名門VC・a16zが暗号通貨スタートアップのための無料スクールを開校

先月、Andreessen Horowitz(アンドリーセン・ホロウィッツ、a16z)のジェネラルパートナーであるChris Dixon(クリス・ディクソン)氏がTechCrunch Disruptで、ベンチャーキャピタル企業である同社が暗号通貨を扱うスタートアップを育てる無料のスクールを開くと発表した。そして米国時間11月8日に同社は、そのスクールを公式に立ち上げた。すでに願書を受け付けており、受付期間は4週間だ。

この事業でa16zは、暗号通貨を大衆的に普及させたいと願っている。ディクソン氏とa16zのチームは暗号通貨とブロックチェーンに7年間関わっており、これからはその間に学んだことを起業家たちと共有したいと考えている。

これによって暗号通貨のコミュニティが育ち、今後のa16zの投資機会も創出されるだろう。ただしa16zは「暗号通貨のスタートアップスクールに参加したことはa16zからの投資を受けることを意味しない」と言っている。暗号通貨スタートアップへの投資に関してはa16zは思慮深い投資家であり、暗号通貨スタートアップスクールに参加した者だけを対象とせず、暗号通貨のコミュニティ全体が対象だ、と言っている。

そのa16zのCrypto Startup Schoolは7週間の課程を2020年2月21に開始する。授業料は無料であり、a16zは何ら所有権を有しない。

授業はメンローパークで行われるので、シリコンバレー周辺に住んでいない人はおよそ2カ月あまり下宿する必要があるだろう。「それでは大変すぎる」という人たちのためにa16zはすべての授業を録画する。そして誰もがそのビデオを見たり、スクールのカリキュラムや教材をダウンロードできる。

以下がコースの概要だ。

  • 暗号通貨のネットワーク(クリプトネットワーク)とは何か、なぜそれが重要なのか?
  • ブロックチェーンコンピューティングの基礎: 暗号技術とコンセンサス
  • アプリケーション開発ツールの概要
  • アプリケーションの現状と2025年
  • 暗号通貨のビジネスモデル
  • 暗号通貨の経済学
  • ユーザー体験、製品開発、セキュリティ
  • マーケティングとデベロッパーリレーション
  • コミュニティと参加と統治
  • 規制の現況と配慮
  • 資金調達ガイド

ご覧のようにこれらは、暗号通貨にフォーカスした授業と、資金調達やマーケティングなど一般的なスタートアップ入門のミックスだ。スクールが対象とするのは20から25ぐらいのチームで、40名前後の参加者総数を想定している。ソフトウェア開発の経験者であることが条件だが、暗号通貨のエキスパートである必要はない。授業内容は一週間に12〜15時間の講義とワークショップ、個人指導、そしてネットワーキングの実技だ。

最後に参加者は、プロジェクトのアイデアやプロトタイプのデモをを披露しなければならない。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

毎月4000億回のAPIコールを処理するAPIマーケットプレイスのRapidAPIが900万ドルを調達

APIはいま、テクノロジーの世界で、必要不可欠で成長著しい構築部品である。開発者たちは、APIをサードパーティーのサービスを自分たちのアプリに統合したり、自分たちのアプリを他の開発者たちに使って貰いやすくしたりするために利用している。そして今、アプリケーション開発者たちによる、そうしたAPIの発見、利用、課金、そして呼び出し管理を支援する、あるスタートアップが、その動きを加速するために資金調達ラウンドを発表した。

RapidAPIは、現在8000個に及ぶAPIのディレクトリを提供している。18ヶ月前にはその数はわずかに200だった。同社は今回行った900万ドルの資金調達ラウンドを利用して、より多くのAPIと開発者を取り扱えるようにビジネスを拡大する。

ラウンドを主導したのはAndreessen Horowitzだが(同VCは1年半前に行われたRapidAPIの350万ドルのシードラウンドも主導している)、他にはSV Angel、Green Bay Capital、そしてNexmo(Vonage API Platform)の共同創業者兼CEOであるTony Jamousが参加している。

Andreessen Horowitzは、企業向けスタートアップとソフトウェアを2つの主要成長領域として特に注力してきたことで、よく知られている。

RapidAPIはその2つの領域をカバーし、目覚ましい成長の真っ只中である。現在同社は約50万人の開発者たちと協力している。これもまた18ヶ月前にはわずかに3万人だった。そして最近さらに企業利用への拡大が進んでいる。例えばCiscoや(ホテル業界の雄)Hyattなどが、RapidAPPIを利用して外部からのAPIと内部でのAPI利用の両方を管理している。

RapidAPIによれば同社が処理するAPIの数は、毎月4000億回にのぼるという。そのディレクトリには、Microsoft、Stripe、SendGrid、Slack、Foursquare、Eventbrite、Yelp、Google Translate、Spotify、NASA、ProductHuntなどのAPIが含まれている。現在、最も人気のあるカテゴリーは、今ではほぼすべてのアプリが備える、コミュニケーション(メールやSMSのことを思い出して欲しい)に関するものだ。またAIベースのAPIは最も急成長しているカテゴリーで、特に顔認識やテキスト分析などの分野が中心である。

もともとはイスラエルのハイファが発祥の地だったが、現在はサンフランシスコに拠点を移動している(なおイスラエルとキエフ、ウクライナに事務所がある)。RapidAPIはIddo Gino(写真)によって共同創業され、率いられている。この若い開発者(現在20歳)は、彼が学生だったときにこのアイデアを思いついたのだと言う。多くのハッカソンに参加した彼は、何かをすばやくコーディングする必要がある場合に利用できる、より広い範囲のAPIを発見して使用する効率的な方法がないことに気が付いた。

「何もかもをゼロから構築することはできませんし、APIを使うことで仕事が遥かに効率的になります」と彼は言う。「しかしそれぞれのAPIは、異なるフォーマットと認証戦略を持っています。そしてそれらを使いこなすためには、沢山の異なる言語を使いこなさなければなりません」。

そこで、彼と共同創業者のMickey Haslavsky(現在はGM)は、まずこの面倒な点にアプローチするために、最初のバージョンのRapidAPIを開発した。最初のバージョンは基本的に、APIにアクセスするための標準化されたゲートウェイを提供する一連のAPIラッパーだった。

「Githubに載せた数ヵ月後に、5000人もの開発者がそれを利用していたことを知って驚きました」

RapidAPIの急速な成長は、様々なAPI自体の増加を反映している。現在、約2万5000のAPIが存在していて(ほんの10年前には約800程度だった)、開発者は1つのアプリに対して、平均して10から15個のAPIを利用している。APIは急速にアプリ構築に不可欠な要素となった。アプリ自身の中でサービスに素早く簡単にアクセスすることと、アプリを外部かた使ってもらうことの両方に役立つのだ。アプリケーションの運用がAPIを活用することで行われる「APIエコノミー」(API-powered economy)は、これからの10年で2.2兆ドルを生み出すと予測されている。

収益という点に関しては、現段階でRapidAPIはあまり大きなものは得ていない。Ginoによれば、同社はそのプラットフォームを使って行われるAPIコール(コールの価格はビジネス毎に異なっている)から1パーセントを徴収していると言う。ひとつひとつはとても小さなものだが、規模として考えた場合、ビジネスは長期的には非常に大きなものになる可能性がある。現時点ではGinoはその収益に関しては「数百万ドルです」と述べるだけだ。

これに加えて、創業者たちの強みと、彼らがこれまでにアイデアを開発してきたやり方が、この先のビジネスが上手く行くことを十分に示唆している、と語るのは、AndreessenパートナーのMartin Casadoだ。Martinは今回の投資を機にRapidAPIの取締役会に参加した。

「RapidAPIは、世界のAPIの市場で圧倒的な存在になりました」とCasadoはインタビューで語る。「成長は驚異的です。私たちは優れた創業者から始まり、興味深いステージに辿り着きました。そして『さあ次はどうする?』という段階なのです」。

もちろん、APIにも課題はある。

APIはそれを作成した会社の資産であるために、開発会社がAPIを独占したり利用規約を変更することで、多くの開発者が足元をすくわれて来た。アプリを構築する唯一の方法は、弾力性を持たせて、第三者のサービスに根本的に依存しないようにすることだと主張する人もいる。

その他にも、ますます増殖するAPIのジャングルにいかに取り組むかという問題がある。適切なものを見つけるにはどうすれば良いのか、また自分たちのサービスが発見されるようにするには企業はどうすれば良いのか?(実際に、APIの発見と利用する仕組みの多くは、開発者がその上に構築するアプリケーションの仕組みと似通ったものだ)。

RapidAPIはこの点に関して2つの方法で支援できる可能性がある。1つは似たような目的に利用することのできる沢山のAPIの選択肢を持っているので、ユーザーは1つのAPIを失っても代替品を比較的簡単に見つけることができるということだ、そしてもう1つはそのマーケットプレイスが発見の支援を行ってくれるということだ。

Ginoによれば、現時点ではAPIは使用状況に基づいて「順位」が変わるということだ。もっとも人気のあるAPIが最初に見つかるようになっている。しかし将来的に、RapidAPIが発見メカニズムを調整し洗練してくることは容易に想像できる。

「Rapidは、混沌としたAPIの状況に秩序をもたらします」とCasadoは語る。

RapidAPIの競合相手となる沢山のディレクトリサービスも存在している。その中にはZapierIFTTT(これもまたAndreessenに支援されている)も含まれている。とはいえGinoによればそれらはあまり開発者を意識したものではないと言う。また、ProgrammableWebには長年提供されてきたAPIディレクトリがあり、世界最大規模であることを主張している。とはいえこれにはRapidAPIが提供するような単一ゲートウェイを通したアクセスツールはそれほど取り込まれていない。

想像できる限りの沢山の企業たちが、この世界にビジネスを広げるために進出しようとしている。開発者に焦点を当てたMicrosoftのAzureやAmazonのAWSから、Stripeのように、それ自身支払いAPIの上に構築されながら、統合容易なビジネスサービスとして急速に拡大しているものまで色々だ。(ちなみにGinoは、Stripeと創業者のCollison兄弟を、彼の「インスピレーション」だと言っている)。

これらすべてのプレーヤーたちとアプリケーションやAPIの成長を考慮すると、全体として機会は広がっている。そして私たちは、その機会をものにするための最良のやり方がどのようなものであるかを見出すための、ほんの入口にたどり着いたに過ぎないのだ。

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(翻訳:sako)

いろんな既存サービスからスプレッドシート上にデータを読み込むツールBlockspringが$3.4Mを調達

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ExcelやGoogle Spreadsheetsなどのスプレッドシートに簡単に外部データをインポートできるサービスBlockspringが、340万ドルの資金を調達した。

Blockspringを使うと、たとえば検索エンジンBingの検索結果などを自動的にスプレッドシート上に読み込むことができ、またソートもできる。ユーザはそのためにコードを1行も書く必要がなく、Blockspring自身が主なデータソースに接続するためのコードをあらかじめ持っている。その方法で近くBlockspringは、TableauやSlackなども統合するつもりだ。

BlockspringのCEO Paul Katsenはこう言う: “技術者はサービスを作ること以外の雑用をたくさんしなければならない。たとえばアプリケーションを作ったら、その使い方を企業のユーザに教えなければならない。うちはデベロッパとユーザのあいだに立って、新しい機能を実装し、企業のユーザなどに提供していく”。

たとえばユーザがWebで見つけたPDFをスプレッドシート上に読み込んで分析したい、と思ったら、Blockspringを利用すればよい。その記事の検索やダウンロード、分析などもBlockspringでできる。またBlockspringのAPIを利用して、データをいろんな方法で操作できる。

Katsenは曰く、“現状はいろんなWebサイトが、データの規格も接続の規格も違いすぎるから、それらを一見統一する、うちみたいなところが必要なんだ。ひとつひとつの違う規格やアクセス方法を、ユーザ自身が勉強してたら、たいへんだからね。APIを提供しているサービスは多いけど、そのAPIの使い方が、まちまちだ。だからうちみたいなサービスがあれば、何十万人もの技術者たちの、無駄な努力をなくせるのだ”。

Katsenはいわば、データとユーザを取り持つ仲人(なこうど)だ。主にコンサルティングをやってるあいだに、どこのユーザもこの問題を抱えていることに気付き、プログラマの仕事に入り込んでいった。協同ファウンダのJason TokophとDonald Pinkusも、デベロッパと企業のユーザを結びつけるこの仕事に、生きがいを感じている。

“誰でも、いろんなアプリケーションひとつひとつのAPIを自分で勉強して、データを読み込むツールを、自作しようと思えばできるけど、しかし、どの企業でもITの人たちがそれをやってるところを想像すると、おそろしいよ。彼らに、そんなひまはない。しかも、デベロッパがまったくいない企業だって、少なくない。だから、既製のツールがあることが、とても重要なんだ”、とKatsenは言う。

Slackなどのサービスをそのツールのレパートリーに加えたら、そのあとは、各企業の社内のデータベースからデータをスプレッドシート上に取り出すサービスを作る予定だ。どこの大企業もでっかいデータベースを抱えていて、そこには見込み客情報など重要な情報がある…スプレッドシート上でそれらをいちいち手入力するのは徒労だ。だからBlockspringのツールで、簡単にデータベースのデータを読み込めるようにしたい。

アップデート: 現状でBlockspringは、検索エンジンはBingとGoogleをサポートしている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa