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[寄稿] 「検索順位で1位になる」ことがSEOの成功なのか?を、事例を踏まえて考えてみる
図解で分かる”コンテンツSEO” : コンテンツ配信→リンク蓄積→流入増のサイクルを作る
ブログを更新することで得られたメリットと、逆に大変だと思っていること
土居です。2014年に入って、特に3月くらいから割とまじめにこのブログを更新しています。
目的はいくつかありますが、色んな人にこのサイトとかうちの会社のことを知ってほしいとかいうこともありますし、もちろんサービスに関する問い合わせとか個別の相談とかが増えれば嬉しいなとも思っています。トラフィックを増やすとかSEOを強化するとかいうのももちろん狙いには入ります。
あとコンテンツ大事ですよという提案してる身ですので自分たちが最低限は実践してそれなりの結果を見せていないと説得力がないよなというのもちょっとあります。
あとは、「ああこの会社はこういう感じでSEOやってるのね」という印象を持ってほしいというのがあります。少なくとも「どんな依頼内容、どんな条件でも喜んでお受けします!」とはいきませんので、ある程度は自分たちの特徴を知ってもらえると良いことがたくさんあります。
ということで、色々とメリットはありますが、一方でそんなに「みんなとにかく書いたらいいよ!」とは決して思っていません。ということで「ブログ論」みたいでどうかなとも思いましたがブログ論にならないようにこのあたりまとめてみました。
ブログを書くことでメリットと感じていること
もちろんSEOとかWebとか企業向け、っていう条件に依存する部分も大きいのですが、半分くらいは汎用的に参考にできる内容ではないかと思います。
トラフィックが増えて知ってもらえる機会が増える
まあ、これはもう言うまでもなく、というか記事を作って告知すれば人が見に来てくれますし、検索エンジンに認識されれば検索結果にも表示されるようになりますし、何にしてもトラフィックが増えます。
そして、トラフィックが増えるということはリンクやシェアも得られる可能性が増えます。誰も見てくれないコンテンツは誰からもリンクもシェアもされません。
言いかえればトラフィックが増えたら増えた分だけ、検索やらソーシャルやら色んなところからトラフィックが更に増えやすくなるということです。リンクが増えればリンクを通じたトラフィックも得られます。という正のサイクルが出来ますので通常ではトラフィックが増えることのデメリットは特にありませんね。
コンテンツを公開していくことでの直接的に最も分かりやすい成果地点はここです。実際にはブログ含めて月10~15くらい(3月以前は月2~5くらい)の地味なコンテンツ更新ですがトラフィックはこんな感じでちょっとずーーつ伸びております。
数字は自慢できるほどの規模ではありませんので内緒にしておきますが、更新を頑張り出した3月以降は検索トラフィックも検索以外トラフィックも増えていることはなんとなく分かっていただけるかと思います。
問い合わせとかセミナー参加が増える
トラフィックが増えるので、集まるユーザーが自社のターゲットと大きくズレていなければ、当然何かしらより深い接触を持つ機会も増えます。具体的にはうちで言えば、SEOのお仕事の相談とかセミナーへの参加とかです。
ここが少しずつでも目に見えて増えてくると、ビジネスインパクトという大義名分だけではなく単純なモチベーションの維持と会社として一定のコストを割く根拠付けになります。
ブログ更新においては「どういう記事が人気が出てPVを稼げるか、バズらせられるか」ではなくて「自分のサイトを見に来てほしいと思う人たちが日常的に調べそうな話題、あるいは今まさに困っていそうなこと」にスポットを当てて情報を更新していくのがおそらく誰にでも出来て、ターゲットとしたいユーザー層にリーチできて、しかも効果に繋げられる考え方です。
前者は慣れとかセンスとかにも依存する部分が多いと思いますが、後者は実際にお客さんと触れ合う機会が多い人であれば、時間さえ取れれば絶対無理!ってことはないでしょう。
僕は派手なコンテンツのプロモーションとか全く得意ではありませんので後者みたいな考え方を推奨しています。前者がダメとかでは決してありません。前者みたいなことをやるのも選択肢に入れ、やるならそういうことが得意な人に頼む方が良いと思います。
リンクがもらえるのでSEOもちょっとずつ良くなる
ただブログ記事を作って告知するだけではなくて、短期的な反響を得るだけでもなくて、「リンクをもらう」ことももちろん視野にいれないといけないのですが、一応そういうときに頭の片隅でいつも考えていることは
- 人気とか影響力のあるサイトにリンクされたい
- なるべく多様なサイトからリンクされたい
- できれば継続的にリンクを得たい
などのことです。話題とか自分たちに書けることによってどういうポイントに重きを置くかは変えています。「あーこのテーマだと多分キツイな」とか「この記事なら継続的にリンクもらえるな」とかそういうのは何となく想像しています。さすがに自分が得意な分野では6割くらいは想像通りになります。
得意な分野だと上手く言って不慣れな分野だとうまくいかないのは、読者のことをよく知ってるかどうかが分かれ目だと思っています。読者のことをある程度でもわかっていれば読者の反応は予想できますし、分かっていなければ予想するのは難しいですよね。という理屈です。
だからこういうのは自分個人の提案というよりも色々勉強したりクライアントから教えてもらったりとにかくユーザーを知ることから始めないとなかなかいい提案できないです。だからこういうコンサルはとても大変で、ジャンル問わずうまく出来る人はすごい人だと思っています。
リンク数の推移としては、ahrefsという調査ツールだとだいたいこんな感じです。
まあ特段多くはないですけど、書いた分だけ少~しずつ増えているくらいの感じでしょうか。本音を言えばもっと爆発的にガツーンと行きたいのですがまだそこまでのサイトでもなければ僕の文章力もないので仕方ないのでしょうが。
ちなみに、人気とか影響力のあるサイトに掲載されるためには、そういうサイトを運営してる人とかその周辺にリーチして読まれて「へーこいつ中々いいこと言ってんじゃん」という評価をもらえることを前提に記事を書くのですが、そのためにまずはその人が好みそうなテーマで記事を書いてみたり。話の主旨をその人の好みに合わせたり。とか少しは工夫しています。
また、多様なサイトからリンクされるには、SEO関係者しか興味ないマニアックなネタばかりを公開しても仕方ない(リーチできる属性が限られる)のでいくつか工夫が必要で。
例えば、「SEOだけどめっちゃ業者向けに書く」とか「すごい初心者向けに書く」とか「制作とかの仕事をしてる人向けに書く」とか「リスティングの人に興味持ってもらえそうな話題を書く」とか「アクセス解析とかの人に向けて書く」とか、関連業界だけどちょっとSEOの記事じゃないところに向けて書きます。
例えば
- Webサイト高速化・表示速度改善のために知っておきたい基礎知識
- よく見るHTTPステータスコード一覧とその意味を理解する
- ユニバーサルアナリティクスって何が違うの?その機能や移行方法など徹底解説
- Googleタグマネージャ 初期設定の手順、使い方まとめ
この辺りの記事はまさにそんな感じですね。
高速化、とかステータスコード、とかユニバーサルアナリティクス、とかタグマネージャ、とかその辺はSEOにも関わる話題ですが、それを本業としている人達にもリーチしやすくなります。こういう記事はトラフィックと普段もらえない層からのリンク集めが主な目的です。
公開後の情報拡散がある程度うまくいくとそれなりに反響があり、反響があると検索結果が向上して、その後そのテーマで調べてくれた人がちょくちょくリンクしてくれたりが継続的に発生します。ただこのあたりはこのブログのテーマ的にもブログとかソーシャルとかの利用者層が多いのでそうなりやすいという側面があるのは間違いないのですが。
1つのコンテンツで何十本も毎回リンクがもらえるわけではありませんが(そういうコンテンツだけを価値とするのであれば、ほとんどのコンテンツの価値が適性に評価されなくなってしまう)、5本のリンクを10回集められれば50本のリンクなので、そう考えれば難しい感じではないですね。これはいつも自然リンク集めに困っている企業さんにアドバイスしている内容でもあります。
- 情報源としてそれなりに信頼しても良さそう
- ある程度まとまって網羅された情報 or 細かく具体的なニーズにこたえる内容
- 検索結果で上位表示されている
- 見てくれる人がブログとかソーシャルメディアを日常的に利用してる
この条件が満たされることだけ考えて運営していけば割と継続的にリンクは伸ばせそうですね。先ほど紹介したような、「出遅れた感ある話題をけっこう大げさに網羅してまとめたりしてる」ような記事ってぶっちゃけこの辺が目的だったりします。断片的な情報はめちゃくちゃ多くても、網羅してる記事は割と限られているのでそこを狙ってるだけといえばそうなのですが。
本筋から外れますが一番最後の要件だけ、そのサイトのジャンルに大きく左右される要素だったりしまして。
自然リンク<<ブラックハットなリンクなキーワード市場、かつそもそも自然リンクを貼ってくれる人が比較的少ない、という条件ですと頭をひねらないとホワイトハットでは今はまだ厳しいです。
サイトの利用者そのものがリンクを貼ってくれることを期待できないのであれば、リンクを張ってくれそうな人(属性?)に焦点をあてて、その人たちに情報をリーチしていくような取り組みが必須になります。「集まる」よりも「集める」にフォーカスするわけですね。
例えば、賃貸物件の一般的なポータルサイトを立ち上げて自然なリンク集めをしようと思っても、「この物件マジ良かったよ!おすすめ!」「品川区のILDKの新築マンションは、例えばこういう物件があるようです。」なんてリンクはまず期待できませんね。
でもそういうサイトに自然リンクを集めたいのであれば、リンクのターゲットを変えて、彼らがリンクをくれる理由をあの手この手で作らないといけないのですね。特に小規模な事業者であればあるほど、この辺のリンクを取りに行く工夫と貪欲さが必要になります。
そして正直に言えば、どんなジャンルでも工夫すればある程度までは行けると思いますが、それだけで検索結果の面取り合戦でバチバチ戦えるかと言えばそれはテーマ次第かなあと思います(少なくとも僕のスキルだとそうです)。
既にある程度知ってもらえている分、営業コストは下がる
これは、「いつもブログ見させて頂いてます」とか「ちょくちょくセミナー行かせてもらってます」っていうところから始まる商談がどれだけ話が早くてお互いに助かるかというのを体験している人は分かると思いますが。
受注が決まる、だけではなく出来ること出来ないこと、得意不得意が割と明確な状態をスタートラインに仕事の話ができるので、仕事受ける受けないの話も早いということです。
相談いただくサイトも、「あーこれなら自分らが上手いことアドバイスできそう」みたいなサイトが割合として多くなります。ココらへんは表面的な数字で現れにくいのですが、確実にそういう効果もあるとは感じます。
大変だなと思っていること
ここからは、ありきたりな内容かもしれませんが。
書くのにめっちゃ時間かかる
まあ一番のネックはここですよね。僕が書く場合ですとだいたい1記事あたり3~6時間くらいです。他の人が3~4時間くらいかけて書いたものを校正するには、内容によりますが1~5時間程度です。まあどのみち平均5時間くらいかかるんですね、きっと。
大半の時間は構成考えるのと内容のチェックと、場合によっては記事を書くにあたっての調査や事実確認です。書くことが決まれば書くのはそんなに時間かかりません。
その割には記事は大したことないね、と感じる方も多いかもしれませんが、結構色々気をつけて書いたりまとめたりすると、僕だとこれくらいかかってしまったりします。完全にそれのみに集中できればもっと短縮できると思いますが他業務の合間を使って書いているのでなおさらですかね。
例えば、意見や見解なのか事実なのかの区別とか、明確な因果関係とか根拠があるのかないのかとかも分かるようにしたいです。あとは曖昧な場合とか断言できない場合はそういう表記を心がけています。「誤解を恐れずに言えば」とか言い回したまに使いますが、正直言えばかなり誤解を恐れています。
このサイトの記事全般がちょっと回りくどくて読みづらかったり補足説明だらけの文章になっているのは、文章力が欠如している以外にもそのせいもあると思います(多分)。
一応、ポリシー的なところで言えば、簡潔でキャッチーでライトで読みやすい文章よりも、ちゃんと読んでくれたら役に立つ、とか逆に誰かの迷惑にならない、みたいな文章にすることを優先しています。まあこの辺は運営者の意図次第なので僕が無駄に気にしすぎなのは間違いないと思います。「生」が付くほど真面目な性分なのが玉にキズですね。もっと言えば「は」がつくほど緻密なのも玉にキズです。
専門分野なので記事の品質を担保するのが大変
ある程度は話せる、実務ではちゃんとやってる、というのと、ブログという形式のアウトプットとして一定以上の品質で出せるというのはスキルとして全然違うと思っています。つまりそれなりの文章を安定して書き続けられる人はどこの会社も限られていると思うのです(スキルだけではなく業務的な事情も含めて)。もっとライトなテーマなら別ですけどね。
ですので社内の他の人に書いてもらう場合でも、テーマを決めたり、予め骨格を決めたりして、あとは書く人の得意分野に合わせて書いてもらって、文章とか表現でちょっと気になるところから修正したり、事実に反することが書いてないか、とか誰かが誤解してしまう表記になってないか、とかそういうところも基本的にはけっこう細かく見ます。妥当なツッコミや指摘を頂いたらその旨追記したり引用させて頂いたりします。
ということで、とにかく分担してみんなで書こうぜ!というのがそんなに簡単にできないというのもまあひとつの悩みですね。現場のメンバーはやっぱり実務を優先しないといけないのでここにリソース割きまくるとかも出来ないですし。
逆にインターン生とかに勉強がてらSEO用語集とかまとめて記事にしてもらったりはしてますし(もちろん最低限は全てチェックします)、信頼できる方に寄稿して頂いていたりもありますので、現実的な運用に耐えうる体制を組んで更新量を担保することは工夫すれば出来るとは思います。
その人(その会社)の底が知れることのデメリットも考慮する
あんまり浅い内容の記事とか変な内容の記事ばかり出してしまうと、検索を中心にトラフィックは増えていくと思いますし一時的に成果と言われるようなものが出ると思いますが、やっぱり印象とかブランドとかいう意味でいうと長期的には何かしらは損ねてしまうんだろうなとは思います。
ある意味、自分の手の内を多少明かすことなんてのは別に問題ないと思いますが、読者から見てその人(とか会社)の底が知れるというのは微妙かなあと思います。さすがにある程度のリタラシーがある読者さんであればその辺りの分別はつくでしょうし。
僕個人としては、こういう商売で「広告」という形式ではなくて「情報発信」を通じてユーザーとの接点を増やしていく以上は、こういう目にみえない「読者が受ける何かしらポジティブな印象」みたいなものを少しずつ積み重ねていくことも大事にすべきと思っているんですね。もちろんこのサイトはまだまだですので今後もそういうのを積み重ねていくために頑張ろうと思います。
逆に、トラフィックがいくらあっても、自分たちにとって重要な読者層に「こいつら、微妙だわ」って思われたら、獲得したトラフィックの価値は激減します。数字だけ見ていたら見えない部分ですので、なおさら自分たちがそうなってしまわないかビクビクしてるという側面も少しあります。ドメイン名でのエゴサーチは欠かせません。
ですので、SEOについては全ての読者に一定のリタラシ―や判断能力があるわけでは決してないテーマですので、企業としての情報発信にはそれなりの覚悟と責任を持ってやっています。特にWebコンテンツの場合はそれがずっと残ってしまい将来に渡り多くの人に見られる可能性があるのでなおさらかと。一対一でしゃべるのはそういう意味ではある程度気楽なのでいくらでもペラペラしゃべりますけどね。
ちなみに:「ブログとかでいろいろ情報公開しちゃって大丈夫?」みたいな話
そもそも本とかブログで書けるような、逆に言えば調べようとすればみんなが調べられる内容などは、ほとんどが一般論ですし手の内というほどのものでは決してないのでいくらでも放出して問題ないという認識です。受験勉強で言えば参考書読めば分かる、一般的な定理とか公式とか汎用的な解法とかが予備校や塾の重要なノウハウと言えないのと同じで。
本当に大事なのは一般論としての情報ではなく、個々のケースでの施策をどうプランニングするかと、その根拠となる知識と経験です。それは多くの場合で一般化して話せることでは決してありません。
運営してる母体やその規模、ビジネスモデル、掲載されている情報の性質、担当者のスキル、予算、時間的制限、事業的制約など色んな要素が同一でない限り、同じようなサイトでも優先して行う施策は変わるはずです。
なので一般的なこういう話題はいくらでも出して良いんじゃないかなと個人的には思います。少なくともなんの役にも立たない情報だとは思っていませんし。
まとめ
ということで、僕はSEOみたいなテーマでブログを更新する、それによって何かしらビジネス上の成果を得る、というのはけっこう大変なことだと感じています。成功例と失敗例でいえば後者が圧倒的かなと。うちもめちゃくちゃ成功しているかといえばまだまだこれからの積み重ねだと思いますし。
もちろん良い情報が増えることはとても良いことですので大歓迎ですが、SEOについては明らかに間違った情報(ちょっと違う、はもちろん、ぜんぜん違う、というレベルまで幅広く)が発信される可能性が極めて高いのと、一方でそれを誤った情報として認識できる人が少なすぎる点から、情報の流通はよりカオスになりがちなテーマだと認識しています。なので余計に気を遣います。
ただ、総合すれば、色々大変なことはあるけど、ちゃんとやれば得られるものは多いので、何だかんだやるべきで、やるならしっかりコストをかけてやるべきと思っています。ただ上記のような理由から、適当な情報をまき散らさないためにできる努力を怠らないことも、情報を積極的に出すことと同じくらい大事なことという認識でございます。
このブログもいつの間にかそろそろ40記事くらいになりますので、もっともっと成果に繋がると良いなと思います。ということで何かお仕事ありましたら是非くださいますと幸いです。
以上、今後共よろしくお願いします。
元雑誌編集者が語る、あなたの”コンテンツマーケティング”が上手くいかないワケ
コンテンツが重要、という考え方が徐々に浸透しつつありますが、ここでは元雑誌編集者、という視点から、Web媒体のコンテンツ制作の現場についての「それってどうなの?」な色々について取り上げて解説します。今回はコンテンツ制作部門の寺田による執筆です。
コンテンツを作ることがコンテンツマーケティングではない
「オウンドメディア」「コンテンツマーケティング」などというキーワードが注目を集めています。SEOの現場でも、GoogleがブラックハットSEOについて厳しいアップデートでのぞむ一方、「これからはコンテンツマーケティングだ!」「オウンドメディアで自社サイトをメディア化するんだ!」と、”ユーザーの役に立つ”コンテンツが重視される傾向にあります。
この流れ自体は誰の目にも素晴らしいことです。ただ、とりあえずコンテンツをジャンジャン書いてページをたくさん作ったところで、思ったようにアクセスが取れなかったり、アクセスは増えても商売につながらなかったり、ということも珍しくはないでしょう。
でも、実際に多くのWebのコンテンツを見ていると、これって実は当たり前というか。
結論から言うと、「メディア」って相応の労力(またはお金)や時間をかけたり、伝え方ひとつとっても様々な工夫をしていかないと、十分な効果は得られないんですよ。なのに、「何でもいいからコンテンツを作る」で走ってしまっているから失敗しているだけなんです。冷静に考えれば、それって”マーケティング”でもなんでもないですよね。
元雑誌編集者から見たWebコンテンツ制作現場
以前、10年ほど雑誌制作の現場にいました。そこからWeb業界に移籍してきたので、すべてが新しいことだらけなのですが「コンテンツを作る」という業務は同じなので考え方は同じというか。要は「人が読みたくなる文章を書く」ということは同じですからね。
雑誌からWebへと媒体が変わっても引き続きコンテンツ制作に関わっているのですが、Web業界で仕事をしていると「アレ?!」と感じることがあるので違いを軽くまとめてみます。
1. 誰が書いたかわからない記事・・・って大丈夫?
最近はクラウドソーシングって流行ってますよね。この業界に移籍して初めて知りましたが、文字単価0.2円(500文字書いても100円!)とかでの発注もあるみたいです。とにかく安い。。
クラウドソーシングという世界そのものについては、発注者にとってもクリエイターにとっても様々な課題を解決し得る、画期的な仕組みだと思っています。ライターとしても、空いた時間を有効活用できるので人気を集めてます。発注者側としても、コストを抑えてコンテンツが制作できてWin-Winです。
ただ、それをどう活用するかというのは利用者次第だと思っていまして。例えば、用途によりますが、どこの誰が書いたかわからない、何を情報ソースにしているかも不明な記事を、ロクにQAもせず自社名義のサイトに掲載されているものをしばしば見かけますが、それって皆さん怖くないんでしょうか?
もちろん、クラウドソーシングに登録されている方の中にもきちんとしたライター経験者も多くいます。でも少なくともしっかりした実績と実力のある方で、文字単価0.2円みたいな報酬で一生懸命文章を書きたいという人はそこまでいらっしゃらないと思います。
また、なにか問題が起きても「しーらない」でドロンされちゃったらどうするんだろうと。雑誌の現場だと、たまに聞くんです。いわゆる「飛んじゃった」ってやつで。
徹夜続きのデスマーチな現場だとありがちです。いきなり会社に来なくなったり、連絡が取れなくなったりする人。デスマの現場で誰か飛んじゃったら炎上どころの騒ぎじゃないので、やっぱり信頼できる人と仕事したいですよね。
2. 何を伝えたいのかわからない、ゆるい原稿
紙媒体だと誌面に限りがあるので、文字数との戦いは避けて通れない苦悩です。ガッツリ2時間かけて取材して聞いてきた内容を400文字にまとめてくれ、なんてことも多々あります。一方でWeb系の制作は物理的な文字数の制限がなく、「1000文字以上であればOK」といった発注も多いですよね。非常にざっくりしています。
それで、前述のクラウドソーシングみたいな文字単価の設定だと、ネットの情報を切り貼りしたような内容の浅い記事ができあがります。まぁ、これも必然というか。ボランティアではありませんから、ギャラ200円の原稿に何十分も時間かけてリサーチとかインタビューなんてなかなか出来ないですよね。
そうすると、どこかのまとめサイトとかWikipediaとかの内容を集めてきた薄ーい1000文字の原稿ができあがります。極端に言えば「伝えたいこと?そんなの関係ないよ」の世界です。
しかし、その文章はサイトに掲載することだけが目的なのでしょうか?違いますよね。そのコンテンツによって誰かの問題が解決したり、サイトを訪れたユーザーがあなたのサービスや商品のことを好きになったり、そういうことが目的なのですよね。であれば、それが伝わるように文章を作らなければいけません。
3. そもそも、見直ししてる…?
紙媒体だと印刷したらやり直しが効かないので、何度も何度も、これでもかというくらい校正確認をします。書いた本人はもちろん、ディレクター>編集担当者>取材対象者>デスク>クライアント>校閲者>編集長…といった感じで初校・再校と校正確認がまわるのです。
校正を経て、最終的には納品時の原型を留めていないことだってあります。それはそれでどうなんだという話もありますが、電話番号ひとつ、値段の桁ひとつ、間違えるだけで大変なことになると徹底的に叩き込まれるので穴のあくほど何度も校正が鉄則です。
ところがWeb サイトの場合、掲載後だって修正が可能なためか「この記事、見直し…してるよね?」という初歩的なミスがあるのにそのまま掲載されているものが多いです。読めばわかるレベルの大量の誤字脱字がそのまま、明らかに論理的な飛躍があるのにスルーというのは・・・残念ながら、悪い意味で行間から書き手の気持ちが伝わってきます。
ただでさえ、モニターで確認する原稿は、紙に出力して確認する原稿よりも間違いを見落としやすいという特性があります。それを考えると、納品前に数分程度の見直しだったら何度やってもいいと思うのですけど。
「編集者のように考えよう」とよく言われるけれど
簡単に3つほど挙げてみましたが、要はWebの場合、記事の質が「軽い」んです。コンテンツマーケティングの文脈ではよく「編集者のように考えよう」と言われていますが、自社サイトをメディア化するのであればしっかりとユーザーに“刺さる”コンテンツが必要です。
前述したような幾多のチェックを突破して掲載される雑誌の記事は、企画から取材・校正と膨大な時間と人件費を使って鍛えられ、磨き上げられます。
例えば、「東京○✕△グルメ」のような120ページくらいの情報誌であっても、制作費だけでウン百万円とかは必要になります。それでも雑誌になって800円くらいで2万部も売れたらOK、という感じでしょうか。
さらに企画から制作、印刷まで終えて本屋さんに届くまでには3ヶ月~半年とか時間が必要です。つまり何がいいたいかというと、メディアにはお金も時間も労力もかかるということです。それでも紙媒体はご存じの通り「出版不況」なので、利益を出すのは大変です。
ここで例えば、1つの雑誌(メディア)を創ると考えて上記と同じリソースを1サイトの「コンテンツ」として投下したらどうでしょうか。
じっくりと練られたクオリティの高いテキストと写真。例えばあなたのサイトにそういうレベルの1000文字の記事が100本200本あるだけで、それなりの集客効果が期待できるのではないでしょうか。
雑誌とWebのメディアが大きく異なるのは、日本全国で実売2万部の雑誌を手にすることができる場所は限られますが、Webコンテンツはいつでもどこでも、極端な話では何年後にも多くの人に見てもらえる可能性があるということです。つまり、そのコンテンツは資産として長く有効活用できるのです。
SEOの世界でもかつて通用したテクニック的な手法が通用しなくなっていますので、なおのこと、こういうところに積極的に投資しない手はないのでは、と思います。
問題は、ユーザーに何を伝えたいか
そもそも論になってしまいますが、企業のオウンドメディアで大事なのは「サイトへの流入が増えるだけの記事」ではなく「あなたのサイトが大事にしたいユーザーによろこばれる記事」ではないでしょうか。
今日もどこかでユーザーは困っています。困っているからこそ検索などを活用して解決策を探し、よりベストな方法を検討しているのでしょう。
彼らに伝えなくてはいけないのは、どこかで聞いたような解決方法の切り貼り記事ではなく、知識や経験に裏打ちされた「役に立つ情報」です。
それは新製品を使ってみた体験レビューかもしれないし、リアリティのある見積もりデータかもしれないし、あなたの会社が信念を持って取り組んでいる商品やサービスに関する知識を深めるためのコンテンツかもしれません。
ただ、少なくとも確実なのは「伝えたい」という気持ちの無い原稿からは何も伝わらないということです。逆に言えば、「伝えたい」という気持ちがあれば、それは必ず伝わるものです。
「伝える」ための5つのヒント
長くなってしまいましたが、「コンテンツマーケティング」だ「オウンドメディア」だと流行りのWebマーケティングに便乗したところで、「伝えたいもの」がない浅いコンテンツをどれだけ投下したところで、あなたのビジネスやサイトを訪れたユーザーを取り巻く問題は解決しません。
一方で、慈善事業ならまだしもビジネスの観点から考えると「いつか伝わると思います」ではプロダクトとして社内コンセンサスも何も得られないでしょう。
気持ちだけではなく、実践的なWebライティングの経験やサイト構築の戦略といったナレッジが必要となります。メディアとして、想いを伝えるためにはテクニックが必要です。例えば、
- あなたのサイトに来てほしいターゲットユーザーは、どんな人ですか?
- あなたは彼らのどんな問題をどのように解決できますか?
- そのターゲットユーザーには何をしてほしいですか?
- 競合他社と差別化したいポイントはどこですか?
- 上記の目的を果たすために、どんな記事をユーザーに読んでもらうべきですか?
といったことを常に心がけながら、コンテンツの制作・運営を進めることが重要です。そうすれば、オウンドメディアに必要なリソースは大きく削減できることでしょう。
そのためには制作チーム内で、それがたとえクラウドの向こうにいるライターだとしても、しっかりとビジョンを共有してみてはどうでしょうか。また出来あがってきた文章に、編集者はひと手間もふた手間も加えて、情報発信側の熱のこもったコンテンツとして公開してみてはどうでしょうか。
ぜひこの機会に、こうしたことを改めて一緒に考えてみて下さい。
最後に宣伝ですが、もし、こういうことを相談できる人が周囲にいない、考えてはいるんだけど手が回っていない、そういう方がいらっしゃいましたら、私たちはそうしたコンテンツ制作や企画の後方支援的なお手伝いもしておりますので、何でもお気軽にご相談ください。きっと何かの力になれると思います。
※よろしければこちらも合わせてお読みください※
・Webサイトに必要なコンテンツとSEOについて
・「ユーザー」から出発するWebコンテンツ企画の5ステップ【基本編】(外部サイト)
ヴォラーレ株式会社 寺田
これからSEOを始める方に、最初に知っておいて欲しいこと
新入社員として、あるいは部署移動などをきっかけに、4月からSEOの仕事をされるという方は多いと思います。しかしSEOの仕事とひとくちに言いましても、コツさえつかめば誰もが簡単に上手くできるようになります、というほど難易度の低い仕事ではないと思っています。
まがりなりにもこの業界でSEOに関わるような仕事を始めてから5年程度たちますので、決してベテランとは言えませんがそれでもこれから同じような仕事をする人に対して色々アドバイス出来ることはあるかと思いますので書きました。
この3つを前提としておきましょう
最初は10個くらい挙げていたのですが、だいたい同じようなこと言っているなと感じたので3つにまとめました。
- SEOでは全ての問題を解決できません
- 今のGoogleは完全なものではありません
- アルゴリズムが公開されなくても基本的なやるべきことは分かります
1つずつざーっと説明していきます。
SEOでは全ての問題を解決できません
SEOに過剰な期待を持ってしまったり、ある種の全能感みたいなものを持ってしまわないようにしましょう、ということです。まずは、この前提をきちんと理解することから始めます。
SEOを成功させることが、必ずしもサイトの改善にとって最短でも最善でもない場合はいくらでもあります。そういう場合には、SEOの効果を盲信してしまうことはその他の色々な可能性を狭めてしまうことに直結します。
SEOはあくまでも検索者とサイト運営者が検索結果を通じて接点を得られる機会を増やすための取り組みです。簡単に言えば検索結果での露出を高めるための取り組みです。
その視点で極端な話で言えば、サイトに掲載されている情報を誰も検索して探そうとはしていない、のであればSEOにコストをかける意味はありません。
つまりは、どの程度の問題を解決できるのかと言えばサイトによって様々で、自然検索トラフィックがどの程度ビジネスにとって重要なものなのかということに依存します、ということです。
また、SEOの仕事をする人がこういう視点でしかサイトを見れないようになってしまうと、「良いサイト=SEOに優れたサイト」のような狭い価値観になります。少なくとも、依頼者の視点に立てば、そういう人に自分のWebサイトの相談をするだろうか?ということを考えてみると良いと思います。
今のGoogleは完全なものではありません
不完全というのはどういう根拠のもとで言っているかと言えば、
- 検索する人が検索する言葉をある程度考えて打ちこまないとうまく欲しい情報に辿りつけないことが多い
- サイトが検索エンジンが理解できるように作られていないときちんとヒットしないことが多い
- ユーザーが本来求めていないような情報が上位に表示されることが多い
などの点からです。
日本語でくくってしまえば、Web上の情報を収集したり整理したりする仕組みの性能、検索された言葉の意図の解釈の精度、ランキング決定のためのルールの精度、などまだまだ改善されていく余地は全然ありますよね、ということです。
ユーザーが欲しいと思っているベストな情報に検索を通じて瞬時にアクセスできる、という点をひとまず検索エンジンが目指している1つの目標とするのであれば、まだまだ遠い場所にいるのかなという所感です。
しかし、ある程度色んな勉強をしたうえで、色んなキーワードでの上位表示サイトとかの分析みたいなことをやったり自分である程度思った通りの成果が出せるようになると、突然「なんかGoogleのアルゴリズム掴んじゃったかも」という感覚に襲われたりすることもあります。
これは断言できますけどその感覚は100%単なる勘違いです。全部なんて見えるわけありません。傾向とか○○の点で改善してきているとかそういうことはもちろん日々の検索結果のリサーチで把握可能なものだと思いますが。
まだシステムとして不完全なもので不具合的な要素だって検索結果には多分に含まれていて日常的に変更が加えられているアルゴリズムに、手動対応などの人的要素がそこに加わっていて、更に人的な対応のルールすら固まっていない(頻繁にルールややり方に調整が入っている)ような印象を受けています。
つまるところ、バグとか曖昧なルールとか目下改善中とか目下テスト中の項目だってたくさんあるわけで、そういう検索結果を僕らは見ているわけですね。
ちなみに、「掴んだわ」的なことを言う人、あるいは掴めるものと信じて止まない人の特徴として、Googleというシステムの未熟さには気付きつつも、一方でものすごく不変的かつある意味で完璧な何かを期待していることが多いと思います。
ただ、実際にはそういう人が思っている以上にものすごく流動的かつ曖昧な要素が多い、という前提で考えなければいけないのです。
もちろん僕も昔は「なんか掴んだ気がする。分かってきた」とか言ってた時期がありました。本当ごめんなさい。
アルゴリズムが公開されなくても基本的なやるべきことは分かります
先ほどとは逆の議論として、「Googleのアルゴリズムはブラックボックスなので」というのは非常に違和感あって僕は使わないようにしています。まあ確かに全部が見えないという意味ではブラックボックスではあるのですが、大きな影響のある変更や、一般的に常識となっているような評価項目などについてはある程度までは情報も公開されていますし。
実際には、「検索結果にどのように反映されるか(何番目にランクされるか)は最終的には分からない」だけであって、「何をすればもっと改善するのか」は分かります。それをとにかくやってみてどこまでそれを評価してもらえるかを検索エンジンの今の不完全な評価システムに委ねるわけですね。
例えば、の話ですが。
「このサイトが3位、このサイトが6位となかなか上位にいるのですが弊社のサイトは9位にいます。この差はなんですか?」というような質問はたまにありますが残念ながら僕は答えられません。次の日になって検索結果上位のサイトがガラっと入れ替わっていることも多分にありますし、そうなった場合はその時に話したことは根拠を失うためです。
ここについては「考えても分からんものは分からん」という明確な割り切りが必要です。
ただ「こういう目標に対して、今どういうところに課題や不足があって、これから何をすればもっと良くなるでしょうか」であればいくらでも妥当な提案は出せると思います。その前に目標の見直しが必要な場合も多分にあるでしょうし。
どのような状況、どのようなサイトであれ、大枠としてやるべきことは割と明確なのです。
- 検索されることを考慮したサイトの設計、出現語句の最適化
- クローラー等の性能に合わせた技術面での最適化
- 長期的にビジネスに貢献し得るコンテンツの作成+リンクやシェアの獲得
まとめて括ってしまえば、かなり乱暴ですがこれくらいの3つくらいにまとめることは出来るとは思っています。そしてこのうちの1つでも著しく欠如しているとそれだけでSEOは減速します。
ですのでSEOをしっかりやるのであれば、上記のような項目それぞれについて改善の余地があれば、伸び白の大きいもの(出来ればコストのかからないもの)から順々にやっていくようなイメージです。
もちろん、コンテンツ→リンクの取り組みは、最終的には地道に継続することでしか成功し得ないものでもありますのでここのあたりは工夫と根気が必要です。
ただ、これはあくまでもしっかりSEOをやりきる上で、の話であって、実際にはサイトを作るときにはビジネスサイドの要求、UIやビジュアルデザイン面の要求、SEO上の要求などがところどころで衝突する場面が出てきますし、全てにおいてSEO側の事情を優先させるということはほとんどありません。
ですので前提として、SEOの仕事をする人は、そのサイトにおけるSEOの重要度を正しく評価できる必要があります。この辺は結構ひとくくりに言えない部分なので難しいことですね。
※ちなみに今月は自分でも制作とか開発の人のためのSEOセミナーやりますけど、こういう話題にも少し触れますので興味ありましたら是非。
最後に、SEOの仕事に必要な能力は半端なく広く深いものです
冒頭で5年くらいSEOの仕事に関わってきました、というお話をしましたが、やるべきことがある程度分かったとしても企画~制作~運用改善まであらゆるフェーズで求められるSEOのスキルを全てカバーしてくのはかなり大変だと思います。
自分で言うのも気持ち悪いですが、個人的には自分は決して学習能力の低い方ではないとは思っていますが、今はもちろん、正直今後も全部なんて到底カバーしきれる気がしません。自分がここまでやってこの程度なのだから、という逆の意味での自信は最近になってようやく少しずつついてきたところです。
言いたいことは、そうそう簡単な仕事だと思って甘くみて欲しくはないですけれども、しっかり勉強すれば、その分しっかり成果の出せる仕事ではあります。一定水準をクリアしているSEOのプレイヤーの母数に対して、潜在的なSEOの需要が過剰にある環境だと思いますので、そういう意味でもチャレンジし甲斐のあるテーマではないかなと思います。
以上、これからSEOを専門で仕事とされる方に参考にして頂ければと思います。
ヴォラーレ株式会社 土居
“ホワイトハットSEOが上手くいかない”という人へのアドバイス
少し前に個人ブログでこんな記事 (「ホワイトハットSEO」という言葉に感じる何とも言えない違和感とか気持ち悪さとか) を書いていながらちょっと気持ち悪いですがこの記事では便宜的に使わせてください。
リンクを使わないSEO(≠ホワイトハットSEO)なるものをしているけど上手くいかない、という相談が最近特に多いのですが、そういう方と話していると結構考え方に共通点あるなと感じています。
“ホワイトハットSEOが上手くいかない”という人によく見られる特徴
いろいろあると思いますけど大半の場合、これらに当てはまるかなと思います。
- 「ホワイトハットSEO=リンクを買わないこと」と思っている
- コンテンツを増やすことがリンクを増やすことの代替になると思っている
- SEOの目標を特定の商用ワードの上位表示のみに据えている
これにどれも当てはまらない、という方であれば有料リンクに頼らないSEOというのはごく自然なものなのでしょうし、そういう取り組みの中で何を成果目標とするか、どういうスパンで物事を考えるべきか、などもサイト毎にある程度定めやすいと思います。
一方、ここに2つないし3つが当てはまるような感覚であれば、本来的な意味での「ホワイトなSEO」というのは非常に遠回りな施策になりがちです(目指しているものと得られるものが極めて一致しにくい)。
そしてこういう人が目標とプロセスのミスマッチを認識しないまま「ホワイトって所詮は理想論だよね」って言ってるのを見るとそれはさすがにちょっと違うなあと思うんですね。見据える目標によっては「ホワイトが限りなく理想論」であるということもあるのは事実ですが、今の時代は決してそうではないことも多いのです。
さて、ひとつずつ解説を。
「ホワイトハットSEO=リンクを買わないこと」と思っている
間違っても「ホワイトハットSEO=リンクを使わずに上位表示する方法」なんていう意味ではないんですよね。
たとえばですが、順位を上げるためにサイトにとって価値のないコンテンツをガツガツ投下してるならそれは普通にガイドラインに抵触する行為です。でもその認識がない人も多いようです。
ちなみにそういう方に特徴的なこととして、ページの情報量を「文字数」で表したり、サイトの情報量を「ページ数」で表したり、コンテンツの品質を「オリジナルテキストかどうか」などで判断したりする傾向があるなあと感じます。
少なくとも、ユーザーが何を求めてサイトをどう利用するのか、どんな態度変容やアクションを求めるか、みたいな視点があれば、もうちょっと有機的な捉え方が出来るようになると思いますが。
話を戻すと、あくまでもガイドラインに抵触しない範疇でサイトを展開し、総合的に検索エンジンからの評価を高めていくための一連の取り組みをホワイトハットSEOとかって呼ぶわけですので、「リンクを買わない」とかっていうのはその前提条件のひとつでしかないわけです。
リンク買ってないのに順位が下がったとかいう話もありますけどリンクを買った買ってないとかその事実自体は割とランクには関係ないことです。そのキーワードに関してサイトやページを上位に掲載するに値すると算出されるかどうか、検索結果を決めるのは結局それだけです。
コンテンツを増やすことがリンクを増やすことの代替になると思っている
これも多いんじゃないかなと思います。簡単に言えば「リンク買うんじゃなくてページ増やそう」的な発想ですね。結論としてはコンテンツを増やすことはリンクを増やすことの代替ではありません。それはそれ、これはこれ、です。
コンテンツを増やすことにはもちろん意味があります。サイトの情報量を増やすという意味でも情報の鮮度を保つという意味でもSEOとしての価値もあります。ただ、それ自体はSEOというよりもコンテンツを作って公開するという普通のことですよね。
それなりのキーワードで上位にランクさせたいなら少なくとも今のGoogleではサイトにリンクを集めることは必須です。リンクを買ったり自分で貼ったり交換したりしないから正しい、のではなく、買ったりしないのであれば正当なアプローチでリンクを集めていかないとダメなのです。
継続的に新しいコンテンツを公開することはトラフィックや自然リンク獲得の起点となりますし、リピート訪問の動機にもなります。そういうことの積み重ねによって、検索エンジンからの評価が次第に高くなり検索結果上での露出が増えていく、結果として更にトラフィックやリンク獲得機会が増える、そういうサイクルに乗せなければいけないのです。
SEOの目標を特定の商用ワードの上位表示のみに据えている
結構、ここが根本的で根深い問題だと思っていまして。上位表示ビジネスとしてSEO市場が出来あがっていて、それがロクに修正されずにここまで来ているのでなかなか「SEO=上位表示」の感覚って市場全体から抜け切らないと思うんですよね。
ホワイトなSEOを行っていく上では、人気のキーワードで上位表示される、というのは色々やった上で「結果的に」出てくる成果だったりするんですよね。
少なくともそれ「だけ」をターゲットとして施策を打とうとすると、技術的なことも、マーケティング的なことも、コンテンツにしても、本来とても重要な色々な項目があまりSEO的に価値のないものに見えてしまうわけです。なぜなら「上がったか?上がってないか?」の判断基準しかないためですね。
参考までに2012年8月に公開したApplivという自社メディアのデータを一部公開します。綺麗なSEOと言い切れる自信は全くありませんが、少なくともこのサイトに自分たちでリンク作ったりとかそういうことはやっていませんので、都合良く解釈すれば「ホワイトなサイト」と言えると思います。
たとえば「iphoneアプリ」「ipadアプリ」みたいなキーワードのサイト公開時からの推移はこんな感じです。
まともに上位にくるのはリリースしてから1年くらいかかっていますね。ただ上がったのちは安定です。
これは「ホワイトハットだから」とかそういうことでは全然なくて、特に大きくランクを下げるような爆弾を抱えているわけではないですし、このワードで追随してくる競合サイトがそこまで多くない、ブラックハットに支配された検索市場ではない、などの理由からです。
じゃあ上がるまでの1年間どうするんですかという話でいえば、別に検索は他でもたくさんされていますし検索以外の流入経路もありますのでちゃんとサイトを運営していればトラフィックは増えていきます。(実際に上にあげたようなワードでの流入の影響って2つ合わせても検索トラフィック全体の1%にも満たない僅かなものです)
参考1:当社事例:SEOを集客の軸とした自社メディア「Appliv」でリリースから1年強で月間1000万PVを達成
参考2:SEOで月間1000万PVを集めたサイトの「SEOノウハウ」を公開します | Find Job ! Startup
で、蛇足なのですがこういう話をすると「やっぱり大事なのはロングテールキーワードなんですか?」ということを思われる方も多いとは思います。
でも、ロングテールからの流入が増えるってのもやっぱり必要なことを色々やった上での結果そうなりますよ、という話でしかなくて、何とかしてロングテールの流入を増やそう!とか思ってやるようなことでは本来はないと思うんですよ。それがゴールになることはないですし。
“ホワイトハットSEOが上手くいかない”という人へのアドバイス
もし、「目標とする成果」と「結果として得られるであろう成果」がマッチしないのであれば、それは何かを見直すべきです。失敗しているケースの多くがここに起因すると感じます。
具体的には、そのアプローチで得られるであろう妥当な目標設定に変えるか、やり方を改善するか、あるいはアプローチの方法自体を変えるか、そういうシフトが必要になると思います。
また少なくとも「短期間で特定のワードで上位表示を実現する」という点だけで言えば、誤解を恐れずに言ってしまえば、(検索連動型広告の出稿以外では)巧妙なブラックハットSEOほど目標に直結するものは現時点ではないと思います。
ただし、その成功率や、どれほど維持することが期待できるか、とか本当にそこだけでビジネスが完結するのか、という視点を取り入れたときに、特に企業サイトにおいてはやはりブラックハット依存の手法は非常に推奨しづらい、または推奨し得ない場合が多いものなのです。
ここまでお伝えしてきたことをまとめます。
- コンテンツの投下をリンク購入の代わりにしようとしても上手くいきません。
- リンクを買わなければOKではなく、リンクは継続的に獲得していかなければいけません。
- ホワイトなSEOで特定ワードの上位表示だけを重要指標にすると大抵失敗します。
こうした点がボトルネックになって、なかなか上手いこと望んでいた成果にたどりつけていなかったりするのではないでしょうか、というお話でした。
じゃあどうすれば良いの?という点についてはここから書き始めるとまたエライことになりますが、割とこういう感じの話を勉強会形式のセミナーなんかでも話したりしていますので個別にご相談などあればぜひお越しいただければと。
ちなみに最後の項目については、競合性の高い特定ワードの上位表示がビジネスに対してどの程度インパクトを与えるものなのか?によって優先度に線引きをする必要があると思います。
それにこだわる必要がないようなインパクトであれば、そこだけに固執することは単に集客の可能性とWeb上の視野を狭めることにもつながりますのでお勧めしません。
また、そこにこだわる必要があるようなインパクトがあったとしても、今のリンク中心の上位表示対策は以前に増してギャンブル性が高いものと言えますので、少なくともそれに全てを依存する、ということはやはりお勧めしません。その他の集客チャネルも視野に入れながら、短期~長期に渡りバランスよく施策を割り振るのが妥当と思います。
何にせよ、特定の手法それ自体が何かの目的になることはありませんので、皆様その点ご注意ください。
ヴォラーレ株式会社 土居
ブログのアクセスアップの為に SNS を活用する方法 ~ 初級編
ブログのアクセスアップの為に SNS を活用する方法 ~ 初級編 is a post from: Room 402
生まれたてのブログがアクセスを獲得する為の 7 ステップ
生まれたばかりのブログや Web サイトにアクセスを呼び込むのは至難の技です。
ブログを公開している以上アクセス数は気になりますし、なるべく多くの人に見てもらいたいと思うのが素直な気持ちでは無いでしょうか。
今日はそんな生まれたばかりのブログがアクセスを獲得するにはどうすれば良いかをご紹介したいと思います。勿論、既に運用しているブログにも応用できるものもありますので、参考にして頂けると幸いです。
特に奇をてらった施策や秘密の裏技をご紹介しているわけではないので、このブログの初月 PV をご覧の上参考になりそうであれば是非読んでみて下さい。何かのお役に立てば嬉しいです。
Twitter で記事タイトルと URL を呟く
基本中の基本ですね。
この時点で「なーんだ…。」と思ってしまう方も居るかも知れませんが、ちょっと待って頂きたい。これは何も、よくある SNS 活用を促しているのではありません。
既に持っているアカウントでも、新規に取得したアカウントでも何でも結構です。
たとえフォロワーが居なくとも、Twitter で呟く事に意味があります。
手動でも自動でも良いので、過剰にならない程度の頻度で呟きましょう。
勿論、フォロワー数が多く、既に多数のフォロワーと友好な関係が築けているアカウントの方が有用なのは言うまでもありませんが、Twitter で呟く事の意義は別にあります。
SEO の観点から Twitter を利用する
生まれたてのブログはコンテンツも少なく、満足な SEO 効果を発揮する事が出来ません。また、基本的には被リンクも無いですし、ドメインの年齢も低いとくれば、インターネットの世界ではまさに赤子のような脆弱さです。知名度も皆無と言って良いでしょう。
そこで Twitter を利用します。
インターネットを利用していて Twitter を知らない人は居ないでしょう。
Twitter には確固たる運用実績とコンテンツの集積があり、SEO 的にも優れています。(少なくとも、生まれたてのブログよりは。)
その為、Twitter で記事名やブログ名、URL を呟く事でインターネットと言う世界にあなたのブログの痕跡を残す事が出来ます。
そしてこれが、何かの拍子に検索で引っかかって、あなたのブログへの入口となるのです。
Twitter はフォロワーへのアピールではなく、Web 上に足跡を残すつもりで呟きましょう。暫くは、ブログ名で検索しても自分のブログよりも Twitter が上位に表示される場合も少なくありません。
ブログのランキングサイトに登録する
やがて殆ど意味を成さなくなるブログランキングですが、生まれたてのブログにとっては大切なアクセス源になります。『にほんブログ村』などの、代表的なランキングサイトに登録してみましょう。
少し面倒でも、最初は毎日自分でバナーをクリックしてランクを上げるよう務める事も重要です。もしも友人に頼めるなら、暫くの間クリックしてくれるようお願いすると更に効果的です。
ブログランキングからのアクセスは決して多くは無いかも知れませんが、生まれたてのブログにとっては貴重な数字です。
PING を整備する
Ping 自体に直接的なアクセスアップを期待する事は難しいかも知れません。
しかし、ブログの更新情報をより多くの場所に通知する事によって、検索エンジンにクロールされる速度がアップする可能性はあります。
Google ウェブマスターツールに登録する
Google ウェブマスターツールは、ブログや Web サイトに関してセキュリティや SEO などの総合的な観点から解析・管理してくれる、文字通りウェブマスターの為のツールです。
Google ウェブマスターツールにブログを登録する事で、少なくとも Google はあなたのブログを素早く正確にクロールする事が出来るようになります。また、セキュリティ上の観点からも Google ウェブマスターツールの登録は有益なものです。
将来的にコンテンツを見直す時のデータも蓄積される為、まさに一石二鳥です。
検索エンジン用サイトマップの作成
併せて検索エンジン用のサイトマップも作成して、ウェブマスターツールに登録しておくと良いでしょう。WordPress なら自動で最新のサイトマップを作成してくれる便利なプラグインがあります。
是非活用しましょう。
同好の士を見つける
あなたのブログで主に扱っている話題と、同じ話題に興味がありそうな人を探しましょう。
例えば、私のブログは WordPress についての記事が多く用意されています。ですから、WordPress に興味がありそうな人やコミュニティと接点を持つことで、よりアクセスアップに繋がる可能性があります。
極端な例ですが、WordPress の記事をグルメブロガーや政治経済・教育について熱く語っているブロガーに薦めてみても、あまり良い反応が得られるとは想像しがたいでしょう。
ガーデニングのブログなら、同じくガーデニングのブログ。
グルメならグルメ、ペットならペット、本や映画についてのブログであれば、同じような事を記事にしているブロガーや Web サイトの方と積極的に交流を計ってみるとブログそのものがもっと面白くなるでしょう。
Twitter や Facebook を活用したり、ブログランキングのコミュニティに登録したりすると探し易いです。
ひたすらコンテンツ量を増やす
ブログや Web サイトは一朝一夕でできる物ではありません。
一つ一つのコンテンツが集まって、やっとアクセス数が伸びて行きます。
その為、小手先の施策はここまでにして、あとはひたすらコンテンツをたくさん作りましょう。SEO なんかも気にしなくて大丈夫です。
真実を言うならば、アクセスアップには SEO の質より記事の量です。
とは言え殆ど内容の無いコンテンツばかりを増やすのは逆効果です。キチンと中身のある、読んだ人にとって有益なコンテンツを丁寧に作り上げましょう。
そうしていくうちに、ひとりコメントを下さり、ひとり Twitter で仲良くなり、ひとり呟きをRTして下さり、そのうち自然とコンテンツがシェアされるようになっていきます。
大切なのはしっかりと良質なコンテンツを、できる限りたくさん作る事のみです。
まとめ
なぜこんな記事を書こうかと思ったのかと言うと、世の中にはとても面白いけどアクセス数がそれ程無いブログと言うのが結構あるみたいです。
そういうブログを見てるとアピールの仕方と言うか、どう言う風にアクセスアップを図って行けば良いのかが分からなくて困惑してる印象を受けるんです。
アクセス数をもっと増やしたい!でも、どうすれば良いのか分からない…って。
SEO はかなり細かい話になりますし、そもそもあれが必要なブログは限られていると個人的には思います。
それよりももっと身近なアクセスアップ方法として、全くと言って良い程アクセス数が無い生まれたてのブログにも使えるものをまとめてみました。
勿論、アクセス数が全てでは無いのは承知の上です。
私もあまり神経質にならない方が良いと思いますし、このブログについては実はたまーに見る程度です。
しかし、アクセス数がひとつのモチベーションになるのも、また事実。
世の中に埋もれる面白いブログや Web サイトの管理者がモチベーションを無くして去って行ってしまうと寂しいので、少しでもアクセス数を稼ぐ方法がシェアされればと思い記事を書きました。
あなたのサイトが大きくなるまでのほんの少しの間、この記事が何かのお役に立てば幸いです。
生まれたてのブログがアクセスを獲得する為の 7 ステップ is a post from: Room 402
SEOではページ数より「情報量」+「充実度」
こういう仕事をしていると、WEBサイトの現状を把握するために何かしらのSEO系の調査ツールを使うことがしばしばあります。そういうツールでは被リンク数、タイトルやmeta情報、インデックス数、など様々な数値がまとめて見られるため、ぱぱっと概要を把握するには便利です。ただし、そこで得られる表面的な数値を根拠に何かを話すことはあまりありません。
今回はその中でも「ページ数が少ないので増やす」ということに関してたまたまクライアント様から質問を受けましたので記事にしてみます。
巨大なサイトは確かにビッグキーワードでも上位になりやすい
例えば「賃貸」とか「求人」などのいわゆるビッグキーワードと呼ばれるキーワードで検索すれば、ほとんどが有名どころの巨大ポータルサイトなどが上位にあり、ポッと出の10ページそこそこしかないWEBサイトはいないですね。
この事実だけを見ても分かりますが、ページ数が多いということはもちろん重要なことなのです。ただしそれはあくまでも「検索されたキーワードに対してコンテンツ(=中身)が十分にある」という意味で重要なのであって、たくさんページ数があればいいと言うことは全くありません。
むしろ、メインテーマに無関係なコンテンツや中身がスカスカなページの量がサイトの中で大きな比重を占めてくると、今後はマイナスにも作用すると思っていて良いでしょう。そういうサイトは見かけのページ数は多くても充実しているとは言えません。
ページ数・インデックス数は後からついてくるもの
よく「被リンクは後からついてくるものだ」などという議論がなされます。この議論の本意としては「リンクは本来は増やすものではなく増えるものだ」ということです(もちろん狙ってリンクを増やすというテクニックは重要です)。
「ページ数」という指標も結局はコンテンツを充実させていく結果として増えていくものであって、ページ数が多いからエライ、なんていうことは全くありません。検索されたキーワードに呼応するコンテンツがどれだけあるかどうか?がそもそも重要になります。
上位に表示されたWEBサイト=Googleが選ぶ「ベストアンサー」
別のブログのエントリーでGoogleに評価されやすいコンテンツ設計という記事にも書きましたが、検索エンジンから見てどれが最もユーザーを満足させられそうか?がWEBサイトの評価を決めると考えて良いでしょう。
結局は「検索=リクエスト」であり「検索結果=アンサー」である以上、検索結果の上位はベストアンサー群というわけです。当然そのアンサーを選ぶ基準として被リンクというのは非常に重要な要素なわけですが、土台はやはり中身です。キーワードに見合ったコンテンツがあり、それがテーマ毎に分けて整理されていて、検索エンジンにそれぞれ分かりやすいように表現されている、という状態がまずは基本であって、前提になります。
(参考)
インデックス数を増やすことでSEO対策に効果はありますか?
アンサー度とは
薄い100ページよりは中身の詰まった10ページを
まとめになりますが、ただ増やしただけのコンテンツを排除して、本来ベストなアンサーとなるべきコンテンツを上位に残す為にGoogleのアップデート(パンダ・アップデート)も進んでいますし、仮にそれが日本で本格導入された際にそこまでのインパクトを与えられなかったとしても、いずれは濃いページが残り薄いページは排除される方向に進むのは間違いありません。
※画像はイメージです
こういう感じにならないためにもユーザーの期待にこたえるコンテンツを、テーマをぶらさずにできるだけ多く用意しておいた方が良いでしょう。少し具体性のない漠然とした内容に終始してしまいましたが、次回(か分かりませんがいずれ)は用意したコンテンツをまとめて整理する方法なんかについても書こうと思います。
ヴォラーレ株式会社 土居健太郎
おすすめの記事
内部リンクの構造の変化がアクセス数に与えた影響
今回の記事は内部リンクの最適化がSEO対策上及ぼす効果に関する話題です。SEOで「リンク」と言えば外からのリンク(外部リンク)を指すというイメージもある方もいるかもしれませんが、内部リンク(サイト内リンク)はサイト内で行き来するリンクのことで、ユーザーを受け渡すという意味では大きく価値は変わりません。
内部リンクのSEO対策における重要性
「外部リンクだけではなく、内部リンクも変わらず重要です」というのは簡単ですが、実際にどのような価値があるのかということを言われると、その役割は様々で一口に言うのは難しいです。
こちらで書くと長くなりますので別のブログの関連記事を紹介します。
「検索エンジン最適化」について再考・まとめておく- 天照SEOブログ
私が個人的に別で書いている記事ですが、この中に内部リンクに関する重要事項がかいつまんで話されているので参照下さい。上記記事の言葉を借りて以下に内容を簡単にまとめると、
- ページランクの調整
- リンク階層の調整
- WEBページ間の情報の関連付け
- アンカーテキストで端的にページの主なテーマを示す
という内容になっています。詳細はこちらでは割愛しますが、サイト内のナビゲーションという意味だけではなく、SEO対策に於いても色々な意味を持っていると言えます。
内部リンクの改悪・改善が検索流入数に与える影響
約1年半前にオープンし、SEOを弊社で行ってきたとあるクライアントさまのWEBサイトを2011年の春~7月にかけてリニューアルしました。目的は主にUI(ユーザーインターフェース)の改善によるPV(ページビュー)数の増加と直帰率の低下、SEO対策面での強化、その結果としての問合せ数の向上です。
UI・デザイン面での向上をはかるにあたり、少し(見た目上)目立って露出されていた内部リンクを、一旦どのページからも外してみた時期がありました。その関係で、一部のアーカイブのページへの内部リンク(※)が極端に減少しました。それが下記図の①の時期です。
この時期に検索エンジンに関わる変更はそれ以外には行っておらず、その減少が内部リンクの構造の改悪によるものと判断し、その後にそれを修正し、見た目上のストレスにならない位置へとそれを以降しました。また、その他でもそれが下図の②の時期です。
ちょっと見た目には分かりづらい変化ではありますが、実際に数字を見てみると6月中旬から7月上旬にかけて、それまでのアベレージのアクセス数に比べて約10~15%程度(数で言えば約25~40/日 程度)の減少があり、実際に新しいコンテンツを追加した後にそのページが明らかにランキング上位にヒットしなくなったということも実際に見られました。
②以降数日後からは順調に回復し始め、最終的にはその他のUIの改善に伴い更に内部リンクを強化(主にTOPページから下位ページへのリンクの見直し)を行い、つい先日ようやく過去最高の検索流入数(492)をマークしました。2ヵ月前からの推移を見ればそれなりの%での改善が出来ています。
また、PV数もまだまだとは言えリニューアル前後で見れば大分改善しています。
※①の内部リンクは、イメージではブログでいう「タグ」とか「カテゴリ」へのリンクのようなアーカイブに飛ばすリンクのイメージです。
簡単にまとめ
少しざっくりとした内容ではありますが、基本的なことは昔から誰かが言ってきたことで、特に難しいテクニックを使っているわけではなく、重要なページには内部リンクを集めた方がよく、関連性の高い内部リンクは価値があり、アンカーテキストは端的にキーワードで書いた方が分かりやすく、、などということです。
言われてみればどこかで聞いたことがあるようなフレーズですが、やはりSEOと言うとどうしてもそのあたりの意識が飛んでいってしまってテクニックというか小技を頭に描いてしまうのは我々SEO業者の良くないところかもしれませんが、一旦冷静になって考えてみるとちょっとした一部の改善だけで少なくとも数%とか数十%くらいのアクセス改善は行えるのではないかと思います。
内部リンクの最適化は特にページ数が多い、更新が多いなどというWEBサイトでは特に影響力が大きいので、あまりナメてかからない方が良いですね。ご参考までに。
ヴォラーレ株式会社 土居健太郎