スキマ時間バイトのタイミーがGoogle出資のAIスタートアップのABEJAと提携、在宅ワークもタイミーで

空き時間に面接不要ですぐに働けるスキマ時間シェアのサービスを展開するタイミーは5月1日、ABEJAとの提携を発表した。ABEJAはGoogle(グーグル)本体も出資しているAIスタートアップ。自社開発のディープラーニング技術を核に、AIの社会実装事業を展開している。

一見意外な組み合わせだが、ABEJAとしては自社開発のプラットフォーム「ABEJA Platform」を活用した在宅ワークの業務拡大のため、タイミーとの提携を決めたようだ。タイミーのシステムとABEJA Platformを使うことで、データ入力業務を自宅などで好きな時間にできるようになる。

ABEJAがタイミーで第一弾として募集するのは、AIモデルの学習用データを作る「アノテーション」業務。アノテーションの作業は外部の専門業者に委託するのが一般的だったが、新型コロナウイルスの感染拡大によりオフィスなどの集まって作業することが難しいため、ABEJA Platformを活用してクラウド完結型のアノテーション作業を実現。5月以降は、タイミーと共同でABEJA Platfrom上で請け負える体制を構築。具体的には以下のような業務が想定されている。

  • 書類の中の必要項目を見つけExcelシートに入力するデータ入力
  • スポーツの試合映像を見て試合状況などのデータ入力
  • 指定住所までのアクセス方法の入力
  • 商品棚卸データの入力
  • 契約書の項目の抽出、データ入力
  • 商品の撮影、および商品情報や状態のデータ入力
  • SNSのインフルエンサーのデータ入力
  • 名刺、請求書の取り込み及びデータ入力
  • 不動産物件に関するデータ入力

今回のABEJAとの連携は、飲食店などの外食産業だけでなく、在宅ワークにもフレキシブルに労働力を提供するプラットフォームとしてタイミーが成長するキッカケになりそうだ。

Googleが日本のAI/ML企業ABEJAに投資

GoogleがAIと機械学習を手がける日本のABEJAに出資した。Googleが直接、しかも日本で投資をすることは、とても珍しい。

投資額は公表されていないが、数百万ドルぐらいらしい。創業6年になるABEJAによると、同社のこれまでの調達総額は60億円(5300万ドル)だ、という。そしてCrunchbaseによると、同社が公開しているこれまでの調達額が4500万ドルだから、53-45=800万ドルになる。ただしこれには、Googleからの投資以外に2014年のシリーズA(これも非公開)も含まれているはずだ。

数字はともかくとして、この投資が注目に値するのは、Googleの日本における投資であるだけでなく、戦略的投資でもあるからだ。

ABEJAはこう声明している: “今後ABEJAとGoogleは、リテールや製造業など、さまざまな分野のAIとMLによるソリューションでコラボレーションして、AIソリューションのアプリケーションをより一層振興し、日本のAI産業の成長に貢献したい”。

同社の主製品は機械学習を利用する‘platform as a service, PaaS’で、現在150社あまりの企業顧客が、ABEJAを使って彼らのデータ集積から事業分析やさまざまな識見(インサイト)を開発している。同社によると、リテール向けの専用製品は顧客データと売上データに的を絞り、およそ100社に利用されている。

Google Cloud Japanの代表取締役(マネージングディレクター)Shinichi Abe(阿部伸一)は、次のように声明している: “ABEJAには強力な技術力とMLの専門的技能があり、そのコラボレーションの実績と、技術的ソリューションの効果的なデプロイメントで業界全般から高く評価されている。この投資は、リテールと製造業、およびその他の分野における革新的なソリューションで、ABEJAとのコラボレーションの道を拓くものである”。

Googleは、中国でAIと機械学習に大きく注力しており、昨年は北京に研究開発部門を開設した。しかし同社の研究とフォーカスの大半は、アメリカとヨーロッパが主力だ。Deep Mindの本社もヨーロッパにある。Googleは、インドシンガポールでもAI/ML関連の買収をしているが、それらの主な目的は、今後の成長市場における、Google製品のローカライゼーションだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

AI開発ノウハウをオープン化するABEJA、米Googleから数億円規模と見られる資金調達

AIプラットフォーム「ABEJA Platform」などを展開するABEJAは12月4日、2018年6月に実施して42億5000万円を集めたシリーズCのエクステンションラウンドとして、Googleなどを引受先とした第三者割当増資を発表した。Googleからの出資は、同社の投資部門(GV)からの出資ではなく、Google本体からの出資となる。

調達金額は非公開ではあるものの、企業データベース「Crunch Base」によれば、シリーズC以前の同社の累計調達金額は、金額が公開されているものだけを合わせても約4500万ドル(現レートで約50億円)。同社が本日発表したリリースには「累計調達額は60億円を超えた」とあるから、非公開分やレート差分を考慮すると数億円台後半、もしくは10億円前後の規模だと推測できる。

ABEJAは2012年の創業で、当初よりディープラーニングを軸とするAIを活用したプラットフォーム「ABEJA Platform」の開発に取り組んできた。これは、ABEJAが蓄積した過去の開発実績やノウハウをオープンなプラットフォームとして提供するというもの。様々な業界、顧客に合わせたソリューションを提供しており、AIの本番運用を支援した企業数は現在150社を超えるという。

また、小売・流通業界、製造業界、インフラ業界向けに特化したパッケージサービス「ABEJA Insight」も提供しており、これまでに国内約100社への導入実績があるという。2017年3月にはシンガポールに法人を設立し、グローバル展開も果たした。

Google Cloud Japan代表の阿部伸一氏は、「ABEJAは、機械学習領域における優れた技術力のみならず、日本のAI市場において数多くの企業と実装レベルでの協業実績を持つ」とコメントし、ABEJAの技術力と導入実績を評価した。

ABEJAは今回の資金調達ラウンドの実施を受け、「引き続きAI、特にディープラーニングの活用により国内外問わず多様な業界やシーンにおけるビジネスのイノベーションを促進し、産業構造の変革に貢献する」とコメントしている。