米通信キャリアが協力して「ロボコール」対策を約束、ただし期限は未定

米国の最大手4社(AT&T、Sprint、T-Mobile、Verizon)を含む通信キャリア12社は、一致協力してロボコール(自動勧誘電話)の防止に努めることを確約した。

米国時間8月22日に発表された声明は、51人の州検事総長が通信大手各社に対して、発信者番号偽装を防止するための暗号化を含むロボコール対策技術を導入するよう申し入れたのを受けたものだ。STIR/SHAKENと呼ばれるそのシステムは、全利用者の電話番号に一意のデジタルシグニチャーを設定し、それを通信ネットワークと照合することによって発信者が本物であることを検証する。通信会社はほぼ瞬時に通話を認証して受信者に繋ぐ。

ロボコールは違法だが、数十億ドル規模の産業でもある。そのほとんどが自動化されており、ロボットがダイヤルし、発信者の市外局番を偽装して疑うことを知らない犠牲者に電話を取らせようとする(訳注:米国の携帯電話番号は一般電話と同じ市外局番を使用している)。ロボコールはしばしば、必要のない商品を売りつけようとする。ひどいものは騙して現金を奪おうとする。

STIR/SHAKENにはほとんどのロボコールを追放することが期待されている。システムは本物の通話を検証し、毎年数十億回発信されている違法な偽装ロボコールを排除するはずだ。

現在までに、AT&TとComcastが新しい反ロボコールシステムをテストしており、AT&TとT-Mobileも協力して新技術を使用してロボコールと戦っている。しかし、システムが最大の効果を発揮するのは、全通信キャリアがテクノロジーを導入したときであり、そうすることによってネットワークを横断する通話のチェックも可能になる。Verizon(TechCrunchの親会社)、Sprintをはじめとする通信最大手が参加することによって、この協力体制がロボコールを劇的に減らすことを検事総長らは期待している。

CenturyLink、Charter、およびU.S. Cellularも協定に参加した。

ただし気になる点もある。期限は設定されておらず、各キャリアは新技術の導入にいくら時間をかけてもよい。これは、早急の改善を求める人々にとっていい知らせではないかもしれない。すでに全主要キャリアが新しい反ロボコールシステムのテストを進めているが、全米の利用者に向けてサービスを提供する正確な時期を公表しているところはほとんどない。

ワシントンポスト紙は木曜日の発表に先駆けてこのニュースを最初に報じた

今回の発表の数週間前、連邦取引委員会(FCC)と司法省が協力して、延べ10億回以上の違法ロボコールを発信した個人および会社に対して100件近くの法的措置をとった。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

AT&TによるTime Warner買収交渉がいよいよ大詰めに

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米Wall Street Journal紙によれば、AT&TによるTime Warner買収の交渉がいよいよ大詰めを迎えたようだ。この買収が完了すれば、通信キャリアであるAT&Tが非常に高いコンテンツ製作能力をもつことになる。TechCrunchの親会社であるVerizonを含む他の通信キャリアたちもまた、ネットワークを届けるという役割だけでなく、コンテンツと顧客をつなげる役割を持とうとしている。

WSJが伝えたところによれば、今週末にも今回の交渉がまとまる見込みだ。ただし、それでもまだ最終決定というわけではなく、後になって交渉が決裂したり遅延される可能性は残っている。Time Warnerは子会社にTNT、CNN、TBS(Turner Broadcasting System)、HBOといった放送局を抱えており、同社の衛星放送やブロードバンド・サービスを支えてきたプレミアム・コンテンツの所有権のうちいくつかはAT&Tに渡ることになるだろう。

通信キャリアであるAT&TによるTime Warner買収は、アメリカ市場では特殊なことのように思われるかもしれない。しかし、その他の国々を見てみると通信キャリアやTVサービスのプロバイダーが顧客に届けるコンテンツも所有している例は多い。例えば、カナダの通信業者であるRogersやBellは国内のスポーツチームや放送局をもつだけでなく、HBOなどのアメリカの放送局が製作したコンテンツの放映権なども所有している。

もちろん、今回の買収案に対して消費者が特別な関心を持つことはないだろう。なぜなら、今回の買収が成立したとしても、それは通信キャリアが彼らのバーチャルなネットワーク配線を通して、誰に、何を、そしていくらで届けるかということに関してさらに大きな決定権を持つだけに過ぎないからだ。しかしながら、今回のような買収は通信キャリアにとっては重要なことだ。他の利益のあがるサービスに比べて彼らの通信事業が陳腐化してしまうのを避けるだけでなく、GoogleやFacebookが将来的に無料で提供する可能性のある通信事業だけでビジネスを続けるのはリスクであると考え、各通信キャリアは彼らが提供するサービスの多様化を図ろうとしているのだ。それらの理由に加え、インターネットへのアクセスが当たり前のものとなりつつある今、それに対する規制によってインターネット通信事業から得られるマージンが地に堕ちる可能性もある。

[原文]

(翻訳: 木村 拓哉 /Website /Facebook /Twitter