WhatsAppが一時ダウン、メッセージ送受信が不能に

WhatsAppが米国時間7月14日火曜日に一時的にダウンし、Facebook(フェイスブック)傘下のエンドツーエンド通信が暗号化された同メッセージングアプリで、メッセージの送受信ができなくなった。

影響を受けたユーザーは、メッセージを送信しようとしたときに「接続中」と表示されているのを見たかもしれない。障害は16時頃に始まり、16時30分頃までには復旧したようだ。

WhatsAppがサーバーへの接続に失敗。画像クレジット:TechCrunch

ダウンの報告があった時、フェイスブックの広報担当者は停止を確認したが、詳細は明かさなかった。

「現在、一部のユーザーがメッセージの送信に問題を抱えていることを認識しており、我々はすべてのユーザーのためにWhatsAppをできるだけ早く復旧させるべく取り組んでいる」と、広報担当者はその後に述べている。

WhatsAppは2020年初めにユーザー数が20億人を突破した。フェイスブックは2014年にWhatsAppを190億ドル(約2兆円)で買収し、これは同社の買収のうちでも最大級の規模だった。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

テキサス州はTeslaのCybertruck生産工場誘致に最低15億円の税控除を提示

テキサス州議会は、Tesla(テスラ)とそのCEOであるElon Musk(イーロン・マスク)氏に工場建設のための新たな優遇措置を提供した。

オースティンを抱えるトラビス郡はTeslaの新工場建設候補地となっているが、郡委員会は、米国時間7月14日に少なくとも1470万ドル(約15億8000万円)相当の固定資産税控除を承認した。10年の期間を考えると、さらに多額になる可能性がある。この優遇措置は、デルバイエ学校区の教育委員会が2020年7月初めに承認した4660万ドル(約49億9000万円)の固定資産税減額に上乗せされる。

この控除承認のニュースを受けて、Teslaの株価は時間外取引で3.5パーセント上昇した。

地元紙オースティン・アメリカン・ステイツマンが最初に伝えたところによれば、この取り決めは新工場建設を期待してTeslaの鼻先にぶら下げられた最新のニンジンだという。そこでは、東海岸市場向けの完全電動トラックCybertruck(サイバートラック)とModel Yが生産されることになっている。

だがもちろん、この取り決めには条件がある。

トラビス郡との合意に従い、Teslaは、最初の5年間で新工場に11億ドル(約1200億円)を投資しなければならない。それと引き換えに、トラビス郡はTeslaが支払うべき固定資産税の70パーセントを払い戻す。Teslaの工場への投資が11億ドルを上回った場合は、払い戻し率は75パーセントに増える。いかなる内容であれ工場への投資が20億ドル(約2100億円)を超えた場合は、Teslaへの固定資産税払い戻し率は80パーセントとなる。

トラビス郡は、もしTeslaが11億ドルを投資すれば、固定資産税の払い戻しを計算に入れても、10年間で880万ドル(約9億4300万円)の税収が新たに加わると見積もっている。

Teslaの投資額が目標に達しなかったとき、またはいずれかの年に求められる雇用者数を下回ったときは、固定資産税の減免は受けられない。またTeslaが契約に違反した場合には、郡には払い戻し金を回収する権限が与えられる。

この優遇策パッケージの承認が早かったのは、地方行政が新規雇用に飢えていることの表れだ。Teslaもそこをよく承知している。Teslaはプレゼンテーションの中で、トラビス郡の失業率について触れていた(Bloomberg記事)。2019年の2.2パーセントから、2020年4月には失業率が12パーセントに跳ね上がっている。

マスク氏は2020年3月に、CybertruckとModel Yクロスオーバーを国内で生産する新巨大工場の建設予定地を「物色」しているとツイートしていた。

当初、Teslaはナッシュビルに目を付けていたが、突然、オースティンの東部とオクラホマ州タルサに切り替わった。オクラホマ州議会は、内容を一般公開しないものの、独自の優遇策パッケージを提示している。

Teslaはテキサス州当局に対して、5000人の雇用を約束している。そのうち25パーセントは「有資格」職で、最低年収7万4050ドル(約790万円)、残りは中間所得職で年収
4万7147ドル(約500万円)が支払われるという。

ネバダ州とニューヨーク州でのTesla工場建設の承認プロセスが何らかの参考になるなら、州による優遇措置もあり得る。例えばTeslaは、Texas Enterprise Fundからの税金で賄われる助成金を求めることもできる。テキサス州にはこの他にも優遇できる方法がある。同州では禁止されている、自動車メーカーが消費者に車を直接販売できる権利だ。

画像クレジット:Kirsten Korosec

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(翻訳:金井哲夫)

SAPなどの巨人たちに挑戦するRecurrencyのERPは現代的なひねりを加えて機械学習で推奨や予測も行う

Y Combinatorの2020年夏のバッチのメンバーであるRecurrencyは、大学を卒業したばかりの21歳の人物によって創業された企業だ。彼はSAP、Infor(インフォア)、Oracle(オラクル)、Microsoft(マイクロソフト)などの巨人たちが率いる、しっかりと確立された市場に参入することを決心したが、エンタープライズソフトウェアの非常に複雑な領域を一気に攻めるのではなく、卸売ビジネスを支援することから始めている。

単独の創業者でありCEOであるSam Oshay(サム・オシェイ)氏は、今回の夏バッチに参加する前に、ペンシルベニア大学でエンジニアリングとビジネスにまたがる2つの学位を取得して卒業した。オシェイ氏は、データ主導の意思決定を推進するために、機械学習を使用することで、ERPに現代的なひねりを加えようとしている。

「SAP、Infor、Epicor(エピコ)といった他のERPとの違いは、ユーザーに対して彼らがまだ知らないことを伝えることができるということです」。従来のERPは、基本的にデータ入力システムに過ぎないと彼はいう。例えば価格表を入力することはできるものの、それに対する予測については何もできない。

「私たちのシステムなら、過去のデータをスキャンして、価格の推奨と予測を行うことが可能です。つまり、私たちのシステムはデータ分析を行うだけでなく、外部データをインポートして内部データと照合し、推奨と予測を行うERPなのです」とオシェイ氏は説明する。

彼は卸売ビジネス方面だけに閉じこもっているつもりはないが、彼の家族がこれまでその方面のビジネスを経営してきたという状況を考えると、そこを出発点としたことは理に適っている。実際、彼の祖父は第二次世界大戦後に米国に移住し、彼の伯父が現在も経営している金物の卸売業を始めた人物だ。そして彼の父親は、卸売業務に使う発送用品を販売するビジネスを始めた人物である。オシェイ氏はそうしたファミリービジネスの中で育った。そうした経験がほとんどの新卒者がおそらく持つことのない洞察を、彼に与えることになったのだろう。

「私は卸売業について、非常に深いレベルまで学びました。そして私が観察できたことは、私の父のビジネスに関わる問題の多くが、彼の使うERPシステムの問題に帰結するということでした。なので、もし誰かが、ERPの拡張機能やより優れたERPを構築できたなら、これらのレガシーシステムの中に現在閉じ込められている価値の多くを、解放できる可能性があると私は考えたのです」と彼はいう。

そこで、彼は良い起業家ならそうするようにシステムの構築を始めたのだ。手始めとして彼のシステムはSAPやNetSuite(ネットスイート)などのレガシーシステムにプラグインされるが、将来的な計画はより良いERPを一度に1ステップずつ構築して行くことだ。今のところ、それは卸売を対象にしているが、彼は自身の会社ではるかに大きいビジョンを持っている。

彼は元々、大学3年だった2019年秋学期にYCに応募し、その冬のバッチへの参加を許可されていたが、実際の参加は学業が完了する2020年夏まで延期していた。彼は早期卒業を行うために、ペンシルベニア大学の残りの時間を全力で過ごし、修了するために10のクラスを履修した(現在は卒業論文が1本残されているだけだ)。

今回のYCバッチはリモートで行われており、YCチームはそれを考慮に入れていて、それでも夏のクラスに対して有意義な体験を提供していると彼はいう。「YCが通常行うイベントのすべてが、現在でもそのままリモートで行われています。そして、私の知る限り、私たちが参加しているイベントのいくつかは、この奇妙な状況に対応するために特別にデザインされています。YCチームは今回のバッチを意味のあるものにするためにかなりの検討を重ねおり、それらは成功したと思います」と彼はいった。

パンデミックは、アーリーステージのビジネスに新たな課題を突きつけたが、彼はそのおかげでより良い集中を行う役に立った点もあるという。友人たちと出かける代わりに、彼は在宅でほとんど気を散らすことなく会社に取り組んでいる。

ご想像のとおり、この製品はまだ始まったばかりだが、既に3つの顧客で稼働しており、さらに2つが実装段階にある。また、これまでに2人とエンジニアを雇用して、それぞれフロントエンドとバックエンドを担当させている。

今のところ、彼は製品とビジネスの開発を続けていく予定だが、今回のパンデミックが、企業たちがレガシーERPのようなシステムを変更することに対して、よりオープンになるきっかけになるとみなしている。「誰かが何か新しいことを試したいと思っているときに、それをより簡単に試すことができるようにしてあげられるなら、そここそが売り込める場所なのです」と彼はいった。

画像クレジット: NicoElNino / Getty Images

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(翻訳:sako)

Google Cloudがオンメモリ暗号化のConfidential VMをローンチ

バーチャルで行われた「Cloud Next ’20」で、米国時間7月14日にGoogle Cloudは新たなタイプの仮想マシン「Confidential VM」を発表した。この仮想マシンはGoogle(グーグル)のConfidential Computingという仕組みを利用しており、データがストレージやネット上にあるときだけでなく、メモリ上で実際に処理されているときでも暗号化されるようにする。

「これまでにもさまざまな隔離やサンドボックスの技術を弊社のクラウドインフラストラクチャの一環として採用し、マルチテナントのアーキテクチャのセキュリティを確保してきた。Confidential VMはそれを次のレベルに進めるもので、メモリを暗号化してクラウド上のユーザーのワークロードをさらに分離する。Confidential VMは、弊社のすべての顧客の機密データを保護するが、特に法や政府などの規制下にある業界で重宝されるだろう」と発表声明に書かれている。

Confidential VMはバックエンドで、AMDのSecure Encrypted Virtualization機能を利用する。それはEPYC CPUの第2世代で利用可能になった機能だ。これにより、データは使われているときにも暗号化されたままで、そのための暗号化キーはハードウェアで自動的に生成され、エクスポートできず、グーグルでもキーにはアクセスすることができない。

画像クレジット:Google

既存のVMをConfidential VMに移行したい開発者は、わずか数クリックで移行できる。グーグルによると、rootkitsやその他のエクスプロイトへの保護を提供しているShielded VMにConfidential VMを構築したという。

「暗号化された安全な仮想化能力を内蔵している第二世代のAMD EPYCプロセッサーは、ハードウェアベースの革新的なセキュリティ機能を提供し、仮想化環境における安全なデータを支える。Google Compute Engineの新しい機能であるN2DマシンタイプによるConfidential VMでは、グーグルと協力して顧客のデータの安全化と、ワークロードのパフォーマンス向上に努めた」とAMDのData Center Ecosystem担当本社副社長であるRaghu Nambiar(ラグー・ナンビア)氏は述べている。

当然ながら、最後のパフォーマンスの部分が特に重要だ。暗号化とその解読処理が増えればパフォーマンの多少のスペナルティは避けられない。グーグルによると、AMDと協力して新しいオープンソースのドライバーを作り、Confidential VMのパフォーマンスの測定値を通常のVMに近づけることができた(AMDリリース)。少なくともグーグル自身が開示しているベンチマークでは立ち上げ時間とメモリリード、およびスループットのパフォーマンスは通常のVMとConfidential VMでほぼ同じだ。

関連記事:Google Cloud’s new BigQuery Omni will let developers query data in GCP, AWS and Azure(未訳記事)

画像クレジット:Krisztian Bocsi/Bloomberg/Getty Images

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa