アップルの「Find My(探す)」がサードパーティーの電動自転車とイヤフォンをサポート

TechCrunchは米国時間4月6日、Apple(アップル)が新しいアプリ「Find My Certification Asst.」の提供を開始したと報じた。サードパーティーのハードウェアのサポートをテストするためのアプリだ。もちろんFind MyはiPhoneやAirPods、MacなどAppleのハードウェアで長年使われてきた。しかし前回のWWDCで同社は、この機能をサードパーティーメーカーにも開放する計画を発表していた。

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そして米国時間4月7日、AppleはFind My Network Accessoryプログラムを正式に発表し、新しいMade for iPhone (MFi)関連サービスを利用できるひと握りのハードウェアを明らかにした。ユーザーはAppleのFind Myアプリ経由で起き忘れたデバイスの場所を特定できる。

画像クレジット:Apple

リストのトップにはVanMoof(ヴァンムーフ)の電動自転車2種がある。S3とX3はトラッキング機能を擁するようになり、クロスバーの底面には「Locate with Apple Find My」のロゴがくる。一方、Belkin(ベルキン)のSoundform Freedomイヤフォンもこの機能でAppleのiPodsの仲間となるが、Chipolo ONE Spotは長らく噂されているAirTagsの機先を制するようだ。

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Appleによると、新しいプロダクトは来週から展開される。解説文書には、Appleが考える多くのさまざまなプライバシー懸念とともに、企業が順守しないければならない仕様がある。興味深いことに、前提条件の1つはこの機能を使うためにデバイスは音を出せる必要があることだ。ヘッドフォンのようなものにとってはどうということはないが、電動自転車のようなものはこの目的のために音を出す必要があることを意味する。

チップメーカー向けのドラフト仕様書は春にリリースされる予定で、企業はU1チップを搭載するAppleデバイスのウルトラ・ワイドバンド(超広帯域無線通信)を利用できる。数ある潜在的メリットの中でも、方向追跡は特に向上するはずだ。承認されたプロダクトは前述の「Works with Apple Find My」バッジを表示することができる。

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:AppleiOSiOS 14トラッカーVanMoofBelkin

画像クレジット:VanMoof

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(文:Brian Heater、翻訳:Nariko Mizoguchi

アップルが「Find My(探す)」対応アクセサリのテスト用アプリを公開、互換性のある他社製アクセサリーも対応

Apple(アップル)が「Find My Certification Asst.」と名づけられた新しいアプリの提供を開始した。これは、MFi(Made for iPhone)のライセンスを受けたサードパーティーのアクセサリー開発者が、Appleの「Find My(探す)」ネットワークと自社アクセサリの相互運用性をテストするためのものだ。Find Myネットワークは現在「探す」アプリでiPhone、AirPods、Macなど、紛失したApple製デバイスを捜索するために使われているが、互換性のあるその他のサードパーティー製アクセサリーも、間もなく探すことができるようになる見込みだ。

今回のテストアプリの公開は、Appleが近い将来、サードパーティ製デバイス向けプログラムの開始を発表する準備が整ったことを示唆している。

このアプリの説明によると、MFiライセンス取得者は、Find My Certification Asst.を使用して、AppleのFind Myネットワーク技術を組み込んだアクセサリの「検出、接続、その他の主要な必要条件」をテストできるという。また、AppleのMFiポータル(mfi.apple.com)に掲載されているFind Myネットワーク認証プログラムに関する情報も紹介されている。このポータルでは現在、Find MyネットワークがMFiプログラムのテクノロジーとして「launching soon(間もなく提供開始)」と書かれている。

この新しいアプリのスクリーンショット見ると、デバイスメーカーは、接続性、サウンド(例えば、アイテムが置き忘れられたときに音を出すなど)、ファームウェア、キーマネジメント、NFC、電源などの分野に関してさまざまなテストを行うことができるようだ。

画像クレジット:App Storeのスクリーンショット

Sensor Tower(センサータワー)のデータによると、このアプリは米国時間4月4日に、iOSのApp Store(アップストア)で一般公開されている。新しいアプリなので、まだApp Storeのどのカテゴリー(「開発ツール」も含め)にもランクインしていない。また、現時点では評価やレビューもない。

このアプリのリリースは、AppleのFind Myネットワークをサードパーティーに開放するという大きな目標に向けた第一歩だ。Apple自身もまた、新しいアクセサリー「AirTags」の発売を計画している。

Appleは2020年のWorldwide Developer Conference(世界開発者会議)で、Find Myをサードパーティのデバイスに開放することを初めて発表したが、これは米国や欧州の規制当局から圧力を受けていたためでもある。各国の規制当局は、AppleがTile(タイル)の探し物検索デバイスの競合製品となるAirTagsの発売を控え、自らを優位に立たせようとしているのではないかということを(他の数多くの件と並んで)調査していた。

画像クレジット:FMCAアプリのスクリーンショット

Appleを批判していたTileは、AirTagsがUWB(超広帯域無線通信)を使ったAppleのU1チップと接続すれば、より正確な捜索が可能になると訴えていた。また、米国議会の公聴会では、AirTagsがAppleのデバイスにデフォルトで搭載されている独自の「探す」アプリと連動することを指摘した。これによってAppleは、Tileが何年もかけて確立し支配してきた探し物発見機器市場において、ファーストパーティとしての優位性を得ることができると、Tileは主張していた。

これを受けてAppleは2020年「NearbyInteraction(ニアバイインタラクション)」フレームワークを通じて、サードパーティーの開発者にU1チップへのアクセスを開放。その結果、Tileは2021年1月、UWBを利用した新しいトラッカーを発売する計画を発表した。

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さらにAppleは最近、「探す」アプリをアップデートし「Items(持ち物を探す)」という新しいタブを追加した。これは同アプリが、AirTagsやTileなどのサードパーティー製アクセサリーのサポートを拡大することに備えたものだ。この「持ち物」タブは、最新のApple iOS 14.5ベータ版で有効になっており「『探す』に対応しているアクセサリー」を含む「毎日使う持ち物の所在場所を確認できます」と説明されている。

しかし、AppleのFindMyプログラムに参加するには、サードパーティーのデバイスメーカーが既存のアプリを放棄し、代わりにAppleの「探す」アプリの使用を顧客に要求しなければならないことを意味するため、事実上、顧客とそのデータをAppleに引き渡すことになり、Appleの譲歩は依然として、自分たちのビジネスに不利益をもたらすと、Tile(およびその他の企業)は感じている。

また、このアプリの起動時に、ヘッドフォン、バックパック、スーツケースの3つのアイテムを示すアイコンが表示されることにも注目しておく価値があるだろう。偶然かもしれないが、Tileが最初に統合したのは、Bose(ボーズ)のヘッドフォンとAway(アウェイ)やHerschel(ハーシェル)といった鞄・バッグメーカーだった。

Appleには新アプリのリリースに関するコメントを求めているが、回答はまだ得られていない。

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:AppleiOSiOS 14Tileトラッカー

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Sarah Perez、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

Tileの紛失物追跡サービスがFitbitのInspire 2で利用可能に

どこに置いたかわからなくなった鍵やバッグ、財布などを探し出すのを手伝うBluetoothで駆動する人気のトラッカーを製造している紛失物ファインダーのTile(タイル)はFitbit(フィットビット)と提携し、初めてウェアラブルデバイスに追跡サービスをもたらす。米国時間3月22日からすべてのFitbit Inspire 2ユーザーはTileのBluetoothファインディングテクノロジーを追加料金なしに利用できる。

この提携の結果、Inspire 2の既存ユーザーはFitbitアプリを通じてデバイスのソフトウェアのアップデートが促され、これにより新しいTile機能が利用できるようになる。アップデートすると、ユーザーは紛失物発見機能にアクセスするためにTileのモバイルアプリをダウンロードするよう誘導される。TileのアプリからInspire 2ユーザーは、たとえばデバイスを家の中で紛失したときなどBluetoothの範囲内で置き忘れたFitbitの場所を特定できる。Bluetooth範囲外であれば、ユーザーは、すべてのTileユーザーのスマートフォンにインストールされたTileアプリを活用しているTileの広範な追跡ネットワークを利用できる。同アプリを利用している誰かが紛失物の近くにいるとき、その場所はネットワークを通じて紛失物の持ち主に共有される。

現在、195カ国で1日あたり600万ものアイテムの紛失場所を特定している、とTileは話す。

TileのサービスはFitbitユーザーや他の顧客に無料で提供されるが、Tileはデバイスの販売とアプリ内サブスク、提携の組み合わせで売り上げを確保している。Tile PremiumサブスクはInspire 2ユーザーにもオプションのアップグレードとして月2.99ドル(約325円)もしくは年間29.99ドル(約3260円)で提供される。元々Tileトラッカー所有者向けのこのサービスには、Tileデバイスの無料バッテリー交換、30日間のロケーション履歴へのアクセス、アイテム返品、大事なものを携帯せずに家を出る時に注意を促すスマートアラートが含まれる。

「Tileのテクノロジーで当社のアクセスしやすく、使いやすい運動・睡眠トラッカーInspire 2にこれまで以上に便利で使えるツールが加わります」とGoogleでFitbitデバイスのプロダクトマネジメントを担当するディレクターLarry Yang(ラリー・ヤン)氏は話した。Googleは2021年初めにFitbit買収を完了させた。同氏は「Tileと提携することをうれしく思います。当社のユーザーは置き忘れたデバイスを見つけ出せないことを心配することなく健康的な習慣の構築に専念できます。将来さらに多くのFitbitデバイスにTileの紛失物発見テクノロジーを持ってくる可能性があります」と付け加えた。

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画像クレジット:Tile

TileのFitbitとの提携は、Tileテクノロジーをオーディオ、旅行、スマートホーム、PCといった部門で活用している20社超との提携の1つだ。テクニカル的にFitbitが最初の「ウェアラブル」パートナーである一方で、TileはSkullcandy、Bose、Sennheiserといったヘッドフォンメーカーを含む家電分野の企業と協業してきた。

Apple、そしてSamsungとの新たな競争に直面し、産業パートナーを通じてリーチを拡大するTileの能力は将来さらに重要性を増すかもしれない。AppleはTileと競合するAirTagsを開発している。Appleは2020年YouTubeビデオで誤ってAirTagsを公開した。AirTagsは紛失物の場所をより正確に特定するためにBluetoothと新しい超広帯域テクノロジーを活用する。一方、Tileと競合するSamsungの最新プロダクトGalaxy SmartTagも超広帯域テクノロジーを採用し、2021年後半に発売される予定だ。

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こうした競争、特にAppleの製品はTileにとってトラブルとなりかねない。TileはAppleを対象とする米国の独禁法調査に関与している。Tileは議会の公聴会で、過去に同社の事業がAppleによっていかにマイナスの影響を受けたかを証言し、Appleが今後発売するトラッカーと自社のものの競争条件を同じにする手段としてAppleの「Find My」アプリへのサードパーティのアクセスを要求した。Tileはまた、米国内のさまざまな州でアプリストアを規制する法案を求めている団体Coalition for App Fairnessにも加わった。

Appleの競争相手Googleとの(Fitbitを介しての)提携は、TileにとってAirTagsが発売される前にウェアラブルマーケットの主要分野で自社の立場を強化する別の方法とみることができそうだ。

カテゴリー:ハードウェア
タグ:TileFitbitトラッカー

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nariko Mizoguchi

米Jiobitが子供はもちろんペットも追跡する小型トラッカーJiobit Nextを発表

シカゴに拠点を置くスタートアップのJiobitは、大きくて扱いにくいスマートウォッチや市場に存在する信頼できない設計の製品よりも優れたデバイスで子供の居場所を追跡することを目指している。同社は2018年にキッズトラッカーを発売した。靴ひもやベルト通し、ランドセルなどに取りつけられる小さなデバイスだ。米国時間2月8日、同社はこのデバイスの次世代版で精度、バッテリー駆動時間、信頼性などが向上したJiobit Nextを発表した。

同社は、2年間で学んだことや顧客からのフィードバックを新たなデザインの開発に活かし、子供だけでなくペットにも使えるようにしたと述べている。

Jiobitの次世代版は129.99ドル(約1万3600円)で、25セント硬貨4枚より軽い小さなデバイスだ(25セント硬貨1枚は5.67g)。Bluetooth、Wi-Fi、携帯電話回線、GPSを利用でき、加速度 / 歩数、温度、気圧のセンサーも搭載されている。

画像クレジット:Jiobit

次世代版には電波の状況が厳しい学校や店舗、高層ビルの中などでパフォーマンスを上げる新しいアンテナシステムが内蔵されていると同社は説明している。

大都市以外など携帯電話回線のサービスが弱いエリアでもサービスを向上できるように、LPWA(Low Power Wide Area)ワイヤレスネットワークも利用している。このため、Wi-FiやBluetoothのメッシュネットワーク外でもデバイスを追跡できる。

新しいJiobitは防水性能(IPX8)も最深5フィート(約1.5m)の水深で最長30分間までと強化され、デバイスの持ち主が迷子になったり危険な状況になったりしたときに家族などにすぐに通知するためのアラートボタンも備えている。このボタンはJiobitアプリで誰にアラートを送信するかを設定できる。ボタンをオフにすることもできるので、子供がまだ小さくて使い方を理解できない場合などに便利だろう。

管理者はアプリでデバイスをモニターできるほか、アラートや通知の制御も含めて新たにウェブアプリでもモニターできるようになった。これにより家族だけでなく、組織が現場にJiobitを配備する際にもサービスを利用できるようになった。

ソフトウェアベースの追跡アプリの一部で実現しているように、Jiobitのデバイスは「信頼できる場所」の機能をサポートしている。信頼できる場所とは、たとえば学校や犬の一時預かりなどのように、ある時間帯にデバイスがあるはずの場所のことだ。デバイスが信頼できる場所にない場合は「ライブモード」を有効にしてリアルタイムで動きを見ることができる。

画像クレジット:Jiobit

進化した点としてもう1つ重要なのが、バッテリー駆動時間だ。次世代版は以前の製品よりバッテリー駆動時間が50%長くなっているという。標準的な使い方では充電後に最大10日間駆動するが、スタンバイモードになっていてアクティブに使われていない場合にはさらにそれより長くもつ(このため、ペットに着けている場合などには10〜20日間動作するだろう)。

Jiobitの元のアイデアは、Motorolaのバイスプレジデントだった創業者のJohn Renaldi(ジョン・レナルディ)氏が、市場にあるキッズトラッカーの大半は証明書の鍵が平文で保存されハッキングできる状態であることに気づいて衝撃を受けたことから生まれた。同氏はもっとセキュアな製品を作りたいと考え、Motorolaのエンジニアリング担当ディレクターだった共同創業者でCTOのRoger Ady(ロジャー・アディ)氏に話を持ちかけた。

現在、Jiobitには専用のセキュリティチップが使われ、同社のサーバと通信している。AES-256の「Jiobit TrustChip」テクノロジーで、静止中と移動中の両方のデータをTLS1.2で暗号化する。また、マルウェアや「悪さをする」ソフトウェアがインストールされることを防ぐため、Jiobitが暗号化された署名をしていないソフトウェアは一切ダウンロードできない。

画像クレジット:Jiobit

一方、サービス自体は米国のCOPPA(自動オンラインプライバシー保護法)に準拠している。

新製品のJiobit Nextは米国内でのみ動作するが、第1世代の製品は146カ国で動作する。どちらの製品もサブスクリプションで今後も利用できる予定だ。ユーザーは2年契約(毎月8.99ドル、約940円)、6カ月契約(毎月12.99ドル、約1360円)、長期契約なし(毎月14.99ドル、約1570円)のいずれかのプランを選択する。他のキッズトラッカーやスマートウォッチとは異なり、携帯電話回線の契約や現在使っている携帯電話会社のSIMカードは必要ない。

JiobitはこれまでにNetgearや米国中西部のVCから1200万ドル(約12億5500万円)を調達したと述べている。これまでに販売したデバイスの台数は公表していないが、「5桁台の半ば」だという。

新しいデバイスは現在予約受付中で、2021年2月後半からJiobitのウェブサイトで、その後Amazon、Chewy、Targetで販売が開始される。従来は家族追跡アプリのLife360との協力で特別価格で提供されていた。

カテゴリー:ハードウェア
タグ:Jiobitトラッカー

画像クレジット:Jiobit

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(文:Sarah Perez、翻訳:Kaori Koyama)

サムスンがTileのライバルとなる紛失防止用トラッカー「Galaxy SmartTag」発表、米国では1つ約3100円

Samsung(サムスン)は、CES 2021で行った数々の発表に続き、米国時間1月14日に開催した「Unpacked」イベントで、「Galaxy SmartTag(ギャラクシー・スマートタグ)」と名付けられた新しいBluetooth位置情報デバイスを発表した。これはSamsungオーナーのための紛失物発見用ビーコン(無線標識)で、Tile(タイル)の競合製品となる。TileやApple(アップル)から近々登場が噂されている「AitTags(エアタグ)」と同様、Galaxy SmartTagは鍵やバッグ、ペットの首輪など、どこにあるのか見つけたい物に取りつけることができる。最初に発売されるSmartTagはBluetoothを使って近くにあるSamsungのデバイスと通信を行うが、2021年後半には超広帯域無線通信(UWB)を使ったSmartTag+と呼ばれるバージョンも発売予定であることを、同社は認めた。

SmartTag+は、AppleのiPhone 11シリーズ以降のモデルに搭載されているUWBを利用することが予想されるAirTagsと、より競合することになるだろう。Tileはこのニュースを見越して、すでにUWBを採用した新型のトラッカー(位置情報検知デバイス)を開発しており、2021年後半にはこちらも発売される見込みだ。

14日に発表されたGalaxy SmartTagはBluetoothを利用する製品で、仕様は1種類のみ。つまりサイズや性能が異なる仕様はラインナップされていない。ただし、本体カラーはブラックと「オートミール」と呼ばれる白に近い色の2色から選べる。

Samsungの担当者によれば、Galaxy SmartTagは、Android10以降を搭載する同社のGalaxyデバイスならどれと組み合わせても使用可能だという。

Galaxyデバイスの所有者は、Samsungの「SmartThings Find」アプリを使って、SmartTagを取りつけた行方不明のアイテムを見つけることができる。

Galaxy SmartTagは、Tileや他のBLE(Bluetooth Low Energy)トラッカーと同じように動作する。SmartTagがオフライン時、つまりGalaxy S21などのデバイスと接続されていないときは、近くのGalaxyデバイスで検出できるBLE信号を送信する。Galaxyデバイスが検出すると、SmartTagはSmartThings Findアプリに位置情報を送信するので、これが取りつけられたアイテムの場所をアプリで知ることができるという仕組みだ。Samsungによると、SmartThings Findのユーザーデータは暗号化されて安全に保護されているため、アプリを使って紛失したアイテムのSmartTagを検索しても、位置情報や個人情報は安全だという。

またこのアプリでは、「見つかったら通知」するだけでなく、「近くを検索」「検索」「音を鳴らす」など、アイテムを見つけるための様々なツールを提供する。Tileと同様に、SmartTagはどこに置いたかわからなくなったスマートフォンを探すために使用することも可能だ。この場合はSmartTagのボタンを2回押せば、スマートフォンから音が聞こえてくるので、その場所をたどればスマートフォンを見つけることができるだろう。

Galaxy SmartTagは、ボタンを1回押すと他のことを行うように、カスタマイズすることもできる。たとえば帰宅した際に持ち物に取りつけているSmartTagのボタンを押せば、簡単に照明やテレビをつけるといったことが可能だ。

発表に先立ち配布された資料によると、Galaxy SmartTagはTileのトラッカーよりやや厚みがあり、CR2032セル電池で作動し、Bluetooth接続することがわかった(実際にユーザーが交換可能なCR2032電池が使われていることを、我々は確認した)。

Samsungの担当者は、発表前に公式の詳細な技術仕様を我々に提供しなかった。後ほど、詳細が明らかにされたら記事をアップデートしたい。通信可能範囲などの詳細がわからないと(訳者注:公式サイトによれば、通信範囲は120m以内とされている)、市場で販売されている他社のトラッカーと適正な比較をすることは難しい(リークされた情報は必ずしも最終的な製品を示すものとは限らないので、それだけで判断することはできない。とはいえ、規制当局に申請された書類は、最初の参考材料にはなるだろう)。

Samsungは発売前にキャンペーンを介して、この新型トラッカーの普及を促進させようとしている。米国で1月14日から28日までの間に「Galaxy S21 Ultra」を予約すると、200ドル(約2万800円)分のSamsung Creditに加えて、Galaxy SmartTagを1つ無料でもらうことができる。これはサムスンが今まで紛失物発見ガジェットに対して行った投資を、少しでも回収するのに役立つだろう。同社は2018年にLTEを使った「SmartThings Tracker」を発売したものの、人気を博したとはいえなかった。

このキャンペーン以外では、Galaxy SmartTagは1個29.99ドル(約3100円)という価格で、1月29日から米国で販売が開始される。

価格は、Tileが販売しているエントリーレベルのBluetoothトラッカー「Tile Mate(タイル・メイト)」の24.99ドル(約2600円)と比べると、やや高い。

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カテゴリー:ハードウェア
タグ:SamsungCES 2021トラッカー

画像クレジット:Samsung

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(翻訳:TechCrunch Japan)