 (compatible; Googlebot/2.1; +http://www.google.com/bot.html)
または
Mozilla/5.0 AppleWebKit/537.36 (KHTML, like Gecko; compatible; Googlebot/2.1; +http://www.google.com/bot.html) Safari/537.36
最新の Googlebot とユーザー エージェント
12 月には、Googlebot で使用されている Chrome のバージョンを反映させるために、上記のユーザー エージェント文字列の定期的な更新を開始します。次のユーザー エージェント文字列では、「W.X.Y.Z」が、使用している Chrome のバージョンに置き換えられます。たとえば、「W.X.Y.Z」が「76.0.3809.100」のようになります。このバージョン番号は定期的に更新されます。
モバイル:
Mozilla/5.0 (Linux; Android 6.0.1; Nexus 5X Build/MMB29P) AppleWebKit/537.36 (KHTML, like Gecko) Chrome/W.X.Y.Z Mobile Safari/537.36 (compatible; Googlebot/2.1; +http://www.google.com/bot.html)
パソコン:
Mozilla/5.0 (compatible; Googlebot/2.1; +http://www.google.com/bot.html)
または
Mozilla/5.0 AppleWebKit/537.36 (KHTML, like Gecko; compatible; Googlebot/2.1; +http://www.google.com/bot.html) Chrome/W.X.Y.Z Safari/537.36
サイトをテストする方法
評価を実施した結果、この変更はほとんどのウェブサイトに影響しないことがわかっています。
Google が推奨するように、ユーザー エージェント スニッフィングではなく機能検出とプログレッシブ エンハンスメントを使用しているサイトであれば、変更は不要です。
特定のユーザー エージェントを探索しているサイトでは、影響が生じている可能性があります。ユーザー エージェント スニッフィングではなく、機能検出を使用してください。機能検出を使用できず、ユーザー エージェント経由で Googlebot を検出する必要がある場合は、ユーザー エージェント内で「Googlebot」を探してください。
この変更の評価中に見つかった一般的な問題としては、たとえば次のものがあります。
- 通常のページ コンテンツではなくエラー メッセージがページに表示される。たとえば、特定のページで Googlebot が広告ブロッカーを使用するユーザーであると見なされ、ページ コンテンツへのアクセスが誤って禁止される場合があります。
- クロールをブロックしたドキュメントまたは noindex を使用したドキュメントにページがリダイレクトされる。
サイトに影響が生じているか不明な場合は、新しい Googlebot ユーザー エージェントを使用して、ブラウザにウェブページを読み込んでみてください。Chrome でユーザー エージェントをオーバーライドする方法については、こちらの手順をご覧ください。
ご質問がある場合は、ウェブマスター ヘルプ コミュニティに問い合わせるか、YouTube のウェブマスター オフィスアワーに参加してください。または、こちらの Twitter をフォローしてください。
【調査データ】Googleマイビジネスで3.7以上の評価を得ると、コンバージョンが増加する
ローカルクエリにおいて、Googleマイビジネスの内容がローカルパックとして表示されるケースが増えてきました。
検索結果におけるGoogleマイビジネスの重要性は高まるばかりですが、実際のユーザーの影響度はいかほどなのでしょうか。
今回はGoogleマイビジネスのレビューとコンバージョン率の関係についての記事を、Search Engine Landよりご紹介します。
自身のGoogleマイビジネスにユーザーから寄せられたレビューの3分の1以上に返信すると、企業のコンバージョンが80%増加する可能性がある。
ビジネスの評価を受けるのに、最適な場所がある。それはGoogleマイビジネスである。
Googleマイビジネスの評価を3.5から3.7に改善することで、コンバージョン数の大幅な増加が見込める。
さらに、Googleマイビジネスに寄せられたレビューのうち、少なくとも32%に返信を行った企業は、レビューの10%に返信を行った競合他社と比較して、80%以上高いコンバージョン率を達成した。
これらの調査結果は、2018年と2019年の上半期において、64,000件のリストデータを比較したUberallの調査によるものだ。
なお、この調査におけるコンバージョンとは、電話・経路探索・Webサイトへのクリックのことを指している。
コンバージョン率とコンバージョンの増加率
全体を通じて、コンバージョン率は企業が4.9の評価を得たときにピークに達した一方、コンバージョンの成長率が120%に至ったのは、3.5から3.7に改善されたときである。
このレポートでは、コンバージョンの増加をコンバージョン数の絶対的な増加としている(相対的な増加ではない)。
下のグラフは、中小企業・大企業・グローバル企業、それぞれのコンバージョンの伸びを示している。
興味深いことに、これら3つのビジネスにおいて、コンバージョンの伸びがピークに達したのは、評価3.5から3.7の間であった。
必ずしも評価が高ければ良いというわけではない
評価5.0では、中小企業とグローバル企業のコンバージョン率は落ち込んだものの、評価5.0を獲得している企業の数は最も多かった。
一方、コンバージョン率の最大の急増である25%の伸びは、評価が4.3から4.4になった企業で発生した。
平均して、中小企業の評価は業界平均よりも高い傾向にあることがわかった。
編集部注:
中小企業は他の大企業と比べてレビュー数が少なく、評価の振れ幅が大きくなるため、結果として評価が高くなるケースが多いのだと思われる。
レビューへの返信とコンバージョン率の相関関係
Uberallの分析では、中小企業と大企業におけるレビューへの返信率が10%で推移したときには、ほぼ同じコンバージョン率(約3%)であることがわかった。
ただし、レビューへの返信率32%という数字は、大企業におけるコンバージョン率を大幅成長させるにあたってのベンチマークとなりうる。
例えば、企業がレビューの少なくとも32%に返信した場合、レビューの10%に返信した競合他社や中小企業と比べ、80%以上高いコンバージョン率を達成している。
全体を通して、中小企業はレビューへの平均返信率が最も高く(25%)、続いて大企業(12%)、グローバル企業(9%)と続いた。
最大限の成長を遂げるために必要なレビュー数
以下は、特定の業界において最高のコンバージョン率を達成したレビューの平均数についてのグラフである。
- 自動車:76件・88%
- 金融:34件・44%
- 飲食:181件・83%
- 小売:70件・42%
- サービス・BtoB:44件・49%
- 旅行・観光・レジャー:104件・151件
各業界の平均レビュー数は、金融・旅行・観光・レジャーのジャンルを覗き、最高のコンバージョン率に関連する数値と同じか、それ以上である(レビュー数≧コンバージョン率の絶対値)。
レポートから読み取れるのは、「レビューの数がコンバージョン率の増加を達成するための大きな要因である決定的な証拠はないものの、それでも業界平均までの獲得は目指すべきだ」ということだ。
もし、業界平均を達成していない場合、コンバージョン率に影響を与え、ユーザーは企業のレビュー評価の妥当性を疑問視する可能性があるだろう。
なぜレビューを気に掛ける必要があるのか
Uberallのマーケティング執行役員であるNorman Rohrいわく、「レビューの評価と返信率に焦点を当てることで、企業は全体のコンバージョン率に大きな影響を与えることができる」とのことだ。
企業に関心を寄せている消費者は24時間以内に来店する可能性が非常に高く、コンバージョン数が25%増加すると、毎日のトラフィック(流入数・来店数)が25%増加する可能性がある
この調査結果からは、ローカル企業・グローバル企業のいずれにおいても、コンバージョンの増加率を大幅に伸ばすためには、企業が3.7を超えるレビュー評価の獲得を優先する必要があることが読み取れる。
大企業がコンバージョン率を最大25%増加させるためには、少なくとも評価4.4を目指す必要がある。また、レビューへの返信率を10%から32%に上げると、コンバージョン率を80%増加させることができるだろう。
64,000件のデータによる調査結果ということで、説得力がある記事でした。
記事では、「レビューへの返信率を32%以上にすると、コンバージョン率が80%増加する」「コンバージョン率を増加させるためには、業界平均以上のレビュー数の獲得を目指すべき」とのことでした。
要点としては、「ユーザーとの接点を増やす」「ユーザーから生の評価をもらう」ということであり、Googleマイビジネスのみならず、他の施策にも同じことが言えそうです。
データを見るとつい統計的視点で見てしまいますが、ユーザーの一人ひとりと向き合っていくことを忘れないようにしたいですね。
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Googleインデックスの仕組みについて
こんにちは。ナイルの押谷です。
2019年1月にGoogle Search Consoleの新バージョンが全ユーザーに開放されました。機能も継続的にアップデートされ、多くの方が活用されていると思います。 新しくなったGoogle Search Consoleでは「インデックスカバレッジレポート」や「URL検査ツール」などによって、SEO上の異常検知・全体把握・問題特定を行うことが格段に楽になっていると個人的に感じており、多くの方に活用していただきたいと思っています。
そこで、Google Search Consoleの機能を活用するために、Google Search Consoleの機能からGoogleのインデックスのプロセスと処理を紐解きたいと思います。
テクニカルSEOの改善(特に大規模サイトで)は、「Google botがURLを発見する→ページ情報を取得する→ページ情報をインデックス登録する」という一連プロセスにおいて課題箇所の改善、もしくは処理を行いやすくすることが重要になります。そのため、そもそもURLが発見されているか、ページ内容が正常に取得されているか、インデックス登録でエラーが起きていないかなどプロセスを順に追って課題の特定を行い、発生している原因の仮説検証をしていく必要があります。
Google Search Consoleはインデックスのプロセスに対応して作られており、課題の特定や仮説を立てるための手助けとなるツールです。
ただし、Google Search Consoleで検出されるエラーの種類は多くあり原因も一つではなく、改善方法はサイトによって様々です。また、Google Search ConsoleでGooglebotが行った処理の結果を把握することが出来ますが、処理の判断理由はブラックボックスな部分もあるため、自ら仮説を立てながら検証していく必要なケースも多いです。
SEOに限らない話ですが、基本的な仕組みを知ることで応用も効き、いろいろな問題に対応することが出来ます。Googleがインデックスのプロセスをどのように処理しているのかを知ることで、SEOの改善の応用力が身に付きます。
今回の記事は、何万ページもあるような大規模サイトを運用されているSEO担当者の方向けになります。ページ数のさほど多くないサービスサイトやコーポレートサイトを運用されている担当者の方には、業務に必要がない知識になるかもしれませんが、Googleのインデックスの仕組みを知っておいて損はないと思いますので、全体像だけでも把握していただき、もしも問題が起きた際に改めて各項目を確認していただければと思います。
目次
「検出」「クロール」「インデックス」基本のプロセスは3つ
Google Search Consoleを参考にインデックスの仕組みを理解する
1.【検出】URLを発見する
1.1 URLの発見
1.2 URLをリクエストする
2.【クロール】ページ内容を取得する
2.1 クロールの準備
2.2 クロール許可の確認
2.3 ページの取得
2.4 クロールデータ
3.【インデックスの作成】取得したページ情報のインデックス
3.1 インデックス登録許可の確認
3.2 正規URLの判断
3.3 インデックスの作成
インデックスのプロセスを理解して、Google Search Consoleを使いこなそう
「検出」「クロール」「インデックス」基本のプロセスは3つ
Googleの基本のプロセスは大きく「検出」「クロール」「インデックス」の3つのプロセスに分かれます。(もう少し分けないと問題特定できないので、後ほど説明します。)
参考ページ:Google 検索の仕組み | クロールとインデックス登録
Googleの基本思想は、ユーザーが検索している様々なキーワード(検索クエリ)に対して、即座に適切な情報を検索結果上に返すことです。
そのため、Googlebotは情報を収集するWebページのURLの収集を行っています。収集したURLがどのようなページであるか把握するためにページ情報の取得を行い、その後取得した情報をGoogleのサーバーに保管(インデックス登録)を行います。ここまでが、Googlebotが情報を収集し保管するまでのインデックスの仕組みになります。
検索結果のランキングに表示されるプロセスはまた別のプロセスです。ユーザーが検索を行ったタイミングで、ユーザーが探している情報に適しているデータをインデックスデータの中から検索結果のランキングとしてユーザーに提示しています。インデックスとランキング(アルゴリズム)は別のプロセスになり、今回は前者のインデックスの仕組みに焦点をあてています。
Google Search Consoleを参考にインデックスの仕組みを理解する
新しいGoogle Search Consoleを触っていると、サイト運営者がGooglebotのインデックスプロセスの改善を手助けできるように作られていることが分かります。
ツール内の機能「URL検査ツール」と「インデックスカバレッジレポート」を確認すると、インデックスの一連のプロセスでGooglebotが認識をしている内容を把握することが出来ます。特に、「URL検査ツール」は上記の一連のプロセス通りに「検出」「クロール」「インデックス作成」と項目が分かれており、各項目でGoogleが認識している状況のデータを提供しています。
それらの機能を元に確認できる項目からGoogleが行っている3つのプロセスを細分化し、整理したものが下記になります。
※インデックス作成プロセスは明確に処理の時系列が公表されているわけではないので、推測の部分もあります。(もし間違いがあれば、ご指摘お願いします。)
これより各プロセスにおいてGoogleがどのような処理を行っているのかそれぞれの項目を紹介していきます。JavaScriptの処理などGoogle Search Consoleの機能とは少し外れますがインデックスのプロセスで必ず抑えておきたい情報を補填しています。
1.【検出】URLを発見する
Googleは、URLを発見するために大きく3つの情報を元に行っています。
1.1 URLの発見
-
1.1.1 XMLサイトマップ
GoogleはXMLサイトマップに登録されているURLを、クロールを行う手がかりとしているため、サイトの所有者はクロールが行われたいURLを必ずXMLサイトマップに登録を行いましょう。Googleが認識しているXMLサイトマップに登録されているURLはインデックスカバッレジレポートやURL検査ツールで確認することが出来ます。
Googleが公言しているわけではありませんが、個人的には、XMLサイトマップに登録されているURLは、登録されていないURLに比べてクロールの優先度は高いと感じます。特に大規模サイトでは、Googlebotのリソースを考える必要が出てくるため、XMLサイトマップのURLリストの更新をコンスタントに行う必要があります。
- 1.1.2 サイト内のリンク
サイト内の内部リンクも手掛かりにしています。Googlebotはページ内容を取得する際に、HTMLを解析し、ページ内に設置されたリンクからクロールを行うURLを発見します。URL検査ツールの「参照元URL」では、URL単位でGoogleが参照した可能性があるURLを確認することが出来ます。XMLサイトマップのみを発見の手がかりとしている場合、参照元ページはなしと表示されます。
リンク切れや正規のURLでないページへのリンク先が設定されていると、Googleはリンク情報を元にリンク先のページを検出し、最悪不要なページがインデックス登録されてしまう恐れがあります。
- 1.1.3 外部サイトのリンク
サイト内部からのリンクと同様に、外部サイトのページがクロールされた際に、リンクも参照してURLの発見を行います。こちらもURL検査ツールで確認できますが、多くの結果を見ていますがサイト内のリンクよりも参照リンクとして表示される数はかなり低い確率であると感じます。
また、Google Search Consoleの他の機能であるリンクレポートからは、サイト全体の参照元URLリストを確認することが出来ます。ただし、URL単位で参照元URLを確認することはできません。
参考ページ:Google Search Console リンクレポートページ
(インデックス登録をリクエストする)
URL検査ツールでは、サイト所有者がインデックス登録をリクエストすることが可能です。旧Google Search ConsoleのFetch as Googleの機能になります。Googleに発見されていないページでも、インデックス登録が可能であれば、クロール・インデックス登録をGoogleに促すことが可能です。
最近だとXMLサイトマップに登録さえ行っておけば、正常であればGooglebotがクロールは確実にしてもらえるので、昔よりインデックスのリクエストを使用する頻度は下がってきました。大規模サイトだと、URLの数が多すぎるため手動で1URLずつリクエストを送ることは現実的ではないので、インデックスして欲しいURLはXMLサイトマップで管理するのがベストだと考えます。
2.【クロール】ページ内容を取得する
クロールのプロセスでは、「クロールの準備」「クロール許可の確認」「ページの取得」までを行っています。特に「ページの取得」では、サーバサイドやフロントサイドでのSEOの課題が発生しやすいです。
2.1 クロールの準備
URLが発見された後、Googleはクロール対象のURLを”クロールキュー”に追加します。クロールキューはクロールが行われる前の”クロール待ちURLリスト”になります。Googlebotはクロールキューから”優先度が高いURL”を取得し、クロールを試みます。
Googlebotがクロールできるリソースには限りがある(クロールバジェットという)ため、大規模サイトではURL単位でクロールの優先度を考慮する必要があります。Googlebotのクロールリソースはサイトによってある程度割り当てられており、そのリソースの範囲で優先度が高いページからクロールを行っています。必要に応じてサイト全体のクロール対象URLの調整や、URLごとのクロール優先度の管理が必要になってきます。クロールバジェットについては、過去にウェブマスター向け公式ブログで説明されているので、気になる方はこちらの記事をご確認ください。
参考ページ:Google ウェブマスター向け公式ブログ: Googlebot のクロール バジェットとは
2.2 クロール許可の確認
GooglebotはクロールキューからURLを取得すると、サイト運営者が設定しているrobots.txtを元に、対象のURLがGooglebotのクロールを許可されているか確認します。robots.txtにdisallowで指定されたURLがある場合、Googleは基本的にはそのURLへクロールを行いません。ただし、disallowはクロールの禁止を強制する効力は完全ではなく、場合によってはクロールされてインデックス登録されることがあります。
サイトに robots.txt プロトコルを使用すると、Google のクロールをブロックできますが、必ずしもインデックスに登録されないわけではありません。たとえば、他のサイトからリンクを介して検出されたページはインデックスに登録される可能性があります。
検索結果には表示はされたくないページであれば、disallowでは完璧ではないために、インデックスを許可しない指示のnoindexタグをページに設定することをお奨めします。
2.3 ページの取得
ページの取得の処理では、「サーバーのレスポンスステータスの取得」「ページ内容のデータの取得を行いHTMLの解析・レンダリング」の2つのプロセスに分けることが出来ます。「レスポンスステータスの取得」ではGooglebotがURLへクロールが出来ているか、「HTMLの解析・レンダリング」ではGooglebotがページコンテンツをどのように認識しているかをプロセスに分けて確認します。
- 2.3.1 HTTPリクエスト/レスポンスステータスの取得
Googlebotはクロールを行う際、HTTPリクエストをWebサーバに送りサーバからのレスポンスステータスコードを受け取ります。Google Search ConsoleではURL単位でGooglebotが受け取っているステータスコードを確認することができ、Googlebotがそもそもページ(URL)にクロールが出来ているかを確認することが出来ます。
Google Search ConsoleでGoogleが認識しているレスポンスステータスコードを確認することは、ページへクロールが試し見られているか、サーバで問題が発生しているのか、その後のプロセスで問題が発生しているのか、を判断することが出来ます。
サーバとクライアントの関係を、初めて聞いたという方は下記の記事を読み理解を深めてましょう。
- 2.3.2 HTMLデータの解析 / レンダリング
Googlebotが正常なレスポンスステータスを受け取った際に、受け取ったHTMLの解析を開始します。また、通常のユーザーがアクセスした際のブラウザの処理と同様にHTMLデータを構築し、実際にユーザーのデバイスでの表示画面を確認するためにHTML・CSSを構築し画面を確認します。ページにクロールが発生しているうえで、Googlebotがページ(URL)のコンテンツを解析出来ているかを確認することが出来ます。
URLにはクロールされているのですが、コンテンツ内容が正常にGoogleに認識されていないことも以前は良く発生していました。Googleが認識しているHTMLソースやレンダリング内容はURL検査ツールで確認することが出来ます。
ここではHTMLの解析・レンダリングについて詳細なプロセスについて割愛していますが、もっと詳しく知りたい方はGoogle Developersの「クリティカル レンダリング パス」のを読むとよいでしょう。
参考ページ:クリティカル レンダリング パス | Web | Google Developers
JavaScriptなどを用いない静的なHTML でページのコンテンツが構成されているのであれば、インデックス作成のプロセスに移ります。ただし、JavaScriptを用いてページのコンテンツを表示させている場合は注意が必要です。
-
(JavaScriptのレンダリング処理は静的なHTMLデータとは別プロセス)
GooglebotのJavaScriptの処理において、ページがインデックスがされない、コンテンツが認識されない、負荷が掛かりすぎているなど、ページのコンテンツを認識できているのかという問題は昔からSEOに付きまとう問題です。Googlebotがサイトで使用しているJavaScriptをサポートしているかどうかという問題です。今年の5月にJavaScriptのレンダリングエンジンが更新され、Chrome 74相当(以前はChrome 41相当)の最新のJavaScript技術をサポートできるようになり、JavaScriptの処理の範囲が広がりましたが、すべてをサポートできているわけではありません。
また、JavaScriptのレンダリングのプロセスは、静的なHTMLとは別に実行されます。理由としてはJavaScriptを実行するのに大きなリソースが必要となるためです。HTMLコンテンツの処理時にインデックス登録が許可されているページであれば、一度”レンダリングキュー”で管理され、Googlebotのリソースがあれば順次JavaScriptのレンダリングが行われ、インデックス登録が行われます。
参考ページ:JavaScript SEO の基本を理解する | 検索 | Google Developers
Google Search ConsoleのURL検査ツールを用いて、レンダリングしているデータを確認することが出来ます。検査ツールのバージョンは常にGooglebotと同様のバージョンにアップデートされ続けるとのことです。URL検査ツールでの結果はGooglebotと同じレンダリングシステムという認識で問題ないでしょう。
参考ページ:Official Google Webmaster Central Blog [EN]: Googlebot evergreen rendering in our testing tools
3.【インデックスの作成】取得したページ情報のインデックス登録
インデックスの作成プロセスでは、Googleは取得したページのデータをインデックス登録するべきかの判断を行っています。
3.1 インデックス登録許可の確認
Googleは、対象URLにnoindexタグのシグナルがあるかHTMLデータを解析する際に確認し、サイト所有者がインデックスを許可しているかを判断します。インデックス許可をしないことをGoogleに指示する場合、HTMLでのrobotsメタタグやHTTPヘッダーでのX-Robots-Tagで設定できます。
3.2 正規URLの判断
Googleのインデックス作成の判断は、複数の要素を元に判断し、検査対象のURLをインデックス登録するべきかを判断しています。
- 3.2.1 ユーザーが指定した正規URLを確認
Googleは、canonicalやリダイレクト処理でサイト運営者側が指定している正規URLを確認します。Googleはその情報を読み取り、インデックス登録を行う判断の一要素とします。
ここで一要素と記している理由は、Googleはユーザーが指定した正規URLを参考にしますが、その他のシグナルも確認し、最終的に別のURLを正規URLとして判断することがあります。
- 3.2.2 インデックスデータから重複ページを確認
Googleはインデックスデータに重複ページが存在していないかを確認します。重複ページと判断されたURLは、インデックス作成から除外されGoogleが自動で正規のURLを判断します。インデックスカバレッジレポートで重複しているというステータスで検出されます。
- 3.2.3 Googleが正規URLを判断
上記のプロセスを元にGoogleが自動で正規URLの選択を行います。検査対象のURLとは別のURLが正規URLと判断された場合は、インデックスカバッレジレポートで「除外」のステータスで検出されます。
サイト運営者が意図した正規URLがGoogleに選択されなかった場合、異なるページがなぜ重複と判断されてしまっているのか、ユーザーが指定しているURLがなぜ無視されているのかを考える必要があります。
3.3 インデックスの作成
上記の「インデックス登録可否の確認」「ユーザーが指定している正規URLの確認」「Googleが重複ページを確認」「Googleが正規URLを判断」し、ページのインデックスの作成(登録)が行われます。
(JavaScriptのインデックス処理も少し時間がかかる)
JavaScriptのレンダリングは静的なHTMLとは別プロセスで行われるため、データのインデックスも静的なHTMLデータとは別のタイミングで行われます。静的なHTMLのみ先にFirst waveとして先にインデックス登録が行われ、JavaScriptのレンダリングデータはSecond waveでインデックスされます。新しいページをリリースした際などに確認する際は、JavaScript によって生成されるコンテンツのインデックスは、静的なHTMLのインデックスとタイムラグがある点に気を付けてください。
参考ページ:JavaScriptによるnoindex挿入をGoogleは推奨せず、JSレンダリングはセカンドウェーブのインデックス | 海外SEO情報ブログ
インデックスプロセスを理解して、Google Search Consoleを使いこなそう
大規模な不動産サイト・求人サイト・モール型のECサイトのようなシステムで制御しているページが大半のサイトでは、表面上では把握することが出来ないSEO上の問題が少なからず発生してしまいます。そのような事態が起きた際は、Googleが行っているインデックスプロセスを細分化してGoogle Search ConsoleでGooglebotの処理を確認することで、発生箇所や問題の原因を把握することに繋がります。
今回はGogole Search Consoleでの確認方法などは割愛させていただきましたが、Google Search Consoleではサイトのどこに問題が起きているのか本当に把握しやすくなりました。この記事を読んでいただき、インデックスのプロセスを把握し、Google Search Consoleを使いこなせる方が一人でも増える手助けになれば嬉しいです。
Googleインデックスの仕組みについてはナイル株式会社 - SEO HACKSで公開された投稿です。
Search Console での動画検索結果に関する新しいレポート
動画は、情報をオンラインで得るための重要なメディアとして、利用が拡大しています。Google では、ユーザーがためになる動画を簡単に見つけられるようにしたいと考えています。そこで今回、Google 検索における動画のパフォーマンスを把握し、動画のマークアップを改善する機会を特定できるツールを、新たに 2 つ導入しました。
現在、Google 検索では、メインの検索ページ、動画検索タブ、そして Discover に動画が表示されます。
左から右: メインの検索ページ、動画検索、Discover にそれぞれ表示された動画
動画拡張レポート
構造化データにより、検索エンジンでは動画が表示されているページを認識でき、動画の長さ、アップロード日、その他のメタデータなどの正確な情報に加え、プレビューを含む豊富な視覚的情報が表示されます。ユーザーはそれらを通じ、動画の内容を詳しく把握したうえでクリックできるようになります。
構造化データを使用して動画にアノテーションを付けているサイトについて、Search Console では新たに「動画」レポートを使用できるようになりました。このレポートでは、サイトに実装されているマークアップに関するエラーと警告を確認できます。なんらかの問題を修正した場合には、該当ページが再クロールによって解決されたかどうかを、このレポートで検証できます。詳しくはリッチリザルト ステータス レポートをご覧ください。
検索パフォーマンス レポートでの動画の見え方
Search Console の検索パフォーマンス レポートには、動画タブの検索結果(タイプ = 動画)のパフォーマンスを表示するオプションがすでに用意されていますが、今回、動画に関する機能がさらに拡張されました。動画の見え方を設定する新機能によって、メインの検索結果タブ(タイプ = ウェブ)と Discoverでも動画のパフォーマンスを確認できるようになっています。VideoObject 構造化データを使用しているページの場合、または Google が他のシグナルを使用してページ上の動画を検出している場合には、ページ内のコンテンツと合わせて動画の見え方が表示されます。
こうした新しいツールを使用すれば、動画が検索結果でどのように表示されるかを把握でき、問題の特定と修正が容易になるはずです。動画に関するおすすめの方法も参考にしてください。ご質問がある場合は、フォーラムへの投稿をお願いします。