ナビゲーションプラットフォームのWazeが運転中の気分にフォーカスしたUIとデザインの大型アップデートを実施

クラウドソース型ナビゲーションプラットフォームであるWaze(ウェイズ)は、Google(グーグル)に所有されながら独立を保ちつつ、Googleマップと結びついた製品を開発している。この度同社は、これまでにない大幅なユーザーインターフェイスとデザインの変更を行った。それにともないドライバーが運転中の気分を表現するアイコン(最初は30種類)をシェアする「Moods(ムーズ)」を前面に押し出してきた。

Moodsは、ユーザーがカスタマイズに使うちょっとしたオプションのように思われるかもしれないが、実はクラウドソースで収集される情報の新しいデータ価値をWazeにもたらすという、大変に興味深い側面がある。この機能を解説したブログ記事(Medium記事)で、Wazeのクリエイティブ担当責任者であるJake Shaw(ジェイク・ショー)氏は、新たに追加されたMoodセットについて記している。これは以前からWazeに備わっていたMoods機能の上に構築されたもので、気分の表現の幅を大きく拡張している。

「Moodsの基本的な考え方は、常に変わりません。路上でのユーザーの気持ちを表現することです」と彼は書いている。「道路で人々が抱く感情の幅を探る作業は、大変に楽しいものでした。10人いれば、まったく同じ状況でもみんな違う感情を抱きます。そこで私たちは、そうした気分をできるだけ多く集めることにしました。これは私たちにとって大変に重要な情報となります。なぜならMoodsは、道路を走る我々全員が一緒に働いていることを思い出させてくれる視覚的リマインダーとして機能するからです」。

Moodsをより多様でパーソナルなものにすることで、視覚的魅力が高まることは確かだ。さらに、Wazeのユーザーコミュニティーのエンゲージメントを高める効果もあるだろう。同社はそれについて明言してはいないが、交通状況、天候、工事など、クラウドソーシングで集められるナビゲーション関連の詳細情報に感情の尺度としてそのデータが加わることで、より内容の濃いデータセットの構築が可能になり、その分析結果を道路計画、交通インフラの管理などに応用できるのではないだろうか。

今回のアップデートには、アプリ全体のインターフェイスのフルモデルチェンジも含まれている。グリッド上にカラフルな形状が配置されるようになり、道路の危険な状況を知らせるアイコンも新しくなった。明るい方向に大きく改善され、視覚的に兄弟分のGoogleマップとの差別化が増した。

ショー氏は、今回のデザイン変更を知らせるコミュニティーの声の価値について繰り返し語っていた。これは、コミュニティーへの帰属意識を高めることを念頭に置いていることは間違いない。そこが、他の交通系またはナビゲーションアプリと大きく異なる点だ。おもしろいことにこのデザイン変更で、考え方にもよるがグーグルの最も成功したソーシャルネットワーク製品はYouTubeを除くと、Wazeなのではないかと思えるようになった。

画像クレジット:Waze

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(翻訳:金井哲夫)

Tesla車のナビゲーションシステムは2018年に「大規模改造」が行われる

Teslaは車内ナビゲーションへのアプローチの改良に取り組んでいる。そして「大規模な改造ナビゲーション」を「2018年の早期に」配備するとTesla CEOのイーロン・マスクは語った。この発言は、Twitter上での顧客からの問いかけに答えて行われたものだ。マスクは、現在行われているテストが完了次第、リリースが行われると付け加えたが、それは現在Teslaの車に提供されているナビゲーションよりも「光年先」を行くものになるようだ。

マスクの発言は、Tesla車を3年所有しているが車載マップの更新は一度しか行われていないし、そのときプッシュされた情報も既に古くなっていると指摘したオーナーに対して行われた。マスクの反応は、Teslaが新しいナビゲーションソフトウェアで、単純な地図アップデートよりも遥かに進んだものを考えていることを示唆している。頭のてっぺんから爪先に至るまで、車内システムの振る舞いを完全に変えてしまうというものだ。

2018年の早い段階でナビゲーションに大規模な改造を行う予定だ。現在のシステムよりも「光年」進んだものだが、公開に先立ち厳密なテストを行っている最中だ。

テスラの現在のナビゲーションソフトウェアは、スマートフォンなどのモバイルデバイスに搭載されたナビゲーションアプリとそれほど異なるものではないが、テスラチャーチジャーやスーパーチャージャーの場所などの重要な情報が組み込まれている。それでも、現在のナビゲーションシステムはユーザーたちが一貫して不満を述べ続けてきたものなのだ。

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(翻訳:sako)

英ガトウィック空港、屋内ナビゲーション用に2000個のビーコンを設置

空港やショッピングモールなど複雑な構造をした施設の中では、なかなか目的の場所にたどり着けないことがある。Googleは3Dセンサーを搭載したスマートフォンを使って、GPSでは測定しきれない場所でもナビゲーション機能を使えるようにしようとしているが、それ以外の解決策になり得るのがビーコンだ。施設のいたるところにビーコンを設置すれば、スマートフォンがその信号を拾って現在地を特定できるようになるので、ユーザーはスムーズに目的地へ向かうことができる。

イギリスで2番目に利用者数の多いガトウィック空港は、数年間にわたる改革プログラムの一環として、この度ビーコンを使った屋内ナビゲーションシステムの導入を決めた。

ふたつのターミナルには、既に合計約2000個のバッテリー駆動のビーコンが設置されており、今後地図アプリを開くとより正確に現在地が表示されるようになる。さらにこのビーコンはARナビゲーションツール(冒頭の写真)にも利用される予定で、ユーザーはスマートフォンのスクリーン上に表示される矢印に従って進むだけで目的地にたどり着けるようになる。なお、このシステムではユーザーの現在地を誤差3m以内で特定できるとされている。

また、ガトウィック空港は自分たちのアプリだけでなく、各航空会社のアプリやサービスとも屋内ナビゲーションシステムを連携させようとしている。もしもこれが実現すれば、航空会社は搭乗口に現れない乗客に通知を送ったり、位置情報をもとにその人の荷物をおろすかどうかといったことを決めたりできるようになる。

空港内の小売店やテナントもこのシステムを使うことで、ユーザーが店舗の近くにきた際にマーケティングメッセージや割引情報を送れるようになる(少なくとも通知を受け取るよう設定しているユーザーに対しては)。

なお、ガトウィック空港はビーコン経由で利用者の個人情報を集めることはないが、列の長さを見たり、混雑を解消するために人の流れをコントロールしたりといった運営上の理由で「エリア別の人の密度」に関する情報は集める予定だと話している。

システムの開発にあたり、ガトウィック空港はイギリスのスタートアップPointrの協力を仰いだ。ソフトの開発やシステムの保守以外にも、Pointrは3D ARナビゲーションをサポートしたSDKをサードパーティに提供していく予定だ。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter