テクノロジー業界でも賃金の性差や人種差は歴然とある…Hiredのレポートより

求人求職サイトHiredが発表した今年の賃金格差レポートによると、当然ながら白人男性の平均年俸が最高で13万6000ドル、その次がアジア系男性の13万5000ドルだった。

テクノロジー業界における主な賃金格差を要約すると:

  • 同じ企業の同じ職種に対して女性の賃金は男性より4%低い。
  • 黒人とラテン系女性は白人男性より10%賃金が低い(同じ職種で)。
  • LGBTQの女性はそうでない女性よりも賃金が高い。

そのほかの楽しい(悲しい)事実:

  • サンフランシスコは賃金の性差が最小。
  • 賃金の性差は年齢が上ほど大きい。
  • 女性の半分以上は自分のキャリア全体を通じて同じ仕事に対して男性より賃金が低いことを自覚している。

残念ながら、Hiredのレポートにおける賃金格差は、2017年のレポートから変わっていない。しかしテクノロジー系労働者の賃金の平等性は、アメリカがトロントやロンドンやパリよりも良い。関心のある方は、レポートの本編を読もう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

アメリカのテクノロジー企業で給与がいちばん高い職種は何か

給与を交渉するときは、ほかの人たちがいくらもらっているか、知っていた方が良いだろう。企業の文化や給与などを比較しているComparablyによると、一般的には、上場企業の方が非上場のテクノロジー企業よりも給与は良い。そして、大きな企業ほど、小さな企業よりも給与は高い。

資金基盤の大きくない非上場企業のシニアデベロッパーは1年に7万3000ドル稼ぐが、上場企業では平均約13万ドルを稼ぐ。また企業の種別にかかわらず、アーキテクトとシニアプロダクトマネージャーがいちばん稼ぎが良い。

地域別では、サンフランシスコの上場企業が15の職種すべてにわたって、給与がもっとも高い。サンフランシスコの上場企業ではアーキテクトの平均年俸18万4000ドル、これに対しロサンゼルスは15万5000ドルだ。

同じ職種における男女の給与差は、全国的に見られる(下表)。上場テクノロジー企業の男子シニアデベロッパーが平均14万4000ドルを稼ぐのに対して、同じ職種の女子は平均13万7000ドルだ。

男女格差がいちばん大きい職種は、セールスマネージャーだ。上場企業の場合、それは男子の平均14万4000ドルに対して女子は11万5000ドルだ。

Comparablyは2016年3月から2018年2月までの間に、アメリカの大から小までさまざまな規模の、上場/非上場テクノロジー企業の社員10万名あまりから、匿名で報酬データを集めた。そしてそれらを、アーキテクト、データサイエンティスト、デベロッパー、マーケティングマネージャー、オペレーションマネージャー、プロダクトマネージャーなど一般的な15の職種に分類した。

なお、非上場企業は社員への報酬を会社の株で払うことがあるが、それらはこの計算に含まれていない。ただし、ボーナスは含まれている。

Comparablyは2016年3月の創業以来、給与と報酬データを精力的に集めてきた。しかし近年では同社は、Glassdoorのような企業文化レビューツールへと進化している。Jason Nazarが創業したComparablyはこれまで、1380万ドルの資金を調達した。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

アメリカの大学生が有名テック企業のインターン・新卒給与実態調査を実施

Man taking money from wallet

ひどく給与の低いインターンシップから、在シリコンバレー大企業の伝説的なサインボーナスまで、待遇に関するさまざまな情報が飛び交っているため、求職者はテック業界での自分の価値をうまく把握できないでいる。特に初めて就職する人にとってはなおさらだ。

Purdue Universityでコンピューター・サイエンスを専攻している学部生のJesse Collinsは、自らの手でその実態を明らかにしようと決心し、今日のテック業界のジョブオファーや有給インターンシップの内容を調査するため、学部生や最近大学を卒業した人からデータを収集した。

そしてCollinsは、この調査の中間集計を今週こちらのGoogle Spreadsheet上で発表したのだ。この表には、色々と面白い情報が含まれている。

例えば、これまでに集まった19人の回答者の情報によれば、Facebookの平均初任給は年間10万9526ドルで、ここにサインボーナスとして平均7万9737ドルもの大金が加わる。なおこの給与は、iOSディベロッパーやフルスタックディベロッパー、ソフトウェアエンジニア、ネットワークエンジニアといったテクニカルな職種が対象となっている。

また、31人の回答者によると、Googleにおけるテクニカルな職種の平均初任給は、年間10万7000ドル+2万7327ドルのサインボーナスとなっている。

さらに22人の回答者の情報を平均すると、Microsoftの初任給は年間10万7455ドル+2万6591ドルのサインボーナスだった。

自己申告の給与とボーナスの情報を職種別に見てみると、ソフトウェアエンジニアやディベロッパーは、UXデザイナーやセールスエンジニアに比べて、年間何万ドルも多い給与を受け取っている。

また、公務員の給与は民間企業の給与に比べてかなり低いと思われているが、Collinsの調査によれば、行政機関のテック部門で働くエントリーレベルのエンジニアやディベロッパーの給与は、シードステージやシリーズAのステージにあるスタートアップで働く同職種の人よりも実は少し高い。

ここで忘れてはいけないのが、FacebookGoogleのような一部の大企業は、学部・院生両方に対してインターンシップのポジションを用意しているほか、博士号取得者や職歴のある人をエントリーレベルの職種で採用している可能性もあるということだ。これが、高額な年収やインターンシップの給与に反映されている可能性がある。

Collinsは昨年からこの調査に取り掛かりはじめ、就職やインターンが決まった人たち対して、オファーの内容や、学歴や性別といった個人情報の一部を聞いて回った。

「私は、職探しや給与交渉全般に関する情報を、もっとオープンにしたいと思っていました。また、調査結果が人種バイアスや男女の給与格差といった問題を防ぐきっかけになればと考えていたんです」と彼は話す。

中間集計の結果によると、最近大学を卒業してテック系のエントリーレベルの仕事に就いた女性は、平均して同じ状況の男性よりも高い給与を受け取っているようだ。女性回答者の平均年収は10万5000ドルから14万2674ドルだった一方、男性回答者の平均は9万9767ドルから10万5000ドルだった。

しかし同じ調査から、株式や給付金、サインボーナス、年俸など全てを勘案しても、Facebook、Google、Twitterに新卒で入社した女性の給与は、男性よりも低いということが分かっている。

さらに女性の採用数は男性よりも少なく、性別を明記した回答者のうち、新卒でテック系の仕事についた女性の割合は14%だった。

Collins以前にも、テック業界でどの仕事にどのくらいの給与が支払われているかに関する調査を行った人は存在する。

特筆すべき例としては、ハーバード大学で経済学を教えるClaudia Goldin、インターンシップにフォーカスした調査をU.C. Berkeley在籍中に開始した20代のソフトウェアエンジニアRodney Folz、さらにLinkedIn、CareerBuilder、Glassdoorといったリクルーターや求職者を顧客に持つ企業などが挙げられる。

自分のことを機械学習と統計オタクと表現するCollinsは、前述のスプレッドシートは最終版ではなく、これまでに集まったデータだけではテック業界の給与やバイアスに関する一般的な結論を導くことはできないと読者に注意を促している。

また、データは回答者が自己申告したもので、給与は地域ごとの物価を反映していないほか、Collinsは雇用主である企業とデータの照合を行っていない。

2016 New Grad & Internship Offer Dataと名付けられたこの調査では、大学生と最近の卒業生を対象として、ジョブオファーやインターンシップに関する情報を提供してくれる回答者を引き続き募集している。

TechCrunchは、給与やその他の情報の妥当性を確認するため、調査で名前の上がった数々の企業とコンタクトをとったので、何か新たな情報を受け取り次第、この記事をアップデートしていく予定だ。なお、Facebokの広報担当者からは、従業員の待遇に関してはコメントしないという旨の連絡を受け取っている。

一方Collinsは、Purdue University卒業後に、Curalateのシアトルオフィスでフルタイムのソフトウェアエンジニアとして働くことになった。しかしプレスインタビューの中で彼は、自身の給与を開示する求めには応じなかった。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

クラウドベースの人事管理プラットフォームHeavenHRが600万ユーロを調達

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中小企業(small and medium enterprises = SMEs)のためのクラウドベースの人事管理プラットフォームであるHeavenHRは、シリーズAの資金調達を600万ユーロで締めくくった。ベルリンを拠点とするこのスタートアップのラウンドを主導したのは、Target GlobalとOpen Oceanだ 。

設立してまだ10ヶ月のHeavenHRは、新たに調達された資金を、製品開発と成長の加速のために使う。同社は現在、ドイツ、オーストリア、フランス、そしてスイスで活動している。

システムは、巧妙なフリーミアムモデルで運営される。人事管理プラットフォームの中核機能、たとえばデジタル契約書、電子人事ファイル、欠勤管理そして勤務時間管理などは無償だが(ロンドンのCharlieHRと似ている)、HeavenHRは給与、福利厚生、年金そして健康保険管理などの追加サービスに対して課金を行うのだ。

年金を扱う点は、ロンドン/テルアビブを拠点とするHibobを彷彿とさせる(シリコンバレーのVCであるBessemer Venture Partnersの主導したラウンドからの最近750万ドルの調達を支えに、最近設立された)。

年金ブローカーとして効率的に職場の年金加入を取り扱うことにより、多額の収入を得ることが可能なのだ。新世代の人事管理スタートアップは年金と、同様に保険も引き受けているのだ。クラウドベースの人事管理ツールへ来たれ、年金と保険もお任せを、というのがお題目のように響く。

「私たちは極めて包括的な製品を提供しているので、様々なフィールドに多くの競合他社がいます」と語るのはHeavenHRの取締役Johannes Roggendorfだ。

「紙のフォームやExcelを利用する競合他社に加えて、旧来のスタイルの給与計算だけを提供する会社、伝統等的な人事管理ソフトウェアを提供するものの、そのプロダクトは機能や使いやすさが欠けている会社、そしてモダンな人事管理ソフトェアを提供するものの機能がしばしば限られてものであるような会社などと競合しています」。

そして保険や年金の面でHeavenHRはオフラインとオンライン両方のブローカーと競合するものの、そのプラットフォームは様々な人事プロセスを統合しているために優位にあるとRoggendorfは語っている。

「私たちのプラットフォームを使えば、新しい従業員を4分で雇えます。また新入社員をわずか数回のクリックで、給与、年金、保険プランに自動的に登録するオプションもあります」と彼は続けた。

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(翻訳:Sako)