投資利益率最高のモバイル広告はやっぱりFacebookとGoogle

マーケティングを専門とするスタートアップ、Singularのレポートによれば、ROI(投資利益率) がもっとも高いモバイル広告システムはFacebookとGoogleだという。つまりこの2つの広告サービスが広告主にとっていちばん価値が高い。

Singularは年間で100億ドル相当の広告支出を最適化しているが、そこから15億ドルの広告支出をサンプリングしてROIインデックスを求めたという。同社は広告詐欺にも留意しており、「詐欺広告を過度に含む」として15社の広告サービスをランキングから除外した。

というわけで、FacebookつづいてGoogleが1位、2位だった。レポートは「適切なマーケティング努力を払っている企業は3つ以上の広告サービスを利用しているが、ほとんどの企業が広告パートナーとしてGoogleとFacebookを含めている。 その理由は簡単だ。この2社は結果を出すからだ」と述べている。

Singular ROI Index 2019 — iOS-Android

同時にSingularは「Snapがほぼすべての項目でランキングをアップしている。今やiOSとAndroidの双方でゲームを除くモバイル広告ネットワークの第3位となっている」と述べた。またTwitterも健闘しており、ユーザーの維持、復帰促進のためのリテンション広告ではiOSの2位にランクされている。

iOSとAndroidを比較すると、Androidのほうがリストの変動が大きい。。Androidの場合、ROIリストの広告ネットワークの3分の1が初登場であり、既存の10ネットワークのうち8社もランキングが変化した。これに対してiOSの場合、73%が順位を変えているが、そのうち初登場は2社だけだった。

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滑川海彦@Facebook Google+

アドテック企業のVungle、ランレートが3億ドルに到達

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アドテック企業の場合、年間収益が1億ドルを突破したタイミングで発表を出すことが多い。しかし、アプリ内の動画広告にフォーカスするVungleは、それよりも良い数字を叩きだした。Vungleは現地時間15日、同社のランレートが3億ドルに達すると発表したのだ。

また、広告業界では毎年10月から12月が稼ぎ時と言われるが、CEOのZain jaffer氏によれば、このランレートは今月1月の収益を元に算出されたものだという ― 実際、彼の見通しでは、2017年第1四半期の収益は2016年第4四半期のそれを越えるだろうということだ。

「Vungleは、これから急速に拡大するであろうアドテクノロジー分野の一部であると考えています」とJaffer氏は話す。

特にモバイル領域の広告主はパフォーマンスを重視する姿勢が目立つと彼はいう。彼らが参考にする指標はクリック数やアプリのインストール回数だけではない ― Jeffer氏は、Vungleにとって「最も重大なシフト」はインストール後のデータにアクセスできるようになったことだと話している。つまり、Vungleでは広告の効果によって実際にアプリを開いたり、購買行動をするまでに至ったユーザーを獲得できたかどうかを把握することができるのだ。

Vungleの競合企業の1つであるAppLovinは先日、中国の非公開企業に発行済株式の大半を14億ドルで売却している。Jeffer氏によれば、この買収によって「この分野全体に値段がついたようなもの」だという。

「モバイル収益の本当の源泉は何なのか。それをアナリストがしっかりと理解すべき時代が来ました」と彼は語る。「これまでテレビ業界に投下されていたお金がモバイルに流れ込んでいるという主張をし続ける人がいますが、これは単なるフォーマットに関する問題ではありません。ビジネスモデルの問題です」 ― Vungleのような企業が「文字通りユーザーの行動を把握する」ことによって解決される問題である。

取材の中で、私はオンライン広告業界におけるFacebookとGoogleの独占的立場について触れた。彼らは今後も市場のパイを獲得し続けるのだろうか?Jaffer氏はこの質問に対して、Vungleは「考えうるすべての競合関係を想定している」とした上で、同社は「企業に高い価値をもたらすユーザー」にフォーカスしているという点で他社との差別化を図っていると答えた。

「これほどまでにフォーカスをしていれば、業界のトップになれる可能性もあるでしょう」と彼は話す。

Vungleは特にアジア・パシフィック地域で成長を遂げているようだ。この地域における収益は2015年よりも400%上昇している。モバイルアプリへの導入実績は4万件だ。また、同社は先日、モバイル広告のトレンドについてまとめたレポートを発表している。

[原文]

(翻訳: 木村 拓哉 /Website /Facebook /Twitter