資産管理アプリMoneytreeがシリーズBで総額10億円を調達、海外進出も視野

銀行APIの公開に向け、金融庁はFintech企業を登録制とする銀行法等の一部改正を進めている。先日3月4日には閣議決定に至った。銀行APIが実現すれば、例えばアプリからでも銀行口座の残高照会や入出金明細の確認から振り込みまでできるようになる。資産管理アプリMoneytreeを提供するマネーツリーもこうした未来の実現を目指すFintech企業の1社だ。本日マネーツリーは、シリーズBの調達ラウンドで総額10億円を第三者割当増資を発表した。引受先は既存投資家のみずほキャピタル、SMBCベンチャーキャピタル、セールスフォースベンチャーズの他、新たにSBIインベストメント、ふくおかテクノロジーパートナーズ、広島ベンチャーキャピタル、池田泉州キャピタル、イギリスに拠点を置く運用会社ベイリー・ギフォード・アンド・カンパニーが参加している。SBIインベストメントがリードインベスターを務める。

マネーツリーは2012年4月は創業し、2013年4月に銀行口座やクレジットカード口座などを一括で管理するための家計簿アプリMoneytreeの提供を開始した。現在は、個人向けアプリ以外に経費精算や法人口座に対応するMoneytree Workや各種銀行口座やクレジットカード、電子マネー、ポイントカードから取得したデータを集約するAPI「MT LINK」を提供している。

今回のシリーズBの調達では、こうしたサービスを強化していく計画だという。特に直近では、MT LINKの事業拡大を目指すとマネーツリーの広報担当者は話す。今回の資金調達に合わせ、MT LINKのサイトもリニューアルした。MT LINKは2500社以上の金融サービスに対応し、導入企業はメガバンクや地銀をはじめ、会計ソフトウェア企業など20社になったという。「銀行からも信頼されているMT LINKを他業種の事業者にも広めていきたい」と担当者は話す。

また、シリーズBの引受先にイギリスの運用会社を迎えていて、近々サービスの海外展開にも打って出る計画だという。

マネーツリーは2013年10月にDGインキュベーションと個人投資家らから1億5000万円を調達した。2015年10月には金額は非公開だが、シリーズAとなる資金調達を実施している。シリーズAにはセールスフォース、みずほキャピタル、三菱UFJキャピタル、SMBCベンチャーキャピタルが参加した。今回の調達で、累計調達額は少なくとも11億5000万円以上となる計算だ。

ロボットが自動で資産管理 ― フランスのYomoniが540万ドルを調達

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フランスのスタートアップ、Yomoniロボアドバイザーを開発する有望なスタートアップだ。貯蓄の一部を預けると、あとはロボットが自動的に株式や債券を売買してあなたのポートフォリオを管理してくれる。Yomoniは現地時間1日、既存投資家のCrédit Mutuel ArkéaとIéna Ventureから540万ドルを調達したと発表した。

同時に、Yomoniのマネジメントチームは自社株を買い戻して保有比率を引き上げている。

ロボアドバイザーという言葉に馴染みがないのであれば、Yomoniのことをフランス版のWealthfrontやBettermentと考えれば分かりやすいかもしれない。これらの米国企業は成長しつつあるが、フランスではロボアドバイザーは比較的新しい概念だ。

Yomoniは今回調達した資金を利用して人員の強化を図るとともに、サービスに新機能を追加する予定だ。その例としてYomoniが挙げたのは、子どもの将来のために資産を築いておきたい親に向けた新しいプロダクトだ。また、モバイルアプリの開発についても言及があった。

Yomoniを利用して資産運用を始める場合、自分が安全志向の投資をしたいのか、または逆にリスキーな投資をしたいのかを選ぶことができる。この選択によってポートフォリオの運用成果が変わることになる ― そしてもちろん、損失を出す可能性もある。しかし、これまでのところYomoniのポートフォリオは良い成績をあげている。2016年、Yomoniが管理するポートフォリオの資産価値は2.3〜7.1%上昇しているのだ。

Yomoniは今後、手数料によるマネタイズ方法を採用する予定だ ― 手数料率は、年間1.6%程度になるとのこと。先ほど述べたパフォーマンスは手数料を差し引いた後の成績だ。

Yomoniはこれまでに2000人のユーザーを獲得している。管理するポートフォリオの総額は1290万ドルだ(ユーザー1人あたり約6500ドル)。しかし、このトレンドは加速しており、Yomoniは2020年までに運用額を10億8000万ドルまでに引き上げたいとしている。同社はこの目標達成のためにヨーロッパ各国へビジネスを拡大することも考えているようだ。

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(翻訳: 木村 拓哉 /Website /Facebook /Twitter