5G対応の折り畳みスマートフォン「Motorola Razr」が約15万円で登場

昨年のMotorola Razr(モトローラ・レイザー)の復活は失敗だった。象徴的な名前が最先端のフォームファクタに付けられていたのに、何が間違っていたのだろうか?折り畳み式の世界では、計画どおりにいかないことが多い。いくつかの疑わしいデザインの選択により、評価の低いデバイスが生まれ、折り畳み式モデルの先行きの不透明感が続いている。

しかし今週、Razrが再復活を果たした。今回のモデルは洗練されている。「New Razr With 5G」のローンチを発表したブログ記事の中で、Lenovo(レノボ)が所有するブランドであるMotorola(モトローラ)は「我々は、消費者が自分のデバイスに縛られていると感じていて、その瞬間を生きながら常につながっていられる方法を望んでいることを理解している」と記している。広報担当者はTechCrunchに対して、以下のようなもう少し具体的なコメントも残した。

我々は折り畳み式のシステムに自信を持っています。Razrの最初のバージョンからほとんど同じ技術を使っています。Razrのハードウェアデザインを5G対応に進化させる一方で、消費者からの直接的なフィードバックに基づいて、機械的な分野の改良をに焦点を当てました。

つまり新しいRazrは、消費者のフィードバックが作り上げたデバイスなのだ。しかも今回は5Gに対応している。これはサムスンが先日発表したGalaxy Foldの新バージョンにも通じるものがある。業界の大方の予想どおり、折り畳み式デバイスの最初のラウンドは、一般的に第1世代のデバイスに起因する問題の多くに直面するだろう。具体的には、第1世代の評価時に問題点とされた、ヒンジ部分の改良を意味する。

前モデルでのもう1つの問題点でもあったカメラも改良されている。新モデルでは、クワッドピクセルの4800万画素のセンサーを備えており、低照度撮影が改善され、オートフォーカスが高速化されている。クワッドピクセル(Quad Pixel)とは、隣接4画素に同色のカラーフィルターを採用することで高感度と高解像度を両立する技術だ。さらに2000万画素のカメラも搭載する。

バッテリーは前モデルの2510mAhから2800mAhに増えている。同社はバッテリーは「一日中」持つと説明しているが、5G利用時に実際にどうなのかは検証する必要があるだろう。バッテリー容量を最大限に活用するとなると、薄さに対する要求が壁になったのではないかと思う。。

New Razr With 5Gは、Qualcomm(クアルコム)のSnapdragon 765Gプロセッサを搭載する。前モデルはSnapdragon 710で、新モデルも同様にミッドレンジのプロセッサーだが、今回クアルコムは次世代ワイヤレス機能である5Gを搭載して普及を加速させようとしている。

1400ドル(約15万円)という価格は前モデルより100ドル安いが、スマートフォンとしては高価であることに変わりはない。もちろん折り畳み式スクリーンにコストがかかっているのだが、コストを考えるとミドルレンジのプロセッサの採用は当然かもしれない。とはいえこの価格では、すべてが最新かつ最高のものでなければならないだろう。

新しい新しいRazrは秋に発売される。

画像クレジット:Motorola

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(翻訳:TechCrunch Japan)

モトローラが低価格スマホ2機種発表、1機種はスタイラスペン付き

レノボの子会社であるモトローラは、モバイルシーンでずっと地味に活動してきた。例外的にMoto ZやRazrのような派手な製品があるが、ほとんどは低価格の端末だ。おそらくGシリーズがその最もいい例だろう。モトローラのデバイスには華やかさはなく、スペックは1年か2年遅れだったりするが、300ドル(約3万3000円)を切る価格帯なら、それは問題にならない。

しかしモトローラはその堅実な仕事ぶりで、価格を抑えつつ魅力的な機能を盛り込んだスマートフォンを開発した。米国時間2月7日、シカゴで開催されたイベントで同社はGシリーズの新製品として250ドル(約2万7500円)のMoto G Powerと、300ドル(約3万3000円)のMoto G Stylusという2機種を発表した。

この2機種は共通点が多い。例えば2019年に発売されたMotorola One Macroと同じく、マクロレンズが搭載されている。これは他の多くのスマートフォンが採用しているマルチカメラシステムとは異なる、不思議な方向性だ。もちろん、スマートフォンのマクロレンズがどう役に立つのかは別の問題だが、モトローラはユーザーがマクロレンズを高く評価すると考えているようだ。

ユーザーは混乱し、ありがちな人物や風景を撮っていた人が花や食べ物を撮るようになるのかもしれない。

2機種ともバッテリーがパワフルで長時間駆動する点は、モトローラ製デバイスのお約束でありありがたい。Stylusのバッテリーは4000mAh、Powerはさらにそれを上回る5000mAhだ。バッテリー駆動時間はそれぞれ19時間、27時間と発表されている。どちらもプロセッサがSnapdragon 665というのは魅力に欠けるが、価格を抑えるためだろう。

結局、スマートフォンを安価に抑えるためのトレードオフだ。Snapdragon 765を5G対応にするというQualcommの決定が、低価格デバイスメーカーにとって打撃であることは間違いない。しかし、ヘッドフォンジャックが引き続き搭載されるという利点もある。

2機種の最も大きな違いは、名前に表れている。世界は(少なくともその一部は)今もスタイラスを求めているとサムスンが証明してから10年近く経つが、スタイラスは主流にはならなかった。確かに多くの企業が挑戦したが、スタイラスペンは成功しなかった。

モトローラはスタイラスとMoto Noteアプリを標準搭載にして、慎重な一歩を踏み出した(既存の製品とかなり似ているように見えるが、法的なハードルはすべてクリアしたようだ)。おそらく低価格帯ならスタイラスが受け入れられる余地はあるだろう。

さらに注目すべきもうひとつの特徴は、Motorola Oneシリーズから受け継がれているもので、賢いアクションカメラが搭載されており、スマートフォンを縦向きに持ったまま横長の動画を撮影できる点だ。これにより、片手でスマートフォンを持ってアクションシーンを撮影することも可能だ。

2機種とも、2020年の春から出荷される。

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(翻訳:Kaori Koyama)

Moto Z3はModを使って5Gに対応

モトローラのMod(機能拡張モジュール)ラインについての意見は色々出されているが、モトローラ自身は地道な努力を続けている。同社は現在、17種類のModを提供しているが、ほどなく18番目が登場する。そしてそれは最も興味深い応用例の1つとなる。

モトローラは、新しいMoto Z3ハンドセットと同時に、新しいModを発表した。これはVerizonの新しいネットワークを介して、ライン全体に5Gの接続性を提供する。価格は発表されていないが来年の早い時期に出荷が予定されているこのModは、携帯電話に次世代ネットワークを導入する際の苦労に対して、面白い回避策を提示している。

このバックドアアプローチによって、モトローラはZ3を8月16日から販売開始することができ、5G開始に向けてさらに半年の間作業を進めることが可能になるのだ。おそらくVerizonの5Gカバレッジマップは、それまでにはもう少し高密度になるだろうが、現在のところ、ヒューストン、ロサンゼルス、そして奇妙なことにサクラメントの3都市だけが対象として発表されている。まだ明かされていない4番目の都市は、今年の末までにはカバーされる準備が整う。

少なくともモトローラは、この技術を米国の顧客に導入する、(初めてではないにせよ)最初のグループの1つであることを強く訴えている。同社はまた、この技術を電話機に直接搭載することの方が、modとその内蔵バッテリを挿入するよりも、より多くのリソースを消費することになると主張している。

どれくらいの価格が適正なものかはわからないが、いずれにせよこの方式は携帯電話機のコストを下げる。新しいZ3はアンロックされた状態で480ドルである。同社はユーザーのためのお得プランに長年注力しており、これもそのやり方の一環である。高性能だが最終世代のSnapdragon 835のようなチップを利用することもそうだ。

モトローラも、多くのユーザーがこの初期の段階で5G電話機に飛び込むシナリオは想定していない。携帯電話自体は、最近発売されたMoto Z3 Playとほとんど同じように見える。6インチのディスプレイ、3000mAhのバッテリー、そしてデプスセンシングとGoogleレンズ機能が内蔵されたデュアルカメラが搭載されている。Verizonが最終的にその新しいModに電話機をバンドルするかどうかについてはまだ発表されていない。

情報開示:VerizonはOathを所有しており、OathはTechCrunchを所有している。

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(翻訳:sako)