Crosleyは、Urban OutfittersやTargetなどで売ってる、中級品のレコードプレーヤーを作っている企業だが、レコードの次にねらったレトロ路線は当然ながらカセットだ。ニ機種とも1985年ごろの最新機能がすべてあり、現代的な便利機能もいくつかある。
まず何よりも明らかなのは、確実に滑稽な製品であることだ。それに、今でも大型ラジカセを買おうと思ったら買える、30ドルぐらいで。でもぼくがネットで見たかぎり、どれもかなり醜い。ビンテージもあるが状態が良くないし、腐食やモーターの故障など修理不可能な問題も抱えている。
しかし、信じない人もいるかもしれないが、テープは今なお立派に現用されている。カセットデッキを自作したり、それを使って録音をしている人たちは、それが楽しくてレトロで、そしてアナログだから好きなのだ。実はぼくも昨年、あちこちの展示会で数台買った。
だから、外見の良い、ポータブルな、ラジオ付きカセットプレーヤーなら、市場は確実にある。
Crosleyの製品は、相当、単純明快だ。製品はニ機種あって、大きなスピーカーが一つある(ステレオではない)。デッキは単方向なので、テープを裏返す必要がある。AM/FMのラジオとマイクもある。60ドルのCT100(カット写真)は、短波も受信できる。そしてSDカードやUSBメモリーからも音楽を再生できる。70ドルのCT200(上図)は、高音と低音を上げ下げできるし、録音やポッドキャスト用にVUメーターもある。
ぼくが買うなら、CT100だろう。SD/USBにダウンロードした曲でミックステープを作れる。曲と曲の間に短いしゃべりを入れてDJを気取ったら、それはまるで1994年のぼくだ。それに、短波ラジオも、何かに使えるかもしれない。
かなりアホらしい製品だけど、今生きてる世界も十分にアホらしい。アホらしいだけでなく、恐ろしい。カセットの復活は、癒しになるかもしれない。レイバンの格子柄スカーフのにせものを売ってるような店なら、きっとこのカセットプレーヤーも売るだろう。