オーストラリア拠点の注目スタートアップ6社

オーストラリアではスタートアップのエコシステムが急速に発展しつつあり、TechCrunchもここ数年、オーストラリアのスタートアップシーンに注目するようになった。その最たる例として、2017年にはTechCrunch Battlefield Australiaを開催している。オーストラリアのスタートアップシーンが成長しているもうひとつの証拠として、先日メルボルンで開かれたPause Festがある。このイベントは近年ますます勢いをつけていて、国内外の注目を得たいオーストラリアのスタートアップにとって、たちまち参加マストな場所となった。

私は、そのスタートアップ・ピッチコンペを仮想的に訪れ、事業の売り込みを行ったいくつもの参加者にインタビューすることができた。中でも際立ったスタートアップ企業を上位から順番に紹介しよう。

Medinet Australia

第1位となったのは、Medinet Australia(メディネット・オーストラリア)。患者がアプリで医師の診察を受けられるようにして、オーストラリア人の医療の利用をもっと便利に手軽にすることを目指すハイテク系スタートアップだ。Babylon Healthなどのアプリにどこか似ているが、Medinetの「telehealth」アプリの場合は、遠く離れた総合診察医から臨床的なアドバイス、処方箋の取得、薬の配達、病理検査の結果の閲覧、雇用主への診断書の電子メール送付、専門医への紹介状(料金、待ち時間、患者の評判などの率直な事前情報を含む)といったサービスが受けられる。彼らはエンジェルからの支援で300万ドル(約3億3000万円)を調達し、いずれは機関投資家からの投資も期待している。オーストラリアは広大で、便利なtelehealthアプリへ人々が流れてゆくことを想像すれば、投資に相応しい分野と言える。

Everty

第2位は、Everty(エバーティー)。企業の電気自動車充電ステーションの管理、監視、収益化を簡単にしてくれる。だが、これはインフラではない。職場と会計システムをEV充電ネットワークとリンクさせるというもの。「EV充電版のSalesforce」といったところだ。これは、商用と自家用の両方の充電の監視ができる。エンジェルラウンドから資金を調達していて、さらなる資金調達の準備を進めている。

AI On Spectrum

第3位は、AI on Spectrum(AIオン・スペクトラム)。自閉症患者は統計的に長生きしないという悲しい事実がある。残念なことに、自閉症を患う人の自殺率が極めて高いのだ。AI on Spectrumは、自閉症児とその両親が生きる力を得られるよう、支援環境探しを身近なアプローチで手助けする。このゲームで、自閉症児が自分の感情面を探求できるようになり、辛いときに気を紛らわす手段が得られる。ユーザーをアシストするプロセスには、AIと機械学習が使われている。

HiveKeeper

Hacker Exchange特別賞を受賞したのはHiveKeeper(ハイブキーパー)。プロの養蜂家は、素早く、信頼性の高い、簡単に使える蜂の記録方法を求めている。それを叶えるのがHiveKeeperだ。さらに同社は、事故や問題をいち早く知らせるための、より正確な分析を可能にするソフトウェアとセンサーシステムの開発も行っている。将来この技術は、蜂の行動の変化から山火事の接近を警告するといった使い方もできるだろう

Relectrify

シンギュラリティ・ユニバーシティ特別賞を受賞したのは、Relectrify(リレクトリファイ)。自動車などの充電式バッテリーは再利用できるが、それを上手に使うための鍵は、どれだけ寿命を延ばすかだ。Relectrifyのバッテリー制御ソフトウェアは、すべてのセルの性能を最大限に引き出し、充電サイクルの回数を増やす。これはまた、新品でも再生品でも、バッテリーインバーターは使わず、コンセントの電源を使えるため、保管コストも削減する。その高度なバッテリー管理システムは、出力と電気のモニターを結びつけることで、どのセルが強く、どのセルが弱いかを迅速にチェックし、バッテリー寿命を30パーセントも向上させる。さらにバッテリーの二次利用も可能にする。これまでのところ、同社は日産とAmerican Electric PowerとのプロジェクトでシリーズA投資450万ドル(約5億円)を調達している。なお。シンギュラリティ・ユニバーシティは、米国シリコンバレーを拠点するスタートアップ企業を支援する企業だ。

Gabriel

悲しいことに、高齢者や入院患者は、長い間ベッドに寝ていると床ずれを起こす。床ずれが原因で命を落とす人もいる。しかも、床ずれが元で病院が訴えられることもある。求められるのは、床ずれを予防すると同時に、患者のどの部分に床ずれができやすいかを予測する技術だ。Gabriel(ガブリエル)はそれに取り組んでいる。マルチモーダルな技術を使い、ベッドからの転落や床ずれを予防する。家庭でも病院でも使えるパッシブなモニター装置で、センサーを内蔵した抵抗シートがベッド上の圧力を認識できるシステムに接続されている。米食品医薬品局の認可を得ていて、特許を出願中。すでにハワイの一部の病院で使われている。これまでにエンジェルから200万ドル(約2億2000万円)を調達し、現在も資金調達中だ。

Pause Featの雰囲気は以下の動画で確認してほしい。

[原文へ]

(翻訳:金井哲夫)

ピッチデックで自滅しないために、やっちゃいけない3つの間違い

資金調達は、いつだってブラックボックスだ。好調な企業からすれば、そよ風のようなものかも知れないが、大抵の起業家はそのために眠れない夜を過ごす。私が初めて立ち上げたPursuit.comというスタートアップは、シード投資を獲得できたものの、信じられないほどキツかった(結局、Facebookに買収された)。DocSendは私の2番目のスタートアップだが、そこで私は資金調達のプロセスに関する多くのことを学んだ。自社の資金を集める方法だけではない。製品そのものが、特有な方法でピッチの大きな傾向を明らかにしてくれたのだ。

2014年以来、文書のトラッキングと共有を行う私たちのプラットフォームでは、10万人以上のユーザーが220万を超えるリンクを共有していて、2億2000万回の閲覧数を記録している。毎日、何千という会社創設者が未来の出資者を求めて資金調達のための資料を公開している。さらに、私たちの製品の多くのユーザーに、営業や事業開発やカスタマーサクセスの情報も発信している。こうした活動全般をよく理解したいと思った私たちは、ハーバードビジネススクールと長期の協力関係を結び、シードやシリーズAラウンドの投資を獲得を目指すスタートアップの、匿名化された資金調達に関するデータの分析を行ってきた。

私たちは、初期の分析結果を、「完璧なピッチデックの研究からの教訓」という記事(本文は英語)にして2015年にTechCrunchに掲載したが、今回は、その後の4年間のデータ(とユーザー数の大幅な増加)から判明した新しい情報をお伝えしたいと思う。

シード投資を獲得できたピッチデックと、獲得できなかったピッチデックとの違いは何か? 成功したピッチも失敗したピッチも、長さは平均18ページで変わりがない。違うのは、内容の組み立て方だ。投資家がその資料を読む時間も平均3.7分と変わらないが、成功したピッチと失敗したピッチとには共通して、時間をかけて読まれた箇所に違いがあった。ここに、避けるべき3つの過ちを詳しく解説しよう。

ピッチデックで「やるべき」大切なことについては、Extra Crunchの補足記事「Data tells us that investors love a good story」(有料会員向け記事)を読んでいただきたい。

間違い1:製品紹介から始めてはいけない

とくに技術系企業の創設者には、その製品がいかに画期的であるかを最初に説明したがる傾向がある。開発までにどれほどの時間がかかったか、どれほどの独自技術が積み重ねてきたか、そしてMVP(実用最小限の製品)の作り方を知っていることを力説する。

「失敗したピッチデックは、すべてが製品の話から始まっている。投資家は、成功したピッチデックと比較して、製品のスライドを読むのに4倍の時間をかけている」

よいことだと思うかも知れない。製品のスライドをじっくり見てくれているのだとね。だが、それは違う。データによれば、投資家は、その製品の価値と現在の市場のニーズとを照らし合わせ、その2つの間の明確な接点がなかなか掴めないために、詳しく見ているのだ。

また、ターゲットにした投資家は、ターゲットとなる消費者とは違う。スクリーンショットや製品の詳細は、彼らを混乱させるだけだ。では彼らは何を見ているのか?なぜ問題なのか?ほとんどの製品は生産が可能だ。むしろ彼らが答を知りたがっている疑問は、なぜこの製品が大きなビジネスを生み出すかだ。

ピッチデックの成功例と失敗例との閲覧時間(青が成功例、赤が失敗例)グラフ横軸(左から)企業の目的、チーム、製品、問題、解決策、ビジネスモデル、市場規模、なぜ今か、競争、決算、期首残高、会計報告DocSendより

間違い2:「Why」から始めていない

今では、サイモン・シネック氏がTedで話した「Whyで始めよ」の考え方が私たちの頭に浸透しているのに対して、失敗したピッチデックでは「なぜ今なのか」や「なぜ私たちなのか」といった疑問が最後に残されている。成功したピッチデックでは、企業の目的から始まり、なぜこのチームなのか、なぜこの製品を今出すべきなのかと続く。

「成功したピッチデックはすべて、企業の目的とその存在意義からスタートしている」

成功したピッチデックでは、投資家は「なぜ今か」と「なぜ私たちなのか」のスライドを平均27秒で見ているが、失敗したピッチデックでは62秒かかっている。ここから、投資家がチームやその能力の判断に、成功したピッチデックの場合よりも多くの時間をかけていることがわかる。この部分に時間をかけているということは、起業家の期待とは裏腹に、投資家はこのベンチャーに確信が持てずにいる証拠だ。ピッチを行う側は、「なぜ」のスライドに重点を置き、その流れを崩さず、なぜ今まで大きなビジネスになっていなかったのだろうと投資家に思わせることが大切だ。

「なぜ今か」と「なぜ私たちなのか」がスライドに登場した回数赤は失敗例(38.4パーセント)、青は成功例(61.6パーセント)DosSendより

間違い3:ストーリーがない

誰でも良い物語が大好きだ。投資家もその例に漏れない。成功したピッチデックはみな、面白いストーリーを含んでいて、それに合わせた語り口で話が進む。まず企業の目的から入り、彼らが立ち向かっている大きな問題、なぜ今でなければいけないのか、なぜ自分たちがその問題解決に取り組む最適な人材なのかと続く。失敗したピッチデックは、まず製品の話から入り、ビジネスモデル、競合の状況へと続く。成功したピッチデックでもこの話はしているが、かならず、直感的な理解をもたらす物語の延長線上にある。一方、失敗組には面白い物語がない。

「失敗したピッチデックでは、投資家は、製品、チーム、会計の説明を、平均で6分かけて読んでいる。成功したピッチデックでは2分だ」

また成功したピッチデックは、繰り返し訪れる回数が多い。失敗したピッチデックの2.3倍の再閲覧数がある。さらに、失敗したピッチデックよりも転送される数も多い。

トータル閲覧数グラフの横軸(左から)成功例、失敗例DocSendより

目的のほうが製品よりも大切

企業の創設当初は、起業家は実用最小限の製品(MVP)の構想を練り製作することに多くの時間を費やす。当然、投資家にピッチをしたくてたまらない気持ちになる。しかし、意外なことに、ビジネスの可能性、つまり「なぜ今か」「なぜ自分たちなのか」を上手に物語る前に製品を見せないほうがよいという結果がデータには表れている。この重要なポイントが投資家に伝わったらな、製品の詳細やロードマップをどんどん見せることができるが、製品から先に入ってはいけない。

この記事は、資金調達シリーズの第1弾だ。この補足記事を、Extra Crunchに掲載した(有料会員向け記事)。データが示すピッチデックでぜひやるべきことの話だ。今後は、シード、シリーズA、シリーズBの各ラウンドの違いや、会社が成長するに従って資金調達の方法がどう変わるかについて解説していきたいと思っている。次の記事では、他よりも多くの資金を獲得したピッチデックの秘密を解説する。それまで、最良の資金調達の方法に関して質問があれば、私たちのブログ、Twitterアカウント@rheddlestonまたは@docsendを利用してほしい。

【編集部注】筆者のRuss Heddlestonは、DocSendの共同創設者およびCEO。以前はスタートアップPursuit.comの買収にともないFacebookに移籍し、プロダクトマネージャーを務めた。Dropbox、Greystripe、Truliaでも活躍した。@rheddlestonまたは@docsendでフォローできる。

[原文へ]

(翻訳:金井哲夫)

スタートアップのピッチを実用化するために必要なトランスレーション(技術転換)の方法

[著者:Perry Hewitt]
マーケティング、技術、ミッションドリブンな組織の間で活躍している。

大企業に取り入ろうと、舌なめずりをしているスタートアップはいくつもある。それは悪いことではない。大きな企業は古臭いシステムや回りくどい手続きに満ちていて、それにより仕事の良い成果が出にくくなっている。こうした問題を解決する方法を、スタートアップは持っているからだ。

しかし、チッピの内容が伝わらなかったり、約束どおりに準備が進まなかったりという失敗が多い。その障害物が、はっきり見えていることもある。製品と問題とのミスマッチ、スケールの調整ができない、企業からの出資が途絶えるなどだ。だがとりわけ多いのは、スタートアップの価値が、トランスレーション(技術転換)によって失われるという問題だ。

非常に先見的な企業のリーダーたちですら、私が「GAAP(公正妥当と認められる会計原則)ベースのデジタル戦略」と呼ぶ環境下で仕事を行っている。予算編成が、たとえばソフトウエアのライセンス更新料や固定価格のサポート契約といった、特定の種類の購入だけを対象にしている。オープンソースの開発など、変化する新しいコストモデルでは、予算獲得の際に次善策を提示したり説明したりという手間が必要になり、それではやる気のある有能な社員も、時間と労力を奪われて疲弊してしまう。

そこでスタートアップは、どんな役に立つのだろう? 企業に定着した基準に沿った新しいコストモデルが導入できるよう、社内の予算管理者を手助けできれば、資金調達と財務というヒドラのように頭がいくつもある複雑な問題から、牽引力を引き出せるようになる。ひとたび、プロジェクトが軌道にに乗れば、それを推進する担当社員は予算編成を変革することもできるかも知れない。ただしその前に、パイロット版を立ち上げ、結果を見せることが重要だ。

GAAPベースのデジタル戦略には、会計上の習慣を遥かに超えるものがある。たとえば、内部報告書だ。大きな企業では、透明性を高めて仕事の成果への社員の当事者意識を持たせる目的で、上、横、下に向けて報告を行うが、そのために膨大な時間が奪われる。みなさんの部署のKPI(主要業績評価指標)はどうだろう。結果を、その会社の言葉で簡単に説明できるだろうか。顧客と直に接して、既存の報告書の枠組みに沿うよう(そしてそこで目立つよう)長い時間を共に過ごすのだ。

こうした制御システムを動かすことが大変に困難であることを、企業はよく承知している。だから、「イノベーション部門」を設置するところが増えている。一度きりの特別予算を付けて、新しい技術を試す部門だ。これが、スタートアップと新しい顧客との関係の出発地点となる。

スタートアップにとって、これは有り難いアプローチとなる。煩雑なプロキュアメントやIT要件を巡って交渉を重ねることなく、自分たちの価値を示せるからだ。ただ、こうした部門はパイロット版の試験ごとに変わることが多いため、スタートアップの技術を自社の事業のために吸収したいと考える、その分野の積極的で有能な社員と出会うのに苦労することがある。もっとも大きな課題は、イノベーションを立ち上げた後、それを実際の業務として運用できるようにする引き渡しの作業だ。そのための手順を決めていない企業が非常に多い。そのような企業では、手続きや規則とは隔離された「クリーンルーム」でテストされる場合がある。

ここに、拡張現実(AR)ヘッドセットとソフトウエアを持ち込んで、複雑な医薬品製造の環境に変化をもたらしたスタートアップの例がある。彼らはパイロット版の導入ではっきりとした結果を出した。最初は4つか5つのヘッドセットでテストを開始したが、音声を記録でき、両手が自由に使えるようになるARのワークフローが現場の作業員の大きな助けになった。

スタートアップは、その後、現場を訪れ、作業員と一緒に改良点を試し、決まりに従って組み立てられた作業手順に、どのようにその技術を合わせればよいかを話し合った。こうした直接的な関わり合いが報告書に記され、現場が求めていた30個から40個のヘッドセットの納入につながった。中間管理職の決断を待つことなく、そのスタートアップは、実務につながる草の根の足場をしっかりと築いたのだ。

同じように、CPG(一般消費財)販売企業で分析用製品を試験導入したスタートアップは、すぐさまIT部門の分析予算に組み込まれてしまった。そして、ビジネス・インテリジェンス用のダッシュボードからマーケティング技術用ツールまで、さまざまな課題を与えられて、試験導入は方向性を失いかけた。

結果をよく調べてみると、貿易推進部門に効果が出ていることが発見できたので、彼らはツテを頼ってその企業の貿易推進部門を管理する重役に会った。すると彼女は彼らの試験導入を自分の直接管理下に置き、自分の予算で進めるように言ってくれた。彼らはGAAPベースのバケツ(分析)に閉じ込められことなく、重役と直接つながることで、まったく別次元で仕事ができるようになった。

社内の有能な人間を見つけることと、GAAPに縛られずに話を進めることの他に、時間をかけて、顧客である大企業の背景事情、つまりその四半期の株主価値を高める戦略とテーマを理解することも重要だ。解決を目指す課題の周辺だけでなく、その企業全体の目標も考慮して協力する姿勢が大切なのだ。

そこでは、年次報告書が味方になってくれる。企業の目標はデジタル化、国際協力、リスク管理といろいろあるだろうが、こうした優先度の高い課題に沿うことが、内部の信頼を得ることになる。目に見える、予算のついた、CEO主導の、部門の垣根のない流ちょうな戦略を守り、自分たちのソリューションが、その企業にどれだけ役に立つものかを示すことだ。

安心して欲しい。こうした技術転換は、決して一方方向ではない。関わりを深めるほど、顧客である企業はみなさんのスタートアップの考え方から恩恵を受けるようになり、本当に理解したとき、それを活かそうと、技術、作業工程、言葉が変化してゆくものだ。そして理想的には、昔からの煩雑な手続きが衰退し、今のビジネスが被っている構造的な遅れが解消される。それまでの間は、結果を宣伝するばかりでなく、技術転換の方法についてよく考えることも重要になる。

90秒で相手に興味を持たせるピッチとは―、投資家からCEOへのアドバイス

【編集部注】Vitaly M. Golombは、HPのベンチャー投資部門HP Tech Venturesで、世界各地の企業に対して投資を行っている。以下は、企業を成長させる上での彼のアドバイスをまとめた本『Accelerated Startup』から、Golombが大好きなピッチに関する箇所を抜粋したもの。


私がイベントで話す姿を見たことがある人は、恐らく私のピッチに対する興奮や情熱についてご存知だろう。素晴らしいピッチはビジネスのさまざまな場面で役立つと私は信じていて、それこそが私のピッチに対する熱い思いの理由なのだ。企業のCEOであるあなたは、日夜ピッチし続けることになる。90秒間の短いエレベーターピッチ。デモデイやコンテストでの3〜6分間のピッチ。さらには至高の目標である、VCのオフィスで30〜60分間に渡って自分たちが関わってくるであろう未来について説明するためのピッチ。素晴らしいプレゼンターになるためには、それなりの鍛錬が必要になってくるし、私もピッチの練習には十分な時間をかけるよう勧めている。だからといって、練習不足が完全なる失敗に終わったピッチの言い訳になるわけではない。

まず、ピッチとは何なのかについて考えてみよう。個人的には、ピッチとは人に具体的なアクションを起こさせるための話だと私は考えている。聞き手から何かを引き出したいからピッチをするのだ。求めているものはアドバイスかもしれないし、相手のビジネスかもしれないし、(私たちがこの章でフォーカスすることになる)投資かもしれない。今後何を求めてピッチをするかに関わらず、CEOのあなたは既にたくさんのピッチをしているということを知っておいてほしい。恐らく起業しようとしたときには、スタートアップと呼ばれる狂気の沙汰のようなものを始めるのが意味あることだと、友人や家族、パートナーを説得したことだろう。当時働いていた会社の上司にも、パートタームで働く許可をとるためや、退職の意を伝えるために、それと似たようなことをしたはずだ。

「アクションを起こさせる」というのが極めて重要なポイントだ。もしも、相手にアクションを起こさせる助けにならないような事項がピッチの内容に含まれていれば、そんなものは取り去ってしまった方が良い。例えば90秒間のエレベーターピッチと、28章で触れた紹介の目的は全く同じで、ミーティングを設定するということだ。早口で膨大な量の情報を読み上げたところで、ミーティングのチャンスは与えられない。ピッチの目的はビジネスの全てを説明することではなく、相手の興味をひいて、相手がもっと知りたいと感じるのに十分なくらいの情報を共有することだ。

また、ほとんどのピッチはステージのようなものの上で行われる。物理的なステージがない場合もあるが、それでも概念的なステージの上に立っているということには変わりない。そしてステージ上で行われる他のことのように、あなたのピッチはパフォーマンスなのだ。もしもあなたのビジネスがその日ステージに立った企業の中で1番だったとしても、プレゼンターのあなたが自分の靴ばかり見て、ボソボソと話し、ただスライドの内容を読み上げているような具合では、投資家があなたの会社に興味を持つことはない。

会社が成長するにつれて、アクセラレーターのデモデイやスタートアップコンテストなどで、3分程度のピッチを行う機会も増えてくるだろう。ここでのゴールも相変わらず、ミーティングを設定することだ。しかしこの段階では、それ以外の目標もいくつか浮上してくる。もしもあなたの会社が大手のよく知られたアクセラレータープログラムに参加しているとすれば、恐らくあなたの会社は優秀なのだが、ここにはあるひとつの問題がある。それは、あなたの会社以外に、数百とはいわずとも数十社のスタートアップが同じステージでピッチを行うということだ。彼らは全員しっかりと準備を行い、資金調達する気満々だ。するとここでは、何百というピッチがステージ上で行われる中、自分たちの企業のことを聞き手に覚えてもらえるくらい目立たせる、ということが新たなゴールなってくる。デモデイの終わりには、投資家のノートがさまざまな企業の情報でいっぱいになる。その中で、あなたの企業の名前に丸印とドルマークが付くようにしなければいけないのだ。

全てのピッチはコンテストだと思い、競争に勝ち抜いて優勝賞品を獲得するんだという気持ちで毎回取り組んでほしい。つまり、ピッチ前にはリハーサルを行い、完璧に準備して、戦いに備えてしっかり休むようにしなければいけない。ところで、ここでの優勝賞品とは何を指しているのかというと、これこそさっきから繰り返し触れている投資家とのミーティングだ。賞品として巨大なホットドッグが贈られるホットドッグ早食いコンテストのような感じもするが、やるだけの価値は間違いなくあるので安心してほしい。ミーティングでは、恐らく20分程度でまたピッチをすることになるが、もしも投資家が内容を気に入り、活発に質疑応答が行われれば、1時間近くまで時間が長引くこともある。

それでは、次はピッチの内容についてだ。まずピッチでは、聞き手の注目を集めなければいけない。あなたが話をしているときも、彼らは手に持った携帯電話で、恐らくTwitterをチェックしたりメールを読んだりしていることだろう。もしも途中で耳にしたことに彼らが興味を持って、そこから注意を払いだしても、それまでの内容は全く伝わっていなかったことになる。これは残念ながらよくあることだ。そのため、聞き手の注目を集めるような内容からプレゼンをスタートしなければいけない。プレゼンの中で最も重要なポイント、それはトラクションだ。会社の調子はどうか?ユーザー数はどのくらいか?会社の成長率は?売上は?といった質問に対して目を見張る数字を持って答えることができれば、投資家はサービス内容自体に即座に興味は持たなくても、少なくともあなたのピッチに注意を払うようになる。もしも継続的に毎週50%成長している企業があれば、私はノートに手を伸ばし、後ほどミーティングで詳しく説明してもらおうと思う。そのくらいシンプルなことなのだ。

その次の内容は、あなたのスタートアップがやろうとしていることについてだ。顧客は誰なのか?どんな問題を解決しようとしているのか?このふたつの質問に答えられないような事業は、投資家側も評価のしようがないので気をつけてほしい。20章で伝えた通り、はじめは小規模なグループをターゲットにした方がやりやすい。その人たちがプロダクトを手放せなくなるくらいになってから、顧客を増やしていけばいいのだ。つまり、現在サンフランシスコ市民の3分の1があなたのプロダクトを使っていて、今後世界中に展開していく予定だという方が、現在世界中で20万人の人が使っていますというよりもずっと投資家の注意をひきやすい。ユーザー数という意味ではこのふたつは同じだが、そこから予想できることやプロダクトのストーリーは全く異なる。ターゲット層を一部の地域やもっと狭いグループの人たちに絞ること自体は全く恥ずかしいことではないが、きちんとプレゼンの中でそれを説明するように。

これでトラクションと市場がカバーでき、ユーザーにとってなぜ自分たちの取り組んでいる問題が重要かという説明もできた。次は、現在その問題に対してどのような解決策が存在するのかについて考えたい。というのも、あなたが全く新しい市場を発掘する可能性は極めて低い。Uberは新しい交通手段を発明したわけではなく、当時のタクシー業界を見て「ひどい状況だな。これなら俺たちがやったほうがうまくできそうだ」と考えたのだ。そこで現状の解決策について説明することで、あなたの会社が取り組んでいる問題が解決に値するものなのかというのを示すことができる。もしもあなたが解決しようとしている問題で困っている人がいないとしたら、残念ながらそれはビジネスにはならない。実は競合に関しても同じことが言える。競合企業が1社もないということは、そこには解決すべき問題が存在せず、市場もないため、ビジネスが成り立たないのだ。

ここまでの内容がうまくまとめられていれば、聴衆は椅子から身を乗り出してあなたの話を聞いていることだろう。市場について理解し、ターゲット層が抱える問題にも共感できた彼らは、あなたが問題をどう解決しようとしているのか知りたくてしょうがなくなっている。そこで、提起された問題と提供しようとしている解決策が、どれだけピッタリ合っているのかについて説明するようにしよう。私が気に入っている痛み止めとビタミン剤の比較をもとにこの意味を説明したい。もしもあなたの解決策が顧客にとって「あればいいな」というくらいで、ストックが切れてもわざわざ買い足さないようなものであるとすれば、あなたのビジネスには問題がある。逆に、私はAdvil(アメリカで販売されている痛み止め)のボトルが半分くらい空いただけでも、会社帰りに薬局に寄ることが多い。つまり、ビタミン剤ではなくAdvilのような解決策を目指し、聞いている人にもそれが伝わるように説明しなければならないということだ。

信じられないかもしれないが、私がここまでに説明したことは全て90秒のピッチの中に詰め込むことができる。エレベーターピッチよりも長く時間がとれる場合は、解決策の部分に時間をかけて聞いている人に強い印象を与えるようにしたい。もしも20分もの時間が与えられていれば、ライブデモも含めるようにしよう。ライブデモをやるには時間が足りないとしても、スクリーンショットを2、3枚挿入しておくだけでかなり効果がある。いずれにしろ、投資家が知りたいのは、あなたが具体的にどう問題を解決しようとしているかということなのだ。

VCが投資したいと思えるような内容にするために、次のパートは全て市場規模の説明にあてられる。市場規模は大きくなければならない。さもなければVCはあなたの会社に投資しようとは思わない。市場がどのくらい大きいか、そしてどのくらいの速度で成長しているかをここでは説明しよう。実際のところ、その時点での市場規模よりも、どのくらいのスピードで市場が拡大しているかのほうが重要だ。というのも、既に成長が止まった巨大市場に参入する場合、サイズの大きな競合企業から顧客を奪いとらなければいけないため、多大なお金や信頼性が必要になってくる。その一方、毎年100%の成長を続けている市場でトップの座につけば、自分たちの仕事をきっちりこなすだけで、会社も同じようなスピードで成長できることになる。

その次がビジネスモデルだ。どのように新規顧客を獲得し、どのように収益を生み出そうとしているのか?どうやって顧客候補を見つけ出し、どのくらいの時間とコストをかければ、実際にその人たちを顧客にできるのか?新規顧客を獲得してから損益分岐点に達するまでにどのくらいかかるのか?顧客生涯価値(LTV)はどのくらいか?といった問いへの答えを中心に説明していく。ここまでで市場規模とビジネスモデルについて説明したので、3年でどのくらいの売上規模になる予測なのか?その頃にはどのくらいの社員数が必要なのか?といった内容をまとめた資金計画もここに含めておこう。

この時点で投資家が間違いなくもっと知りたがっているのが、マネジメント層についてだ。まとまった金額を投資しようとしている彼らが、会社を率いている人たちにその適正・能力があるか知りたがるのももっともだと言える。もしもあなた自身やあなたのチームが、以前スタートアップをエグジットまで導いたことがあれば、大げさなくらいそれを打ち出した方が良い。さらに、以前Budweiserに勤めていて、ビールの売上増加に繋がるプロダクトをローンチしようとしているなら、前職との関係性を明確にすべきだ。また、何かの分野で世界でもトップクラスの専門性をもっており、博士号など具体的な事実でそれを証明できるならば、それも大々的に宣伝するようにしよう。時間の限られているピッチでは、このパートにあまり時間をかけないほうが良いかもしれないが、少しでも時間に余裕があればぜひ含めるようにしてほしい。投資家は、あなたの会社の成功の可能性を、トラクションとチームをもとに推測しているということを忘れないように。アイディアだけでは足りず、それを実行できるかどうかに全てがかかっている。チームに関するこのパートでは、それまでに説明したアイディアを実行する上で最適な人員が揃っているかどうかということを、聞き手に伝えることが目的なのだ。もしも最適な人が揃っているかに関して少しでも疑いがあるようであれば、ピッチは一旦ストップしてもう一度採用を行った方が良いだろう。

以上が、あるひとつのことを除いた、ピッチに関するアドバイスの全てだ。そして最後に残されているとても重要なパートが、クロージングだ。ピッチの終わりに、なぜ自分がそこにいるのかについてもう一度説明するようにしよう。「私たちには、生鮮食料品の購入の仕方を変えるすばらしいテクノロジーがあるだけでなく、業界での豊かな経験を持ったこのビジネスに最適な人材が揃っています。目標調達金額は200万ドルです。連絡先はスクリーンに表示していますので、詳細について知りたい方は私までメールでご連絡ください」というクロージングであれば、簡潔かつ必要なことが全て伝えられていて完璧だ。

ピッチ時の話し方に関連し、ボディランゲージについても少し触れておきたい。私は個人的に、1対1での指導を行っているプレゼンのコーチを雇うことを強く勧めている。アクセラレータープログラムに参加していれば、ピッチ指導もその内容に含まれていることが多いが、(まだ)そのようなプログラムに参加していなくても、あなたのピッチを間近で見て、指導してくれるような人を探した方が良い。自信をにじみ出させ、堂々とした姿勢で、ハキハキと話しながら聞き手とアイコンタクトをとるというのは、ピッチでは極めて重要であると同時にマスターするのはそこまで難しくない。練習あるのみだ。

投資家の中には、困ったことに事前に資料を送ってほしいと依頼してくる人もいる。今までに素晴らしいプレゼンテーションを見たことがある人であれば、スライドはあくまでペースを守る手助けをしたり、プレゼンターが言っていることを視覚的に補助したりするだけで、資料の中にプレゼンの全ての内容が含まれているわけではないことにお気づきだろう。もしもあなたが資料を事前に送ったとしても、投資家は恐らく内容を完全にはつかめないため、通常私はミーティングで顔を合わせるまでスライドは送らないように勧めている。この問題への対策のひとつが(もしも投資家が遠く離れた場所に住んでいるときのことを考えると、対策を立てておくにこしたことはない)、2種類のスライドを準備しておくということだ。ひとつは実際にピッチを行うときのためのもの、そしてもうひとつは、エグゼクティブ・サマリー(事業計画の概要)として、ピッチの雰囲気が読んで伝わるようなものとして準備しておくと良い。

ピッチの準備をするときには、アルバート・アインシュタインがかつて言った、「簡潔に説明できないのは、十分に理解していないからだ」という言葉を心に留めておいてほしい。あなたの事業領域に関する専門知識を持ち合わせていないかもしれない、部屋いっぱいに集まった投資家に対して、会社のことをうまく説明できないようであれば、いちからやり直しだ。


【編集部注】本記事の引用元である、今年発売されたVitaly M. Golomb著『Accelerated Startup』は、KindleiBooks用の電子書籍とハードコピーとして販売されている。

原文へ

(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

さすがのノルウェイ、水産飼料企業がスタートアップコンテストで優勝

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もしも、あなたがテック業界の記者で、自分にとって大切な国であるノルウェイに出張し、ノルウェイのスタートアップシーンについて、良いニュースを持って帰ってきたいと本気で願っているとしよう。そして、あなたは他でもない、Angel Challenge開催のスタートアップコンテストの決勝戦に招待された。しかし優勝したのは、MiniProというインターネット上にもその存在が全く知られていない企業だった。MiniProの製品といえば、稚魚のベビーフード。あなたは、これから起きることを信じられないだろう。

Ingmar Høgøy, CEO of MiniPro, pitching his company (Image by Dan Taylor/Heisenberg Media)

MiniProについてピッチを行う、CEOのIngmar Høgøy氏(Image by Dan Taylor/Heisenberg Media)

他の国であれば、MiniProのピッチは冗談だと思われただろう。パロディのような会社が、何かの拍子で間違って部屋に入ってしまい、気がついたら、言語障害を持つ子どものためのアプリを開発している企業(Milla Says)や、AirBnBモデルの補完サービスとなるようなビジネスを行う企業(EasyBnB)と並んでピッチを行うことになってしまったとさえ感じる。

私はこれまで、数多くのデモデイやピッチイベントの様子を見てきたが、MiniProがステージに出てきたときには、「本気か…」と不運にも私の隣に座っていた人たちに漏らさずにはいられなかった。「魚のエサを作る会社が、スタートアップコンテストの決勝に残れるのはノルウェイだけじゃないでしょうか」という私に対して、周りの人たちはちょっと時間をおいて肩をすくめながら、「まぁノルウェイですからね」と答えた。

そしてコンテストの優勝者が発表されると、それはもちろん、MiniProだった。私は周りの人たちに同意するしかなかった。これがノルウェイなのだ。

そしてそれは実はとても大切なことだ。

20 investors each invested 50,000 NOK (approx $6k) each. Here, they're trying to decide which company to invest in (Image by Dan Taylor/Heisenberg Media)

20人の投資家が、1人あたり5万ノルウェイクローネ(およそ6000ドル)の資金を、どの企業に提供しようかと悩んでいる様子。(Image by Dan Taylor/Heisenberg Media)

ノルウェイのスタートアップシーンが賞賛に値するのは、さらなるシリコンバレーのクローン(シリコンフィヨルド?)にならないよう、意識的な決定がなされているように感じられる点だ。そして、その様子が現地スタートアップシーンのいくつかの面に反映されている。例えば、このエコシステムの中にいる多くのスタートアップは、原油やガス、海運や漁業などノルウェイが伝統的に力を持っている業界に特化している。国の長所を利用するという意味で、この傾向には納得がいく。起業家は業界のどこに課題があるか理解しており、ソリューションを考え出すのに必要なスキルも持っている。さらに、投資家が共感できるような企業の方が資金調達もしやすい。 そして当然、ノルウェイでは海運関連企業の方が、例えばUberの競合となるような国産企業よりもイグジットを想像しやすいのだ。

優勝者であるMiniProは、100万ノルウェイクローネ(およそ12万ドル)の資金を調達した。私が知る限り、MiniProは自社のウェブサイトどころか、ネット上に全く情報が掲載されていない。ノルウェイの商業登録を除いては、同社に関する情報をひとつもネット上で見つけることはできなかった。魚のエサを作っているMiniProの存在は、私が普段慣れ親しんでいるスタートアップから全くかけ離れている。前述の話に戻ると、「稚魚のベビーフード」を作っている企業を、スタートアップコンテストで優勝させるというのは、テック業界記者の私にとって頭をもたげさせる出来事だった。(もしもこの記事を読んでいるノルウェイの人がいたら、今回の出来事が、どれだけ自国を嘲笑の的にしているかというのを考えてみてほしい)

しかし同時に、MiniProの優勝が、ノルウェイはなぜこんなにも興味をそそる国であるかというのを上手く表している。客観的にどの基準で見ても、その日ステージに上がっていたスタートアップの中では、MiniProが一番だったのだ。

従来型のテック系スタートアップとは対照的な存在として認識されていても、MiniProはスタートアップとして重要な要素を備えている。強固なチーム、ターゲットとなる市場の深い理解、特許で保護された製品、はっきりしたビジョン、明解なGTM戦略、大きな成長可能性、厚い利益、明確なプロダクト/マーケットフィットなどがその要素として挙げられる。MiniProが、マーケット全体に相当する1年あたり60億ドルの売上をあげる可能性があることは否定できないし、もしもMiniProが水産業以外の業界にいたならば、同社のオフィスの周りに投資家が列を作っていても驚きではない。

そしてこれが、今回の私のノルウェイ出張の中での一番の気づきであった。ノルウェイのことを、シリコンバレーの視点から伝えようとしても意味がなく、かといってノルウェイのスタートアップシーンに明るい未来がないという訳でもない。しかし、それだけにノルウェイは今後ユニークな課題に向き合うことになるだろう。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter