東工大と三菱電機が需要家の取引ニーズに応じP2P電力取引を最適化するブロックチェーン技術開発

東工大と三菱電機が需要家の取引ニーズに応じP2P電力取引を最適化するブロックチェーン技術開発

暗号資産(仮想通貨)・ブロックチェーン技術に関連する国内外のニュースから、過去1週間分について重要かつこれはという話題をピックアップしていく。今回は2021年1月17日~1月23日の情報から。

東京工業大学三菱電機は1月18日、P2P電力取引を最適化する独自のブロックチェーン技術を開発したと発表した。4月から、同ブロックチェーン技術を用いたP2P電力取引システムの性能評価と探索処理の改良を行い、早期実用化を目指すとした。

売り注文と買い注文の最適な組み合わせを探索する、計算量の少ないブロックチェーン技術開発により、需要家(電力の売り手)の取引端末など小型計算機でもP2P電力取引が可能。また、余剰電力を最大限に活用したい場合は需要家の剰余電力を最大化、需要家の利益を優先させたい場合は需要家全体の利益を最大化するなど売買注文の最適な組み合わせを探索することで、様々な取引ニーズに柔軟に対応可能な取引環境を実現するという。

同P2P電力取引は、三菱電機がP2P電力取引システムの設計と約定機能の設計を担当。東京工業大学がブロックチェーン技術の研究開発、最適約定アルゴリズムの設計を担当している(東京工業大学 科学技術創成研究院 先進エネルギーソリューション研究センターの小田拓也特任教授、情報理工学院 数理・計算科学系の田中圭介教授、同学院 情報工学系のデファゴ・クサヴィエ教授、環境・社会理工学院 イノベーション科学系の梶川裕矢教授らの研究グループ)。

2009年11月から始まった、国によって制定された再生可能エネルギーによって発電された電力の固定価格買取制度「FIT」は、買取期間が2019年より順次終了し、2023年までにすぺての電力が買取期間満了を迎える。そのため、買い取りが終了した再生可能エネルギーは余剰電力となる。

余剰電力となった再生可能エネルギーは、電力の需要家(工場や店舗などの電力使用者)間で余剰電力をその時々の最適な価格で直接融通しあうP2P電力取引が、余剰電力の新たな取引手段として注目を浴びている。

そのような背景のもと、三菱電機と東京工業大学は、P2P電力取引に適した独自のブロックチェーン技術を開発した。

独自ブロックチェーン技術で柔軟な電力取引を実現

Pow(Proof of Work。プルーフ・オブ・ワーク)に代表される、暗号資産(仮想通貨)のコンセンサスアルゴリズムでは、膨大な計算処理を必要とするマイニングが一般的で、多数の高性能なコンピューターが必要となっている。また、売買の注文の約定方式は、条件の合った売り注文と買い注文から取引を順次成立される方式などが採用されており、売買注文の組み合わせの最適化などは行われていなかった。

今回開発した独自ブロックチェーンでは、これらとは異なり、需要家の計算機が取引の目標やデータを共有して、売買注文の最適な組み合わせを少ない計算量で探索する、分散型の最適化アルゴリズムを採用している。この方式を新たなマイニングとして導入し、小型計算機上で動作可能な取引の最適化を実現したという。

独自ブロックチェーンを用いたP2P電力取引では、余剰電力を最大限に活用したい時は需要家の余剰電力の融通量を最大化し、需要家の利益を優先させたい時は需要家全体の利益を最大化するなど、売買注文の最適な組み合わせを探索することで、取引ニーズに柔軟に対応するという。

東工大と三菱電機が需要家の取引ニーズに応じP2P電力取引を最適化するブロックチェーン技術開発

独自ブロックチェーンは、所定時間ごとに締め切られる需要家の売り注文と買い注文の情報と取引の目標をすべての計算機で共有する。それぞれの計算機は、取引目標に適した売買注文の組み合わせを探索し、探索結果を互いに提示する。他からの探索結果を受け取った各計算機は、受け取った中で最も目標に適した取引を選んで新たなブロックを生成し、ブロックチェーンに追加するという。

同P2P電力取引の取引価格は、売り注文の入札価格よりも高い価格、買い注文の入札価格よりも安い価格で約定する。また、入札は繰り返し行われ、取引が成立しなかった需要家は、次回の入札において前回の取引価格を参考に入札価格や入札量を変更することで、取引を成立させる可能性を高めることができる。取引の探索結果が公平になるよう、複数の同等な入札がある場合には無作為に選択するなど、探索過程にランダム性を採り入れているという。

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カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:再生可能エネルギー(用語)東京工業大学三菱電機日本(国・地域)

東大発「イノカ」と東工大発「aiwell」が海の環境保全達成に向け共同プロジェクトを開始

東大発「イノカ」と東工大発「aiwell」が海の環境保全達成にむけ共同プロジェクトを開始

「環境移送技術」の研究開発・社会実装を推進する東大発スタートアップ企業「イノカ」と、タンパク質の網羅的解析技術「AIプロテオミクス」の汎用化・社会実装を進めている東工大発スタートアップ企業 「aiwell」(アイウェル)は10月20日、海洋環境を保護するための共同事業を開始すると発表した。

海洋環境を熟知したイノカと、タンパク質解析のプロであるaiwellがタッグとが組むことで、海のコンディション管理を行い、SDGsの目標14「海の豊さを守ろう」を達成すべく、今後様々なプロジェクトを遂行する。

両社は、見た目だけでは決して判断がつかない海洋環境の実態を、タンパク質レベルで解明し、改善・保全する取り組みを順次展開。

一定の成果が出た後は、現状汚水を海に排出するしか方法のない化学工場やサンゴ礁を傷つけてしまうといわれている化粧品を開発している企業に向けて、海洋環境を守る仕組みづくりを共有。ともに海の環境を守り、企業イメージの向上に貢献していければと考えているという。

海の課題を「AIプロテオミクス」で解決し、海の豊かさを未来永劫守るため、イノカとaiwellはプロジェクトを開始。そしてこのモデルを日本全国・世界へ展開し、SDGsの達成を世界に向けて発信するとしている。

イノカとaiwellによる今後の計画

  • サンゴの健康診断: 水質の良い海でのみ生息できるサンゴが健康な状態であれば、その水質は良いといえるはず。サンゴの人工抱卵に成功したイノカが保有している、健康なサンゴに含まれるタンパク質を解析し、サンゴの生態系を解明。サンゴの状態をモニタリングすることで、海の生態系の保護へとつなげる
  • 海の健康診断: 「仮に海洋をひとつの生き物として捉えたとき、海水は人にとっての血液にあたるのではないか」。そんな高倉氏の発想より、海水中に含まれる魚などの排せつ物あるいは微生物の死骸などの物質をプロテオミクスで解析。生物にとって住みやすい海の環境の定義をタンパク質レベルで解明する
  • 人の手によって汚染されてしまった海洋環境を救う取り組み: 解明することで、実際に重油や排水などで汚染された海洋環境の改善・サンゴ礁の保全が達成できる仕組み作りを実施

イノカは、「100年先も人と自然が共生する世界を創る」というビジョンを掲げ2019年に創業。国内最高峰の「生態系エンジニア」とAI・IoTエンジニアを中心に特定水域の生態系を陸上の閉鎖環境に再現する「環境移送技術」の研究開発、社会実装を推進する東京大学発スタートアップ企業。

環境移送技術とは、水質(30以上の微量元素の溶存濃度)をはじめ、水温・水流・照明環境・微生物を含んだ様々な生物の関係など、多岐に渡るパラメーターのバランスを取りながら、自社開発のIoTデバイスを用いて実際の自然環境と同期させ、特定地域の生態系を自然に限りなく近い状態で水槽内に再現するイノカ独自の技術のこと。

2020年5月には、IoT技術により水温を沖縄の久米島付近の海面水温と同期させた完全閉鎖環境内の実験で、サンゴの人工抱卵を実現。この技術を活用し、研究機関と協同して海洋環境の健康診断技術の確立を目指す一方、民間企業と連携して環境保全活動や教育事業に取り組んでいる。

東大発「イノカ」と東工大発「aiwell」が海の環境保全達成にむけ共同プロジェクトを開始

2018年1月に創業したaiwellは、東京工業大学 生命理工学院 林宣宏研究室と次世代技術「AIプロテオミクス」に関する共同研究を2018年10月より開始。2019年4月には東京工業大学 大岡山キャンパス内に「東京工業大学・aiwell AIプロテオミクス協働研究拠点」を開設した。

AIプロテオミクスとは、林宣宏氏が発明した、生体の状態をプロファイルする次世代特許技術。二次元電気泳動技術の(大量の検体を扱うための)ハイスループット化と(微量な検体でも分析を可能とする)高感度化に成功。

生体内の遺伝子産物を網羅的に解析するプロテオミクスの基盤技術である二次元電気泳動法を用いて、血中タンパク質の二次元電気泳動画像をAIが学習することで、様々な病気や怪我になる一歩手前の状態を発見する研究として注目されているという。敗血症においては、98.2%の精度で的確な判断を可能にした。

2019年12月には東工大発ベンチャー認定企業となり、「AIプロテオミクス」に関する研究開発とその実用化、社会実装を推進。同研究開発では、生体内の遺伝子産物を網羅的に解析するプロテオミクスの基盤技術である二次元電気泳動法を用いて、画像化された血中タンパク質のデータをAIで解析することに成功し、様々な病気や怪我を起こす一歩手前の状態を発見できる技術として注目されている。

また、人間以外の動物や植物などにも幅広く応用が利くことから、SDGs達成のための技術のひとつとして今後広く活用されることが期待されている。

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カテゴリー: EnviroTech
タグ: aiwellイノカSDGs東京大学
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暗号資産・ブロックチェーン業界の最新1週間(2020.8.23~8.29)

暗号資産(仮想通貨)・ブロックチェーン技術に関連する国内外のニュースから、重要かつこれはという話題をピックアップし、最新情報としてまとめて1週間分を共有していく。今回は2020年8月23日~8月29日の情報をまとめた。

LayerX Labsと東京工業大学 首藤研究室は、パブリックブロックチェーンの合意形成アルゴリズムに関する共同研究を開始

すべての経済活動のデジタル化を推進するLayerXの研究開発組織LayerX Labsと東京工業大学は8月28日、ブロックチェーンのコンセンサスアルゴリズムに関する共同研究の開始を発表した。

LayerX Labsと東京工業大学 首藤研究室は、パブリックブロックチェーンの合意形成アルゴリズムに関する共同研究を開始

ブロックチェーンの社会実装に向けた課題に関する研究に取り組むLayerX Labsは、研究テーマのひとつであるパブリックチェーンの研究をさらに加速するため、分散システムの専門家である東京工業大学 情報理工学院首藤研究室の首藤一幸准教授と共同研究を開始することを明らかにした。

共同研究では、首藤研究室が開発するパブリックブロックチェーンのシミュレーター「SimBlock」を活用し、「イーサリアム 2.0」(Ethereum 2.0)に実装予定のPoS向けプロトコル「Casper」を始めとするコンセンサスアルゴリズムの安全性や性能の分析を行う。

イーサリアムは、金融を始めさまざまな分野向けにアプリケーションを実現できるパブリックブロックチェーンであり、イーサリアム 2.0は、イーサリアムのセキュリティとスケーラビリティを改善することを目的に開発される、期待のアップデートプロジェクト。イーサリアム財団(Ethereum Foundation)を中心に、10社以上の企業が協力し開発を進めている。

イーサリアム 2.0とLayerX Labs 中村龍矢氏

イーサリアム 2.0のPoS(Proof of Stake)プロトコル「Casper」は、「Casper Correct By Construction」(CBC Casper)と「Casper the Friendly Finality Gadget」 (FFG)の2種類が提案されており、現在双方の検証が進められている。

CBC Casperに関する研究を進めるLayerX Labsのリードリサーチャー中村龍矢氏は、その研究が評価されイーサリアム財団が運営する助成金プログラム「Ethereum Foundation Grants Program」にも選定されている

また、中村氏はPoSに関する研究で、Casper FFGとフォーク選択ルールのLMD GHOSTを分析。その結果、プロトコルの仕様に一部悪用される可能性があることを指摘し、その解決策を提案した。中村氏が提案する「デコイフリップフロップ攻撃」と「バウンス攻撃」への対策は、いずれもイーサリアム 2.0フェーズ0の正式仕様として採用されている

首藤准教授ら研究グループと情報理工学院サイバーセキュリティ研究センターが開発の「SimBlock」

一方の首藤准教授ら研究グループと情報理工学院サイバーセキュリティ研究センターは、PC上でブロックチェーンネットワークをシミュレートし性能や安全性を検証できるパブリックブロックチェーンシミュレーター「SimBlock」を開発。2019年6月、オープンソースソフトウェアとしてGitHub上で公開した

SimBlockは、一般的なPCで1万台相当のノード群について、インターネット上での振る舞いをシミュレートできる。SimBlockを用いることで、既存ブロックチェーンの改良をはじめ、自ら考案したブロックチェーンをPC上で試すことが可能。悪意あるノードを模擬し、攻撃の成功率を調査できるほか、攻撃への対策を検討したりなど、その安全性の効果を調べられるという。同研究チームは、SimBlockを活用してブロックチェーンの性能を向上させる研究を行っている。

首藤准教授は、多数のコンピューターからなる大規模分散システムを専門とし、ブロックチェーンについてネットワークの側面から取り組む数少ない研究者。2008年12月から東京工業大学 准教授として研究・教育に取り組む一方、2009年より独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)の未踏事業にて25歳未満の突出したITクリエーターを選出・育成するプロジェクトマネージャも務めている。

LayerX Labsは、今後も学術界でのブロックチェーン研究の発展に貢献すべく、国内外の大学との共同研究を一層強化していくことを明らかにしている。

アステリアが無料オンラインセミナー「超初心者のためのブロックチェーンの学校」開催

アステリア(旧インフォテリア)は8月26日、オンラインセミナー「超初心者のためのブロックチェーンの学校」(全6回)の開催を発表した。9月10日より全6回の予定で行われる。

参加希望者は、第1回参加登録サイトで事前登録することで誰でも無料で受講できる。締め切りは9月10日12時まで(席に限りあり)。全講義は、Zoomのウェビナーにて配信されるため、事前にZoomアプリのインストールが必要になる。

アステリアが無料オンラインセミナー「超初心者のためのブロックチェーンの学校」開催

初心者向けに開講される同セミナーは、ブロックチェーン技術の仕組み、種類や活用事例を解説。技術の用途を正しく理解し、受講者が「ブロックチェーンを活用したビジネススキームを考えられるようになる」ことを目指す。講師は、アステリアにてブロックチェーンエバンジェリストを務める奥達男氏。奥氏は、一般社団法人ブロックチェーン推進協会(BCCC)においてトークンエコノミー部会部会長も務めている。

全6回の講義は、基礎編(全3回)、実践編(全3回)にわかれている。各講義は1時間。すべての講義に参加することが望ましいものの、各回に単発で参加することも可能。対象となる受講者は、ブロックチェーンという言葉は聞いたことがあるが、ブロックチェーンと暗号資産の関係は分からないといった人、またブロックチェーンビジネスに興味がある、自分の会社や事業に新しい仕組みを導入したいと考えている人など。ブロックチェーンの存在は知っているがその内容には詳しくないという人に向いている講義となる。

アステリアが無料オンラインセミナー「超初心者のためのブロックチェーンの学校」開催

アステリアは、ソフトウェア開発者だけではなく、通常業務に携わる社員も使用できるノーコード環境で各種データ連携が可能になるミドルウェア「ASTERIA Warp」を主力製品に、企業内の多種多様なコンピューターやデバイス間を接続するソフトウェアやサービスを開発、販売。ここ数年はAIやIoT、ブロックチェーン技術など、新たな技術にも積極的に取り組んでいる。代表取締役社長の平野洋一郎氏は、BCCC代表理事を務めている。

シンガポールの暗号資産取引所BitrueがCeFiとDeFiを統合し、ハイブリッド取引所に

シンガポールを拠点に暗号資産取引所を運営するBitrueは8月25日、CeFiとDeFiを統合したハイブリッド取引所として、従来サービスをアップグレートしていくことを発表した。既存の中央集権型ファイナンスCeFi(Centralized Finance)に分散型ファイナンスDeFi(Decentralized Finance)の利点を活かしたデジタル金融サービスプラットフォームを展開し、新たにDeFiサービスを開始する。

シンガポールの暗号資産取引所BitrueがCeFiとDeFiを統合し、ハイブリッド取引所に

Bitrueは、XRP(Ripple)を取引プラットフォームの基軸通貨として採用していることでも知られる取引所。2018年7月にはXRPをベースペアに追加し、現在、顧客はXRPと50以上のペアによる暗号資産取引を行えるという。同社サイトの報告によると、XRP全取引量の10%以上がBitrueからのものとしている。

Bitrue初のDeFiサービスは、2021年の第1四半期に開始される予定。サービス内容は、借り手と貸し手を接続するP2Pマッチングサービスによる暗号資産のレンディングで、流動性プールに追加した暗号資産の利息を自動で受け取れるようになるという。

またBitrueは、新たなトークンとしてBitrue Finance Token(BFT)を発行すると明らかにした。Bitrueの一連のサービスをサポートするBFTは、間もなく顧客に配布され、同取引所にて9月中旬に上場する予定。

Bitrueの分析によると、DeFiサービスは、2020年になって大きな成長を遂げたことで、暗号資産業界の明確な未来像を表したという。しかしDeFiの初期段階では、サービスがイーサリアム上で発行されたERC-20準拠トークンに集中しており、XRPを含むその他の暗号資産の70%が除外されている状況にあると指摘。Bitrueの新ハイブリッドモデルでは、主要なブロックチェーン・暗号資産のクロスチェーン取引を段階的に促進し、それによってすべての暗号資産のワンストップ取引を、顧客にDeFiにて提供していく予定であることも明らかにしている。

またBitrueは、DeFiの思想に沿って既存のローンサービスをアップグレードする予定だという。まずは、担保となる資金を含むウォレットを一般公開し、顧客に対して透明性の向上を図っていく。

DeFiの本質的な公平性は、顧客が常に100%満足する公正な取引を受けられることを意味すると、Bitrueはいう。少数の富裕層や大規模な機関投資家のみならず、一般の投資家も含め、すべての人に公平な機会をもたらす金融サービスの提供をしていきたい思いでBitrueは事業を立ち上げており、DeFiの機能はそれに合致するとうたっている。

BitrueのCEOを務めるCuris Wang(クリス・ワン)氏は「このハイブリッドモデルの結果として提供できる新しい機能は、これらの幅広いニーズを満たすことができるでしょう」と語っている。

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カテゴリー:ブロックチェーン

タグ:仮想通貨 / 暗号資産(用語)

東工大の人工知能スパコンはNvidiaチップを使う

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GPUメーカーとして有名になったNvidiaだが、ビジネスの中心は次第に人工知能にシフトしている。その最新の成果がこの夏にも稼働する予定だ。Nvidiaは日本の東京工業大学が開発中の次世代人工知能スーパーコンピューターに心臓部となるGPUを提供する。このコンピューターは完成すれば人工知能スパコンとして日本最速となるという。

NvidiaのTesla P100はPascalアーキテクチャに基づくGPUでTSUBAME3.0と名付けられたネットワークを駆動することになる。これは現行のTSUBAME2.5の2倍のパフォーマンスだ。ただしTSUBAME2.5も引退するわけではないのでご安心いただきたい。2.5は現役マシンとしてTSUBAME3.0の能力を補完し、トータルで64.3ペタFLOPSを目指すという。3.0のパフォーマンスは47.2ペタFLOPSが予定されている。これだけの処理能力に匹敵するiPhoneを集めるとすれば途方もない山ができるかもしれない。

TSUBAME3.0は今年夏の完成を目指しており、東京工業大学における教育とハイテク研究に役立てられる。また契約を結んだ民間企業も利用できる。大学ではこの新しい人工知能に訓練を開始するが待ちきれないとしている。

〔日本版〕東京工業大学学術国際情報センターのTSUBAMEページ

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+