カメラ内蔵のApple Watch用バンドを発売するWristcam、求められている「手首にカメラ」機能

6月初旬、Facebook(フェイスブック)が独自のスマートウォッチを発売を計画しており、ファーストパーティ製ハードウェアの展開に向けて大きな一歩を踏み出そうとしているという情報が報じられた。この報道で最も興味をそそられた点は、そのスマートウォッチには1つではなく2つのカメラが搭載されているということだった。他のウェアラブル機器メーカーも、手首に装着するデバイスで動画や画像を撮影することに挑んでいるものの、この機能は今のところ主流にはなっていない。

業界のリーダーであるApple(アップル)も、このアイデアに飛びついているようには見えない。そこでWristcam(リストカム)という企業は、4K画像と1080p動画を撮影できる独自のカメラを搭載したバンドを発売し、アップルに代わってこの機能を実現することにした。同社はクラウドファンディングで資金を集めることに成功し、2020年12月にその製品を発表した。

そして先日、WristcamはMarker LLC(マーカーLLC)が主導したもっと伝統的な資金調達方法で、2500万ドル(約27億7000万円)を調達した。同社のAri Roisman(アリ・ロイスマン)CEOはTechCrunchの取材に「今回の資金調達は、チームの拡大、Wristcamの生産、市場投入、ウェアラブル用のコンピュータビジョンエンジンの研究開発などに使用します」と語っている。

この資金の一部を使って、同社は2022年初頭までに社員数を実質2倍に増やし、12月の「パブリックベータ」開始以降に寄せられた要望や懸念に対するアップデートを提供する。今後はライブビデオなどの機能も追加される予定だ。

Wristcamはすでに「数千台」の販売実績があると、メーカーは述べている。公式サイトでは、現在299ドル(約3万3000円)で販売されている。この価格は、Apple Watch SE(アップル・ウォッチSE)より20ドル(約2200円)高い。同社によると、2021年初めに新型コロナウイルスの影響からサプライチェーンの問題が発生したが、現在はそれを乗り越え、日々の注文に対応しているという。

Facebookが手首からの撮影に明らかな興味を示しているにもかかわらず、ロイスマン氏はアップルからカメラ内蔵ウォッチが登場する可能性については心配していないという。

「カメラはiPhone戦略の中核として、1000ドル(約11万円)を超えるProを含め、デジタル一眼レフカメラと同等の品質を追求する方向を続けると、私は考えています」と、CEOはいう。「その一方で、Apple Watchは健康測定やウェルネスに焦点を当てた製品であり、電力とデータ、筐体スペースを消費するような、iPhone戦略と競合する機能が搭載されることは今後もないでしょう」。

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カテゴリー:ハードウェア
タグ:Wristcam資金調達Apple Watchウェアラブルデバイススマートウォッチ

画像クレジット:Wristcam

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(文:Brian Heater、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

SpotifyがようやくApple Watchでオフライン視聴できるように

Spotify(スポティファイ)とApple(アップル)の関係においては、当然のことながらときに対立することがあった。結局のところ、AppleはSpotifyの最大のライバルとなっているストリーミングサービスを運営している。しかし、Apple WatchとSpotifyはそれぞれの部門で大差でトップの座を維持している。そして協業することは最終的にベン図で重なっている部分のかなりの数のユーザーに利便性を提供する。

Spotifyは米国時間5月21日、明らかに最もリクエストの多かった機能の1つをとうとうスマートウォッチに持ってくると発表した。プレミアム会員は同日から音楽とポッドキャストをオフライン視聴のためにApple Watchにダウンロードできるようになった。つまり、ユーザーはジョギングするときスマートフォンを家に置いたまま出られるようになる。

新機能は標準的なダウンロードとシェアとなる。ユーザーはアルバム、プレイリスト、ポッドキャストの横にある3つの楕円をクリックし、それから「Apple Watchにダウンロード」をクリックする。ダウンロードされると、緑の矢印がタイトルの横に登場する。そしてヘッドフォンをペアリングすると、ウォッチから直接ストリームできるようになる。

Samsungはすでに同様の機能を同社のGalaxy Watchシリーズを含むスマートウォッチに提供している。また、I/O開発者会議での発表によると、Google Wear OSのウォッチでも間もなく提供される。もちろんApple Musicはかなり前からApple Watchでのオフライン視聴を提供しており、Pandoraも同様だ。DeezerもSpotifyに負けず数日のうちにApple Watchにダウンロードできるようになる。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:SpotifyApple Watch音楽音楽ストリーミングスマートウォッチ

画像クレジット:Spotify

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(文:Brian Heater、翻訳:Nariko Mizoguchi

グーグルがWear OSの大規模アップデートを発表、Fitbitの「健康」関連機能も導入

Wear OS(ウェアOS)はこれまで、Google(グーグル)のOSの中でもダークフォース的な存在だった。パートナーシップや投資がなかったわけではないが、何らかの理由で、Googleはそのウェアラブル用オペレーティングシステムを成功に導くことができなかった。

このカテゴリーでは、以前からApple(アップル)が圧倒的な強さを誇っている。Googleは家電業界のいくつかの大手企業から協力を得たにもかかわらず、この市場を切り崩すことにほとんど失敗してきた。Strategy Analytics(ストラテジー・アナリティクス)の表によれば、市場シェアでWear OSは「その他」に分類されている。

ここでもう一度確認しておくが、Googleの戦略とはパートナーシップによるものだ。より正確に言えば、パートナーシップと買収の組み合わせである。その「勝てなければ仲間にしてしまえ」というアプローチは、長年オープンソースのTizen(タイゼン)にこだわってきたSamsung(サムスン)にも向けられた。Samsungの戦略は奇策の1つのように見えたが、Tizenの独自バージョンを作り出すことは、このカテゴリーでアップルに次ぐ存在となったSamsungにとって、勝利の戦略であることが証明された。

過去最大のアップデートを@wearosbygoogleに施します。Googleマップのターンバイターンナビゲーションや、YouTube Musicから曲をダウンロードしてオフラインで聴くことが可能になるなど、各Googleアプリにも新機能が導入されます。もう携帯電話を置いてきても大丈夫。#GoogleIO

米国時間5月18日行われた「Google I/O」の基調講演で、GoogleはSamsungとの新たなパートナーシップを明らかにし「Wear OSとTizenの長所を組み合わせる」と発表した。これがどのように展開されるのか、我々にはまだわからないが、2つのビッグプレイヤーが力を合わせてアップルに対抗するというのはおもしろい見物になりそうだ。「You come at the king, you best not miss.(王者を目の前にしたら、見逃すべきではない)」とは、有名な人気テレビドラマの言葉である。両社にとって大きな問題となっていたのがサードパーティ製アプリの品揃えだが、このパートナーシップによって開発者は両プラットフォーム向けに共有のアプリを作成できるようになると思われる。

Wear OSのもう1つの大きな変更は、GoogleがFitbitに興味を持った理由を明らかにするものだった。確かにFitbitは、フィットネスバンドで市場を席巻したウェアラブル製品のリーダー的存在であり、最終的には(Pebble[ペブル]を買収するなどして)独自のスマートウォッチを開発しているが、ここで重要なのは「健康」である。

画像クレジット:Google

健康モニタリングは近年、ウェアラブル製品における話題の中心となっている。GoogleのFitbit買収は、何よりもその情報を統合することが目的だったようだ。「Fitbitが提供するワールドクラスのヘルス&フィットネスサービスが、このプラットフォームで利用できるようになります」と、Googleは述べている。人気が高いFitbitのフィットネストラッキング機能を追加するだけでなく、Wearの機能をGoogleのハードウェアに統合することで、両社の境界線を曖昧にしようとしている。

「健康とフィットネスのトラッキングは、ウェアラブルにとって不可欠です」と、Googleはブログに書いている。「最新のWearアップデートでは、Fitbitが長年培ってきた健康に関する専門知識を取り入れることになります。1日を通して健康状態をトラッキングしたり、達成した目標を手首の上で祝う機能などが、より健康になるための意欲を高めます」。

ユーザー体験も同様に改善される。Calm(カーム)、Sleep Cycle(スリープ・サイクル)、Flo(フロー)などのアプリには専用のタイルが用意され、どこからでもショートカットにアクセスできる。Google自身のアプリも、Google マップ、Google アシスタント、Google Payなどが刷新され、Google Payは現在の11カ国に加えて新たに26カ国で展開が始まる。2021年後半には、YouTube Music(ユーチューブ・ミュージック)アプリのWear版もリリースされる。

以上のようなアップデートは、2021年後半から利用できるようになる予定だ。

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カテゴリー:ソフトウェア
タグ:GoogleGoogle I/O 2021Wear OSSamsungTizenウェアラブルデバイススマートウォッチFitbit健康

画像クレジット:Google

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(文:Brian Heater、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

8580円の新スマートバンド「HUAWEI Band 6」日本上陸、心拍数や血中酸素の24時間常時計測に対応

税込8580円の新型スマートバンド「HUAWEI Band 6」日本上陸、心拍数や血中酸素の測定に対応ファーウェイが新型スマートバンド「HUAWEI Band 6」を日本投入します。価格は税込8580円で近日発売します。

「HUAWEI Band 6」は、先代比で42%大型化した、大画面有機ELディスプレイを搭載。心拍数や血中酸素の測定に対応し、96種類の運動トラッキングモードを備えます。重量は18g(ベルト含まず)と軽量で、5気圧防水にも対応します。

心拍や血中酸素は24時間常時計測に対応するほか、睡眠中に装着すれば睡眠の質もトラッキングできます。ストレスモニタリングにも対応し、基準を上回った場合、呼吸トレーニングを促します。

ペアリング相手がAndroidスマートフォンであれば、着信や天気の確認、音楽再生コントロールが可能。また、ファーウェイ製の対応スマートフォンであればリモートシャッターも利用できます。

バッテリー寿命は最大2週間で、頻繁に使用しても10日間持続します。また、5分間の充電で2日間の動作が可能です。(いずれも公称値)

税込8580円の新型スマートバンド「HUAWEI Band 6」日本上陸、心拍数や血中酸素の測定に対応

運動時で汗が染み込まないシリコン製のバンドが付属。カラーバリエーションはサクラピンク・グラファイトブラック・アンバーサンライズ・フォレストグリーンの4色展開です。

いざ実機に触れてみたところ、ディスプレイが大型・かつ高精細で、スポーティーなスマートウォッチとしても十分に使えそうです。

税込8580円の新型スマートバンド「HUAWEI Band 6」日本上陸、心拍数や血中酸素の測定に対応

発売日はグラファイトブラック・サクラピンクが近日、フォレストグリーン・アンバーサンライズが5月以降です。

(Source:ファーウェイ・ジャパンEngadget日本版より転載)

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カテゴリー:ハードウェア
タグ:ウェアラブルデバイス(用語)ガジェット(用語)スマートウォッチ(用語)Huawei / ファーウェイ(企業)日本(国・地域)

ガーミンのスマートウォッチが「血中酸素トラッキング」機能に対応、4月下旬以降ソフトウェア更新で適用

ガーミンのスマートウォッチが「血中酸素トラッキング」機能に対応、4月下旬以降ソフトウェア更新で適用

血中酸素トラッキング機能

Garmin(ガーミン)のウェアラブルデバイスが血中酸素トラッキングに4月下旬以降順次対応します。ソフトウェア更新を適用することで利用できます。

血中酸素トラッキングでは、血液中に取り込まれた酸素レベルを測定する事が可能。Garminによると、血中の酸素レベルは疲労と回復のバロメーターとなり、運動を続けるか休憩を取るかの判断に役立つほか、体力向上のベンチマークにできるという報告もあるといいます。

酸素レベルの測定には普段は心拍センサーとして用いている赤色LEDと赤外線ライトを活用。血中ヘモグロビンのライトの吸収状態をデバイスの裏に備え付けられたセンサーで読み取り、数値をデバイスの画面上で表示します。

血中酸素トラッキングに対応するデバイスは下記の通りです。

  • ForeAthlete 945/745/245 シリーズ
  • VENU/VENU SQ シリーズ
  • vivoactive 4/4S シリーズ
  • Legacy シリーズ
  • vivomove 3/3S シリーズ
  • vivomove Style/Luxe シリーズ
  • vivosmart 4
  • Approach S62
  • MARQ
  • fenix 6 シリーズ
  • Quatix 6X
  • Enduro シリーズ
  • fenix 5X Plus
  • Instinct Dual Power シリーズ
  • Descent Mk2/ Mk2i
  • Lily シリーズ

(Source:GarminEngadget日本版より転載)

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カテゴリー:ヘルステック
タグ:ウェアラブル(用語)ガジェット(用語)Garmin(企業)スマートウォッチ(用語)

OnePlusがミニマルなスマートウォッチ「OnePlus Watch」発表、Wear OSは採用せず

噂になるずっと前から、我々はこの日が来ることを知っていた。数世代のスマートフォンといくつかのヘッドフォンを経て、スマートウォッチはOnePlusにとって論理的な次のステップだった。

米国時間3月23日の大規模な発表イベントで、OnePlusは初の主要なウェアラブル製品を正式に発表したが、その名前はひねりのない「OnePlus Watch」だった。その名称が示すように、このスマートウォッチは特に派手なものではない。ミニマルなデザインで159ドル(約1万7000円)という価格も、それに見合ったものだ。

ここで最も興味深いのは、そのOSだ。OnePlus Watchには 「OnePlus Watch OS」 というそのままな名前のOSが搭載されている。Google(グーグル)の 「Wear OS」 は明らかに低調で、Samsung(サムスン)は複数世代のGalaxy WatchにTizenを採用している。

OnePlusはRTOS(リアルタイム・オペレーティング・システム)の上に独自のOSを構築することを選択した。CEOのPete Lau(ピート・ラウ)氏は少し前にOnePlusのフォーラムでこの話題を取り上げている。

RTOSをベースに開発されたスマートウェアOSを選択したのは、優れたバッテリー持続時間を実現しながらスムーズで信頼性の高いエクスペリエンスを提供できると考えたからです。これはスマートウォッチを購入しようとしている人々から寄せられている、最大の懸念の一部を解決しています。

画像クレジット:OnePlus

バッテリーについては確かにそのとおりだ。各社が機能を追加していく中で、スマートウォッチにとってこの点が最大の悩みの1つとなっている。プレス資料によると、OnePlus Watchは402mAhのバッテリーを搭載し、1回の充電で1~2週間の使用が可能だとしているが、これはかなりの性能だ(まだレビュー機を手に入れて検証をしていないが)。これが正しければ、多くのフィットネスバンドと同等の性能を持つことになる。

心拍数や血中酸素濃度などさまざまな健康指標を測定するセンサーが多数搭載されており、これらはOnePlusのHealthアプリからアクセスできる。ストレージは4GBで、そのうちの半分は音楽などに使用できる。また、IP68の防塵・防水性能を備えている。

標準モデルに加えて、ステンレススチールのボディを強度の高いコバルト合金に変更し、傷がつきにくいサファイアガラスを採用したコバルトモデルも発売される。

OnePlus Watchは北米で4月14日に発売される。

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カテゴリー:ハードウェア
タグ:OnePlusスマートウォッチ

画像クレジット:OnePlus

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(文:Brian Heater、翻訳:塚本直樹 / Twitter