Walmartが全米の何百もの店舗で、その場精算を行う’Check Out With Me’を開始

この木曜日にWalmertは、顧客が売り場で、モバイルデバイスを携帯した店員に対して直接精算することができる、新しいテクノロジーのテストを始めたことを発表した。これらのデバイスは、米国内の350以上のWalmartの店舗で、まずはこのようなモバイルチェックアウト体験が最も必要とされる”Lawn&Garden Centers”(芝生と園芸センター)で使われ始める。

これまでは、腐葉土やプランター用の土、もしくは花のような商品を買おうとする顧客は、その商品の支払いをするために、物理的店舗の中に入って行かなければならなかった。これは買おうとしている商品のサイズや重さを考えると、しばしば苦労させられることが多かった。それが今、顧客は店員の助けを借りて、現場で支払いをすることができるようになるのだ。

ウォルマートが’Check Out With Me’(私のところで精算して下さい)と呼んでいるこの新しいサービスでは、Bluetoothレシートプリンタが組み込まれた小型の装置を身につけた店員が配備されている。またこれとは別に、買い物を取り扱うための、バーコードスキャナーならびにクレジットカード読取機も携行している。

スタッフは棚に載せられたままの大きなアイテム(たとえば腐葉土の袋とか)のスキャンを行う、このため顧客は、重いカートに品物を載せて店の中に押して行き、Lawn & Garden Centerの固定レジの1つに並ぶ必要が無くなる。ただ近くに停めた車に運べば良いだけだ。

このサービスは、Lawn & Garden Centerの外でも開催されるセールス時にもWalmartの助けになる。

「夏の間には、私たちは腐葉土や、植物、そして鉢植え用の土など沢山のアイテムを店の外で販売します。Home DepotやLowe’sがやっているものと似たものです」と広報担当者は話す。「この新しいオプションは、店内で支払いをしてからアイテムを積み込むために外に出て行く代わりに、その場でアイテムの支払いを済ませることができます」。

WalmartはCheck Out With Meのために新たなスタッフを雇うのではなく、既に雇用している従業員を使ってサービスを提供する予定だ。

Walmartが支払いスピードを上げるためにモバイル技術を使用したのは、今回が初めてのことではない。同社はまた店内での支払い向けにWalmart Payを提供している。これは顧客自身の電話でバーコードを読み取り、レジで支払うというものだ。そして同社のSam’s Club(会員制スーパー)では、顧客が買い物をしながらアイテムのスキャンを行うことで、レジに並ぶことを避けることができるScan&Goを提供している。なお買い物の内容は、出口を出る際に電子レシートとして表示される。

支払い速度を上げるためのこうしたアップグレードは、Amazonが仕掛けてくる競争を考えると、小売業にとっては特に重要である。Amazonは今やWhole Foods、実際の書店、そして新しいAmazon Go店舗で、その物理的な存在感を増している。

特に最後のものでは、顧客は支払い手続をする必要は全くない。カメラ、AIシステム、センサー技術の助けを借りることで、顧客は単に棚の商品を取ったり戻したりすれば良いだけだ。ここでの目的は、消費者に対して商品をより素早く購入する手段を提供することであるが、一方日々の買い物をAmazonのアカウントに紐つけることで、買い物客の購買習慣に対するより包括的な視点を得ようとしているのだ。他の企業、例えばAiFiIMAGR、そしてStandard Cognitionなどが、似たようなシステムを他の小売業者に提供している。そしてWalmartも、支払い手続不要のテクノロジーをテストしていると噂されている。

ともあれCheck Out With Meは、今日(米国時間4月19日)から、350以上の米国の店舗で利用することができる。これは米国内に4700店舗あるWalmartの小さなサブセットだが、同社は当分の間はこれを「テスト」だと考えている。

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(翻訳:sako)

Android PayはGoogle Payに生まれ変わる――利用も開発も非常にシンプル

先月TechCrunchが報じたとおり、Googleは各種の支払ツールをGoogle Payという単一のブランドに統合した。しかしAndroidでは、アプリとしてAndroid Payが残っていた。

この状態は今日(米国時間2/20)から変わる。GoogleはGoogle Pay for Androidを発表した。これによりAndroid PayはGoogle Payにアップデートされた。旧Android Payになかった機能も追加されており、Googleでは新しいGoogle Payが現実店舗でもインターネットでも広く利用されることを期待している。

これに加えてGoogle はGoogle ウォレット・アプリに支払いの請求、受け取りができる新しい機能を加え、Google Pay Sendと名付けた。ただしアメリカとイギリスのユーザーは近くGoogle Payアプリそのもので請求、支払いができるようになる。新しいユーザーはGoogle Payアプリを今日からダウンロードできる。既存のAndroid Payユーザーは数日中にアップデートを受け取ることになる。

一見したところ新しいGoogle PayアプリはAndroid Pay のデザインを変更しただけに見える。新しいデザインは従来に比べてGoogleのマテリアルデザインのガイドラインに近いものとなっている。 機能についてはさほど新しいものは見当たらない。ただし新しい機能で特に目立つ点は、ユーザーが所在する付近のGoogle Payで支払いができる店舗がホームスクリーンに表示されるようになったことだ。店舗のリストはユーザー別にカスタマイズされる。ユーザーの所在地の周辺で過去にGoogle Payで支払をした店舗が優先表示される。またホームスクリーンで最近の支払の一覧を見ることができる。またアプリに店舗の顧客カードを追加する機能もある。


Googleの支払管理プロダクト担当副社長、Pali Bhatは私のインタビューに対して、「われわれのチームはオンラインであれ現実店舗であれ、Google Payを使いやすいアプリにすることを目標とした。ユーザーが使い方に迷うなどのフリクションを最小限にすることに全力を挙げた」と述べた。つまり、Googleが提携している銀行、アメリカならBank of America、ポーランドならMbankなどのスマートフォン・アプリ中からGoogle Payをすぐにセットアップできる。いちいち別アプリとしてインストールしなくとも、オンラインでも店舗でもGoogle Payを使って支払いができる、という。

同様にサードパーティーのスマートフォン・アプリやウェブサイトがGoogle Payを利用したいと考えた場合、デベロッパーはアクセスしてきたユーザーがGoogle Payを利用可能であるかGoogle APIを通じて簡単にチェックすることができる(Google Payを通じて決済する場合でもデベロッパーはStripe やBraintreeといった既存支払プラットームを経由する)。

Bhatによれば「われわれは支払処理そのものを実行するわけではないので、デベロッパーがGoogle Payを利用するためのAPIはこの上なくシンプルなものになっている。Google Payはセキュリティーを十分に確保した上で認証情報その他必要な情報を実際に支払処理を行うプラットームに取り次ぐ。 DoorDash、Airbnb、Hotel Tonightその他の有力サービスがすでにGoogle Payの利用を開始している」ということだ。

画像: Bryce Durbin/TechCrunch

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Yコンビネータからローンチ、Airfordableは航空券の「取り置き」販売サービス

Woman Looking Through Window While Traveling In Airplane

空の旅にはお金がかかる。

そこでYコンビネータのサマー2016バッチからローンチするのがAirfordableだ。航空券を予約し、代金は「取り置き方式」で出発日までに完済すれば良いというサービスを提供開始した。

その仕組みはこうだ。

旅行者はオンラインで(自分の好きな予約サイトを使って)希望する航空券を見つけ、そのスクリーンショットと航空券の詳細をアップロードする。

アップロードした情報が承認されると、Airfordableが最長3か月の支払いプランを算出してくれる。このプランは頭金の支払い後、出発日までに完済するように組まれ、支払いが完済すると同スタートアップから予約承認済みのeチケットが届くという流れだ。

問題は、利便性と引き換えに手数料がかなり高額になる点だ。Airfordableは需要、旅行日、航空券の料金に応じて10~20%の手数料をチャージする。仮に返済期間3か月、手数料20%の場合では、年率換算で80%という信じられないような高利率になってしまう。

しかし、この手数料を「利率」としてとらえるのは厳密な意味で正確さを欠いているかも知れない。Airfordableのようなサービスは「旅行に行けなかった人が旅行に行けるようになる」という金銭には換えがたい対価となり得るからだ。Airfordableの共同設立者Ama Marfoは、この感情的な部分について何度も触れ、「Airfordableの手数料は、その価値が分からない人々にとっては高いでしょう」と述べている。

この手数料の見返りとして、同社では購入者のクレジットスコア(訳注:米国でローン承認の際などに参照される、個人の信用情報)を確認しない。つまり、クレジットスコアが低い、または全くない場合でも、取り置き購入プランを利用できる可能性が開かれているのだ。

これまでのところサービスの利用者は約1万人で、返済率は95%という。この高返済率の背景には、Affirmのようなクレジットカードやローンサービスとは異なり、出発前に代金を完済する必要が挙げられるだろう。この方式の良い点は、購入者が旅行から戻った後で支払いに立ち往生しなくても良い点だ。

購入者が出発までに完済しなかった場合、航空券はキャンセルされる。しかし頭金を除いた支払い済みの代金は、次回以降の購入時にクレジットとして適用される。

Airfordableでは今後、バケーションパッケージやホテルの取り置き方式販売も展開したいと考えている。また、ユーザーが自分で旅程のスクリーンショットをアップロードしなくて済むよう、旅行商品の検索用プラットフォームも独自に構築中だ。

現状、すべての航空券は同社の運営資金で購入しているため、取り置き方式での販売を支援してくれる金融機関を探しているという。

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(翻訳:Ayako Teranishi)