動画配信のNetflix、株価9%急騰―ロシア、インドなど130ヵ国への進出を好感

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NetflixのCESでの発表を受けて、株主は明るいムード一色だ。もちろん、Netflixが新たに進出を決めた130ヵ国の人々も同様だろう。

今日(米国時間1/6)、ラスベガスで開催されているCESでCEOのReed Hastingsが驚きの発表をした後、Netflixの株価は一本調子にアップを続けた。9%高で取引終了時間を迎えたことは、市場の好感の強さを示すものだ。同社は新たに130ヵ国に進出することで、さらに巨大な加入者を確保する準備が整ったといえる。

今回Netflixが発表した130ヵ国の中に中国だけは入っていなかったが、インド、インドネシア、ロシアなど大きなな人口を擁する国が含まれている。Netflixはこれまで国際進出では慎重に準備を重ねる傾向が見られた。今日の発表も基本的にはCESという格好の場を得て「マイクで爆弾を落とす」パファーマンスだといえるようだろう。CEOのHasitingsの発表は投資家層に国際市場に大々的に進出する効果を考える材料を大量に与えた。
現在Netflixの登録加入者は7000万人だ。

今日の株価のアップは、前回の四半期決算にたいする失望から株価が10%以上急落した状態からの回復の意味合いもある。前回の発表では、Netflixは国際市場で驚くべき成長を遂げたものの、投資家がもっとも強く期待していたアメリカ国内での収益性の改善とユーザー数の増加が見られなかった。

今後明らかになっていくはずだが、今回新たに進出する国々で提供されるコンテンツの内容についてまだ情報がない。Netflixのコンテンツは国によって大幅に異なる。また同社の最大の強みは独自にプロデュースした映画や番組だ。

最近の四半期決算発表で、Netflixは3620万人の新規加入者を獲得したと述べている。これらの新規加入者の大半(2740万人)はアメリカ以外の国の居住者だ。こうした数字が手がかりになるなら、Netflixが国際市場に強いことは間違いない。大々的な海外進出の計画は同社にとって画期的なものといえるだろう。

〔日本版〕Netflixは昨年9月から日本での動画ストリーミングを開始している。日本版サイトはこちら

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Oculus Riftヘッドセット、いよいよ予約受付開始へ〔日本時間1/7(木)午前1時から〕

A man tries out the Oculus Rift virtual reality headset at the Oculus booth at the Electronic Entertainment Expo on Wednesday, June 11, 2014, in Los Angeles. (AP Photo/Jae C. Hong)

長い道のりだった。いかにガジェット好きであろうと、頭に何かを被る必要があることを一般消費者に納得させるのは容易なことではない。今やOcculus Riftを装着すれば脳のシナプシスを最大限に興奮させるスリルに満ちたまったく新しい体験が提供される。

今朝の(米国時間)のOculusの発表によれば、消費者向け仮想現実ディスプレイ、Oculus Riftヘッドセットの予約は太平洋標準時で1月6日(水)午前8時〔日本時間1月7日(木)午前1時〕から受付が開始される。昨年末、同社は「開発は順調に進んでおり、製品は目標通り2016年第1四半期に出荷される」と確約していた。

ただし、今回出荷されるRiftの詳細なスペックが明らかになるのはもう少し先になる。 Oculusは依然として発表内容を細かく調整しており、購入に当たって重要となる要素、たとえば価格などはまだ発表されていない。離陸しつつある仮想現実マーケットでRiftがどれほどのシェアを獲得することになるのかは、予約開始を待たなければ予測が難しそうだ。

重要な点については口が固いOculusだが、ユーザーの期待をかきたてる方法は知っている。デベロッパー向けRiftキットは350ドルだったが、消費者バージョンの価格はもっと高いらしい。すくなくともRiftのファウンダー、, Palmer Luckeyがほぼそういう意味のことを述べている。Luckeyの「おおむねその範囲」という価格が正確にいってどの範囲に収まることになるのかは水曜日を待たないと分からない。

価格はともあれ、消費者向けRiftにはゲームが2本、無料でついてくる。PlayfulのLucky’s TaleとCCPのEVE: Valkyrie.の2作だ。

TechCruchチームは今週開かれるCES会場でRiftの実機をテストできるはずだ。フォロー記事に期待していただきたい。

画像: Jae C. Hong/AP

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LittleThingsは心がなごむ記事に特化―ベンチャー融資ラウンド実行でさらに急成長へ

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もしかするとLittleThingsというサイトの名前は初耳かもしれない。しかしこのウェブニュースは急成長中だ。特長はポジティブな心のなごむ記事に特化している点だろう。

驚いたことに、NewsWhipのデータによると、2015年にFacebookで「もっとも高い人気」を集めた投稿はLittleThingsの記事だった。これは2年前にYouTubeアップされた音楽ビデオ、人気ロックバンド、HEARTのアン・ウィルソンとナンシー・ウィルソンがステージでカバーしたステアウェイ・トゥ・ヘブン(天国への階段)についての 解説にすぎない。

しかしLittleThingsの記事は誰にも分かりやすく、巧みに注目を集めるような書き方がしてあった。 「44年前にこの曲を書いたロバート・プラント、アン・ウィルソンの熱唱を聞いて涙でいっぱいに」という具合だ。Facebookのユーザーベースの巨大さもあって、この記事は180万の「いいね!」を獲得した。

しかし180万の「いいね!」は幸運なまぐれ当たりではないようだ。comScoreの統計によると、ニューヨーク市に本拠を置くこのスタートアップは2015年10月に4950万のユニーク訪問者を集め、ライフスタイル部門の7位にランキングされている。数年前に生まれたばかりのニュースサイトにしてはまったく悪くない出来栄えだ。

LittleThingsはまた最近、City National Bankからベンチャー融資を受けたことを発表している。残念ながら公式発表には正確な金額が含まれてない(スタートアップの広報担当者は「詳細を発表する許可を受けていない」と語った)。しかしLittleThingsが導入した最初の外部資金としてこのラウンドは注目だろう。最近、2億ドルの資金を受け入れたBuzzFeedVoxなど、デジタル・メディアで大型資金調達が続いている。

LittleThingsの共同ファウンダー、Joe Speiserは私の取材に対して、「われわれは他のパブリッシャーとは〔資金調達に関して〕やや違うアプローチを取っている。他のメディアには調達した資金を湯水のように使うところも多いのだが」と述べた。前述のようにLittleThingsは過去2年間、外部の資金を一切受け入れて来なかった。
Speiserは融資(社債発行)によるラウンドを株式発行による通常のラウンドと比較して、「現在、条件が非常に魅力的だ。また〔意思決定に当たって、通常のラウンドのように〕ヒモつき状態でなく、株式の希薄化も経験せずにLittleThingsを運営できる」と付け加えた。

ただし、融資によるラウンドが実行できたのは同社がすでに黒字化を達成しているという点も大きかった。LittleThingsは2015年に推定で2500万ドルの売上があった。社員はすでに55人を数えているが、Speiserは「新たな資金でさらに記者とビデオ制作部門の人員を増強できる。セールチームの拡張も計画している」と述べた。

LittleThingsではサイト自身へのトラフィックを増やす努力と同様、Facebookへの動線の拡大にも力を入れている。上述の1位獲得はその成果の一つだろう。Speiserは「パブリッシャーにとって2015年はFacebookで大規模な収益化を実施するチャンスが得られる年になるはずだ」と語った。

LittleThingsにとって最大の課題は、現在の成長の勢いを主流メディアとしての地位を確立するものにできるかどうかだ。Speiserは「われわれは読者の本当のニーズを満足させている」と主張する。たとえば、最近のパリでのテロ事件の後、サイトの訪問者が急増した。といって、そういう恐ろしい事件を報じて利益を上げているわけではないという。Speiserによれば、LittleThingsへの訪問者はパリの事件の記事を読みに来たわけではなかった。

「読者は深刻で不安を呼ぶニュースの洪水の中で、ほっとする記事、息抜きができる記事を必要としていた。あんな恐ろしいニュースについて読むのは苦痛だ。誰でも憂鬱になってしまう。だからちょっとの間でもハッピーな気持ちになれる場所、いわば安全な隠れ家が必要になる」とSpeiserは言う。

またLittleThingsは 「ニュースを報じるだけなく、ニュースを作るお手伝いもしている」という。たとえば、昨年、ニューヨーク市のマウント・サイナイ病院に入院中の末期のガン患者の「最後の願い」が「馬をかわいがること」だと知ったLittleThingsはセラピーの専門組織、Gentle Carousel Miniature Therapy Horsesに連絡し、マジックという名前の可愛らしいなセラピー用のミニ・ホースを病室に連れていくことができた。LittleThingsはその一部始終を記事で報告したが、もちろんこれは尊敬すべきジャーナリズムの伝統に従うものだ。

〔日本版〕トップ画像はLittleThingsのオフィスの写真。サイトには「ほっとする動物ビデオ」も多い。「射たれた真似がうまいシェパード犬」や「家中のペットのリーダー格のプレーリードッグにはファンが何千人も」などは愉快だし、動画を見ているだけで内容もよく分かる。

画像:: LittleThings

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

ビートルズがストリーミングにやって来た―Apple Musicなどでついに全曲が聞ける

** ARCHIV ** Die Beatles, von links, John Lennon, Paul McCartney, George Harrison und Ringo Starr, machen am 4. November 1963 eine Pause auf einem Sofa waehrend einer Probe im Prince of Wales Theater in London. In Hamburg wird am Donnerstag, 11. September 2008, der Beatles-Platz eroeffnet. (AP Photo) The Liverpool beat group The Beatles, with John Lennon, Paul McCartney, George Harrison and Ringo Starr, take it easy resting their feet on a table, during a break in rehearsals for the Royal variety show at the Prince of Wales Theater, London, England,  November 4, 1963. (AP Photo)

数週間前から流れていた噂どおり、ザ・ ビートルズの公式ウェブサイトはバンドの全楽曲がApple Music、Spotifyなどすべてのストリーミング・サービスに開放されたことをことを確認した。現地時間のクリスマスイブ(米国時間12/23)の開始と同時に配信が始まる〔日本版:日本でもすでに公開されている〕。

今回の決定は、タイミングからしても最高のクリスマスプレゼントとなった。また、これまでストリーミング配信に懐疑的だったアーティストの動きとしてもきわめて大きなものだ。

実はビートルズがiTunes Storeでデジタル版の楽曲を販売するようになるにも何年という年月を必要とした。ビートルズのアルバムがiTunes Storeに登場したのは、数限りない噂の果て、やっと2010年になってからのことだ。これはデジタル音楽のプラットフォームを提供するApple Inc.と高名なバンドの全楽曲を管理するApple Corpsとの粘り強い交渉の末だった。ユーザーが自由に個々の楽曲を聞けると同時にそこから得られる収入を双方のAppleにとって最高にする仕組みを作ることは容易な仕事ではなかったようだ。

ストリーミング配信についても同様の困難があり、著作権者側から見れば、Apple Musicの取り分が不当に大きいと考えられてきた。しかし最近Apple Corpsはビートルズのアルバムをそろそろストリーミングで公開する時期だと考え直したものと思われる。

リマスターされたスタジオ録音アルバム13種類、スペシャル・コレクションが4種類が現地時間のクリスマスイブの午前12時1分から世界各国で公開される。Apple Music、Spotify、Google Play、Amazon Music、Deezer、Tidal、Slacker、Groove、Rhapsodyはすべてビートルズの曲をフィーチャーする。

今年、一部のアーティストはストリーミング配信に参加しないことを強い言葉で述べた。中でもテイラー・スウィフトがApple Musicなどのビジネスモデルに反発して「ストリーミング・サービス提供者はレーベルやアーティストに十分な支払いをしていない」と批判したのは大いに目立つ行動となった。 スウィフトは当初、新アルバム『1989』をストリーミングに登録しなかったが、複雑な交渉の後、『1989』はApple Musicに復帰した

さらにその後になるが、英国の歌手アデルは最新アルバム『25』をストリーミング配信することを拒絶している。トム・ヨークなど、何年も前からストリーミング配信では聞くことのできない他のアーティスもかなりの数存在する。

画像: AP Photo

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Twitterの世界で(ランダムに)好意を届ける「@TheNiceBot」

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世の中、結構きびしいことが多い。これまで3年間、インターネット上で記事を執筆してきた。そしてその期間を通じて喧嘩腰のコメントや何を言っているのかわからないメール、あるいは誹謗中傷などを受けてきた。いや、そうしたことがあっても、自分の仕事のことは気に入っている。ただ、ときにもう少し穏やかに過ごしたいと思うことはあるのだ。

きっとそんなことを思う人は少なくないのだろう。Twitter上に@TheNiceBotなるアカウントが登場した。単なるボットなのだが、おそらくは唯一、人を幸せにすることを目的としたボットであると言えるかもしれない。この@TheNiceBotのプロフィールを見てみよう。

こんにちは、NiceBotです。Twitter上には60秒毎に意地の悪い発言が投稿されます。そこで30秒毎に、何かしら優しい言葉をかけるためのボットを作ってみました。あなたのハッピーのお役に立てればと思います。

というわけで、このNiceBotは30秒毎に、ランダムに選んだTwitter利用者宛に応援メッセージを送るのだ。これまでに4万件もの賞賛メッセージを送っている。これによりちょっとだけ良い気持ちになった人もいることだろう。

なお、プロフィール欄のリンクはChampions Against Bullyingに繋がっている。これはイジメや暴力問題に対処するために保護者、学校、教師、ないしコミュニティに対する援助を行う組織だ。

そうした組織はありながらも、しかし学校からいじめはなくならない。コミュニケーションの場がインターネットにうつって、さらにひどい状況になっているという面もある。そんな中、TheNiceBotは一服の清涼剤となり得るかもしれない。

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(翻訳:Maeda, H

ドク・ブラウン、「Back To The Future」ロケ地でのファンの集いにSkypeを通じて参加

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MicrosoftがSkypeを使った面白い試みを行った。「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のドク・ブラウンことクリストファー・ロイドと、映画の熱狂的なファンをSkypeで結んだのだ。その様子をビデオに公開している。

ビデオ中、ドク・ブラウンはファンたちの質問にいくつか応えていた。映画登場人物のコスプレをしている人もいて、大いに盛り上がったようだ。私たちの世代にとっては、この映画の存在は非常に大きなものだったことを思い出せてもくれた。もちろん、これからも新たなファンを掴んでいく映画に違いない。

「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のロケ地であるカリフォルニア州のプエンテ・ヒルズ(Puente Hills)にて、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の鑑賞会が行われました。そこにクリストファー・ロイドもSkypeで参加してくれたのです。

ファンからの質問に応えたりもしてくれました。ビデオセッションはプルトニウム不足もあってさほど長くできませんでしたが、むしろ見る人にとってはちょうどよい長さになったかもしれません。

ビデオを見ると、また「バック・トゥ・ザ・フューチャー」を見たくなることだろう。

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(翻訳:Maeda, H