突然文章が書けなくなる……、Sudowriteの強力なツールがあなたに代わって筆を走らせる

オフィスビルや工場、高層ビルが林立し、光と影が織り成す光景は、夜の街に生命の息吹を感じさせる。この都会のジャングルに生息するのが我々の卑劣なヒーロー、Amit Gupta(アミット・グプタ)だ。彼から漂うのは洗濯物とヘアジェル、そしてかすかなペパーミントの香り。シルクのスーツにはたっぷりのコロンと、革とムスクの柔らかくて暖かな香りがブレンドされている。ウールハットは明るいトーンのベージュ、ネクタイはダークトーンのピンク色だ。スタートアップ創業者である彼の肌は、生まれたての赤子のように柔らかで温かい。握手は力強く、物腰は柔らかである。深い信念を持つ彼の会社の名はSudowrite(スドウライト)だ。共同創業者の名はJames Yu(ジェイムス・ユー)。ユー氏はParse(パース)を設立し、後にFacebook(フェイスブック)に売却した人物でもある。同社は名だたるエンジェルの数々を投資家として持ち、資金調達額は3百万ドル(約3億4000万円)におよぶ。

クルマの騒音、子どもの遊ぶ声、テレビの音、ラジオの音、火災報知器の音、パトカーのサイレンの音、酔っぱらいのつぶやきなど、都会の不協和音と膨大なシンフォニーが流れる中、グプタは血も涙もないニュースを受け取った。白血病と診断されたのだ。彼の人生は完全に狂ってしまった。自分の人生を見つめ直し、自分にとって何が大切なのかを真剣に考える時が来たのだ。彼は深呼吸をしてみる。自分にはもう時間が残されていないのか、それともこれは単なる警告なのか。

Sudowriteにスタートアップとは何かを説明してもらうと、息が止まるほど笑える結果となった。実におもしろい(画像クレジット:Sudowrite)

ドローンのレンタルカメラ用の奇妙なアクセサリークリエイティブな写真マウントのアイデアで知られていた既存のスタートアップ、Photojojo(フォトジョジョ)もいまや昔のこと。会社を売却した彼は、次に何をすべきかを考えなければならなかった。会社を売却して得たお金は、薄い黒い葉のように貧弱で、悪魔の翼のようによじれている。紙のように薄く、煙のように薄く、絹のように薄く、まるで蜘蛛の巣のようだ。

ここまでの記事が奇妙に感じるのは、筆者がSudowriteというツールを使って説明文を書いたからだ。爆笑ものだが、信じられないほど強力なツールでもある。常に意味をなすとは限らないが、重要なのはそこじゃない。このツールはライターに完全に取って代わるものではなく、要約したり拡大したり、時には執筆過程で不足している創造力に火をつけるためのものなのである。この記事の最初の部分が完全に狂っていることからもわかるように、そういう意味でこのツールは非常に良く機能している。

「2014年に病気になり、人生を見つめ直すことになった時にPhotojojoを売りました。私はシリコンバレーを完全に離れて旅に出ました。自分の死ぬまでにしたいことリストにあったことはすべてやりました。しかし移植から5年が経過し、おそらく白血病で死ぬことはないだろうということになったのです」とSudowriteの創業者でCEOのグプタ氏は振り返る。「それで、じゃあこれから人生で何をしようかと考えました。しばらくはコーチングをしていました。そして、ここ数年はSF小説を書いていて、それに夢中になっていました。どん底から這い上がっていくのはとても楽しいことでしたし、私にとってはとても新しいことでした」。

SF作家としての道を歩む中で、グプタ氏はほとんどの作家が経験する問題に直面した。「ライターズブロック」である。書くという作業はここまで難しいことだっただろうか?

「Sudowrite はさまざまな問題を解決してくれると思いますが、その具体的な内容は作家ごとに異なります。私が感じるところの執筆作業における問題点の1つは、非常に孤独であるということでした。すべてが協力的なスタートアップの世界から来たためなおさらでしょうか。役に立っているのかもよくわからない週に一度の読書グループ以外には何の出口もなく、キーボードの前にただ座って行き詰まると机に頭を叩きつけ、とても孤独に感じていました。私たちが最初に考えたのは、隣に座っている創造的なパートナーのような役割を果たすものを作れないか、ということでした。行き詰まったときに彼らに向かって『これが解明できないしうまくいかない。アイデアをくれないか』と相談できる何か。それが当初の目的でした」とグプタ氏は説明する。

創業者のアミット・グプタ氏とジェイムス・ユー氏は、山頂で発見された。彼らは一般的な家猫よりも少しだけ大きく成長することで知られている。墓というよりはゴミ山のような土の中に人骨がごちゃごちゃと横たわっていて、眼窩はまっさらな空を見つめている。創設者らは下駄についた泥を払い、戦いに備えて知恵を絞る。ドラゴンの息づかいがすぐそこに迫っている(写真のキャプションはSudowriteによるもの。キャプションの正確性については確認していない)

「人間のリーディングパートナーのように、うまくアイデアを出し合える相手を作りたいと考えたのです。また、脚本家などのエンターテインメント業界の人々と話をしているうちに、特定のニーズがあることに気がつきました。例えば自分が書いた脚本があって、それの1ページ版と3ページ版を作成しなければならない場合などがあります。非常に特殊な業界の仕事ですが、AIにとってはとても簡単なことです。これはあまりクリエイティブな作業ではないため、Sudowriteのようなツールを使えば彼らがしなければならない嫌な作業を何時間も省くことができるのです。用途はたくさんあると思いますが、インスピレーションを刺激して仕事の流れを良くするのが主な目的です」。

1つの文章をSudowriteによって創造的に膨らませてみた。より細かく描写したものや、心の葛藤を表したもの、またはより簡潔に説明したもの(筆者の最も苦手とするもの)など、AIの力によってシンプルな文章からいくつものバージョンが出来上がる

グプタ氏は作家の孤独感を解消するためにSF小説のライティンググループに参加していたのだが、そこで出会ったのが共同創業者で元Parse創業者のユー氏である。2人はGPT-3をベースにしたアプリの初期バージョンをともに作りあげ、有料の顧客を獲得し始めたところで資金調達を決意した。

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「当初このプロジェクトを立ち上げるために100万ドル(約1億1300万円)程度の資金を集めようと考えていました。最終的には300万ドル(約3億4000万円)を調達しましたが、そのほとんどが個人投資家によるものでした。これは意図的なものです。ベンチャーキャピタルからのプレッシャーを感じることなく、自分たちのペースで実験したり、奇妙なことに挑戦したりするのを許容してくれる人たちが欲しかったのです」とグプタ氏は話している。

同社のエンジェル投資家リストはそうそうたる顔ぶれで、Medium(ミディアム)およびTwitter(ツイッター)の創業者であるEv Williams(エヴァン・ウィリアムズ)氏、Gumroad(ガムロード)の創業者であるSahil Lavingia(サヒール・ラヴィンギア)氏、Parse(パース)の創業者であるKevin Lacker(ケヴィン・ラッカー)氏、WordPress(ワードプレス)の創業者であるMatt Mullenweg(マット・マレンウェッグ)氏、Rotten Tomatoes(ロッテン・トマト)の創業者であるPatrick Lee(パトリック・リー)氏などが名を連ねている。また、Big Fish(ビッグフィッシュ)やAladdin(アラジン)の脚本家であるJohn August(ジョン・オーガスト)氏、Bourne Ultimatum(ボーン・アルティメイタム)やOceans Twelve(オーシャンズ12)の脚本家兼監督であるGeorge Nolfi(ジョージ・ノルフィ)氏など、エンターテインメント界の名だたるメンバーが揃っている。

現在、同社のユーザー数は300人から400人で、プラットフォームの利用料は月額約20ドル(約2300円)だ。今回の資金調達ラウンドにより、創業チームはチーム規模を少し拡張することができたようだ。

「今回の資金調達で実現したことは、何といっても人材の確保です。当社にとって初となる機械学習担当者、開発者、リードデザイナーを採用しました。この3つのポジションを確保することができましたが、しばらくはこの規模を維持するつもりです。当社のユーザーは皆、口コミで集まってきた人たちで、幅広いジャンルの方がいます。小説や脚本を書いている人もいれば、Substack(サブスタック)のニュースレターを作っている人もいます。また、職業として文章を書いているユーザーもいます。変わった使用例もあります。Sudowriteを使って説教を作る宗教指導者や、瞑想のための文書を書く人、また、ロールプレイングゲームを作るユーザーもいます。非常に幅広い層に支持されています」。

Sudowriteは、これまでクローズドベータ版を提供していたが、これからは自身でベータ版に登録して試すことが可能だ。

以下に、グプタ氏が記録したデモビデオを添付しておく。数カ月前のものだが、このツールがどう機能するのかをより詳しくおわかりいたけると思う。

画像クレジット:Sudowrite

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(文:Haje Jan Kamps、翻訳:Dragonfly)

要点をもとにAIが流れるようなEメール用文章を生成、受信トレイをゼロにするライティング生産性向上ツール「Flowrite」

TechCrunchがFlowrite(フローライト)に「強化されたGrammarly」ではないかと尋ねると、共同創業者でCEOのAaro Isosaari(アーロ・イソサーリ)氏は笑いながら、2020年夏の終わりから構築しているAIライティング生産性向上ツールに対しいつもそのようなコメントが返ってくると答えた。

このAIを搭載した相棒がいれば、電子メール作成のスピードアップによる「受信トレイゼロ」を目指すことも容易になりそうだ。少なくとも、毎日のように定型的なメールを大量に送信しているような人にとってはそうだろう。

Flowriteは具体的に何をするのか?Flowriteは、いくつかの指示(これを入力しなければなならない)を、本格的で読みやすい電子メールに変える。つまり、Grammarlyが文法や構文、スタイルなどの調整を提案して(既存の)文章を改善するのに役立つのに対し、Flowriteは電子メールやその他の専門的なメッセージングタイプの通信である限り、そもそも文章を書くのに役立つ。

電子メールは、FlowriteのAIモデルが訓練されたところだ、とイソサーリ氏はいう。そして、メール作成にどれだけの時間を費やす必要があるかという不満が、このスタートアップのインスピレーションとなった。そのため、GPT-3が使用されているコピーライティングなど、AIが生成する言葉の幅広い使用例ではなく、プロフェッショナルなコミュニケーションに焦点を当てている。

「以前の仕事では、電子メールやその他のメッセージングプラットフォームでさまざまな関係者とのコミュニケーションに毎日数時間を費やしていたので、これが自分の抱える問題であることはわかっていました。これは共同設立者である私たちだけの問題ではなく、何百万人もの人々が日々の仕事でより効果的かつ効率的なコミュニケーションをとることで恩恵を受けることができるのです」。

Flowriteの仕組みは次の通りだ。ユーザーが言いたいことの要点を箇条書きにした基本的な指示を出す。すると、AIを搭載したツールが残りの作業を行い、必要な情報を流れるように伝える完全な電子メールのテキストを生成してくれる。

丁寧な挨拶や署名を記入したり、求められているトーンや印象を伝えるための適切な表現を考えたりといった、文字数の多い作業は自動化されている。

電子メールテンプレート(電子メール生産性向上のための既存技術)と比較すると、AIを搭載したツールは文脈に適応し「固定されていない」ことが利点だとイソサーリ氏はいう。

当然のことだが、重要なポイントとして、ユーザーは送信する前にAIが提案した文章を確認し、編集や微調整を行うことができるので、人間はしっかりとエージェントとしてループに参加したままだ。

イソサーリ氏はセールスの電子メールを例に挙げる。この場合「すばらしい・電話で詳しい話をしよう・来週月曜日の午後」と指示を入力するだけで、必要な詳細情報に加えて「すべての挨拶」や「追加の形式」を含むFlowriteが生成したメールが送られてくる。

補足:FlowriteのTechCrunchへの最初の売り込みは電子メールによるものだったが、そのツールの使用は明らかに含まれていなかった。少なくとも、その電子メールには「この電子メールはFlowrittenされました」という開示はなかったが、後にイソサーリ氏から送られてきた(依頼されたPRを送るための)メールにはあった。これはおそらく、(AIを使って)スピードライティングしたい電子メールと、人間の頭脳をもっと使って作成したい(少なくとも自分で書いたように見せたい)電子メールの種類を示しているのではないだろうか。

イソサーリ氏はTechCrunchに次のように話した。「私たちは、あらゆる種類のプロフェッショナルが、日々のワークフローの一環として、より速く文章を書き、コミュニケーションを図ることができるよう、AIを搭載したライティングツールを構築しました。何百万人もの人々が、内外のさまざまな関係者との仕事上の電子メールやメッセージに毎日何時間も費やしていることを知っています。Flowriteは、人々がそれをより速く行えるようにサポートします」。

また、このAIツールは、失読症や英語が母国語ではないなどの特定の理由で文章を書くことが困難な人にとっても大きな助けとなる可能性があると、同氏はいう。

Flowriteは英語の電子メールしか作成できないという明らかな制約がある。GPT-3は他の言語のモデルを持っているが、イソサーリ氏は、そうした英語以外の言語の「人間らしい」反応の質は、英語の場合ほど良くないかもしれないと示唆し、よってFlowriteは当面の間、英語にフォーカスすると話す。

GPT-3の言語モデルを中核のAIテックとして使用しているが、最近では、自社で蓄積したデータを使って「微調整」を始めていて、イソサーリ氏は「すでに私たちは、GPT-3の上にラッパーを作るのではなく、さまざまなものを構築しています」と説明する。

また、この電子メール生産性向上ツールでは、AIがユーザーの文体に適応することを約束している。これにより、メールが速くなったからといって、無愛想なメールになることはない(「大丈夫?」と尋ねる新鮮な電子メールにつながるかもしれない)

この技術は、電子メールの履歴をすべてマイニングしているわけではなく、電子メールのスレッドの中で(ある場合は)直前の文脈だけを見ているとイソサーリ氏は話す。

Flowriteは、GPT-3の技術を利用しているため、現在はクラウド処理に依存しているが、今後はデバイス上での処理に移行したいと考えているという。当然ながら機密保持の問題にも対応できるはずだ。

今のところ、このツールはブラウザベースで、ウェブメールと統合されている。現在はChromeとGmailにしか対応していないが、今後はSlackなどのメッセージングプラットフォームにも対応していく予定だ(ただし、少なくとも当初はウェブアプリ版のみ)。

このツールはまだクローズドベータ版で、Flowriteは440万ドル(約5億円)のシード資金調達を発表したばかりだ。

同ラウンドはProject Aが主導し、Moonfire Venturesとエンジェル投資家のIlkka Paananen(イルッカ・パーナネン)氏(Supercellの共同創業者でCEO)、Sven Ahrens(スヴェン・アーレン)氏(Spotifyのグローバル・グロース・ディレクター)、Johannes Schildt(ヨハンズ・シルト)氏(Kryの共同創業者でCEO)が参加した。また、既投資家であるLifeline VenturesとSeedcampも今回のラウンドに参加した。

Flowriteは、どのようなタイプの電子メールや専門家に適しているのだろうか?コンテンツ面では「一般的に、返信する際に何らかの既存の文脈がある場合の返信」だとイソサーリ氏はいう。

「Flowriteは状況をよく理解し、自然な形でそれに対応することができます」と同氏は話す。「また、売り込みや提案のようなアウトリーチにも適しています。Flowriteがうまくいかないのは、非常に複雑なものを書きたい場合です。というのも、そのためには指示にすべての情報が必要だからです。そして、最終的な電子メールに近いかもしれない指示を書くのに多くの時間を費やす必要があるとしたら、その時点でFlowriteが提供できる価値はあまりありません」。

また「本当に短い電子メール」を送る場合には、明らかに実用的ではない。なぜなら、2、3の単語で答えるだけなら、自分で入力した方が早いからだ。

どのような人がFlowriteを使うのかという点では、ベータ版を利用しようとする幅広い層のアーリーアダプターがいるとイソサーリ氏はいう。しかし、同氏は主なユーザー像を「日常的に多くのコミュニケーションをとるエグゼクティブ、マネージャー、起業家」、つまり「自分自身について良い印象を与え、非常に思慮深いコミュニケーションをとる必要がある人」と表現している。

ビジネスモデルの面では、Flowriteはまずプロシューマー / 個人ユーザーに焦点を当てているが、イソサーリ氏によると、そこから拡大していく可能性があり、まずはチームをサポートすることになるかもしれない。また、将来的には企業向けに何らかのSaaSを提供することも想定している。

現在、ベータ版では料金を徴収していないが、来年初めには課金する予定だ。

「ベータ版が終了したら、収益化を開始します」と同氏は付け加え、2022年半ばにはベータ版からの完全なリリース(つまり、待機者がいなくなる)が可能であることを示唆している。

イソサーリ氏によれば、今回の資金調達は、主にエンジニアリング面でのチーム強化に充てられる。初期段階での主な目標は、AIと基幹プロダクトを中心としたツールアップだ。

また、機能の拡充も優先事項の1つだ。ここには、さまざまな電子メールクライアントとの併用など、ブラウザ間でツールを使用する「水平方向の方法」を追加することが含まれる。

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(文:Natasha Lomas、翻訳:Nariko Mizoguchi

AIを使ってより優れた文章を書く、Grammarlyが約1.4兆円の評価額で約228億円調達

文章の自動編集ツールとして人気のGrammarly(グラマリー)は、Baillie Gifford(バイリー・ギフォード)やBlackRock(ブラックロック)が運用するファンドアカウントなどの新規投資家から、評価額130億ドル(約1兆4800億円)で2億ドル(約228億円)の資金を調達した。同社は今回の投資を、製品のイノベーションとチームの成長を加速させるために使用する予定だ。

「今回の資金調達は、私たちのビジネスの強さを証明するものだと考えています」と、Grammarlyの製品担当グローバル代表であるRahul Roy-Chaudhury(ラフル・ロイ=チョードリー)氏は、TechCrunchのインタビューに答えている。「当社は設立当初からキャッシュフローが黒字でした。今回のラウンドは、コミュニケーションの改善を通じて生活を向上させるという当社のミッションの強さを証明するものでもあります。今回の資金調達は、製品のイノベーションと製品のスケーリングという観点から行われました」。

ラフル・ロイ=チョードリー氏によると、Grammarlyは今回の資金調達を利用して、AI技術への投資を継続する予定だ。自然言語処理と機械学習の技術を進化させて、ユーザーにパーソナライズされたコミュニケーションのフィードバックも提供していく。また、同氏は、Grammarlyがユーザーの信頼を獲得し、強化するための追加投資を行う予定であるとも述べている。

「今後のことを考えると、私は多くの可能性を感じています。なぜなら、最終的にはいつもコミュニケーションの改善という私たちのミッションに立ち返ることになるからです。遠隔地にいる世界中のチームが協力して仕事をするようになり、仕事の進め方が大きく変わりました。私たちは、このような変化の中で、人々がより効果的にコミュニケーションを図れるよう支援することが大きなチャンスだと考えています。今回の新たな資金調達は、そのための取り組みを加速させるためのものです」と述べている。

サービスの将来像について、ロイ=チョードリー氏は、Grammarlyは単に簡潔さ、一貫性、正確さを重視するだけのものではなくなると述べている。今後は、改善提案の対象となるカテゴリーを増やすとともに、ユビキタス化を進めていく予定だ。

今週初めには、Grammarly for MacとWindowsがリリースされ、Grammarlyはすでに製品の規模を拡大し、ユビキタス化の目標を達成している。この新しいデスクトップアプリケーションは、Microsoft Office、Slack、Discord、Jiraなどのアプリで使用することができる。ロイ=チョードリー氏によると、この新しいデスクトップアプリケーションは、ブラウザの拡張機能に関連する技術的な障壁を取り除くことができるようになったため、ユーザーがどこで文字を入力しようとも常にいつでも使えるライティングツールになることを目指しているとのことだ。

画像クレジット:Grammarly

「Mac版とWindows版のGrammarlyによって、私たちはすべてを結びつけ、ユーザーのコミュニケーションフロー全体をサポートすることができます。これにより、私たちはみなさんのコミュニケーションのあらゆる場所に存在し、求めている成果をより効果的に達成する手助けをすることができます」とロイ=チョードリー氏は述べている。

また、Grammarlyは先日、プログラマーがあらゆるウェブアプリケーションにGrammarlyのテキスト編集機能を組み込むことを可能にするテキストエディターSDK(ソフトウェア開発キット)を展開し「Grammarly for Developers」を発表した。このSDKのベータ版のリリースにより、開発者は数行のコードでGrammarlyの自動編集機能のフルパワーを利用できるようになった。対象となるアプリケーションのユーザーは、Grammarlyの顧客である必要はないが、もし顧客であった場合は、Grammarlyのアカウントにログインして、それに付随するすべての機能にアクセスすることができる。

今回の資金調達は、Grammarlyが2019年10月に行った前回の資金調達に続くもので、10億ドル(約1141億円)を超える評価額で9000万ドル(約102億円)を調達した。今回のラウンドは、2017年5月に1億1000万ドル(約125億円)で行われた同社の唯一のラウンドのリードにも貢献していたGeneral Catalyst(ジェネラル・カタリスト)がリードし、前回の投資家であるIVPやその他の無名の支援者が参加した。

現在、Grammarlyは、メールクライアント、企業向けソフトウェア、ワープロなど、50万以上のアプリケーションやウェブサイトで動作している。同社は、より多くの人々がより多くのオンラインプラットフォームでつながるようになった今、個人やビジネスの目標を達成するためには、コミュニケーションを正しく取ることが重要であり、それがユーザーの目標達成を支援することにつながるとしている。

Baillie Gifford(バイリー・ギフォード)の民間企業部門の責任者であるPeter Singlehurst(ピーター・シングルハースト)氏は、声明の中で「世界がデジタル化したことで、人々はこれまで以上にコミュニケーションをとるようになりました。Grammarlyは、この問題を解決することに焦点を当てた、世界でも数少ないビジネスの1つです。私たちが惹かれたのは、会社のビジョンと、より多くの環境でより多くの人がより良いコミュニケーションをとれるように製品を推進するチームの能力です。また、Grammarlyの長期的かつ野心的なアプローチは、我々の投資に対するアプローチと一致しています」と述べている。

Grammarlyはフリーミアムモデルで運営されており、有料会員になると、文法やスペルチェックだけでなく、言葉の選択、文章のリライト、トーンの調整、流暢さ、フォーマル度、盗作の検出など、より多くのツールを利用できるようになる。有料会員の価格は月額12ドル(約1370円)、20ドル(約2280円)、30ドル(約3420円)だ。

画像クレジット:Grammarly

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(文:Aisha Malik、翻訳:Akihito Mizukoshi)

AIコピーライティングツールのCopy.aiが2021年2回目の資金調達を完了

Twitter(ツイッター)でCopy.ai(コピーエーアイ)を発表してから1周年を迎えた同社が、再び資金調達ラウンドを確保した。Copy.aiは、GPT-3 AIを搭載し、ビジネス顧客向けにコピーライティングツールを生成するプラットフォームだ。

同社は1100万ドル(約12億5000万円)のシリーズAラウンドを引き寄せた。Wing Venture Capitalがリードし、既存投資家からCraft VenturesとSequoia、新規投資家としてTiger GlobalやElad Gilなどが参加した。3月に発表した290万ドル(約3億3000万円)のシードに続くラウンドとなった。資金調達総額は1390万ドル(約15億8000万円)に達した。

Copy.aiのソフトウェアは月額35ドル(約4000円)かかる。例えば、数行の文章をもとにブログ記事のアウトラインを用意したり、Facebook広告用のリンク説明文を作成したり、さらには会社のモットーを作り出すこともできる。

CEOのPaul Yacoubian(ポール・ヤコビアン)氏とChris Lu(クリス・ルー)氏が共同で創業してから1年、まだ利益は出ていないが、年間経常収益はゼロから240万ドル(約2億7000万円)に増えた。また、従業員も3人から13人になったと、ヤコビアン氏はTechCrunchに語った。

2021年初めに資金を調達したものの、ヤコビアン氏とルー氏はシリーズAの時期がきたと感じていた。チームを拡大し、新しい製品機能実現に向けエンジニアを増員するためだ。最近の機能としては、ユーザーがアプリ内で直接、考えを整理したり、アイデアを保存したり、メモを編集したりすることができる「Editor」がある。Copy.aiは、長編コンテンツ制作のための製品も開発している。

「AIはパターンマッチングに長けており、ビジネスに関する情報を多く与えると、そのビジネスが何なのかを推定することができます。そのため、私たちはチーム製品も開発しています。AIがより多くを学習すると、他のビジネスユーザーを招待して登録することができます」とヤコビアン氏は付け加えた。

同社は、新たな資本を採用に投入する。完全なリモートチームで、全国に従業員がいる。eBay、Nestlé、Ogilvyなど、すでに30万人以上のマーケターがCopy.aiのツールを利用している。シードラウンド以降、25万人以上が無料トライアルに登録し、5000人以上のプレミアム顧客を抱える。

ヤコビアン氏によると、Copy.aiはAIによる自然言語生成に早くから取り組んでいる。まだ表面的なものにすぎないため、今後もアプリのコアとなる体験や生成するテキストの質を向上させていくとのことだ。

創業者らは、Wing Venture CapitalのパートナーであるZach DeWitt(ザック・デウィット)氏とも意気投合した。ヤコビアン氏によると、デウィット氏は、Copy.aiのビジョンと人工知能がどれほどマーケターの役に立つかを理解しているという。

「AIのクリエイティブな能力を前にして、自動化が仕事を奪うという話はよく聞きますが、自分や自分の会社のために価値を生み出すという語り口はあまり聞きません」とヤコビアン氏は話す。「AIが進化すれば、エンパワーメントの源となり、無限の可能性を秘めたもう1つのツールとなるでしょう。人的資本を解放し、フルタイムの代理店を雇う余裕のない小規模な企業に対し、迅速でシンプルな問題解決ツールを提供できる点が興味深いと思います」。

デウィット氏は、デジタル化の進展とともに、顧客はオンラインへ移行する一方であり、企業はニュースレター、ブログ、ソーシャルメディア、電子メールなど、顧客が読むものに合わせて対応する必要があると述べた。

同氏は、Copy.aiを利用する中小企業の顧客と話をする中で、書かれたコンテンツの量に圧倒されている人がいること、また、マーケターや創業者が優れたコピーを書けるようにするには、AIを利用するのが最適であることを感じたという。

デウィット氏自身、この製品を使って、最初の社内向けのメールを作成した。また、毎週ブログを書き、Twitterでも活動しているため、ブログ記事のアイデアやコンテンツのフォーマットを考える際にCopy.aiの製品を重宝しているという。

さらにデウィット氏は、Wing Venture Capitalが出会った若い会社の中でも、Copy.aiは最も急速に成長している会社の1つだと付け加えた。また、ソーシャルメディアを活用し、Copy.aiの諸数値を公開している。それがロイヤリティを生むとともに、当初Wingがこの会社に惹かれた側面を他の人も公に知ることができる。

「今回のラウンドは大幅な申し込み超過でした。会社への関心の高さ、チームの質の高さ、勢いの強さを感じていただけると思います」とデウィット氏は付け加えた。「クリスとポールには、将来の成功のために投資家を選ぶ贅沢がありました」。

画像クレジット:Copy.ai

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(文:Christine Hall、翻訳:Nariko Mizoguchi

学生に文章の書き方を教えるプラットフォームNoRedInkがシリーズBで約55億円を調達

「良い文章を書けるようになるためには、自分が書いた文章を声に出して読みなさい」。

これは筆者が最初に聞いた、最高のライティングのコツの1つだ。皮肉なアドバイスだといつも思う。文章を上達させるために、文章を音声にする必要があるというのだから。しかし書いたものを声に出して読むと、誤字や考えの不足が見つかり、さらに文章の構造の中にあるおさまりの悪いフレーズやおかしなリズムといった微妙なことにも気づく。何年経ってもこれは真実だ。そして特に、自分の文章を音読している間に飽きるとしたら、おそらく読者も飽きるだろう。

文章を書くのが大好きな人にとっても、文章を書くことはあいまいなルールの上に成り立つ大いに人間的なアートだ。複雑な問題なので必ずしもテクノロジーによる解決策が求められるわけではないが、サンフランシスコを拠点とするスタートアップのNoRedInkは10年近くにわたって、ライティングを上達させたい学生をソフトウェアで支援している。

米国時間8月24日、NoRedInkはアダプティブラーニングと言葉ゲームのMad Libsのような手法を組み合わせたデジタルライティングカリキュラムが5000万ドル(約55億円)のシリーズBにつながったと発表した。このラウンドはSusquehanna Growth Equityが主導し、True Venturesが参加した。他にGSV、Rethink Education、Kapor Capitalなども投資している。

今回のシリーズBは、シリーズAからおよそ6年経っている。これはNoRedInkが数カ月、数年かけてしっかり成長したいと考えていることの現れだ。しかし同社には解決しなくてはならない最大の問題がある。利用者が増えれば、シンプルにしたいことが複雑になっていくのだ。

創業者でCEOのJeff Scheur(ジェフ・シュア)氏は、シカゴで英語教員だった2012年にNoRedInkを創業した。このサイトでは、提出物に「赤字(red ink)で書き入れる」以上のものを子どもたちが学べるようにしている。これは、教員が子どもたちの宿題によく赤ペンで誤りの指摘やアドバイスを書き入れることに由来する。

シュア氏は「子どもたちは、提出物のフィードバックを見てもどうすればいいのかわかりません。成績は見ますが、その後は捨ててしまいがちです。そこで私は、子どもたちに知って欲しいと思っているが明確には教えていない、習得が極めて難しいスキルを(子どもたちが)使えるようにするにはどうすればいいかを解決するためにツールの開発を始めました」と述べた。

創業以来、NoRedInkはレポートの構成、論点の無駄を省くこと、正しい引用の仕方まで、さまざまなライティングスキルを学生が身につけるための支援を目指している。

画像クレジット:NoRedInk

シュア氏は「ライティングを教える上で大きな課題の1つは、表現の芸術性を損ねることなく優れた書き手になるプロセスを明らかにすることです。そのために子どもたち1人ひとりに合わせた演習を多数提供し、書き方は1つではないことを認識してもらえるようにします」と説明する。

そう考えると、NoRedInkがアダプティブラーニングを採用しているのは納得がいく。アダプティブラーニングとはアルゴリズムを使って学習者の強みや好みといった情報を取得し、それに合うアウトプットを作成する教育法だ。学生に好きなキャラクターやロールモデルを尋ねたら、NoRedInkは1人ひとりの関心に応じたライティングの演習を作成し、軽くサポートしながら文章を書くプロセスをガイドする。

画像クレジット:NoRedInk

シュア氏はNoRedInkのゴールの1つを「習得が難しいスキルを、何段もの足場を付けて分割すること」と表現する。

これまでにNoRedInkの演習エンジンで100億種類以上の演習が学習された。この数字は同社が従来のカリキュラムの問題点やでうまくいかないこと、見過ごされている問題を学区に対して明らかにするために示しているものだ。

NoRedInkには教員が試用するための無料の機能制限版があるが、制限のないプレミアムバージョンも提供している。プレミアムバージョンは学習管理システムや他の教室と統合され、学校や学区が進捗を見ることができる。

ビジネスの拡大に伴い、NoRedInkは市場シェアを増やすために構想をさらに掘り下げる必要があるかもしれない。AIベースの文法・ライティングのユニコーンであるGrammarlyがやっているのと同じように文章のトーンもアドバイスするようになるのだろうか? 今のところ、そうではないようだ。

シュア氏は「Grammarlyは優れたコンシューマアプリで、Microsoft Wordが何年も前にやっていた文法チェックの現代版です。NoRedInkはまったく違います。学校や学区がスキルを教えるために使うものです」と述べた。

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画像クレジット:Malte Mueller / Getty Images

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(文:Natasha Mascarenhas、翻訳:Kaori Koyama)